表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/77

【届かない想い】①

 

 正直、本人を質問攻めにしたい。


 でもそこはグッと我慢して、標的を見つけるなり猪のごとく捨て身タックル!




「朝桐くん日野くん和久井くん! 折り入った話があるんだけどいいかな!」



「うぉっ! え、何、マジで何コレ。嬉しいんだけど!」



「安心しろ。きっとお前が期待しているようなことじゃない」



「そーそー、そんな夢みたいなことあるわけないじゃん」



「バッカ! 聞く前から諦めてどうすんだ! さてさてセラちゃん、何用ですかなっ?」



「城ヶ崎のことを教えてほしいの!」



「ぐはッ!」



「ほらな。世の中そう上手くはできてない」



「できてなさすぎだろ! 城ヶ崎のバカヤローッ!」



「まぁバカは放っといて、なんで城ヶ崎のことが知りたいわけ?」



「どうしてもやらなくちゃいけないことがあって、そのために必要なことなの」




 昨日の教訓に学び、私は敵の本陣に確実に攻め入るための作戦を練ることにした。


 そのために敵のことをよく知るのは必要不可欠。ということで、外堀から着実に埋めて行くことにしたのだ!




「……ふぅん、むざむざライバルの背を押すようなマネはしたくないけど、まぁいいや。和久井?」



「そうだな。俺たちを頼ってくれているのなら力になろう」



「本当? ありがとう!」



「それで、どんな情報漏洩がお好み? アイツの生年月日から、身長、体重、血液型、特技、弱味まで何でも教えてやるよ」




「あ、ありがとう? えっと……とりあえず、城ヶ崎とはいつ頃からの付き合い?」



「そうだなぁ、中3の終わりぐらいか。ここの入試んときに初めて会ったんだよ」




 中3といえば2年前……ちょうど聞きたい時期だ。




「そっか。城ヶ崎って、昔はどんな感じだったの?」



「どうだったかな。ちょっと話したくらいだったし」



「俺もだ。一概にこれとは言いにくい」



「そう、なんだ……」




 早くも行き詰まってしまった。どうしたものかと悩んでいると、日野くんがふと声をあげた。




「そうだ朝桐、確かお前、アイツと同じ中学だったよな」



「へ? 城ヶ崎と? ああそーそー、クラスも同じだった」



「朝桐くん、本当?」



「おうよ。中坊んときは今より大人しかったかもな。


 つっても、取り立てて目立つようなコトをしてなかったって意味だ。ワルそうな人相とか口調とか、全然変わってねーよ」



「そうなの。……ほかに、何か気になることはなかった?」



「気になること……そうそう、アイツといたときに、男が話しかけてきたことがあった」



「男?」




 彼に関わりがある人といえば八神さんだろうか。2年前だから……。




「それって、30代半ばくらいの、優しそうな人?」



「いやいや違う。あれはもっと歳いってた。確かアイツの父親だっつってたけど」



「父親!? その人は城ヶ崎になんて?」



「そう! それなんだけど、よく覚えてなくてさ!」



「肝心なところで役に立たないヤツ……」



「うっ、うっせーな! 昔のことだからちょっと忘れてるだけだ! 待ってろ、すぐに思い出してやるからな!」




 朝桐くんはう~ん、う~んと腕組みをして考え始めた。黙って見守ること数十秒。




「そうだ! オッサンが城ヶ崎に『一緒に住もう』って言ってきたんだ! でもアイツ、やけに嫌がっててさ」



「……え?」



「意味はわからなかったけど、『俺は騙されねぇぞ!』って叫んでた。


 そうしたら、オッサンがしつこく食い下がってきたんだよ。『母さんも苦労してる。頼む。頼むから!』って」




 それはどういうこと? 城ヶ崎が、父親について行くことを嫌がっていた?



 驚くべきことだけど、もっと引っかかるのは……。




「――何をしている」




 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