表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/43

『第21,728回観察レポート』より抜粋

《戦士発言》

よしみんな集まったし、まずはおれからだな。

結論から言うぜ。あの野郎が他国の間者なのは確定だ。王都の出入記録に記載がなかった。

この事実だけで牢屋にぶち込めるぞ。


《魔法使い発言》

お疲れ様。衛士の仕事もあるに、この短期間でよく調べ終えたわね。


《戦士発言》

おかげ様で寝れてねぇよ。だからさっさっと終わらせようぜ。魔法使い殿の方はどうだった?


《魔法使い発言》

まだよ。あいつの書いてる文字を片っ端から既存の言語に当て嵌めてるけど、今のところ一致するモノなし。いくつかの文字が断片的に見えてるだけだから特定は不可能かもしれない。だから最悪無駄足になるわごめんなさい。


《勇者発言》

魔法使いが謝ることないよ。俺なんて見張り以外何もしてないし……。


《戦士発言》

ある意味一番大事なことだからしっかりやれ。無職で暇してるお前しかできん。


《魔法使い発言》

今日ほどあんたが無職で良かったと思ったのは初めてよ。頑張なさい。


《勇者発言》

ヘーイ。ちなみに監視は異常なしです。一歩も小屋から出てないみたい。次は僧侶の番だけど……気分大丈夫?


《僧侶発言》

……ええ……大丈夫、ですよ。少し考え込んでしまっていて。


《魔法使い発言》

ちょっとほんとに調子悪そうじゃない大丈夫?


《戦士発言》

教会まで送ってこうか?

 

《僧侶発言》

いえ、平気です。体の調子はいいので……。わたしはモンスター出版について調べました。編集さんのおっしゃる通り、王国の出版社ではありません。周辺国も調べてますが、量が多いので時間がかかります。その分確実に確認は取れると思います。存在すればの話ですが……。あと魔法使いの文字分析ですけど、確実に進展する方法が1つだけあります。


《勇者発言》

過去の魔物図鑑だろ。ぶっちゃけ俺も考えた。


《僧侶発言》

そうです。やっぱり見せて貰うのは難しいですか?


《勇者発言》

実は一回目のインタビューの時に見せて貰おうとしたんだよね。でも拒絶されちゃった。


《魔法使い発言》

ちなみにその時はどう感じたの?

 

《勇者発言》

あー言葉にするのが難しいんだけど、恐怖と不安、あとは期待なのかな?色んな感情がごちゃ混ぜになっててよく分かんない……。


《魔法使い発言》

敵意や害意ではないのね?


《勇者発言》

あぁ前にも言ったけど、そういうのを感じたことは一度もないよ。


《戦士発言》

前にも言ったがよ。二人とも勇者の力を過信するのをやめろ!人の心が読めるなんてのは思い上がりだぞ。

僧侶さんもなんか言ってやってくれ!


《僧侶発言》

勇者様、前にも言いましたが『言語翻訳』は相手の心を読んでいるわけではありません。

相手の意図を表現や文脈を無視して感じ取っているだけなのです。

ですから相手の発言に敵意や害意を感じないからと言って善人とは限りません。


《勇者発言》

わかってる。わかってるよ僧侶。

今のが、俺が裏切られて傷つかないか本気で心配して出た言葉だって。

そしてそれ以外も。だから皆に相談したいことがあるなら隠さず言って欲しい……何が引っかかってる?。


《僧侶発言》

………根拠はないんです……。でもずっと誰かに見られてる気がしてて……多分この会話も聞かれています。


《戦士発言》

あぁ、それはみんな分かってるさ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