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LifeGame  作者: 大狼るり
3/6

掟―Rule

「ライフ・ゲーム?」

 俺は聞きなれない単語に少し戸惑った。

「はい、辻峰様にはそちらにいる東条月様と命賭けてゲームしていただきます」

「・・・負けたらどうなるんだ?」

 俺はマサクニに質問した。

「敗者に生きる価値なんてありません。よって敗者には」

――死んでもらいます。

 は?コイツ今なんて言った?死んでもらうだと、冗談じゃねぇ!!俺は感情的になり思い切りマサクニの胸ぐらを掴んだ。

「辻峰様何をしてるんですか?」

「てめぇ頭でもイカれたか」

「おっしゃっていることが理解できません」

「てめぇ!!」

 俺はその不気味な笑みを浮かべた仮面に向かって殴ろうとした。

「言い忘れてましたが」

 マサクニがズボンのポケットから黒い鉄の塊を出し、俺の額に突き付けてきた。それはゲームや漫画でよく見る。

――銃だった。

「暴力行為などをした場合は殺しますのでご注意を」

 銃には微かに火薬の臭いもする、そしてマサクニが俺に向かって引き金を引いた。だが音がしない。

「おや、弾切れでしたか。後で装填しなければ。辻峰様"運"が良かったですね、もし弾が残ってたらあなたは死んでました」

 俺は確信した。紛れもない本物だと。俺はおとなしく手を離しそこにあった椅子に座った。あんなもん突き付けられた殴る気も失せる。

「あなたよっぽど死にたいのね」

 後ろから東条が話しかけてきた。

「あんたは怖くねぇのかよ、このイカレたゲーム」

「別に」

 どうやらここにはまともな奴がいないらしい。死ぬことが怖くないなんてありえねぇ。それに人が死ぬかもしれないのに平然としてやがる。

「ちなみに東条様はライフ・ゲームで2回勝ち続けています」

「なんだと?」

ならこいつは2回も人が死ぬとこを見たのか。

「あんた人が死ぬとこ見たのか?」

「えぇ見事なまでの無様な死に顔だったわよ。ま、あんな人間死んで当然よ」

 東条は何の感情も出さないでただ淡々と言いやがった。

「それでマサクニ、ゲームはまだかしら?」

「それでは今回のゲームを発表します。今回のゲームはポーカーです。」

「ポーカー?」

 俺は聞き直した。名前ぐらいは知っているがルールとかは全く知らない。

「はい、ポーカーはギャンブルの中ではとても有名なゲームです。トランプを使ったゲームです」

「あなたポーカー知らないの?」

「あぁ無知で悪かったな」

 どうやら知らないのは俺だけらしい。

「それではポーカーのルールを混ぜながら今回のゲームの説明をします」

 マサクニが指を鳴らすと後ろにいた女性が大きな箱を両手で持ちこっちに運んできた。

「あなたたちの命はあたしが買いました」

 ・・・とうとう何を言ってるのかわからくなってきた。

「その箱に入ってるのは"チップ"です」

 箱を開けるとその"チップ"がびっしり入っていた。一体いくらするのだろう。

「入っている枚数は1000枚、ざっと10億ですね」

「じゅ!?10億!!?」

 その金額に俺は驚愕した。

「お一人500枚なので5億ですね」

「5億・・・」

 1枚100万か・・・いかん、しっかりしろ。命が懸かってるのに誘惑に負けんじゃねぇ。

「本来は命の価値はこれよりはるかに高いですが我々が出せるのは精々このぐらいです」

「つまりライフ・ゲームってのは」

「はい、相手のチップを奪い自分の価値を上げ存在を示すのがこのゲームでございます」

 なるほど、そういう仕組か。俺は納得したが一つ疑問が生じた。

「おい、引き分けの時はどうするんだよ」

 俺はマサクニに質問した。

「引き分けはございません」

「は?なんでだよ」

「これは命を賭けたゲームです。引き分けというそんな甘い考えはありません。もし引き分けになってもゲームを延長するのでご安心を」

 マサクニが俺に向かって丁寧にお辞儀をした。安心できるかっつうの。そしてマサクニはルールの説明に戻った。

「それではポーカーのルールに入ります、ルールは至って簡単です。53枚のトランプから5枚ずつお二人に配ります。その5枚の中に相手よりも強い役があれば勝ちというゲームです」

 そう言いながらマサクニはカードをシャッフルし俺と東条に5枚ずつ配った。

「弱い順にワン・ペア、ツウ・ペア、スリーカード、ストレート、フラッシュ、フルハウス、フォアカード、ストレートフラッシュ、ロイヤルストレートフラッシュの9種類です。しかしロイヤルストレートフラッシュはイカサマって言ってもいいですね」

 要は相手より強い手札であれば俺の勝ちってことか。

「大まかなルールは以上です。このゲームはほぼ"運"で決まりますからね、イカサマなんて考えても無駄です。」

 なぜか運という言語だけ強調していった気がした。確かに最初から順番はバラバラだから運しかないな。

「ゲームは5ゲーム行われます。ゲームがすべて終わり総合枚数が多い方が勝ちです」

「すまん、これって何時に終わるかわかるか?」

 さっきから腹が減ってしょうがない。これじゃ頭が回らないぞ。

「そうですね一応0時には終わらせる予定です。飲食は我々がお持ちしますので安心してください」

 まじかよ、俺の命はあと4時間で決まるのかよ。てかあんたらが飯出すのかよ、毒とか入れてないだろうな。

「それではリハーサルを行います」


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