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獣で叫ぶ愛  作者: 子子子
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説明かコレは?そんな今回ですが、どぞ!


湖の近くで見知らぬ美形と出会い、気を失った私は、次に起きた時、呆然とした。


少しぽっちゃりとした見慣れた寸胴体型は、ふわっふわのもっこもこの真っ黒い狼の赤ちゃんのような姿に変わっていたのだからー。


あれから二ヶ月、旧)日本人女性、木庭 千景、27歳の私は、現)獣の雌、ブラン、年齢不詳となって日々を満喫している。


何故こうなったのかは、湖以前の記憶が曖昧でよくわからない。


でも、私は今のこの姿がとても気に入っているので、気にしていない。


予測として信じられないことだが、多分私は異世界トリップをしたか、もしくは転生したんじゃないかと思う。この私の持っている日本で過ごした記憶に誤りがなければだが。


私がそう思うのにはちゃんとした理由がある。なんとこの世界には魔法があったり、聖霊がいたりするのだ。魔物もいるし、その上私が出会って、現在一緒に暮らしている美形は魔法使いだったりする。日本では、ファンタジーの世界がここにはあった。


ちなみに、美形の魔法使いは、私がこの世界で始めたいた湖を囲むように広がっている森、"闇の森"と呼ばれる場所に小さな家をかまえて、一人で暮らしていたようだ。


彼は、湖で気を失った私を自宅に連れて帰り、ペットとして子狼もどきを飼ってくれるようになった。どうやら、ふわっふわのもっこもこの体をいたく気に入った様子で、ことある毎に撫で回されている。


彼は私に"ブラン"と言う名前をつけてくれたが、私は彼の名前を知らないので、"ご主人"と呼んでいる。なにせこっちは獣として飼われているのだ。これ以上に相応しい呼び方はないだろう。それが例え獣の声にしか聞こえないとしても。


ご主人と私の私生活は、のんびりとしていて穏やかだ。朝はお互い起きたい時間に起きて、昼間は私が昼寝をしている間に、ご主人がなにやら怪しい薬を作る。それを時折訪ねてくる人たちが、食料品や日用品と交換して持っていく。そして、夜はご主人と戯れるという、単調だが安らぎに満ちた生活を繰り返している。


普通なら人間に戻りたいだとか、元の世界に帰りたいだとか思うのだろうが、生憎私はそんなことは一度も思ったことはない。

懐かしむ気持ちはあるものの、あちらの世界にあまり未練は感じていない。今、戻れる、帰れると言われても全力で拒否する自信があるくらいだ。


何故そんなにも嫌がるかというと、第一に向こうでの生活に疲れていたことが挙げられる。別につらい体験をしたわけではなく、一般的な生活の毎日を送っていただけなのだが、昔から強迫観念というか漠然とした不安に苛まれていた。それがどういう不安なのかはうまく説明できないが、自分に起こる些細な事件や少しずつ変わっていく人間関係、なにをするでもなく過ぎていく毎日に閉塞感を感じていたのは確かだ。

そして、第二の理由はご主人とご主人との生活にある。実は私、ご主人に一目惚れしたようで、現在進行形でご主人熱愛中なのだ。そうなると、人間に戻りたいと思いそうだが甘い。人間に戻れば、捨てられる可能性は高くなるし、うまくいったとしても別れるかもしれない。そんな不安に怯えるくらいなら、いっそペットのまま可愛がってもらったほうがずっとご主人といられる可能性が高い。しかも、ペットの私は魔法も使えるし、精霊ともお友達、なおかつ最近判明した大きさが変わるという便利ペットなのだから。そんな私の生活は、三食昼寝付きという破格の待遇。人間だったらまずあり得ないだろう。仕事や人間関係に悩まなくていいし、大好きな人と一緒にいられるこの毎日を手放す気にはなれない。薄情者と罵られても、今の私は、漠然とした不安から解放され、穏やかに生きているこの日々が何よりも大切なものなのだから。


次回は話が進みます!…多分(;゜Д゜)


☆お礼☆

読んてくださった方、ユニークや評価をくださった方、そしてお気に入り登録してくださった方々、本当にありがとうございます!!更新は遅いですが、今後もお付き合いいただければ幸いです(#^.^#)

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