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ジジイ、ドラゴンよりも腰痛が怖い

「ほほう……これは懐かしいのう」


清は目の前の三八式歩兵銃を手に取り、じっくり眺めた。


木製の銃床、ずっしりとした重量感、そしてかすかに残る油の匂い……。


「いやぁ、懐かしい。まるで青春時代に戻った気分じゃ」


「ほう、銃の扱いに慣れておられるのですか?」


村長ことソンチョーが目を輝かせて尋ねる。


「まぁの、ワシも昔はなぁ……」


清は遠い目をしながら語り出した。


「駐屯地の倉庫でようこいつを掃除しとったわい。そう、ワシの青春はこいつと共にあった……」


「それ、銃の扱い関係ないですよね?」


ソンチョーがすかさずツッコむが、清は気にせず銃を構えようとした。しかし——


「ぬおおおおお!!」


清の腰が悲鳴をあげた。


「い、いたたたたた!こ、腰がァァァ!」


「ご老人、大丈夫ですか!?」


「ダメじゃ……ワシはもうダメじゃ……。ワシの腰を、村の墓地に埋めてくれ……」


「わかりました!」


そんなこんなでソンチョーに肩を貸されながら、清は村の外に出た。そこでは数人の戦士が集まり、ドラゴン討伐の準備をしていた。


「おっ、ジジイか。村長から話は聞いたぜ。銃が扱えるんだってな?」


筋骨隆々の青年が声をかけてくる。


「ほほう、おぬしは?」


「俺はギルドの戦士、ライオだ。ところでジジイ、その銃ちゃんと撃てるのか?」


「ワシを誰だと思っておる。清じゃぞ!」


清はどや顔で銃を構え——


「ぐおおおお!!腰がァァァ!!」


バキバキバキッ!


「またですか!?」


「ダメじゃ!引き金を引く前にワシの腰が引かれた!!」


「おい、こいつ本当に戦えるのか!?」


ライオがソンチョーを睨む。


「う、うーん……。でも、銃が扱える人材「ほほう……これは懐かしいのう」


清は目の前の三八式歩兵銃を手に取り、じっくり眺めた。


木製の銃床、ずっしりとした重量感、そしてかすかに残る油の匂い……。


「いやぁ、懐かしい。まるで青春時代に戻った気分じゃ」


「ほう、銃の扱いに慣れておられるのですか?」


村長ことソンチョーが目を輝かせて尋ねる。


「まぁの、ワシも昔はなぁ……」


清は遠い目をしながら語り出した。


「駐屯地の倉庫でよう掃除しとったわい。そう、ワシの青春は雑巾がけと共にあった……」


「それ、銃の扱い関係ないですよね?」


ソンチョーがすかさずツッコむが、清は気にせず銃を構えようとした。しかし——


「ぬおおおおお!!」


清の腰が悲鳴をあげた。


「い、いたたたたた!こ、腰がァァァ!」


「ご老人、大丈夫ですか!?」


「ダメじゃ……ワシはもうダメじゃ……。ワシの腰を、村の墓地に埋めてくれ……」


「生きてるのに埋めるのはやめましょう!」


村を襲うドラゴン(より怖いジジイの発作)


そんなこんなでソンチョーに肩を貸されながら、清は村の外に出た。そこでは数人の戦士が集まり、ドラゴン討伐の準備をしていた。


「おっ、ジジイか。村長から話は聞いたぜ。銃が扱えるんだってな?」


筋骨隆々の青年が声をかけてくる。


「ほほう、おぬしは?」


「俺はギルドの戦士、ライオだ。ところでジジイ、その銃ちゃんと撃てるのか?」


「ワシを誰だと思っておる。清じゃぞ!」


清はどや顔で銃を構え——


「ぐおおおお!!腰がァァァ!!」


バキバキバキッ!


「またですか!?」


「ダメじゃ!引き金を引く前にワシの腰が引かれた!!」


「おい、こいつ本当に戦えるのか!?」


ライオがソンチョーを睨む。


「う、うーん……。でも、銃が扱える人材は貴重ですし……」


「そもそもこんなヨボヨボのジジイを戦力にカウントするのが間違いだろ!」


「何言ってる。ワシはまだ25じゃ」


「痴呆も入っているのか!」


そんなやりとりをしている間に——


グオオオオオオオ!!!


空の彼方から巨大な影が降りてきた。


「来たぞ!ドラゴンだ!!」


ライオが叫ぶ。


空を舞うのは巨大な赤きドラゴン。その口から炎がほとばしり、地面が焼け焦げる。


「おお、なんと迫力があるんじゃ!」


清は感心したように頷いた。


「こんなに大きなトカゲを見たのは初めてじゃのう……」


「トカゲじゃねぇよ!」


「ならばイモリかヤモリじゃな?」


「いっぺん燃やされれば分かるかな!?」


そんなジジイのボケに付き合っている場合ではない。


「くそっ、銃を使えるなら援護してくれ!」


ライオが清に言う。


「よし、ここはワシに任せるんじゃ!!」


清は三八式歩兵銃を構えた。


「おおおおお!!ワシの青春が蘇るううう!!」


バキッ!!


「腰がァァァ!!」


「ボケ!!!!!!!!!」


腰の激痛でぶっ倒れる清。


「ご老人!?もう戦わなくていいので、どうか安静に!!」


ソンチョーが必死に清を支えるが——


「ま、待て……!ワシはまだ……戦える!!」


清は涙目になりながら、震える手で銃を持ち上げる。


「無理すんなってジジイ……」


ライオが思わず息をのむ。


清はゆっくりと引き金を引いた。


パンッ!


ヒュン……ポトッ……


「……あれ?」


銃弾はドラゴンのはるか手前で落ちた。


「威力、弱っ!!」


ライオが絶叫する。


「くっ、やはりこの銃ではドラゴンには通用しないのか……!」


ソンチョーが悔しそうに呟く。


「今やはりって言ったか?ワシが絶叫してる時何を思っていたんじゃ??」


しかし、その時——


グオオオオオオオ!!!???


ドラゴンが突然、空中でバタバタともがき始めた。


「ん?なんじゃなんじゃ?」


「まさか、ジジイの銃弾が……?」


ドラゴンの地面を削るような声が響く


「んなわけあるかァァァ!!」


よく見ると、ドラゴンの翼に蜂の大群が群がっていた。


「おお!ワシの銃が蜂の巣を撃ち抜いておる!!」


「狙ってやったわけじゃないだろ!!」


ドラゴンは蜂の猛攻に耐えきれず、悲鳴をあげながら空へと逃げ去った。


「か、勝った……?」


「勝った……のか?」


静寂が訪れる。


「ふむ、ワシの華麗な銃捌き、見たか?」


「たまたまだろ!!!」


ライオが思わず地面を叩く。


「偶然でも結果は評価した方が良いと思うがの」


「それは、、、そうだな。認めている」


ライオの答えに清は笑顔で親指を立てた。


こうして、村は一時的に危機を脱した。


だが——


「ん?なんじゃありゃ?」


清が空を見上げると、遠くの空に何か巨大な影があった。


「……あれ、クイーンビーじゃね?」


ライオの顔が青ざめる。


「ぬぅ……次はあれを倒せと?」


清は銃を担ぎながら言った。


——異世界ファンタジーは、ジジイに優しくなかった。

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