悪魔との決着
謎の術はグラリアが解除してくれた。
また同じ手は喰らわない。
レスティが素早く黒い悪魔に接近し、一撃を叩き込んだ。
効いている。傷が修復していない。
「おのれ、聖剣め」黒い悪魔が呻く。
巨大な目玉から、光線のようなものを放ってきた。
レスティは回避する。
絶対に俺が倒れてはならない。
皆、一生懸命戦っている。
「悪魔たちよ!聖剣を持ったものを狙え!」黒い悪魔が命令した。
獣人達がレスティに目標を変えた。
レスティ目がけて突撃してくる。
「させるかよ!」エイル達がすかさず守りに入る。
獣人達の相手をエイル達がする。
レスティは安心して黒い悪魔と戦えた。
黒い悪魔は体に黒い霧を纏い、大きな黒い球を飛ばしてきた。
レスティが力を込めてそれを弾く。
この悪魔は遠距離攻撃が得意だ。ならば接近して一気に決める。油断は出来ないが。
一気に黒い悪魔に接近した。
黒い悪魔は体から生えて触手のような物でレスティを狙ってくる。
触手を切り飛ばす。
斬撃を撃てる距離まで接近した。
悪魔が触手で体を守ろうとする。
だが、レスティは胴体でなく目を狙った。
あいつの目は一つだけ。視界を奪う。
飛び上がり、斬りかかる。
聖剣の一撃が巨大な目玉に直撃した。
悪魔は苦しそうに呻きだした。
これで光線も撃てない。悪魔は身を守るように触手を振り回している。
敵の攻撃が不安定になった。
「フラン将軍!」レスティがフランに呼び掛けた。
「悪魔の触手を弾いてくれ。敵の攻撃は今無差別だ。正確さを欠いている」
「任せておけ!」フランが黒い悪魔の方に飛び出した。
フランがレスティと黒い悪魔の間に割って入る。
振り回してくる触手を全て斬撃で斬り飛ばす。
傷が修復するとはいえ、レスティを守ることは出来る。
「雑魚の集まりが、小賢しい」黒い悪魔は忌々しそうにしている。
「その雑魚に苦戦しているのは、お前の方だ」フランは斬撃を続ける。
フランが時間を稼いでくれている今が好機だ。
レスティが悪魔に接近する。
今までの思い出が一瞬で蘇る、
俺は正しき道を歩めているのか。
迷っている暇はない。この悪魔を倒す!
聖剣の一撃を放とうとする。
聖剣が今までよりも強い輝きを放った。
悪魔の体を聖剣が一閃した。
悪魔が一撃を受け苦しんでいる。今が勝機だ。
そのまま連続攻撃を叩き込んだ。
悪魔が苦しみ、そのまま動かなくなった。
それと同時に白い光が全員を包む。
眩しさに目を細めたが、白い光が収まった後、元の封印の間に戻っていた。
獣人達もいない。
おそらく、勝ったのだ。
部屋には老人が苦しそうに座り込んでいるのみ。
レスティ達は勝った。苦しい戦いだったが、悪魔を撃破したのだ。
皆が喜びの表情を表す。
長い戦いだった。
その戦いも、これで終止符を打つ。




