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4、部隊とかあれこれ・1

 部隊とかあれこれ、パート1

 

 今回は第一回、アヴァロンの公開・未公開部隊案とか説明とか色々。


1・<不接触の禁箱パンドラボックス>


 思いきりカナメが趣味に走った結果生まれてしまった部隊。特徴としては七人という少数でありながら、七種の強化外骨格が配備されているのでアヴァロン最強の部隊に位置付けられる。イメージとしては、五メートル級のガムダンとかACとかASとかな感じのロボット小隊。

 ガムダンみたいにボタン多数だと面倒だー、って事で、フルメタのASの操作方法であるセミ・マスター・スレイブシステムを基本思想として構築され、全身各部位オーバーテクノロジーというか空想的なモノばかりが使用されているの上、防御システムとか攻撃システムとかの標準装備の他にも、各機固有の概念武装完備てな具合。外骨格は当然カナメの作品。

 外骨格には機玩具人形と同じ生体金属が使用され、肉の身体のようにしなやかに動かす事が出来る。生体金属はカナメが取り込んだ死骸と金属を混ぜ合わせたもので、至近距離で砲撃を受けても難なく弾き返す強度を持つ。熱にも強く、冷気にも強い。しかも生体金属自体が筋肉のような役割も果たすので、密度が濃いほどパワーも増加する使用。

 基本五メートル級の巨人で、背部から中に入る。外骨格に共通する基本装備に加え、個別の装備もある。

 エネルギー源はバックパック内にある暗黒物質ダークマターの結晶。結晶は特殊なカッティングによって最も効率良くエネルギーを抽出し、その上で持続性も高めている。自動再生機能が付いているので、結晶が完全に無くなる一年間は、整備しなくても問題なし。勝手に最善の状態を維持してくれます。

 でも固有の概念武装はかなりエネルギーを喰うので、乱発していると稼働時間が短くなる。まあ、切れるまで使うなんて事は殆ど無いが。

 ちなみに結晶をエネルギー源として使用しなくても、“永久的に動ける”という、概念エネルギーを使用すれば半永久的に動かせるが、「それじゃらしくない。ロボットてのは、メカってのはなぁ~~!!」とカナメの熱き演説があったりして、エネルギーは交換式になったという経緯が……。

 で、機体数七と言う事で、アレしかないだろうと言う事で機体名と機体のコンセプトは決められた。



・近中距離を得意としながらも、遠距離攻撃法もある万能型の<セイバー>。

 <ランサー>と<アーチャー>で三騎士と呼ばれる。見た目は甲冑を着た剣盾持ちの純白の騎士風。深紅のマント有り、着脱可。

 固有概念装備は<嵐を生む陽光ガラティン>と<祝福された血印の城壁アリマテア>の二つ。

 <嵐を生む陽光ガラティン>は陽の光がある時に最も効果を発揮する。重量は五百キロを超える四メートルの両刃の巨剣で、光を吸収して持ち主の能力を約三倍ほど上昇させる優れモノ。赤い人的なネタかもしれない。

 起動言語アクセスワードによる能力最大時はライトセイ〇ーとか、ビームサーベ〇な感じで光の剣に変貌し、それを伸ばす事で遠距離まで斬る事が可能。とはいえ、強い光がある時限定である。条件が設定されている分強力です。

 <祝福された血印の城壁アリマテア>は鏡のように磨き上げられた金属の盾に赤い十字架が描かれている。能力としては正面しか作用しないが、攻撃の大半、というか一部例外を除くほぼ全てを防ぎきる強固な防御力を誇る。起動言語アクセスワードによる能力最大時は任意の場所に同等の存在を発生させて、仲間も護れるようになる。でもエネルギー消費がハンパネェ。

 無駄に硬くて一撃が痛くて距離を取っても隙がないオールラウンダータイプで、敵にしたら逃げ出したくなるようなのが<セイバー>。


 <セイバー>の装着者は人間で、名前はコウスケ・サガラ。漢字に変換すると相良 鋼介サガラコウスケ。性別は男。

 彼は刃風国家<ヤマト>出身で、今から三十年くらい前に起きた内乱によって両親を失っている。ちなみにその時五歳だった。で、両親の亡骸の間で血まみれのまま抜けがらのようになっていた所を、気紛れでやって来たカナメに発見、保護される。

