表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/54

危機

 悪魔と対峙するレスティ達。

レスティの聖剣以外の効果は薄いようだ。しかしレスティの聖剣なら効くだろう。

エイルとフランは役割を理解していた。隙を作ること。

敵の攻撃をなるべく受け止め、レスティに一撃入れさせるのだ。

「俺の大剣はそんなに素早くは動けねえ。まずは俺から行くぜ。

一撃目を入れた後は、頼んだぜ」エイルがフランに言った。

「任せておけ。なるべく、攻撃を受け止めてみせよう」フランが頷く。

「行くぜ!」エイルが駆け出した。

悪魔に向かっていく。

大剣を振りかざし、相手を狙う。

悪魔は片手でそれを防御する。

これでは駄目だ。まだもう一方の片手で攻撃を受けられる。

レスティは隙を狙っている。まだ飛び出してはならない。仲間を信じて待つ。

フランが次に飛び出した。しかし、その間にエイルが爪で斬られ、吹き飛ばされてしまう。

「くそっ、すまねえ」エイルが元の位置に戻され、床に倒れ込む。

セフィラが急いで救援に向かった。

グラリアとクレリア、部下達は動けない。戦いを見守っていた。

フランが相手に接近すると、悪魔もフランを狙ってきた。

爪での攻撃。鋭いが、防げる。

剣で爪の攻撃を弾き続ける。

今ならいける。レスティが判断した。

フランと戦っている悪魔目がけて飛び出した。

爪はフランに向かっている。今なら切れる。

しかし、レスティが接近した瞬間、悪魔の二本の鋭い角が急に伸びた。

思わぬ攻撃に、急いで体を逸らそうとするが、レスティとフランが角に刺されてしまう。

セフィラは焦った。これでは、勝てない。

「攻撃が爪だけだとでも思ったのか。甘いな。奥の手というのは存在するものだ。

聖剣さえ無ければ後はどうにでもなる」悪魔が高笑いしている。

「セフィラ、俺はいい。レスティの治療をしてくれ。レスティ無しじゃ勝ち目はねえ」

しかしエイルは傷で動けない。セフィラ一人でレスティまで接近したら、

簡単にやられてしまう。

レスティもフランも倒れこんでいる。時間が無い。どうすりゃいい。考えるんだ。

仲間たちは動けない。隣にクレリアとグラリアがいるが、動ける様子はない。

仲間達に動いてもらうしかない。エイルは閃いた。

「おい、将軍!」エイルがグラリアに聖石を手渡した。

グラリアがそれをわけもわからず受け取ると、グラリアの体が軽くなる。

「お前も帝国五将軍の一人なんだろ。セフィラが治療する時間を稼いでくれ。

急いでくれ。レスティもフランもやられちまう」エイルが急いで言う。

石を受け取ったグラリアは考え込んでいた。

あの二人でも不覚を取った相手に私一人で時間を稼げというのか。

逃げる選択肢も無くはない。しかし、ここで逃げてもいずれは悪魔に殺される。

ここで逃げずに戦えば、私は勝利の立役者だ。位の高い姫も見ている。

「わかった。任せておけ」グラリアが剣を抜いて、即座に悪魔に向かっていく。

「なんだ。まだ動けるやつがいたのか。だが、雑魚ごときに何が出来る」

セフィラが急いでレスティの元に向かう。

「雑魚に何が出来るかどうか」グラリアが構えた。

「その目で確かめてみるのだな!」

グラリアが斬りかかる。しかし、斬りかかったのは最初の一度だけ。

注意を引いて、防戦に回ればよい。するべきは時間稼ぎだ。

そしてあの角の攻撃に気を付けること。あとは爪を弾いていれば問題ない。

悪魔は爪で連続攻撃をしてくる。グラリアはそれをなんとか防御した。

グラリアはレスティとフラン程、強くはない。

精一杯の戦いだった。

セフィラがレスティの治療をしている。

もう少し時間が稼げれば、再びレスティが戦える。

悪魔が二人を倒した角の攻撃を放ってきた。

だが今度のは奇襲ではない。最初から撃ってくることがわかっていた。

グラリアがそれをギリギリで回避する。

しかし、回避はしたもののバランスが崩れた。

悪魔が爪で連続攻撃を仕掛けてくる。

グラリアはある程度防いだが、爪での攻撃を喰らってしまった。

グラリアがその場に倒れ込んだ。

「結局は雑魚ではないか。笑わせる」悪魔は勝ち誇っている。

クレリアが戦いの様子を見つめていた。

ありがとう、グラリア。

そして希望を託した。

再び立ち上がったレスティに。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