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部隊編成

 城へ攻め込む準備は着々と進んでいた。

各部隊の編成、休養など。

緊張感のようなものがカンタール砦に張りつめていた。

次が最後の戦いなのだ。

戦いは最後。しかし、レスティにはやはり気になっていることがあった。

女王の豹変。

女王は本来優しい性格だった。それがあのように変わってしまった。

何かが、裏で動いているのではないか。

自分たちの知らないような何かが。

「レスティどうした、ぼーっとして」エイルが話しかけてきた。

「ああ、すまない。考え事をな」レスティが曖昧に返事をする。

「考え事もいいが、戦いの事か?集中しなきゃいかんぞ。

今は平和派が優勢と見ていいが、もしひっくり返されたら、

この国は女王の思うがままだ」エイルが喝を入れた。

「わかっている。戦いに負けるつもりはない」

「兵達の準備も着々と完了している。決戦の時は近いぜ」

エイルの言う通り、決戦の時は近かった。

もうすぐ、兵達の準備が完了する。

まさかこんなことになるとは思っていなかったが、今は平和派として、

やれることをやるだけだ。

「必ず勝とう。俺たちなら、出来るさ」レスティが力を込めて言った。

「お前の言葉には安心感があるな。もちろんだ。必ず勝とう」エイルが答える。

戦いのときまであと少し。



 イシュカル城でも兵の編成が行われていた。

城の近くにレスティ達の部隊の接近を見張る伝達兵、

城下にグラリア率いる帝国全土の部隊と、フランの部隊。

そして、フランは城での最後の砦。

フランは部下達と話し合っていた。

「お前たち、正直な気持ちでいい。戦いたくない者は、私の下で戦う必要などないんだ。

無理についてきてくれてなくてもいい」フランが部下達に語りかける。

「私たちにとっては、将軍が正義です。今まで私たちはあなたにお世話になり続けてきました。

その恩義を、返す時が来たのです。最後までフラン将軍の元で戦います。

フラン将軍も、城内にもしも侵入されたら、どうかご無事で」

部下達は自分たちの事よりも、フランを気遣ってくれる。

「すまない。世話になっているのは私の方だ。皆、死ぬなよ」フランが感謝の言葉を告げた。

兵達の編成はほぼ整った。

後は、レスティ達が攻めてくるのを待つのみ。

必ず、攻めてくるだろう。向こうも恐らく準備をしているはず。

戦いの時は近いという予感があった。

今度は陽動作戦ではない。向こうも本気で攻めに来る。

フランは本気で戦うということを、したことがなかった。

本気で戦うレベルの相手と衝突したことが無かったからだ。

だがもし、城下が突破されレスティ達が侵入してくるようならば。

フランは剣の様子を確かめた。

侵入してくるようならば、容赦はしない。

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