トイレに行かせて!
授業は残り10分…。
受けてる教科は英語。
只今、小テスト中で教室内はシーンと静まりかえっている。
そんな時に…
そんな静かな時に私の腹痛がピークに達しようとしている!
やっぱりさっきの休み時間に
トイレに行っておくべきだったんだ。
グルルルルッ
おわっ!?
ヤバい、リアルにお腹が痛い。
何でだろう?
昨日のプリンが原因だろうか?
だって3日ですよ?
3日賞味期限が過ぎてるだけだったんですよ?
お母さんが、
「3日はセーフよ。」
って言ったから食べたのに!!!
グルルルルッ!!
うわあっ!?
ダメだ、お腹で猛獣が鳴いていらっしゃる!!!
時計を見るとあと8分。
何故こんな時は時間が過ぎていくのが遅いのだろう?
時間って不思議やなぁ
グルッ!
はあ!!ダメだ…!!!
だんだんおかしくなってきているぞ、自分!!
関西人でもないのに関西弁なんか使っちゃってたもん!!
落ちつけ自分!
しっかりしろ!自分!!
さぁどうする?
静かなこの空気の中で手を上げて言うか?!
『先生〜、トイレに行きたいです…』
1番手っ取り早いよなぁ
でも先生にこう言われたらどうする?
"あと5分だから我慢しなさい"
って。
絶対に笑われる。
クラスの皆に笑われる。
それで、
"あいつかなり腹痛いんだな"
って男子に言われてしまう!!
ってまぁそこまで考える事はないんだけど、
思春期の私にはちょっと辛いよね。
乙女だからさ。
うん。
ギューグルルルー!!!!!
来た!残り3分にして、来やがった!!!
腹痛のビックウェーブが!!
波がっ、なっ、波が!!!
あと3分だから我慢してやろうじゃないか!!
かかってこいっ!
ギュルルー!!
只今!!
私のお腹には緊急警報発令されました!!
ヤバい。
変な汗が出てきたかも。
うおおおおっ!!!
本当に限界が近い気がする。
人生で1番ピンチな時が腹痛ってカッコ悪っ!!!
ふっふっふっ腹痛よ、
勝った!!
間違いなく勝った!!
だってチャイムがなるまであと1分だもの!!
さすがの腹痛も私には勝てなかったようね!!
ふっはっはっは!
『先生!トイレに行きたいです!』
って言わなくて良かった。
キーンコーン
カーンコーン
よし!チャイムがなった!!
"よ〜し、後ろからテスト集めろ〜"
早く、早く、早く、早く!
トイレ、トイレ、トイレ!
グルルルルッー!
やばいけどもうトイレに行けるもんね。
大丈夫だぁ!
勝ったぞ腹痛に!!!
"あっ!?忘れてた〜!
チャイムなったけどこのアンケートだけ
書いて提出してくれ〜"
えっ?
"5分ぐらいで終わるかな?"
なぬ??
今なんて言った!?
まだ、あと、5分!?
"ははは、悪いなうっかりしてて!!"
グルルルルッー!
あぁ神様は居ないのか…
はわぁぁぁ!
ダメだ、もうトイレだと思ってたから何かがゆるんでる!
汗が止まらない ! !!
あぁ、涙と汗でアンケートと明日が見えないよ。
グルルルルッ!!
『先生、トイレに行きたいです…』
私は腹痛に負けたのだった。
おまけに続く。
ガラガラガラー。
今の私には、歩いてる余裕はない!
バタバタバタバタ!!
私は走った、体育祭の時以上に全力で私は走った!!
ゴジラを見て逃げ惑う人達よりも早く私は走った!!
やっとついた!
私の視線の先は
“トイレ”
それしかない!!!
『どいて、どいて、どいて〜!』
誰もいないトイレに私は叫んだ。
聞いた話によると私のこの魂の叫びは
フロア中に響き渡ったそうだ。
後にこれは私の黒歴史として語り継がれることとなる…
そんな事を知る由もない私は
ガチャン!
ジャャア〜!
『ス、スッキリしたぁぁぁ!』
おわり