条理
私の大好きな先生へ
常に自分より相手の事を考え、心から慈悲愛に溢れていた。自分よりも誰よりも人の長所を見いだし、才能を伸ばすことを教えてくれた。それはこの世界の真理を突いたことばかりで、より一層自分の中の〈何か〉が拓かれた気さえする。
そんなアナタが愛おしくて、尊くてなりません。
だけど、最近私の事を避けているみたいなのですが、イッタイどういうことナの? 何かワるいコとでもシたのかしラ? それはワタシガ醜いィからナの? それともこの髪型がキにいらなかったのカしら? 気にィらなかったノなラ、今すぐにでも変えるワ。この体型もキニイラないかしら? なんでもするワ、ワタシガなんでもするわ。だから愛しィ先セイこっちを向いて下さいナ。
先日のことは、きっと何かの間違いよネ? 誰ナノあの憎たらシい女は? 化学薬品塗レで臭いッたらあリゃしない。
ベッドで喘いでイタけド、あれハ演技よ。だって本人ガ言っていたのデすもの。先生に対しテ演技するなンて、恥知らずモいいところだワ。だから先生に変わっテワたしが粛清してォきました。
あぁ愛しい先生。
あぁ愛しいアナタ。
アナタはワタシのもの。
ワタシはアナタのもの。
何時も何時でも見ております。例えアナタがお風呂へ入っていようが、はたまた、どこかへ遊びに行こうが、何時も何時でも。
ワタシ最近気付いたことが、あります。愛って何だろうってずぅっと、考えておりました。アナタがアナタなりにワタシを愛してくれるように、私はワタシなりにあなたを愛したいと思って、考えました。
アナタの愛している、嫉ましい女に成り代わろうと。
だから先生、ワタシはアナタノモノヨ。
家に帰ると、この異常極まりない手紙が机の上に置かれていた……。
俺とナツミの関係を知っている者はいないはずだ。
手紙に書かれている内容は、事実なのだろうか。もし事実だとしたら、きっとナツミはもうこの世にはいないだろう……。
ケータイにかけるが、一向に反応はない。
そもそもこの手紙の主もダレなんだ……。わからない、判らない。心当たりなど全くないのだ。もしあったとしても、奇妙だ。何故なら俺は、ただのビジネスマンで先生などでは決してないのだから……。
プルルルル、プルルルル、プ……。
「もしもし、ナツミ? 無事なのか!」
「ええ、大丈夫なんともないわ……」
「よかった本当によかった!」
「心配してくれてありがとう。セ・ン・セ・イ」
2009/4




