彼と子犬
余裕をもって家を出た僕は、通学路の半分くらいの住宅地のところで、電柱の近くに段ボールが落ちてるのを見つけた。段ボールの中には子犬がいた。種類は多分柴犬だろう。つぶらな瞳で見つめてくる。すごく可愛い。僕は携帯で、時間を確認する。
(7:55……まだまだ余裕。こっからなら15分くらいでつくし)
そう思い僕は、子犬を段ボールこら持ち上げる。うーん、何か心なしか怯えてるような気がする。…………あ、マスクと髪のせいかな?よく分からないものに持ち上げられたらそりゃ怖いよね。僕は試しにマスクを外して目にかかっている髪をあげていつも持ち歩いてるヘアピンで止める。すると、さっきまで怯えてた子犬がその様子もなく、ぺろぺろとなめてくる。
(可愛い)
僕は人は嫌いだけど動物は好きだ。動物は裏切るようなことをしないし。そんなことを考えている時もぺろぺろとなめながら、尻尾をブンブン振っている。
そんな仕草が可愛くて思わず頬がゆるみ、撫でてしまう。撫でたりお手とかさせたりした。携帯で時間を確認すると8:10となっていた。この可愛さは惜しいけど遅刻はしたくないので僕は出発することにした。僕はマンションで独り暮らし、更にオーナーが動物が好きでペットOKなので、帰りにまだいたら拾って帰ろう。そう思ってその場を去る。少し離れた所からとある少女が見ているのも知らずに……