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防衛戦線

 城下での戦いが始まった。

敵の数が多い。

前衛は防衛に徹し、ヘインセルの魔法で攻撃するのが良いと思われた。

「防衛に徹するのだ!無理な攻撃はするな!守ることだけを考えろ!」

グラリアが指示を出す。

グラリアの部隊は守りに徹している。

セフィラの部隊が必死に魔法で援護する。

しかし、国王の部隊がいなくなっていることもあり、

前の城の戦いほどの火力は無かった。

悪魔たちは容赦なく襲い掛かってくる。

狼、獣人、飛兵。

巨体をした悪魔もいる。

じりじりと押されていく。守りきるのは難しい。

しかし、指揮官を倒したこともあり、敵の攻撃は単調な事だけが救いだった。

グラリアは城までの撤退を考えていた。

城内に入れば少なくとも、飛兵と巨体の攻撃は防げる。

「全軍、少しずつ後退せよ!城に入れば少しは有利になる!」

グラリアが指示を出す。

部隊が少しずつ後退しながら戦っていく。

城内に入れば敵の攻撃は防ぎやすくなるが、ヘインセルの魔法部隊の援護の威力が落ちる。

グラリアの部隊が鍵となる。

セフィラもそれをわかっていた。

この将軍は何を考えているのかわからないが、人間の味方なのは確かだ。

それを信じて、後退することを決めた。

「城内まで引きます!急いで撤退を!」セフィラが叫んだ。

城内へと全体の部隊が引いていく。

しかし、前線の部隊が敵の猛攻でなかなか後退出来ない。

このままでは持たない。

そう皆が思っていた時、敵が慌ただしくなり始めた。

敵の背後から何者かが襲い掛かっている。

「都合のいいこともあるものだな」グラリアが呟いた。

レスティ、フラン、クレリアが到着したのだ。

敵は完全に不意を突かれている。

精鋭部隊たちが、敵を切り刻んでいく。

挟み撃ちにしたらこちらのものだ。今は攻める時。グラリアはそう判断した。

「状況が変わった!味方と共に敵を挟み撃ちにするぞ!」グラリアが命令を出す。

セフィラも慌てて部隊に前進の指示を出した。

何故味方が敵の奇襲に気づいたのかはわからないが、とにかく有利な状況になったのは確かだ。

グラリアの部隊が盾となり、セフィラの部隊が削っていく。

敵の中央部分が削れていく。

距離を取ろうにも、反対側にはレスティ達がいる。

完全に敵の戦力の中央が浮いていた。

飛兵達は勝てないと判断したのか、逃げ出していった。

これもさらに有利になる要素の一つだった。

敵の中核となる巨体は、レスティとフランが処理をした。

状況は一転し、帝国の優勢となる。

指揮官のいない悪魔たちは単調な攻撃を繰り返し、

帝国は知恵でその攻撃を凌ぐ。

敵の数がみるみる減っていく。

兵士たちは勝利を確信した。兵士達の士気が上がる。

そのまま勢いで悪魔たちを全滅させた。

フランがグラリアの姿を探し、近寄った。

「すまない。敵の悪魔から作戦を聞いてすぐに駆け付けた。

よく耐えてくれたな。逃げ出しはしなかったようだな」フランがグラリアに言った。

「フラン将軍、グラリア将軍は立派でしたよ。あの姿を見せてあげたかったです」

セフィラが微笑しながら言った。

「ふん」グラリアはフラン達から目を逸らしてしまう。

「作戦を聞いたなら、もう少し早く駆けつけて欲しかったものだな。

まったく、足が遅い」グラリアがフランに文句を言った。

「これでも急いだのだ。悪く言うな」フランが苦笑した。

「おいおい、もう少し仲良くしてくれよ。将軍同士が仲が悪いとやりづらいぞ」

エイルも苦笑している。

「とにかく、戦いには勝ったな。敵の奇襲作戦は失敗した。

各地の村の悪魔もあらかた殲滅した。後は、どう敵が出てくるかだな」エイルが話し始めた。

これから敵がどう出てくるか。

そして、兵の配置をどうするか。

一度相談する必要があった。

レスティ達は、相談する時間を設けることにした。

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