 それからはカナメにより生体強化を施され、ウールブヘジンや長男に扱かれつつ成長した。

 カナメの事は父親のように慕い、基本的に絶対服従。人種としての気質と生活環境から軍人のように硬い所があるが、<不接触の禁箱パンドラボックス>のリーダーに抜擢されてからは、自由人な隊員達に翻弄されて角が取れてきた。妻子持ちで、自分が味わった感情を与えないために家族を大切にしている。美人な妻と十五歳の男の子と十三歳の女の子の四人家族。

 しかしカナメが望めば家族でも私情を殺して殺す事が出来る、過激な人。でもカナメが態々そんな事を言う可能性は皆無なので問題なし。カナメの心情的には爺さんポジ? 子供可愛いよね子供。

 それから生身でも十分強靭な人。というか、訓練中に事故で両腕を失った際に、紆余曲折あって再生治療ではなくカナメ製の義手に切り替えたので、身体の一部が機玩具人形になっている感じの改造人間。

 でも腕はメカメカしい見た目ではなく、生身のモノと差異はなし。でもやっぱり生身のモノではないので、鉄板でも手刀で斬れるとか。

 <使徒八十八星座プトレマイオス>の隊員とだって素手で互角以上に戦えます。というかゴールドクラスじゃないと対等な戦いは不可。両腕が宝具な感じだしね。

 プトレに入ればゴールドは確実だろうけど、でもカナメの影響により素手より武器派なので、プトレに所属する事は絶対に無い。考えた事も無いとか。

 性格は硬いが、捻くれた硬さではない。理由が納得出来るものなら命令放棄も厭いません。でもカナメのは以下略。 

 カナメからの信頼も厚く、現代の色んな部分の深いところまで教えてもらっている数少ない存在でもある。カナメからすれば子供と思われている?



・速さを追求し長モノが繰り出す一撃必殺を旨とする、最速の<ランサー>。

 <セイバー>と<アーチャー>で三騎士と呼ばれる。見た目はラバースーツのような甲冑を着た、長槍持ちの青い騎士風。

 固有概念装備は赤い魔槍である<早贄の千棘カズィクル・ベイ>。効果は穂先を敵または地面に突き刺す事によって、無数の棘を発生させるモノ。対人でも対軍でも通用する強力な能力。人にさせば内部からズタズタ、地面に刺せば広範囲の敵を殲滅できる技。

 しかも効果を発動させると周囲の敵のみに“恐慌”の状態異常バッドステータスを付加させる秀逸な一品。

 起動言語アクセスワードによる能力最大時に使用すると<血塗られた平野の槍軍ツェペシュ>に変化し、出現する棘の数も範囲も速度も威力も倍加する。

 速さで翻弄するばかりか、恐慌状態にして動きを鈍らせて一方的に甚振るのが<ランサー>。スピード特化タイプ。


 装着者は人間で、名はケイオス・ヘンリッタ。性別は男。

 彼は天剣国家<アルティア>出身。貴族の長男であり、槍の扱いに対して類稀な才能を持っていた事もあいなって幼い頃から有名だった。成人すれば、カナメがアルティアに貸し出している宝具<天剣十二本>の持ち主として目されていたほどの才児。

 ケイオスが初めて戦場に立ったのは、十五年前に行われたアヴァロンとの模擬戦争の時だった。ちなみにその時彼の年齢は十三歳である。


 ――ちなみに模擬戦争とは、アヴァロンが半年に一度他国と交わす試合的なモノと捉えて欲しい。アヴァロンがお金を払うから戦争しようぜ的なノリがあって、若き国民達に実戦を経験させるだけでなく、他国に自分はこれだけ強いんだ、と教える意味合いを持つ。それにアヴァロンの兵士は非殺を厳命されている上、戦場で敵兵を無力化したら治療までしている。ちなみに殺した時の為にペナルティー設けてます。

