↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
59/97

第二十七章

 寝室ではマリアが平和そうに眠っていた。


 もうそろそろ起きる時間だ、とは思うルナだが、マリアがあまりにも無防備なので、ため息をつく。


 一人侍女の服に着替えて、洗顔等身支度をすると、マリアを起こさずにアイリス姫の元へと向かった。


 途中で水差しを代えるトレイを受け取り、彼女はアイリス姫の寝室の扉の前に立つ。


 何度かノックした。


 いつも帰ってこないのだが、これは儀礼だ。


「入って良いわよ」


 ルナは驚く、アイリス姫がこの早朝に起きているのだ。


「失礼致します」


 扉を開けるてアイリス姫の寝室に入ると、彼女はベッドに横になっていた。


「どうかなさいましたか?」


 ルナは思わず尋ねてしまう。


 アイリス姫の目は赤く、顔に疲労の陰が残っている。


 ぷっとアイリス姫が弱々しく吹き出す。


「何よそれ。私だって眠れない日もあるわ」


「眠れなかった……」


 ルナは彼女の体調が気になる。今日は少し変なのだ。 


 素直すぎるし、口調もふわふわとしている。


「でも、ルナ、あなたもよ。眠れなかったの? 疲れているみたいだけど」


「私も色々悩みがあります」


「そうね……ねえ、こんなの言って良いかわからないけど、ルナ、何だか臭いわ」


 アイリス姫はそう言うと、癖なのか何かを取るように片腕を伸ばす。


「あっ」と彼女がしゅんと萎れた。


 そこにあったウサギの縫いぐるみがないのだ。


 肩を落とすアイリス姫を目の当たりにし、ルナはゴミ集積場を思った。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。