第六話【一杯食わされ、いっぱい喰われ】
まずは閲覧ありがとうございます!
このお話は初心者による物語です、プロフィールに書いた通りのまるで台本の様な小説とは程遠い拙い文章、少ない表現力、明らかな描写不足、当然の様な誤字脱字など正直問題だらけです、それでも読んで頂けるのならば幸いです。
一部の「」『』の説明
「」は主に人間のセリフ
『』は人間以外や大体の主観の人以外の電話や通信越しなどによる人間の音声のセリフのイメージとなっております。
【この話での未知の生命体ドラーベ内の用語集】
【アハッド】
異星の者達から伝えられた技術によって、対ドラーベを想定して造られた人型兵器、大きさはおよそ8m程
【フォースデルタ】
地球連合軍の通称
異星との交流によりアハッドなどを得た地球で、対ドラーベを想定され発足された国を越えた人々が集う軍
【ドラーベ】
地球や異星などに突然現れた未知の生命体、意思疎通が出来ず、人間を襲うものの明確な目的などが分かっていない為、侵略者として扱われる事が多い
現在軍に三種類確認されているドラーベだが、共通しているのは頭部が伝説上のドラゴンの様な形をしている事のみで、身体はそれぞれ違いがある
【オールドドラーベ】
ドラゴンの様な頭部を起点に、上半身は竜人を思わせる身体、下半身は蛇の様にやや長い身体、全体的に靭やかで身体の灰色部分は硬い、赤黒い部分は比較的硬くないが、それでも銃弾や刃物を通さないほどの硬さはある、人で言う肩の辺りからは、形状を鎌や触手の様に変化させる特殊な腕の様な物がある、大きさはおよそ1m超え
上記の通り足は無く、浮いてはいるがスピードは余り速くない(小学高学年位なら逃げ切れる)
【パワードラーベ】
同じくドラゴンの様な頭部を起点に怪獣の様な大きな身体、かなり筋肉質でやや猫背、手足がありしっかり二足で立っている
大きさは高さおよそ8〜12m程
手先はさながら大きな鉤爪になっていて、こちらは腕を変化させない
こちらは巨体ではあるが上記のオールドタイプとスピードは余り変わらない(歩幅でカバー)
しかしその分腕を活かした強烈な叩きつけや切り裂きは恐ろしい威力を誇り、戦車なども簡単に破壊するパワーの持ち主
溜めるのに時間はかかるが熱線を吐く事が出来る
【飛行ドラーベ】
形状は他に比べてドラゴンっぽさが強い、というのもその姿は伝説などに出てくるワイバーンに近いものとなっている
まずドラゴンの様な頭部を起点にやや細身の引き締まった身体、そこに人で言う本来腕が生えてる位置から長く発達した腕の様な翼が生えているのが特徴
翼の爪で切り裂いたり、特殊な雄叫びによる音波の攻撃をしてくる
大きさは翼を広げると全長およそ8〜10mほど高さはおよそ3〜5m
飛行する為上記二種よりスピードは速く通常は速めの自動車を追い越す程、速い時は新幹線を超える速度を出せるらしいが、制御出来ないのかぶつかる光景も目にされた事も
少し前の監視ルームにて
リジー
「…やはり来ましたか、…さぁドラーベよ、私に新たな可能性を見せてください」
モニターに映る学生の居る部屋、そこにオールドドラーベが突入してきた、私が望んでいた光景がモニター上に広がる事に私は興奮を抑えられなかった、何とか気持ちを落ち着かせ、動向を見守る事に
ドラーベが学生を捕らえている?…コレは今までに類を見ない初めての行動ですね
通常、オールドタイプのドラーベは人間を発見すると即座に襲いかかってきます、そして切り裂いた人間の一部を喰らう事でパワー、または飛行ドラーベに成長、或いは進化とでも呼ぶべき事が起きます
ただ基本的にはドラーベ同士も獲物の取り合いになる事が多かったり、喰らっても進化しない事があったりするようで、オールドに比べてパワーや飛行タイプ、この二種は極端に数が少ないのです
パワー、飛行タイプはそういった獲物を喰らう行動は一切ありません、恐らくこの進化そのものが彼等の狙いなのでしょう、ですからこの様にオールドドラーベが人間をすぐ殺さずに捕獲する行動は見た事がないのです…
『…まさかお前…あの時の…!?』
…ほう?やはりそうなのですね
何がやはりと思わせるのか、それはオールドタイプのドラーベにのみ見られる習性、の様な物でしょうか
学生の彼のあの時の、という発言からの推測でしかありませんが、恐らく彼は何らかの形であのドラーベの攻撃、或いは捕食の【邪魔】をしたのでしょう