 アヴァロンは立地条件的に他国が攻め込んでくる可能性が皆無――樹海の魔獣で全滅します――なので、赴かなくては戦争なんてまず経験しないのですが、平和ボケ緩和? の為に建国し体勢が整ってからは欠かせない行事となっている。

 しかも模擬戦争してくれた相手は二ヶ月の間、何処かの国から攻められたら兵士を送るという条件までアヴァロンは提示するので、世界的に一種のお祭り的な感じでもある。詳しい説明は後日――


 で、自信満々でアヴァロンの兵士を殺しに行ったが、前<ランサー>の装着者に遭遇し、コテンパン所か瞬殺――殺してはいないが――される。で治療された後で、あれは装備の違いだ実力では俺の方が上、と言い放ち、生身でもボコボコにされる。それはもう石ころを蹴る感じで一方的で大人げないありさまでした。攻撃が当たらない所か、攻撃自体させてもらえなかったというのはこれ如何に。圧倒的な初動の差でした。

 その後すったもんだあり、アヴァロンに亡命。というか、家が政治戦争に負けて一族郎党皆殺しの憂き目にあい、本当に殺されるギリギリの所――首を切り落とされる寸前でした。しかも彼以外殺されてました、二つ下の可愛い妹も居ました――で、ケイオスの才能に目を付けていたカナメが劇的に乱入、混乱に乗じて回収。

 その後カナメにより生体強化されたり、色んな経緯を経て家の名を捨て、ヘンリッタと姓を変える。

 以後前<ランサー>の装着者(女)の養子というか、弟子入りし、その才能を飛躍的に伸ばす。

 性格はお調子者。ムードメイカー的な存在。リリーにセクハラしようとして、よく病院送りにあってます。でも懲りない。ギャグ補正持ち?



・遠距離からの圧倒的飽和攻撃で反撃どころか近づけさせない<アーチャー>。

 <セイバー>と<ランサー>で三騎士と呼ばれる。見た目は甲冑を着た無手の赤黒い騎士風。

 固有概念装備は体内に組み込まれている<物質具現化マテリアル・メイカー>のみ。

 <物質具現化マテリアル・メイカー>はエネルギー消費も他と比べれば圧倒的に少ないので、<アーチャー>に内蔵されているガトリング砲の弾薬とか、レールガンとか、盾とか剣とか色んなモノを即座に造る事が可能。

 でも運命の人みたいに宝具は無理。あくまでも弾薬とかミサイルとか、概念能力を装備していない即物的なモノでないといけない。でも属性弾とかは造れる。

 よって遠距離からの一撃必殺というよりかは、五十ミリの属性弾を連射しまくるガトリング砲とかで圧殺するタイプ。五十ミリ弾だと充分一撃必殺な気がしないでもないが、この際無視で。

 距離を取られたらもう成す術なしな、鬼畜野郎。しかもカナメと似たようなスタイルなので、徹底的にカナメ好みの装備が実装されている。それに近距離戦ができない、ということでも無い所がミソ。

 基本、弾切れ何それ美味しいの? 的なノリで撃ちまくれる。

 能力的に、外骨格の中で唯一概念装備を使いまくっても単騎で活動し続けられる。エネルギーが切れそうなら、ダークマターを造って取り変えればいいので。


 装着者は人間で、名はカネミツ・コンゴウ。漢字に変換すると金剛兼光コンゴウカネミツ。性別は男。

 <セイバー>のコウスケ同様、刃風国家<ヤマト>出身だが、コウスケよりも八歳若い二十七歳で、コウスケ同様戦争で家族を失っている。

 あと庶民だったコウスケと違い、カネミツは将軍の嫡子だった。だから城に住んでいたが、戦争に負けてドボン。弓が得意だったので城の戦闘に参加したが、七歳の彼は戦況を変える大きな力とは成り得ず、見た目の良さのせいで捕虜となって半年ほど敵国の将軍に奴隷として扱われる。

