現実に限りなく近い夢幻
あなたがいなくなった。
夢の中までも。
それは一生続く予感がした。
脳にあなたの姿はなくなっていた。
気付けば声も横顔も忘れ去った。
名前でさえも曖昧になっていた。
存在というものを完全に忘れる直前。
あなたは夢の中に再び出てきた。
以前のように二人で笑い合って。
以前のようにやさしく抱き合った。
そして、以前のように思いっきりフラれた。
それは現実で想定していたものと、ほぼ同じだった。
夢のような日々は夢の中だけでいい。
あなたは完全に泡となり消えた。