第一級魔力通信その8
今回の接触では勇者が新たに人を連れてくることはなかった。勇者、戦士、僧侶、魔法使いの四人だけだ。
こうやって俺が言うと情報部の馬鹿どもは『あぁ良かった我々の判断は正しいかったのだ。』って言うんだろうな。
それとも『貴官が優秀だからだ。』とでも言ってご機嫌取りでもするのか?
俺達、調査官はいつも自分の体を危険にさらしてんだ!
ふんぞり返ってレポート待ってるてめぇらとは違うんだよ!
いまこの瞬間、全員の未来のために働いてる奴が何人いる!
少なくとも!ここには!一人いるぞ!
てめぇらはそう言えるのかよ!
これは千載一遇のチャンスなんだよ!
今までに一人だって俺達の『声』が届いた奴がいたか!
この機会を逃すことの方がリスクなんだってなんでわからないんだ!
レポート見ればわかるだろう!
彼らとの関係は薄氷の上にある!
割れてしまえば、もう二度と取り返しがつかないんだ。
未来への扉は今、目の前にあるんだよ。伸ばせば届くんだ。
どうしてお前らは伸ばさない。たった一ページ。たった一瞬で十分なんだ。それだけで彼らは理解してくれるはずだ。
1級調査官『ルルュロョレリラ』は彼らとの関係改善のため、第5種暫定機密指定文書の暫定機密指定解除あるいは当該文書の開示権限を本官に付与することを情報部に要請します。