 その間の出来事はアーーーーなのであえて書きません。十八禁してないしね。各自想像お願いします。

 で、心身ボロボロな時に救いの手を差し伸べたのが、カナメ。カネミツにはその時のカナメが神様に見えたそうです。その後献身的な介護によって精神状態も元に戻り、アヴァロンで教育を受ける。

 ちなみに彼は機玩具人形次女と四男によって訓練され、狙撃やら遠距離攻撃に特化させられている。

 それに合わせて遠距離使用の生体強化が施されているので、素の視力でも数キロ先まで見ようと思えば見る事が可能。空間把握能力も優れているので、最近カナメは彼の機体にファン〇ルを付けようか、それともドラ〇ーンを付けようか迷っている。といっても結局似たようなモノなので、結果は大差ないと思われる。

 性格は内気ながら、一度決めた事は護り抜く芯の強さを持つ。基本あまり喋らないが、多くは喋らないだけで内心では饒舌。

 でも撃ちだすとテンション上がりまくりなトリガーハッピー野郎。ちょっと危険なのでテンションハイな時は近づかないようにしましょう。



・魔術を何倍にも増幅し、全身に刻んだ魔術刻印であらゆる戦場に瞬時に適合する<キャスター>。

 上記の三騎士はあくまでも騎士風ながら、強化魔人外骨格である<キャスター>、<アサシン>、<ライダー>、<バーサーカー>は人の形と差異がある。

 <キャスター>は魔術を操る際、背中から触手的な何かを出して、その数だけ魔術の数を増やすなどがそれに当たる。ちなみに最大数は五十。

 固有概念装備は<定められし十の戒ジーベン・ゲハウト>と<果て無き魔道の極地クルクス・プレグナート>の二つ。

 <定められし十の戒ジーベン・ゲハウト>は自分と相手に十まで戒律をもたらすもので、仮に「近づいてはいけない」と定めればお互い一定距離から近づけなくなる。ただし一つ決める頃にエネルギーはごっそり持って行かれるし、他にも細かい条件もあるので、下手な戒律を設ければ自分の首を絞めるもろ刃の剣。主に仲間がいる時に使用される。

 <果て無き魔道の極地クルクス・プレグナート>は今まで<キャスター>が使用してきた全魔術の一斉発動。ただし全魔術とは言っているが、装着者が変わっている場合は前装着者が使用した魔術は使えず、あくまでも今の装着者が使用した全魔術を一斉に発動するというモノ。

 ただ全ての魔術を使用するとあるだけに、一回でダークマターの全エネルギーが消し飛ぶ。しかも、ダークマターを新品に入れ替えてから一時間以内しかエネルギー残量的に発動できないという条件があるシロモノ。これは単騎だと過去三回しか使用された事がない。でもその分メチャ強力。

 でも描写する自信が無いので正確に書かれる可能性は無いと思われる。まあ、アーチャーとのコンビだと連発できると言うのがミソ。

 ちなみに、迷宮編のラルヴァート相手には隙を見て何発も発動させたが、それでもライフポイントはなかなか減りませんでした。ラルさん硬過ぎ。

 <アーチャー>と同じで遠距離から爆撃するタイプ。しかしながら仲間の強化も同時に行えるので、パーティーメンバーとしては後方の回復役であり、固定砲台的な存在が<キャスター>。



 装着者は魔族の一つである雷遊カーデルベルク族のお姫様であり、名はカノン・カーデルベルク。性別は女。

 雷遊カーデルベルク族は魔術に特化した種族――ちなみにその中でも得意なのは雷と風――の一つであり、魔界の三大霊峰の一つであるアールデント山の頂上に小さな国を持つ、特殊な一族。ちなみに側頭部から生える二本の角と、雲のようにふわふわとした髪質が特徴的である。

 魔族の王さまは基本的に魔族一の性能を持ち、ユニークスキルを持つ魔王だけだが、自分または同族が決めた事以外の規則を護らないといった習性を持つ雷遊カーデルベルク族だけに、それを無視している。種族の数もそこそこだし個人の能力も高いが、特に危険視はされていない。