オールドドラーベは自分の行動を阻害してきた相手へ強い怨み、或いは怒りを感じる様なのです、コレは恐らく、上位種のパワー、飛行タイプへの進化を妨げられた事に対してへのモノだと思われます
他にもドラーベの邪魔をすると何らかの要因で肉眼では見えない刻印を刻まれる様です、そしてドラーベはその刻印を付けた相手が何処にいるか分かるらしく、生きている限りどこまでも追い続けるようです、先程学生にした検査は通常では確認出来ない、その見えない刻印を確認する為に行いました、ですので、待っていればドラーベはいずれ彼を追い掛けてここへと来る事が分かったという訳です
因みに基本的にフォースデルタのアハッドには、簡易検査が出来るセンサーが搭載してあります、それにより彼女達…ミレイ達は彼を保護した…という事です、この簡易センサーは生産上の都合により質より量を優先した為、反応があっても刻印が無い事はザラにあります、ですので彼を本格的な検査の出来るこの基地まで移送させたのです
…その貴重な検査用の機械が破壊されてしまったのは中々困りますが…、まぁこれはまた造ればいいでしょう
…ここで私が考えていた可能性についてお話します、それは刻印の付いた人間と付けたオールドドラーベが邂逅した時何が起きるのか…です
しかしこれもただ引き合わせるのではありません、何故かと言うと、人間がドラーベの邪魔をし、刻印が刻まれた直後の状況について、いくつかパターンがあります
1、ドラーベが怒りに呑まれ、そのまま人間を殺す
2、ドラーベは基本的に群れでいる事が多い為、別のドラーベが刻印の付いた人間を殺す
3、救助に来たアハッドがドラーベを殺す
4、瓦礫の崩壊など外的要因での人間の死亡
などです、ちなみにフォースデルタがドラーベを対処する場合、アハッドなどで攻撃しますが、ドラーベ達は機械相手だと攻撃をされたと認識せず、刻印を刻めないようです、更に刻印や怒りはどちらかが死んだ時点で消えます
今回はおそらく、彼がドラーベの邪魔をした後、運良くミレイ達が助け、センサーに反応し連れて行ったお陰で、ドラーベに嫌でも怒りが和らぐ時間が出来ました、更にドラーベは珍しく単身でやってきた…、他に邪魔される要因がない中、何が起きるのか…
仮に何も起きなくても最悪の場合、一人の犠牲でドラーベの生態が少し分かるんですから…、彼も喜ぶでしょう
グバァッ!
…おや?ドラーベが?
バクンッ!!
これは……?うっ…!
中々見るに堪えかねる光景ですね…、ドラーベが学生を頭から丸ごと呑み込もうとしている?自分より大きな人間を…、喉には歪に人の形が浮き出て…何て光景だ、…これは彼を見る最後のチャンスになってしまうかもしれませんね、折角来てくれたんです、彼女達にも見せてあげなければ…
モニター状に映るおぞましい光景に吐きそうになりながら、私はパネルを操作し部屋への扉を開いた
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海上基地上層、検査室の扉の前にて
娘のレミ、副艦長のポートと共に私達がここへ来てかなり経つ…ガードマンが守る扉の前で待つだけの時間、特にレミは腕を組んで不規則にトントンと叩いていて、一目で苛立っているのが伝わる…、今は素直に感情を出せるのが少しだけ羨ましくもあった
その時ふと扉が開かれ、そしてガードマンが横にずれた
ガードマン
「許可が降りました、どうぞ」
私は少し警戒した、真っ先にリジーが出て来ない?あの男が陰湿なのはよく知っていた、…だからただ扉を通すというのがどうにも解せない
そんな心配を他所にレミが走り出してしまった、私は待って!と言いながら走って付いていった
レミが先に開いた扉を通り抜け、辺りを見渡し何かを見てすぐに立ち止まった…、一体どうしたのか、私も遅れて開いた扉を通り抜け、レミが止まった訳を自分の目で捉えた
…ングッ!ングッ!
レミ
「……なに…これ」
レミが思わず呟く、私も状況を理解するのに時間が…、いえ…理解したくない…見たくもない光景に絶句した、オールドドラーベの口から…人の足?まさか人を呑み込んで…?ふと、近くに開かれたロッカーが目に入る、そこには見覚えがある学生服があった
そしてその学生服を見た事で、おそらくその場に居たであろう人間がその場にいない事から私は…想像したくない事を想像してしまっていた…
今、ドラーベに呑み込まれてるのは…
…ンググッ!ゴクンッ!!
