8話 帰り道〜1〜
暗い気分に浸りながら部活場所であるテニスコートに向かっていた。
こんな気分を引き摺りながら部活をしちゃった日にはすんごいミスをするって分かってるのに、それでも、この気分を払拭できないのはあの言葉が胸に突き刺さっているから。
『あのさぁ。まだ好きじゃないけど好きになれそうな奴ならいるからさ、今努力してるとこなの。だから邪魔されっと、ウザいんだよね』
そこまでしてその女を手に入れたいって言うんなら、それをふる理由に使うなよって感じ。
これだから男は信用できないし、みんな同じって思っちゃうんだから。
テニスコートに着くと峯部長と北嶋先輩がいた。
峯「おー来た来た。これで1年生全員集合!と言うわけで早速だけど俺らの試合が終わるまでにテニスコート50周!をやってもらいま〜す」
北嶋「あ、ちなみに試合ってのはゲームセットまでね。分かんなかったら勉強するべし」
1年「……ハイ」
峯「あーそーだ、返事の声の特訓は明日でーす。声枯れるからその辺は自己管理でお願いします」
北嶋「ラケットとかシューズとかは自分で用意しといてね」
もう何も言う気が無くなった1年たちはすごすごとテニスコートの外に出て、走る準備をし始めた。
「…試合終了後の自分が想像できる。死んでるな、このメンバーの半数」
試合終了
…予想通り。
皆さんバテバテでーす、死んでまーす、魂抜けかかってまーす、ヤバいでーす、目がハンパなくイってまーす。
そういってる私も死にそうです。
平気な顔して立っているのは皆堂だけ。
ば、化け物だアイツ……。
峯「おーおー、目がヤバいぞおめーら。にしても皆堂は凄いなー、俺でも1年の時死んだから、コレ」
……だったらやらせんなよ!!
全員の刺すような視線を物ともせず、へらへら笑っている峯…部長。
ある意味部長の品格が出てます…!
北嶋「峯ー!なに1年イビってんの、もう終わりなんだからさっさと部活終わらせてよ」
峯「はいはい、さー来いよ1年」
ま、周りから無数の殺意がする……(汗
兎にも角にも早く終わらせて帰らせてくれ〜!
峯「はい、それでは今日の部活を終わります」
部員「ありがとうございました!さようなら!」
峯「1年はボールの片付けをしてってから帰ってね、そんじゃ宜しく〜」
夕闇にぼんやり浮かぶ(テニスコート三面分に広がる)黄色いボール……膨大なこの数を片付けてから帰ろと!?
殺す気ですか!!?