 何故なら雷遊族の現国王が、魔王と幼馴染であると同時に親友なので、戦争とかにはならない。

 ちなみにそう仕向けたのがカナメ。魔族は基本的に約束した事は護る――無論相手にも護らせる――ので、裏切られる心配はあまりない。だからカナメは魔族は仲良くするべき相手だと思っているし、その結果、内戦で友達が殺し合うのは嫌だ、って事で友人達が仲良くなるよう取り持った経緯を持つ。

 仮に戦争になったとしてもアヴァロンの戦力で黙らせる気だが、そんな状況になっていないので問題は無い。

 で、カノン嬢はカナメに嫁いできた姫様の一人。幼い頃から優しく、カノンを姫ではなくカノン個人として扱ってくれたことや、まあ色んな部分で憧れを抱き、本気で好きだから十四の時に嫁いできた。でもカナメはカノンを子供だからとしてあまり構ってくれない事にご立腹なそうだ。

 だから少しでも認められる為に必死で勉強して、幼い頃から付き合いのあったリリーとか五女とか八女とかにも手伝ってもらって自分を鍛えた経緯を持つ、健気ながら根性のある御方。

 口調としては姫様らしく高圧的な部分もあるが、気遣いができる女を目指しているようである。ちなみに今年で二十二歳。もっと多くカナメと夜をともにしたいとは思っているが、なかなか手を出してくれない事が最近の悩みだとか。

 リリーに嫉妬を覚えるが、でもリリーも好きなので微妙な心境。最近はセツナの存在もあって、前にもましてやる気に満ちている。ネチネチとした事はプライドが許さないし、そもそもそんな事はカナメが嫌がるのであくまでも正面から戦うつもりであるらしい。潔い子です。でも引くつもりはありません。

 魔術に関してはアヴァロンでもトップクラスな上、<キャスター>で強化されるので竜種の対魔力も余裕で貫通しちゃいます。

 ああ、あと雷遊カーデルベルク族は権限魔術持ちの種族なり。



・影に隠れつつ、敵の油断を突く不意打ちを主とする戦法に適した<アサシン>。

 上記の三騎士はあくまでも騎士風ながら、強化魔人外骨格である<キャスター>、<アサシン>、<ライダー>、<バーサーカー>は人の形と差異がある。

 <アサシン>の場合、足が逆関節だったり壁に貼りつけたり獣のように四足歩行になったりなど。

 固有概念装備はヘルム型の<姿隠す冥神の帽子ぺタソス>と<護り手の盗剣メルキール>の二つ。

 <姿隠す冥神の帽子ぺタソス>は気配と姿を相手が完全に知覚できなくする事ができる。分かり易く言えば透明になるって事で。それ以外の能力は多少の加護。

 <護り手の盗剣メルキール>は鈍色に輝く、波型の刀身を持つ短剣で、任意で壁も攻撃もすり抜けられるようになる。しかしすり抜けるは攻撃もできなくなるので、主に暗殺用。

 正面の戦闘では外骨格の中だと残念ながら最弱。でも生身の人間からすれば十分反則です。

 まあ、正面なんて馬鹿がする事です、勝てばいいんです勝てば、な機体なので死角攻めばかりします。乱戦時とか凄く厄介。

 いざとなったらすり抜け状態になって逃げます。つまり逃げ出したら誰にも止められない暗殺者。



 装着者は魔族の一つである没虎メルル族のメル・メルル・メル。性別は女。

 経緯の詳細を省き要約すると、彼女は売られ、それを買ったのがカノンだった。

 メルは没虎メルル族と呼ばれる珍しい種族で、魔族のなかでも奴隷にすれば特に大金になる種族である。種族特性としては気配遮断とか隠密特化などがあり暗殺者向けで、外見も美人、美男子しかいない。歳とってもダンディーだしマダム的。

