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図鑑No.004『キャピモス』

押し潰されたような玉が体節状に体を構成している。主に茶色で構成された体は大きく、地面を這う姿を遠くから見ると倒木の様に見える。

木の根や幹を食べ森を荒らす。刺激を受けると身体中から臭い匂いのする液体を吐き出す。


《勇者様コメント》

魔法使いが死ぬほど嫌いなやつ。

こいつが森に発生していると魔法使いが梃子でも部屋から出なくなる。だから噂を聞くたび、何度も主に俺と戦士で駆除させられた。魔王にこのことがバレてなくて本当によかった。もしこいつを集団で召喚されてたら、魔法使いのやつショックで死んじゃってたと思う。


見た目は完全に巨大な芋虫で、木を文字通り頭からムシャムシャ食べてしまう。こいつが森に発生すると、森が荒れて狩猟や林業に支障が生じる為、確認されるとギルドから討伐依頼が出る。だから魔法使いを部屋から出すついでに、報酬が貰えるので最初のうちは俺と戦士も喜んでやっていた。

しかし俺たちが率先して駆除していることがわかると討伐依頼が出なくなったクソめ。だから後半は俺と戦士がボランティアで駆除していた。ギルドは俺と戦士に表彰状の一つでも渡すべきだと思う。


戦闘能力は吹き出す体液以外は大したことはない。所詮芋虫なので動きは遅いし、体は簡単に剣が刺さる。なので冒険者が3人くらい、集まれば魔法が使えなくても安全に処理できる。厄介なのはその体液だ。毒性などはないが臭い、これがもうとんでもなく臭い。

どれだけ臭いかというとどの街にもこいつの体液及びそれを浴びた人間を入れることを禁止する法律があるくらい臭い。大した戦闘力もないのにこいつが冒険者に超不人気なのはそのせいだ。なので俺もこいつにはブレイブアタックを使ったことはない。遠くから安全に魔法で処理するに限る。


こいつの生態に関しては不思議な点が多々あって例えば小さいキャピモスというのは発見されていない。多少大きさに差はあるが、ある日突然森で大きなキャピモスが発見されるという現象を繰り返している。だから俺はこの大きさで最小サイズつまり生まれた姿なのではないかと考えている。

加えて成虫や蛹に相当する姿も今のところ目撃されていない。『もしキャピモスに成虫の姿があるとすれば、そしてあのサイズが生まれた直後の姿ならば、成虫は街一つを覆うくらいの大きさなのではないのか』という話を魔法使いにしたところ『気持ち悪い想像をさせないで!』と殴れた。俺はただ可能性の話をしただけなのに……。

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