封印の間の鍵
「これからどうするか。悪魔の進撃は防いだ。各地も、もう大丈夫だ。
今まで後手に回ってきたが、今度はこちらから手が打てる」レスティが言った。
「手を打つと言ってもどうするんだ?悪魔がどういう仕組みで沸いてるのかもわからんぞ」
エイルが困っている。
「イシュカル地下通路」レスティが言った。
「あそこに女王は行ったと言っていた。何かあるとすれば、やはりあそこだろう」
「母上に詳しく聞いてみる必要がありますね。
今までの状況も報告しなければ。母上に会いに行く必要があると思います」
クレリアが言った。
皆が同意し、女王の元まで向かう事になった。
もう大分休めているはずだ。
レスティ、エイル、セフィラ、クレリア、フラン、グラリアが女王の元へ向かう。
女王の部屋に辿り着いた。クレリアがノックする。
「母上、お話を伺いに参りました。皆も一緒です」
「わかりました。入ってください」女王の声が聞こえた。
クレリアがドアを開けて中に入る。
皆も後に続いた。
女王はベッドで横になっていたが、体を起こす。
「母上、悪魔たちは撃退しました。しかし母上を操っていた悪魔は現れていません。
イシュカル地下通路の先の封印の間に行ったとおっしゃっていましたね。
この国の事を知っておきたいと。理由はそれだけですか?」クレリアが尋ねる。
「何かに導かれているような感覚はありました。なんとなく無意識に、足を伸ばしていたのです」
女王が答える。
「封印の間には鍵がかかっています。その鍵は、まだ私が持っています。
あなた達に渡しておきましょう。そこの、白い引き出しの一番上に入っています。
持っていってください」女王が引き出しを指差した。
クレリアが引き出しを開ける。確かに鍵があった。クレリアはそれを取り出した。
「これで封印の間とやらには入れるようになったわけか。
悪魔の親玉みたいのがいるのか?」エイルが考え込む。
「いてくれた方が都合はいいな。見えない敵と戦い続けるのは、あまり良くない」
フランが言った。
「悪魔のトップがいたとしても、その悪魔はかなり手ごわいのではないか。
大陸中に悪魔を呼び出すような悪魔だ。勝てる見込みはあるのか」
グラリアが疑問を口にする。
「俺の剣なら倒せるかもしれない」レスティが剣を取り出した。
「この剣は聖剣らしい。悪魔と戦う時に使ったが、悪魔に対する効果は抜群だ。
信じられないような話だが、こことは別の世界で受け取ったものだ」
レスティが異界の事を語った。
「そういえば、女王様に取りついていたあの悪魔はその剣に反応して苦しんでいました。
確かに、その剣ならば悪魔に勝てるのかもしれません」セフィラが様子を思い出しながら言った。
「レスティ頼りだな。無論、普通に戦って勝てるようならそれでいいんだが。
とりあえず封印の間まで行ってみないと始まらないな」エイルが言った。
「戦いは一旦落ち着いた。行ってみよう、イシュカル地下通路へ」
レスティが提案した。
皆が頷いた。
イシュカル地下通路。伝統あるイシュカルの、古の通路。