 あと内向的な性格をしたモノが多い。何事も積極的ではなく、捕まってもあまり抵抗しない。襲われても基本は逃げるだけ。

 よって捕まったら主の下を満足させる性奴隷か、徹底的に意思を削ぎ落されて暗殺者的なものになる。

 なんてお下劣な、とは思うが、リアルだとこうなると思う・思ってしまうような種族が没虎メルル。ちなみに猫耳と尻尾あり。

 で、カノンがパンドラに入る前にとある任務で他国に赴いた時、市場でたまたま怯え、今にも買われそうだったメルを発見。ちなみにカノンは当時十五歳だが、これは蛇足である。で、メルを買おうとしていたのが醜悪な貴族の男だったので、横から出て迷うことなく即買い。それに対してなんか言ってきた貴族の男は、数名いた護衛も纏めて丁寧かつ徹底的に、肉体的にも精神的にもキョセイしてあげたので今彼らは清らかな人生を送っているかもしれない。しかし知った事ではないので詳細は不明。

 で、その後は奴隷ではなく友達、あるいは家族としてメルはカノンに扱われる。教育もカノンと同じものをカナメに頼んで許可――女に甘いカナメらしく、即決だった――して貰い、メルの元々の種族特性ともあいなって今の地位に。でもカノンに尽くす事は今も昔も変わることなく、カノンが恋焦がれるカナメとの間を取り持つために日々翻弄している苦労人。

 でもカノンがしない、またはしたくない事は熟知しているので、裏でセツナや他のライバルに何かをするなどと言った事は絶対しない。あくまでも主であるカノンの力になることに集中する。

 性格は当然カノン至高主義者。カノンラブを素で行く子。でもあまり喋らないし、声小さいし、任務中は無口に徹する。でもカノンやカナメなど一部が話しかけると反応する。長い前髪のせいで素顔を見れる機会が少ないが、種族特徴に偽りは無い。小動物的な可愛らしさがあります。

 ちなみにメルを侮辱するよりも、カノンを侮辱した方が怒りメーター跳ねあがるので注意しましょう。

 その場は逃げても、寝込み襲われる可能性大です。永眠させられます。



・魔獣と会話し、友達と成って共に闘う能力を持ち、騎乗した魔獣の能力を高める<ライダー>。

 上記の三騎士はあくまでも騎士風ながら、強化魔人外骨格である<キャスター>、<アサシン>、<ライダー>、<バーサーカー>は人の形と差異がある。

 <ライダー>はケモ耳とか尻尾とかな感じ。獣人タイプ。

 固有概念装備は<黄金の手綱ポリュエイドス>と<血塗れの蹄(ブローズグホーヴィ>と<狩猟の魔王ザミエル>の三つ。

 <黄金の手綱ポリュエイドス>は騎乗した魔獣の能力を全体的に飛躍させる。

 <血塗れの蹄(ブローズグホーヴィ>は騎乗した魔獣の攻撃力を三倍に増加させる。

 <狩猟の魔王ザミエル>は一度に七つの魔弾を発生させ、敵を爆撃する。

 徹底的に騎乗する魔獣の能力を高めるのに特化している機体。でも個体で戦えない訳ではないし、竜などに乗れば制空権を一人占めできるので、<狩猟の魔王ザミエル>による空からの一方的に爆撃とかしてきます。竜のブレスもあるのでご注意ください。

 そしてアッシーとして使われる事も多々あり。

 ちなみに今の<ライダー>の相棒は五十メートル級の竜。ランクはイの特一段で、名は<ヴェノメージア>とか言うらしい。ちなみにリリアドリットさん同様、殺しても復活する部類の存在。殺しても死なない、そう言った部類です。 

