表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者04──防衛省異世界対策室の少年  作者: 朱実孫六
再会

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

13/18

第7話 彼に会うんだ

 新宿警察署の周囲には、見慣れない角ばったバン型車両が置かれていた。肩から短機関銃をスリングでさげた機動隊員も立っている。


 正面玄関で真二は、その一人に軽く敬礼をした。


「防衛省の朝倉真二と、同じく真琴です。零級特異災害対策室から参りました」


 分厚いアクリルのフェイスガードつきのヘルメットをかぶった機動隊員は、にこやかに言った。


「うかがっています。どうぞお通りください。……と言ってもこのとおりでして。ご案内までは手が回らないんですが」


 真二は笑顔で返した。


「いや、お察しします。おつかれのことでしょう。ご苦労さまです」




 真琴は振り返りながら、真二へと小声でたずねた。


「あの人たちも警察の方……?」


 真二は、すれ違う警官に敬礼を返しながら答えた。


「そう。ERTって言ってな、テロや銃撃の緊急時に初動で駆けつける、対応部隊のみなさんだ」


 真琴は足を止めて振り向いた。青い出動服に、重たそうな防弾着。足もとには頑丈そうなブーツ。彼らは、それでも笑顔を絶やさず来訪者の対応に当たっている。




 署の自動ドアが開くと、外気とは違う、こもった熱気と汗のにおいが一気に押し寄せた。


 足を踏み入れた新宿署の一階ロビーは、人と声と運びこまれた機材でごった返していた。


 報道陣も被災者も、警官も、みな疲れ切った目をしていた。汗と埃のにおい、そして床の泥汚れに非常時を告げている。


 真二は、壁際に真琴と寄りながら言った。


「朝の電話では、どこまで話したかな」


 真琴は言う。


「青い勇者が仲間になってくれない、ってとこまでかな」


 真二は苦笑した。


「たしかに、ネットの呼び名の方が的を得ているかもな。だが、我々にはあくまであの少年はゼロフォー」


「まぁ、そこは置いておいて、わたしは彼に昨日のお礼が言いたい」


「父さんは彼とパーティを組みたい。真琴の仕事はわかるな?」


 胸を張った。


「わかる。彼とまず仲良くなる。それでいい?」


「よし。だがボーイフレンドをつくるという意味じゃないぞ」


 歯を見せる。


「わかってるって。あくまで情報収集、でしょ?」


 ふたりは親子でグータッチをした。





 カニの親子のように、壁伝いにすすんで、案内板を見上げた。真琴がめざす留置管理課は、三階らしい。


 真二は案内板を目に言った。


「署長室は二階か……」


 そこで真二は思いだしたように腕時計を外しはじめた。


「おそらく、そっちでこれが必要になる。真琴が持っておきなさい」


 受けとると、カシオのG-SHOCKだった。


「でも、これって母さんのプレゼントじゃん」


 真二は微笑んだ。


「やるわけじゃない。貸すだけだ」


 左腕にはめながら首をかしげた。


「時計ならスマホがあるじゃん」


 真二は、謎めかすように笑んだ。


「じきにわかる」


 真琴は手首につけたG-SHOCKを父に見せた。


「よし。どう? 本物の腕時計とかはじめて」


「なかなか似合う。じゃ、父さんは署長室だ。頭を下げてくる」


 眉尻を持ち上げた。


「なんで? どうしてボスが謝んなきゃなんないの……。わたしの責任じゃん」


 胸の内に、昨日の騒ぎがまたくすぶりはじめた。


 けれど真二は「違う違う」と手で否定した。


「そっちの頭じゃない。あの光るヨロイを貸してくださいって頼むのさ。こちらさんからすれば、多大な出血の末に確保した押収物だ。実際のところ土下座したってこんな頭じゃ足りないが、筋は通さないとな」


 小さく真二に手を振った。そして、ひとつ気合いを入れるように自分の腰を叩いた。


 面会には、上階の留置管理課で窓口手続きが必要らしい。


 混雑するロビーを見渡し、背伸びしてエレベーターか階段を探した。







ブックマークや下の☆☆☆☆☆にて評価いただけると嬉しいですヾ(≧▽≦)ノ


次回は、本日17:00に公開予定です!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