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1.兄妹
一般的にゾンビの目玉は頭と一緒に潰れてしまうことが多く、なかなか食べることが出来ない。綺麗なままのゾンビは本当に少なく、噛まれてから4時間程で体が腐ってしまう。その為にゾンビになりたての若ゾンビは希少で頭を完全に潰さなくても脳みそを破壊すれば殺せる事が多い。
「ほら、ジミの大好きな目ん玉だぞ」
「いただきまーす!」
スプーンの上にプリプリした目玉を乗せ、歯で皮を切る。小籠包の食べ方を想像していただくとわかりやすいと思う。中からどろどろした透明な液体が溢れ出てきて、ジミの口の中をいっぱいにする。この液体は若ゾンビにしかなく、ほんのり甘い。
「ほら、骨は焼いてやったぞ」
「ありがとう!」
ゾンビの骨を焼くと食べやすくなり、バリバリとした食感になる。ついでにカルシウムも摂る事が出来るため、この食べ方は子どものおやつによく出される。
「あーもうほら、またこぼしてる。ジミはもう9歳だろ?綺麗に食えよ」
「あれ、ほんとだ」
ジミは食べるのが少し下手くそだ。