彼と子犬2
始業式も終わり、帰りのショートルームも終わったので僕は急いで帰ることにする。教室の中では、このあと買い物行こー、とか、カラオケ行こうぜー、など様々な声が聞こえるがそんなの関係ないので、出ていく。何故急ぐかというと、朝見つけた子犬がいるかどうかだ。もしかしたら保健所に連れていかれてるかも、と思うと気が気でない。引き取りにいこうにも他人と話せないから……。そう考えながら早歩きで朝のところまでいく。そして、朝のところにつくとそこには…………
あの子犬はいなかった。もしかしたら、本当に保健所に…………そう思って肩を落としていると後ろから
「あら?朝ここで遊んでた子?」
と人の良さそうなおばさん聞かれた。びくっ、後ろから突然声かけられた、知らない声ということもありすごい反応をしてしまった。後ろから声をかけてきた人は、
「あら、ごめんね。そんなに驚くなんて。でも、あなたよね?ここで子犬と遊んでたの。後ろ姿しか見えなかったっけど……」
とても優しい声音で言われた。でも、トラウマの、せいで他人と喋ることができなかったので、僕はこくりとうなづく。
「やっぱり、そうだったのね。あの子犬ね、貴方のすぐあとに来た子が、引き取ったみたいだよ?多分あなたと同じ学校だと思うわ。」
そう教えてくれた。良かった、保健所ではなかったんだ……でもどんな子が引き取ったんだろう……気になるな…そう思っていると
「とっても、きれいな娘だったよ、その娘。腰くらいまで届きそうな黒髪に、鋭いけど優しそうな目をして、スッとした鼻に、ふっくらした唇、大和撫子って言葉がぴったりの娘だったわ。」
そう言ってくれた。聞いた瞬間、あ、きっと桜千凛だ、と思った。彼女の家は桜千グループというかなり権力もお金もある井江だからきっとあの子犬も大丈夫だろうと安心した。教えてくれたおばさんにぺこりと頭を下げて帰る。安心したけどちょっと残念だったな……