始まりのご挨拶
《編集部コメント》
『ご歓談中申し訳ございません。勇者様、ご本人でよろしいでしょうか?』
《勇者様コメント》
えっと、そうですけど……ちょっと待ってもらっていいですか?
《編集部コメント》
『分かりました。』
【勇者様により、『ゴブリン』が追い払われるまで中略】
《勇者様コメント》
お待たせしました。それで一体どなたですか?
《編集部コメント》
『申し遅れました。私はモンスター出版編集部のルルュロョレリラと申します。訳あって顔を明かせない無礼をお許しください。』
《勇者様コメント》
事情がお有りなのは見ればわかるので大丈夫です。ええっとルルッチョッェ……
《編集部コメント》
『呼び辛いのであればどうぞ編集とでもお呼びください。』
《勇者様コメント》
それじゃあ遠慮なく、編集さんは俺になんの用ですか?
《編集部コメント》
『私は50年以上前から魔物図鑑という魔物についての本を出版しているのですが、5冊目となる今回は是非とも魔物に詳しい勇者様から様々な魔物について、コメントを頂けないかと思い参上いたしました。』
《勇者様コメント》
魔物図鑑……本にコメントですか。そんな事した事ないのでうまく出来るとは思いませんが……それでも大丈夫ですか?
《編集部コメント》
『問題ございません。我々としても外部コメンテーターにコメントを頂くのは初の試みなのです。もちろん報酬もお支払いします。王国通貨の持ち合わせは余りないので、貴金属などの現物支給になりますが、よろしいでしょうか?』
《勇者様コメント》
お金には困ってないのでそれで大丈夫ですよ。
《編集部コメント》
『ありがとうございます。インタビューは全てショーカス語で行わせて頂きますが、私はショーカス語が母国語ではないので、聞き取りにくい場合や聞き逃す場合がございます。あらかじめご了承ください。』
《勇者様コメント》
分かりました。まぁ俺と話す限り聞き逃す事はないと思いますよ。それで具体的にはいつインタビューしますか?
《編集部コメント》
『4日後、王都の外れにある小屋でお願いします。場所はこちらでご案内いたします。どちらに行けばお会いできますか?』
《勇者様コメント》
ええ、俺の滞在先は【ーーーープライバシー配慮のため編集部により検閲ーーーー】。