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11話 想いを缶詰に【1】

カチャッ…カチャカチャ…カシッ……「うあ〜!」


母「ウルサイ!朝っぱらから何やってんの、ゴールデンウィークだからって丸々一日中パソコンしてるんじゃないでしょうね!?」


「そんなこと無いって〜、今日部活だし〜」


母「そう?それならいいけど…あ、私出張だからお弁当はその辺のコンビニで買って行ってね」


「後で代金請求するぞ」


母「はいはい、じゃーよろしく〜」


つくづく似た者親子である(まぁ親子なんだから当たり前なんだけど)。



「おはようございま〜す!!」


峯「お、来たなー鈴木あさちゃん。筋肉痛で来ないかと思ったよ」


「そんなことないですよー、何か準備する物ってありますかね?」


峯「あそーだ、部室にヨネック○の新品ボールの缶が開いてないから開けてきといてよ、後からくる他の1年にも言っとくから」


「は〜い、わっかりました」


……ちなみに運動部の部室は校舎の影にあるので先生に見つかりにくい。ので、カップル達の格好の隠れスポットになっていたり、不良ワルどもの溜まり場になっていたりと意外と人気が絶えない。

カラン…ごろごろ……


「…新品の缶開けんのは別にいいけどさー、こんなにあるなんて聞いてないぞ」


部室にはざっと100個ほどが山積みになっていた。


「しゃーない、やるしかないか。しっかし多いな〜、相当な出費だったんだろうな」


そんな事をぶつぶつ文句言いながら缶を開け、かごにあけた。

からからから……


「あ?誰?」


「あ?誰?じゃねーよ、朝っぱらから来てみれば部長みねが缶開けしろって言ってきたからきてやったんだぞ」


「なぁんだ、皆堂かぁ。手伝ってよぉ、ゼッタイ100個あるよーこれ」


「はいはい……」


もちろん皆堂にそんな気はさらさら(と言っても部長に言われたからやらないといけないんだけど)なかったが、あの夜の屈辱的な想いを忘れてはいなかった。

…これは大チャンス。

彼女あさは無防備(つっても知らないんだからしょうがないんだけど)に缶を開けている。


「…んっ……よっと」


気付けばあさはキレイに積み上げられた缶を段の途中から抜いている。


「…何してんの?」


「あは、面白いでしょー。ジェンガみたい!」


「いやそーじゃなくて……、崩れたらヤバいって(汗」


冷や汗ダラダラの皆堂を尻目に、あさは缶を抜いてはゴロゴロと中のボールをかごにあけた。

笑いながら。

よーやれるなぁ。


「ちょっと待……あ!」


「あ」


がらがらがら…

崩れた。


「あーあ、かなりいい所までいってたんだけどな」


「な、なーにがいい所だよ!崩しやがって!」


「え〜崩したらまずかった?」


「いやそーじゃなくて(汗」


何だか出鼻を挫かれた感じが……

あ、次の話に続く……。

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