最後に出ていた足も口に収めて呑み込むと、ドラーベはヒュウの血がいくらか溜まった地面に降り、歪な形をしながらボコボコと蠢く膨らんだ腹を、満足気に血の付いた刃で撫でていた、ミレイとレミは頭が真っ白になって動けないでいると、ガードマンを警戒し、遅れて後ろから来ていたポートが状況を認識して突然叫んだ
ポート
「動けっ!!助けるぞ!!」
その言葉に私達は我にかえった、そうだ!今ならまだ助けられる、呆然としている場合じゃない、私は急いでレミに指示する
ミレイ
「…レミ!急いでアハッドを出撃させて!」
レミ
「えっ!?今!?」
ミレイ
「ドラーベがいるなら複数いる可能性があるわ!迷っている時間は無い!ここは私とポートで救出を試みます!それからメック達にもカッドを発進させるように伝えて!」
レミからしたら驚いたと思う、傍から見たら上官に逆らえない臆病者に見えてたでしょうから…実際それは間違ってもいないしね…、しかし今はそんな事を気にしている場合ではない
レミ
「お母さん…!分かった!急いで行くからお母さん達も気を付けて!」
レミは来た道を全速力で戻り始めた、それと同時に
ミレイ
「行くわよ!ポート!」
ポート
「ああ!目標を救出する!」
私達は携帯している小型銃を取り出し、ドラーベと私達を隔てる強化ガラスに撃ち始めた
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監視ルームにて
リジー
「アハハハッ!彼女達…いい表情でしたねぇ!…副艦長の呼び掛けですぐに持ち直したのは流石、と言ったところでしょうか、さて…貴方達が助け出すのが先か、それとももう既に溶けているしまっているか…」
…銃では割れない強化ガラスに向けて必死に撃つ姿はなかなか見物ですね
私はモニターに映る大人しくなっているドラーベの方をズームする、ほんの少し前まで暴れていた腹が、大きな鼓動の様な音と共に数回膨らんだり縮んだり、伸縮を繰り返していた、…もう動いていませんね…どうやら消化もお早いようで
…おや?ドラーベも動かなくなってしまった…、目からは光も消えているしこちらも死んでしまったか…?それに形が変わっている?先程まで膨らんでいた腹部を中心に直径1m半超えほどのやや歪んだ球体…、その頭頂部には先程まで動いていたドラーベの頭部が球体に沿うように付いて歪に歪んでいる…それはさながら虫の繭や蛹の様な…
…そこに大きな音が響き渡りました、…何事だ?基地のカメラを見るとドラーベがいる部屋の外、そこには私もよく知るアハッドがいた
リジー
「…ハハ…なかなか大胆な方達ですね、さてさて…どうするのか見物させていただきましょうか」
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海上基地、ドラーベのいる部屋の近くにて
私の無線機に通信が入った、誰かが開けたすぐそこの穴から(ドラーベが破壊した穴)少し見えるアハッドの一部で誰なのかは想像出来た
レミ
『お待たせ!お母さん!』
レミがこの部屋の穴のすぐ側に来てくれた
ミレイ
「ありがとう!でもごめんなさい…!私達からでは操作パネルも駄目、ガラスを壊す事も出来なかった…ドラーベの様子も何かおかしいわ」
レミ
『そんな!?…ううん!今はどうしたらいい!?……は持ってきても中に入れないし…』
ミレイ
「…考えがあるわ、でもその前に…メック!聞こえているわね!」
ミレイは同時通信を行いメックに呼びかける
メック
『ハイッ!バッチリ聞こえるよ!』
ミレイ
「急いで私達の居る階より上層を生体センサーで確認して!それからここから上層だけで構わないから構造もスキャンして!それから…」
メック
『り、了解っ!!』
もしも今のこの状況があの男の狙いなら恐らく…
メック
『艦長!センサー反応ありません!上層には誰もいないよ!?』
やはり私の読み通り、リジーはあまり人を信用しない、自分の関わる事には沢山の人を置きたがらない
ミレイ
「その方が好都合よ!レミ!聞こえたわね!?お願い!」
レミ
『お、お願いって何を!?』
何をですって?…決まってる!
ミレイ
「ここから上層をぶった切るのよ!!」
…後になって思うけど…我ながらなんてムチャを言ってるんだろう
作品に関しての感想、質問があれば可能な限りお返事します。
次回も楽しみにして頂けると幸いです
ここまでお読み頂きありがとうございました!