英雄症候群
英雄、別名ヒーローシンドローム。
そんな祝福があった。
神からそれぞれが授けられる祝福。
どんな苦難にも困難にも打ち勝つことが出来、笑顔で過ごせる祝福。
とある国の、とある勇者の祝福は英雄症候群。
自らどんな困難へも挑み、困ってるいる人がいればどんな状況でも助け、多くの人から笑顔を向けられる。
そんな世界の物語…
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王族による異世界からの勇者の召喚。
テンプレ中のテンプレ、そんな召喚に巻き込まれた。
少年が2人、2人は親友だった。
幼馴染で、互いのことをよく知っていた。
2人とも召喚された時点で、剣も魔法もこの世界では上位に位置するレベル、魔法の属性だけは真逆だった。互いに長剣を使った。
短髪の少年は、炎と土と闇、長髪の少年は水と風と光。
互いの弱点をカバー出来たため、召喚された世界でも互いに助け合い、守り合い、庇い合いお互いが必要不可欠な存在だった。
召喚される前は、お互いに家族も健在で、別々の部活で活躍し彼女もいた。帰りたくもあったがこの世界を楽しんでもいた。
お互いの長所も短所も知っていた。
信頼しあっていた。
召喚された時点で、2人のステータスには英雄候補とあった。
この世界をでは、みんな憧れであり最も気高く尊い存在。
2人は世界を救うため多くを救った。
皆、英雄候補である2人を大いに頼り、尊敬し憧れた。
2人はまるでこの世界の英雄であった。
その時、魔王が世界に宣戦布告をした。
「この世界を滅ぼすと」
2人は、世界を救うために戦った。
自分だちの元いた世界とは関係なくとも、切れない繋がり、守りたい人が増えた。2人は皆を率いて戦った。毎日のように戦った。多くを守り奇跡的な勝利を重ねて行った。
ついに魔王と相対した。武器を構えて2人で挑んだ。
魔王を苦難の末に討ち取った。
その時、2人とも重症だった。
2人とも助からない、そんなことを思った。
その時、神の祝福が発動した。
英雄候補の2人は、英雄に昇格した。
傷は全て癒えた。
2人とも、喜び歓喜した。
この世界で戦い、この世界に馴染んだ、2人はこの世界に神に気に入られた。
英雄は2人もいらない。
2人は同じ世界にいながら、会うことを許されない。
呪いにかけられた互いを認識できなくなる呪い。
この世界に英雄は2人もいらない。
パラレルワールド、別次元、とくわからないが2人は互いを認知できない2度会えない。
それは呪いだった。
英雄と言う名の呪い。
2人は、魔王を倒して帰った。
でも、とても笑えない。
親友を失った。
神に呪われた英雄と言う名の呪い。
この世界の人々に罪はない。
元の世界に戻りたいとも思うがこの世界を守りたいと思えるほど愛着もわいた。
そして今、この呪いの最も恐ろしいところを実感した、自然と笑顔になる、誰かを救いたくなる。
なんとなくそんな気分になる。
ただそれだけ
だが、それだけでも愛着のある世界、2人で守った世界だと思うと動いてしまう。身体が、心までも。
あいつが守った世界だから。
あいつが、いない分もっと強くならないと
そして月日は流れた…
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皆を救う英雄は、全ての属性魔法を使っていた
二刀流の長剣使い、笑顔を絶やさないそんな英雄
そんな英雄に憧れる人がいる
英雄は笑ってる、ただそれだけ
勢いで、書きました。
なんで、転生、召喚されたものは世界を救うのか
なぜ救い続けるのかなんとなく思ったことをかきました。