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勇者04──防衛省異世界対策室の少年  作者: 朱実孫六
死と再生

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3/17

第1話 ③






 ──同じ頃。


 勇者がマントの裾を払って立ち上がると、そこは晴れわたった空の下だった。




 車道──というものを彼が理解しているはずもない。


 迫ってくるトラックを振り向きざま、彼はクラクションごと両断した。


 剣をしまう。


 真っ二つになった車体の右半分は、運転手ごと中央分離帯に乗りあがった。もう半分は、ガードレールに火花をあげて燃えあがった。


 勇者は、逃げ去る運転手の背中を目で追った。


 ビル風に、マントと炎と黒煙がたなびく。


 歩きだすと、道の端で足をとめた人々が、薄い箱のようなものをこちらに向けてくる。


 勇者は、彼らの前を行きながら、並び立つ巨大な塔を見あげた。


 陽光を反射する高層ビルが、空を囲むようにそびえ立っている。


 真紅のマントをたなびかせながら、兜の先をあげた。勇者は天を仰いだまま口を閉じられずにいるようだった。




 緑まばらな、そこは──新宿副都心。


 ここが東京だということを、まだ彼が知る由もない。


 けれど、その時。


 背中からの風に、かすかな気配がした。


 マントの少年は、通りで振り向いた。


 空の向こうで、今、彼女がこちらを見た──ような、そんな気がした。


「生きて、いるのか……キターラ」


 そうつぶやいて、彼は顔を明るくした。


ブックマークや下の☆☆☆☆☆にて評価いただけると嬉しいですヾ(≧▽≦)ノ


次回は、本日15:10に公開予定です!

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