17話 トーナメントにて
「…あっつい!!」
「同感」
「右に同じ」
「左じゃない?」
「…いいじゃない、それぐらい!!」
あさ達1年生は炎天下での先輩達の試合の応援に疲れ、試合の合間にやっとこさ見つけた日陰に打っ倒れた。
パシャッ
ペットボトルの中の水が揺れる。
峯「おーおー、お前らヒマそーだな。俺は汗水流して試合に勝ってきたところなのによぉ」
「すごいですねぇ!相手どこの高校でしたか?」
峯「どこだったかな…、高堂だったか水梨だったか…?」
「結構違いますよ」
峯「ん〜、あっそうだ!聖隷だった!」
ドテーン!!
「先輩!前の2つの名前とも全然違うじゃないですか!!」
峯「あ、そーだな。あははは…」
ゴチッ
峯「いて」
北嶋「なに油売ってんのよ、夏合宿の話をしに行ったんじゃなかったの!?」
「あ」
峯「わーったわーった、今からするから」
北嶋「ったくもう!」
「……それで夏合宿ってのは?」
峯「いつもこのトーナメントの後の夏休み始めぐらいに、選手の強化合宿をやるんだ。1年生もそこで本格的にテニス教え始めるんだよね」
「へぇ〜、どこ行くんですか?」
北嶋「千葉の……どこだったっけ?」
峯「九十九里浜の方だって聞いてるよ。副部長なのに聞いてなかったの?」
北嶋「だって先生があやふやだからー」
「……先生?」
峯「…あ、そうか。おめーらあのふざけたセンコー見た事無いのか。っつーかオレだってあんなの見たくもねー」
北嶋「いつも峯の言う事には、ムチャクチャすぎて賛成できなかったけど…今回ばっかりは大賛成するしかないわ」
「ど、どんな先生なんですか?」
北嶋「その内に、嫌でも遭うから…そん時にじっくり見て」
峯「どっちかって言うと、遭遇だな」
2人して影背負って話されると怖いです!!
…その先生ってどんだけ怖い?変?なのー!!