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図鑑No.005『ガーウルフ』

白い毛並みをした巨大な四足歩行の獣。口は立派な牙が並び獲物の頭から豪快に噛みちぎる。通常の狼と違いガーウルフは一度縄張りと決めたところを絶対に動かない。

縄張りが森や荒野であれば問題がないが、もし人里を縄張りとしてしまった場合は注意が必要だ。定期的な生贄がなければ周囲一体は人が住めなくなってしまう。


《勇者様コメント》

名前を変えるべき魔物その1。

会ったことのある人はみな口を揃えてこう言う。

『ただのでっかい犬じゃん』ってね。

こいつはもうとにかく人懐っこい魔物。『人間大好きワンワン』とかに改名するべきだといつも思ってる。

生贄が必要っていうのも単にご飯をあげましょうって話でしかない。

飼育時に最低限注意することは

1つ、毎日一回はご飯をあげる事。

2つ、定期的に縄張りを散歩させる事。

3つ、たまに水浴びさせて体を清潔にさせる事。

以上、3点だけ。

飼育を検討している人向けにデメリットをあげると

体が大きいので餌代がそれなりにかかる事、よく遠吠えをするので街や都市の場合はしつけが必要な事、縄張りを動かないので遠くに連れて行ったり野生に返したりは出来ない事ぐらい。


ちなみにこいつの遠吠えには縄張りに魔物を近づけない効果があるので、一部の地域では森や村の守り神扱いされてたりする。俺は戦ったことがないけど、戦闘能力が高く討伐する場合はかなり骨が折れるって戦士が言ってた。だからいくら人懐っこいとは言え魔物は魔物、子供は決して近づけないように。


飼い主として誠実に接していれば、そのうち背中に乗せてもらえるようになる。縄張りの中を風を切って駆け抜ける体験は一度経験すれば病みつき間違いなし。

もしも機嫌を損ねた場合は遊んでやるか、おやつをやればすぐ治る。おすすめの遊び方は、腕くらい太い木の棒をこいつの眼の前で左右に振ってから遠くに投げること。うちの『ポチ』はこれでどんなに機嫌が悪くても、尻尾ぶんぶん振って取りに行く。乱暴に扱うので、すぐに折れるのが玉に瑕。

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