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赤い悪魔

 大陸各地の村は救われつつあった。

滅ぼされてしまった村もあったが、兵士たちが守り抜けた村もある。

フランは部隊を進めながら考えていた。

各地に出没する悪魔。

今は各地にばらけているようだが、これが一か所に集まったらどうなるのか?

なんとなく、嫌な予感がしていた。

相手の戦力が集中したら、かなりの数だ。

こちらも兵力を集めて対抗しなければならない。

しかし、今は村を救う事。

完全に相手の掌の上で動いているような気分もしたが、

今は最善を尽くすのみ。

次の村が見えてきた。

村に近づくが、兵士の姿が見えない。

全滅してしまったのか。

獣人達が立っている。しかし、襲い掛かってこない。統制が取れている。

単調な悪魔たちでないようだ。

奥に、赤い悪魔が見えた。翼が生えている。二足歩行だ。

「お前たち、まだ手を出すなよ」赤い悪魔が指示を出している。

フランがその様子を遠目に見ていた。

まさか、指揮官か?

悪魔に統制を取れる知力があるのか。

あの赤い悪魔を倒せば統制は崩れるだろうか。

しかし妙だ。何故襲い掛かってこないのか。

なにかの時間を稼いでいるのか?

フランは咄嗟に背後を見た。

飛行する緑色の悪魔が何匹か襲い掛かってきている。

「お前たち、あの赤い悪魔の相手は私がする。背後の飛兵と獣人を頼む!」フランが判断した。

「よし、今だ!動け!」赤い悪魔が叫んだ。

飛行部隊と連携を取って、獣人達が突撃してくる。

フランの部隊が挟み撃ちにあった。

統制を崩されないように、すぐに前後に展開する。

フランは獣人達を切り刻みながら、赤い悪魔目がけて飛び込んでいった。

赤い悪魔が危機を察した。こいつは、強い。

赤い悪魔はフラン目がけて、紫色の球を飛ばしてきた。何発も。

フランはそれを全て弾き切った。

「その程度で倒せると思わないことだな!」フランが接近に成功した。

「こざかしい!」赤い悪魔が爪を振るう。

フランはその腕を斬り飛ばす。

しかし、止めは刺さない。こいつは殺してはならない。

赤い悪魔に剣を刺し込み、地面に叩きつけた。

「お前には知性があるようだな。お前たちの狙いはなんだ。答えろ」

「誰が答えるか」赤い悪魔が抵抗する。

「ならば死ぬか?」フランが赤い悪魔を見つめている。

「わ、わかった。我々の目的は各地の侵略。

そして、各地を侵略しつつ、まずは城を乗っ取ることだ」赤い悪魔が語った。

その直後、話の間の隙を突いて、紫色の弾を口から吐き出した。

フランがギリギリでそれを弾く。

赤い悪魔の首を飛ばした。

そして、すぐに獣人達目がけて切り込んでいく。

だが、心中穏やかではなかった。

敵の目的は各地の侵略だけではなかった。

城を狙っている。陽動も兼ねていたのだ。

今城にいるのはグラリアとセフィラの部隊だけだ。

相手が動く前にこの情報をカンタール砦に持ち帰らなければならない。

兵士達の優秀さもあって、挟み撃ちも切り抜けることができた。

フランは急いで部隊に指示を出す。

「カンタール砦に帰還する!至急だ!」

フラン達は急いでカンタール砦に引き返し始めた。

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