表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/19

4話 テストと高屋敷

注:今回は皆堂かいどう英輔えいすけ視点


アリエナイ女子との出会いから1週間…。

オレの頭はそいつの事で一杯だった。

そいつはいままでの女子とは180度、いや360度……って同じだ!

とにかくかなり違った。

どこが普通の女子と違うって言うと…


1.言いたい事をハッキリ言う(結構図星…だった、アレは……微泣)


2.オレの事を好きじゃなかった事(アレは心外だった。今までそんな女子しか居なかったからなぁ…)


まあ、ああいう女子の方がオレには向いてるのかも知れないけど……。

(とりあえず)今は絶対イヤだ!!


「おいエースケ、テストの結果が貼りだされてるらしーゼ!見に行こう!!」


「あ、あぁ…行く行く」


ボサッと考え事をしていた皆堂は友達の一言で我にかえった。

キュッキュッと昨日掃除したばかりの廊下は上靴の音を軽く響かせる。

ザワザワしていた人垣に近付くと女子のキャーと言う叫び声(もう慣れた)と共に、人垣がさっと割れた。

貼り紙を見た瞬間、周りの空気が凍りついた。

サーッと室温が2,3度下がったのが分かった(おっそろし〜)。

ちなみに皆堂(とその取り巻き)が凍りついた貼り紙の内容は、


『250点満点中の点数上位50位をランキング


1位 鈴木 あさ   250点中、250点 満点


2位 皆堂 英輔   250点中、249点


3位 頭脳 馬鹿   250点中、247点


                            …………………………………』


「恐ろしいな……この女……」


「東大志望のエースケに勝つんだからな……」


ゴクッと唾を飲む音が妙に大きく聞こえた。



「おい鈴木!ちょっとこっちこい!」


人々の雑踏に負けずに遠ざかっていく小さな背中に叫んだ。

振り向いたお目当てのひとつの顔は、少し迷惑そうな顔をしていた。

それより多く振り向いた数多くの女子の顔は、かなり悔しそうな顔をしていた。

オレ様に呼んで貰いたいのは自分の名前だって言わんばかりだ。


「何?用事なら早くしてよ、私急いでるんだから」


イライラした不機嫌な顔をしながら彼女あさは言い放った。


「ちょっと……ここじゃうるさいから空き教室行こうぜ」


「ふーん」


羨ましそうな顔、顔、顔、顔……目が回るぅ〜。

その中で冷静に居られる彼女あさはすごいと思った(オレ的に……)。


少し雑踏から離れた美術準備室。


「何さー話って……」


「…お前って何でテスト満点とれんの!?」


「はぁっ!?」


ガバッと彼女の手を取りながら言った。

少し飽きれ気味の声がしたけど気にしない!気にしない!


「べべべべっつに…何もしてないけどぉっ?っていうか顔近い!!」


彼女も取り乱してるようだった。

その時、準備室のドアがバーンと音を立てて倒れた。


「きゃっ、なっなな何!?誰!?」


彼女も(オレも)ビックリしてパッと手を放した。

倒れたドアを踏み越えて来たのは、制服の胸の所がメッチャきつきつのむちむち3年女子だった。


「ちょっとそこのアンタ〜!!ワタクシの英輔クンになに触ってんのよ〜!!」


「??いえ別に…向こうから」


「だまらっしゃ〜い!!アンタから触ったに決まってるわぁ!」


「すっごいお嬢様キャラ……つーかアンタ誰っ!?」


オレ無視!!?


「ふふっよくぞ聞いてくれたわ、ワタクシこそこの高校1っ、お金持ちの令嬢、高屋敷たかやしき美空様よっ!おーっほっほっほっほ……って聞けぇぇぇぇい!!」


彼女みそらが熱弁を振るっている内に、オレと鈴木はこそこそと逃げようとしていたのに……気付きやがって。


「で、皆堂はもう私への用は終わったよね?」


「おう、もちろん」


「じゃ、私帰るね」


じゃっとばかりに高速(いや音速!?)で走り去る彼女あさを見て、オレも習った。

で、結局残されたのは高屋敷だけ……。


「なぜワタクシの話を最後まで聞かないのっ!」


と、憤慨してたそうな……。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
もしよろしければランキングに参加しているのでぽちっとしてみてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