 でもリリアドリットさんよりかは全体的に二、三ほどランクが低いし、他の同じような存在の中では一番若く、一番弱い。

 でも暴れれば天災レベルです。

 氷の特殊息吹きエレメントブレスを吐いたり、氷で光を屈折させたり色んな事ができるうえ、ヒトと話せる程の知力を持ってます。頭が凄くいいです。

 当然、かつては“名前付き”の魔獣として登録されてました。



 装着者は魔族の一つである招獣リーゼリッタ族のリベア・ゼリッタ。性別は女。

 アヴァロン出身で、両親はどちらも魔族。幼い時から魔獣との高い交感能力を示していたが、とある事件をきっかけに覚醒。詳細は面倒なので省くが、つまるところ両親と共に六歳の時に星屑の樹海に入り、彼女だけが発見されるまでの一ヶ月の間、生き延びたッてお話。

 三十歩も歩けば高位の魔獣に遭遇するってな具合に、馬鹿げたエンカウント率を誇る星屑の樹海で一ヶ月、しかも六歳が生きて居られるなんて普通あり得ん。現に彼女の両親は魔獣にペロリでした。

 しかし生き延びたのは、魔獣を従える、というよりも友達になる能力が高かったから。両親喰った魔獣と仲良しとかどうなんですか? とは思うが、リベアさんは頭のネジが数本飛んじゃったんで、魔獣を親だと思う事が多々あり。グチャグチャと両親が喰われるシーンを見てまともな六歳児なんて認めません、と言う事で。

 基本的に疑似とはいえ魔獣に分類できる存在は積極的に攻撃しない。むしろ引き込むタイプ。従える存在。レアスキル<魔獣使いモンスターテイマー>の上の<魔獣使役モンスターマスター>持ち。初対面でもある程度操れる、と言った具合の<魔獣使いモンスターテイマー>に対し、本気になれば有無を言わせず従えられるのが<魔獣使役モンスターマスター>。ただし、熟練度に適した相手でないと効果は薄く、無効化される可能性が高いので段階を踏まないと竜種を扱うのは到底無理。竜種以外にも言えるが。

 性格としては感情の起伏が激しい。時に聖母のように、時に鬼女のようにもなる。でも仲間相手だと自重できるように徹底的にカナメが仕込んだので、かなり変な事をしない限りは安全。

 でもその分敵が悲惨な事になるとか。パンドラのぶっ飛び役担当な感じ。

 ちなみにカノンやメルとは系統が違うが、美人であることに変わりなし。

 どこか影があって、右頬に走る縦の傷痕が、彼女の艶めかしさを増大させているとか、いないとか。



・攻守ともに外骨格最強の特攻野郎にして、概念攻撃を振う<バーサーカー>。

 上記の三騎士はあくまでも騎士風ながら、強化魔人外骨格である<キャスター>、<アサシン>、<ライダー>、<バーサーカー>は人の形と差異がある。

 <バーサーカー>は浅黒い筋肉マッチョというか、まるで鉄でできたよなゴツゴツとした見た目。

 固有概念装備は<混ざり合う毒血クラン・カラティン>と<練磨されし神の鉄クルダレゴン>と<灼熱秘めし神の鉄サファ・アキナケス>の三つ。

 <混ざり合う毒血クラン・カラティン>は<バーサーカー>から滲み出る血のような液体が相手に触れると溶けるようにして体内に侵入し、最初の内はダメージを負わせる。そして次第に血が一定量体内に侵入すると、<バーサーカー>の眷属として意思を奪われ手足となって働くようになる。眷属もある種の宝具として扱われる。

 <練磨されし神の鉄クルダレゴン>はそのまま<バーサーカー>の肉体全体に働き、神造の剣と同じ存在である、という概念的な盾と同時に矛を与えている。拳一発一発に概念が内包されているので、拳一発防ぐのにも一苦労。そして一定ランク以下の“武器”によるダメージも無効化する。これには宝具も適用される。アルファベットで表記するなら、A以下完全無効化です。しかも武器に付加された効果も纏めてです。

 <灼熱秘めし神の鉄サファ・アキナケス>は溶岩をそのまま剣の形にしたような巨大な武器。膨大な質量の灼熱した熔鉄を刀身の中に収めているため、攻撃の際にその強大な熱量による追加ダメージを敵に与える。

