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命を量る  作者: Starsya
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アブラムシ

 家の庭には、バラを何本か植えていて、暖かくなるとアブラムシが付き始める。ほとんどのアブラムシは羽をもたず、無性生殖してすさまじい勢いで増え、バラのつぼみを吸い尽くして枯らしてしまう。


 レイチェル・カーソンの「沈黙の春」を読んでから、殺虫剤や農薬には嫌悪感を持っていたけれど、手作業で間に合わないときに若干の罪悪感を覚えながら、殺虫剤を吹き付けていく。ごくごくたまに、テントウムシがいたら、そこには殺虫剤はまかないけれど、テントウムシよりアブラムシのほうが圧倒的優勢。


 まだ数匹しかアブラムシがいなくて、余裕のある時にはガムテープでアブラムシをくっつけてはがし、捨てていく。命を等しく見守る神がいるなら、バラ一輪のために数百の命を殺し、毒をまき散らす私は大量殺人者かもしれない。命を選別する権利はないけれど、命を奪う力を私は持っている。


 ここでアブラムシを殺している私と、熱帯雨林で数百の木を切り倒す伐採者の違いは、殺す命に思いをはせて記憶することだろうか。伐採者も、木を切り倒すたびに同じ痛みを抱えて、でも家族のために仕方なく仕事をしているのかもしれない。私には知りようがない。

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