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女王クレリア

 女王即位の時が来た。

三将軍を連れ、クレリアが歩んでいく。

聴衆から歓声が上がる。皆、クレリア達の姿に気がついた。

皆からよく見えるように、高台が設置してあった。

クレリアはそれに登っていく。

三将軍も後に続いて登る。

上に上がると、クレリアは皆を見回した。たくさんの人がいる。

「みなさん、今日集まっていただいたのはほかでもありません」

クレリアが大きな声で言う。

「女王の座を私が受け継ぐことになりました。

この国を、正しき方向に導いていければと思っています。

皆、傷ついていると思います。しかし、必ず我々は復興出来るはずです。

平和のため、イシュカルの誇りと共に、国を復興させましょう」

クレリアが言うと、聴衆から歓声が上がる。

皆、クレリアの即位を祝福しているようだ。

三将軍が剣を掲げる。

「剣の国、イシュカル。我々は内乱という大きな壁にぶつかりました。

悪魔という大きな壁にも。しかし、私たちはかならず乗り越えられます。

王女、いや、女王としてこの国を導きます。

皆がついてきてくれるなら、私は頑張れます」

「女王のために」三将軍が口にする。

聴衆からは、クレリア様なら出来ます!などといった声が飛んでいる。

「これよりこの国の女王は私、クレリアです。皆、どうかよろしくお願いします。

お話とはこのことです。皆、お集まりいただきありがとうございます」

クレリアが一礼した。

「よかったな」エイルが笑顔で言った。

「ええ。立派な姿です」セフィラが答える。

「この国がより良き国になることを、祈るばかりだ」ローウィンも感慨深そうにしている。

聴衆はまだざわついている。祝福するムードだ。

「貴重なお時間を取らせました。復興を急がなければならない者は、

すぐに自分たちの場所に戻ってください。

我々も、自分の出来ることを精一杯いたします」

クレリアが言った。

三将軍が剣を収めた。

レスティが感慨深そうにクレリアを見ている。

この女王なら大丈夫だろう。

この国を正しい方向に導いてくれるはずだ。

自分も、手助けが出来ることがあればこの女王の元で尽くそう。

戦いなどあってはならないのだ。

帝国三将軍。

一度は間違った道を歩みかけた。

その償いもしなければならない。

イシュカルとヘインセルが末永く平和であることを祈った。

「イシュカルのため!共に、力を尽くしましょう。隣国のヘインセルにも、感謝を!」

クレリアが大きな声で言った。

聴衆がざわめきながら解散していく。

村や街に戻ったらすぐに皆に報告するだろう。

女王の即位はすぐに国中に知れ渡るはずだ。

新たな女王、クレリア。

平和への第一歩。

その道をイシュカルが歩みだした。

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