 起動言語アクセスワードによる能力最大時には噴火したみたいにどろどろに溶けた鉄を散弾のようにぶちまける事で、広範囲を襲う能力を持つ。しかも飛散した溶鉄は使用者の意思によってコントロールされるので、仲間だけを回避させることも出来る。

 普段はバーサーカーの亜空間内に収納されていて、使用されるのは滅多にない。使用する際に集中力が必要で、使用後はドッと疲れるらしい。

 一言で言えば圧倒的。対人というよりも対軍、対界を想定した外骨格で、外骨格中最強の機体が<バーサーカー>。

 


 装着者は魔族の一つである不死鬼族ノスフェラトゥのジル・サンタリオ。性別は女。

 不死鬼族ノスフェラトゥ赤竜族レウドリア同様、カナメによって保護された一族の一つ。これは排斥とかではなく、単に子供を作ろうと思う個体が少なかったため。

 ちなみに種族名に不死とあるがそんな事は無く、大半の時間を寝て過ごす為に寿命が長いだけ。殺そうと思えば殺せます。

 でも血、というか、数千万人に一人の確率で適合する血液を直接飲んだ個体の場合はちょっと話が違ってくる。再生力は飛躍的に上昇するし、攻撃力や防御力や速度やステータスの何もかもが二、三、よければ四、五ほどランクが上昇するので、殺すのなんて至難の業。むしろコチラが殺される可能性大。

 個体の寿命も数倍に達するので、千数百歳って御方も偶に居る。とはいえ、適合した血を飲むのは本当に偶にです。普段は惰眠を貪る、ニートな種族。でも優秀ってのはこれ如何に。

 一応魔族の中では貴族とか王族とかな種族の一つなのに……。

 それと、魔王も何名か輩出している一族。でも子供を作らない人が多くて困っているとか。


 で、ジルはアヴァロン出身の今年三百七十歳のご老人。しかし種族ではまだ若い方。若い方とあるだけに、見た目は十代後半の美人で天然そうなお姉さまってな具合。ちなみにアルビノ。

 自分に適合した血を飲んだ数少ない不死鬼族ノスフェラトゥで、もう何百年も<バーサーカー>の保持者であり続けている人でもある。

 というか、ジル以前の保持者は彼女の父親一人だけだったので、バーサーカーはほぼ彼女の為に生まれたと言っても過言ではないとか。

 あと年齢が年齢だけに、カナメともリリーともあらゆる意味で長い付き合いのある人。

 初期組以外の機玩具人形よりも歳くっているので、セリアンとかアルフヘイム辺りは頭が上がらないとか。お姉ちゃん的存在? 

 でも何時も寝てばかりなグータラ困ったちゃん。

 よほどの事がない限り目覚めないし、起きてもあまり動こうとしない。グータラで大食漢なのにそのナイスバディはどういう事だという問い合わせもあるとかないとか。

 でも一度戦闘モードに移行したら、敵が泣こうが叫ぼうが命乞いしようが決して止まらない。カナメとかが止めれば止まるが、その一方的な虐殺はまさに<バーサーカー>に相応し過ぎる。種族の本能がそうさせていると思われる。

 眠れる狂人。それがジルを指しているとか。でもサボり癖があるので、戦う相手は選びます。ラルのように。

 それと蛇足だが、彼女に適合した血の持ち主はカナメである。寝ぼけて抱きついて噛みついて血を吸ったら、適合したって裏話が。

 <セイバー>のコウスケ同様、深い所まで知っている者の一人。



 の系七体と七名。ちなみにちらほらと書いたように、隊員は全員、カナメによる生体強化が施されているので普通のヤツよりも肉体自体が強靭である。そして単純な生身に性能は、ジルが圧倒的に跳び抜けてますねはい。両腕改造のコウスケでも、生物としての格が違うので勝てません。

 あれ、何だろう外骨格強過ぎるべー……。そして搭乗者も強過ぎるべー……。というか個性つえー……。

 と書き終わってから思うたが、まあ、いいや。

 アヴァロンはチートが造ったチーターの国だし。


 取りあえず第一回は此処までで。


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