変化―Change
――ピピッピピッ
今日はちゃんとデジタル時計のアラームに気付いた。寝たはずなのに身体がダルい。布団で寝てないから身体が痛い。時刻は6:30、俺がいつも起きる時間だ。
「汗臭いな」
昨日は風呂に入らないで寝たしな、おまけに制服もシワだらけだ。とりあえずシャワー浴びるか。
しばらくして俺は制服にアイロンをかけていた。昨日のことが頭から離れない。教会っていったらここ何年も使われてないって拓哉から聞いたことあるな。どうやら山奥にあり誰も近づかないらしい。
「めんどいことになったな」
本当にめんどいことになってしまった。ゲームってなんなんだよ。何故俺なんだ。疑問がどんどん出てきてキリがない。今日は金曜日、まだ平日だ。こんなことに巻き込まれたが学校には行くか。昨日のこと言っても誰も信じないし、いや信じる方がおかしいか。言ったらアイツが何するかわからないし黙っとくか。学校に行く支度を済ませ部屋を出た。登校中いきなり背中を叩かれてびっくりした。
「おっはよう」
後ろを振り向くとそこには拓哉がいた。
「なんだお前かよ」
「なんだよはないだろ、それにお前なんか元気ねぇぞ?」
こういう時に限って鋭いんだよなコイツ。
「別にそんなことない」
「ふ~ん、ならいいけどさ」
まぁ怪しまれるのも無理ないか。
「ほら突っ立てないで行くぞ」
「うい~」
平凡だ。まるで昨日のことが嘘みたいに感じる。
「あ、ケン今日放課後空いてるか?」
「なんでだ?」
「今日部活休みなんだ。久々にどか遊びに行かないか?」
「悪い今日は人と会う約束してるからパス」
「お、ついに彼女が出来たのか?」
といいながらニヤニヤしながら言いやがっている。
「んなわけないだろ、俺に出来ると思うか?」
「うん、出来ないね」
きっぱり言いやがった。それはそれで悲しいな。
「うん、やっぱいつものケンだな」
「なんじゃそれ」
そんなことを言いながらも学校に着いていた。いつものように平凡な時間は過ぎていく。あっという間に授業が終わりもうすでに下校の時間になっていた。
「おい、ケンなにボーとしてんだよ」
「ん?あ、あぁ。もう終わったのか」
「しっかりしろよ」
「あぁ」
「んじゃなケンまた明日な」
「あぁじゃあな・・・」
拓哉と友人達の姿が見えなくなったのを確認したら、俺はマンションと真逆の方向に足を運んだ。やっぱ昨日のことが引っ掛かる、確認しに俺は教会がある山に向かった。
時刻は7時を過ぎていた。ひたすら山の中を歩き、教会を見つけた。これ本当に教会か?塗装は剥がれていて、ステンドガラスもほとんど割れていた。まさに荒廃していた。扉の近くに黒いスーツを着た女性がいた。
「あなたが辻峰剣様ですか」
「あ、あぁ」
「では私についてきてください」
俺は言われるがままについていった。扉を開けるとそこは何もなかった。空っぽだ。あるとしたら真ん中に大きなテーブルと椅子が二つだが既に先客がいた。俺と同じ制服を着ている女の子が椅子に座りずっと本を読んでいいる。ようやくこちらに気づき本を閉じ、こっちに向かってきた。
「あなたが対戦相手ですか?」
「は?なんのことだ?」
「新しい参加者ですか、今日はついてますね」
この女何言ってるんだ?わけわからんことが多すぎる。
「おい――」
俺が聞こうとしたらぎぃと扉が開く音がして振り向いたら、仮面を被った人がいた。服装はさっきの女性と同じ服装をしている。身長は180ぐらいだろうガタイもいいおそらく男性だろう。
「あんた誰だ?」
「初めまして辻峰様」
この声!昨日の電話の
「私はマサクニと申します」
こいつが俺を脅した本人、そして"ゲーム"の主催者だろう。
「さぁライフ・ゲームの始まりです」
――これで俺の平凡な日常は変化した。