フラン出撃
フランは部下達と出陣の準備を整えていた。
兵達の士気は高い。
正しい戦いが出来るのだ。
「今まで苦労をかけたな」フランが部下達に謝った。
「とんでもない。フラン将軍も、悩まれたことでしょう」部下達は気にもしていない様子だ。
「すまない。出撃するぞ!」フランが号令を出した。
レスティ達の向かっていない村に向かって、歩みだす。
急がなければならない。今も兵士が戦っているはずだ。
やがて最初の目的地の村が見え始めた。戦いの音が聞こえる。
「至急、救援に向かう!行くぞ!」フランが叫んだ。
村に辿り着くと、そこではまだ兵士達が生き残っていた。
増援部隊の登場に、安心した様子を見せている。
筋肉質の獣人達が敵に多い。
「遅くなった。状況はどうなっている?」フランが兵士に問いかけた。
「なんとか戦えています。しかし、村の中央にいる怪物が厄介です」
兵士が状況を報告した。
村の中央。
緑色の体をした、棍棒を持った巨体が棍棒を振り回している。
「あいつさえ倒せれば後はなんとかなります。しかし、あの巨体は厄介です」
人間の二倍くらいの背がある。
「あいつは私が仕留める。残りの敵を頼む。部下達よ!巨人以外の相手をせよ!」
フランが号令をかけた。
フランが巨体目がけて突撃していく。
相手もフランに気がつき、棍棒で狙いを定めて振ってくる。
フランは軽々とそれを回避する。
「隙だらけだな」
棍棒を回避し、巨体に数撃入れた。
だが、巨体は倒れない。
引き続き棍棒を振り回してくる。
フランはまたもそれを回避した。
「(以外に体力があるな。まあいい)」
フランは回避した後、腕を狙った。棍棒を握っている右腕。
右腕を軽々と斬り飛ばした。
巨体が呻く。
隙だらけになった巨体に連続攻撃を叩き込んだ。
巨体は呻き声を上げたまま、その場に倒れ込んだ。
兵士たちが驚いている。将軍は、強い。これなら勝てる。
フランが残りの敵目がけて駆け出した。
素早い動きで敵を切り刻んでいく。
フランの部下達も、敵の獣人を軽々と倒していった。
すぐに戦いは終わった。
「終わったな。兵士達、この村の守備は頼む。
私たちは次の村へ向かう」フランが兵士に命令を出した。
「は。はい」兵士があまりの殲滅の速さに驚きながら答えた。
これが帝国五将軍か。
フラン達が次の村へ向けて歩みだしていく。
その後ろ姿が、頼もしかった。




