面白くない要素とは何か
思い付きで書いたエッセイ的作品です。
続きを作成しない可能性の方が高く、もしかするとエタったり、作品ごとなかったことにする可能性があることはご了承ください。
始めまして。砂石 一獄と言います。
2024年1月より小説の執筆を開始した、いわゆる「初心者」というポジションに属する物書きです。
まず初心者、という前提を皆様に念頭に置いて頂き、早速本題に入ろうと思います。
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小説を書き始めるにあたり、多くの壁に直面しました。まずは「面白い作品とは何か」という部分です。私が二作目として投稿した純文芸作品「金色のカブトムシ」は、今読み返してみると稚拙な文章であり、ところどころに設定に粗があります。
ですが、それでも連載中は純文芸週間一位、という有難い成績を残すことが出来ました。私自身が納得いっていないにもかかわらず、読者は評価をしてくれている。
以上の点から、私は「客観的意見として面白い、面白くないを正確に理解できていないのではないだろうか?」と考えました。その前提を踏まえて、面白い作品を制作する前に「面白くない」を自分なりの言葉で理解しておく必要がある。そう考えたのです。
早速その面白くない要素について紐解いていく——と言いたいところですが。
私自身、既にweb小説を執筆している物書きの集うdiscord内でスレ立てを行い、意見を募りました。そこで得た意見をもとに、私自身が要約した内容について引用いたします。
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[面白くないと感じる作品について(要約:砂石 一獄)]
これを纏めるにあたり、「ただし、描写能力に長ける者は当てはまらない可能性がある」ということに関しては事前に説明しておきます。
結論から言うと。ログを纏める中で私が考える、作品を詰まらないと感じる要素の一番のポイントは「読者を置き去りにする」という部分が大部分を占めていると考えました。
改めて、その「読者を置き去りにする要素は何か」について紐解きます。
①主人公のご都合主義で話が進む
これは、プロットのみを最優先し、展開だけをただ書き連ねた場合に生じる可能性があります。
どれだけ展開に矛盾が生じていようと、自分の「書きたい部分」のみを優先した結果、話のつじつまが合わなくなる。その中で、書き手の思考が優先されることで読者からすれば話についていけなくなる。
=面白くない。と判断されると考えます。
②展開が進まない
主人公が一体何をしたいのか、何を目的としているのかという行動が明確に描写されていない場合。読者は主人公に期待することが出来ません。
私が最初に記載した「動きが少ないとつまらないと感じるのではないか」と考えた部分はここに当てはまります。行動が見えないと、主人公に感情移入することも出来ない。
読者の一番の視点は主人公に当てはまるのですが、その肝心の主人公が何もせずに受け身だけ取っていると「こいつは期待できないな」と見切りをつけてしまうのではないか。と思います。
③作者のみにしか理解できない単語の多用
作品内で、特徴的な単語を描写する際。何の説明もなしに、作中限定の単語を登場させたところで読者はついて行くことが出来ません。単語から意味を読み解くことが出来ればよいのですが、それが出来ない時、読者が話について行くことが出来なくなり「つまらない」と感じてしまうのではないかと考えます。
……一先ずは、三つの要素に分解して纏めました。
「退屈な学校の授業」に当てはめればなんとなくわかるのではないかと思います。
読者が理解できないと、作品は面白くない。ひとまずは、ここに辿り着くのではないかと皆さんの意見を聞いて感じました。
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長々と書き連ねましたが、「筆者の意図を読者が理解できない」ところに”つまらなさ”を感じるのではないか。と私は考えます。
しかし、何事にも例外はあるというもの。「理解できないのに面白い」と思わせることが出来る例外に共通する要素は何だろうか。ということにも私なりの憶測でよければ、触れておきます。
私が考える、共通項とは「理解できないのを前提として書いている」という所です。頑張って理解できるように書くのではなく、元々読者がついて行けないだろうな、と思いながら作品を作り上げる。
そうなると「作者と読者の考えが一致する」という形になることから、面白さが生まれるものと考えます。
小説は、文章を介した読者とのコミュニケーションである。これが、小説を書き始めた一年間で実感した考えとなります。
筆者の伝えたい想いが読者に完全に伝わった時。そこに、作品としての面白さが生まれる、私はそう結論に至りました。
長々と駄文を書き連ねましたが、今回はひとまずここまでとさせていただきます。
次回更新に関しては未定です。もしかすると、飽きてそのまま完結扱いとする、という可能性も否定できません。
ご意見、ご要望等あれば感想やXにてお知らせください。
参考になりそうな意見があれば、自身で考察を行ったのちにまた文章として書き起こしてみようと思います。本当に小説に関しては素人なので、あまり過度な期待は避けてほしいものですが……。
それでは、ここまで読んでいただき、誠にありがとうございました。
砂石 一獄