表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

69/69

エピローグ【エヴァルドラーベのその後】後編

まずは閲覧ありがとうございます!


このお話は初心者による物語です、プロフィールに書いた通りのまるで台本の様な小説とは程遠い拙い文章、少ない表現力、明らかな描写不足、当然の様な誤字脱字など正直問題だらけです、それでも読んで頂けるのならば幸いです。


一部の「」『』の説明


「」は主に人間のセリフ


『』は人間以外や大体の主観の人以外の電話や通信越しなどによる人間の音声のセリフのイメージとなっております。


【この話での未知の生命体ドラーベ内の用語集】


【アハッド】


異星の者達から伝えられた技術によって、対ドラーベを想定して造られた人型兵器、大きさはおよそ8m程


【アフィア】


地球に存在する反異種族連合軍の通称


主に多くの地球人が集まった者達で結成されたそれは、ここ数十年で規模を広げ今ではフォースデルタに次いで地球を二分に分ける程力を持った組織、度々フォースデルタと衝突を起こすも、あくまで自分達は地球の為に行っていると正当化している、異星から来た彼らの技術を盗み、アハッドまで造り出していた(但し、違いは殆ど無い)




【カッド】


アハッドと同様に異星から伝えられた技術によって造られた戦艦、アハッドを格納な上にある程度の戦闘も可能、海上、空中、宇宙への航行も可能としている


【サフィア】


反異種族連合軍…アフィアの中の特殊部隊の通称


アフィアのロヴェルが統率している組織


【サンダーボルト】


万が一アハッドが特殊な状況でエネルギー切れを起こした時に使う、フォースデルタのカッドに最近搭載された人工雷発生装置の名前


アハッドに向けて発射させる事で急速にエネルギーをチャージする事ができる





特別国家イールフ


世界に広まっているアハッド、開発当時の研究者の一人が地球に作ったと言われている小さな国


他の国が最先端を目指して高層ビルや交通などを発展させていく中、この国は地球由来の豊かな自然が多い、そして中央には大きな噴水があるのが特徴的




【フォースデルタ】


地球連合軍の通称


異星との交流によりアハッドなどを得た地球で、対ドラーベを想定され発足された国を越えた人々が集う軍




【プレデシャン】


ミレイ達の乗るカッド…戦艦の名前


【緊急襲来警報】


ドラーベが襲来するようになってから作られた警報で、国によって決められた独自のシェルターに避難するように求められる世界共通の警報


【ドラーベ】


地球や異星などに突然現れた未知の生命体、意思疎通が出来ず、人間を襲うものの明確な目的などが分かっていない為、侵略者として扱われる事が多い


現在軍に三種類確認されているドラーベだが、共通しているのは頭部が伝説上のドラゴンの様な形をしている事のみで、身体はそれぞれ違いがある


【オールドドラーベ】


ドラゴンの様な頭部を起点に、上半身は竜人を思わせる身体、下半身は蛇の様にやや長い身体、全体的に靭やかで身体の灰色部分は硬い、赤黒い部分は比較的硬くないが、それでも銃弾や刃物を通さないほどの硬さはある、人で言う肩の辺りからは、形状を鎌や触手の様に変化させる特殊な腕の様な物がある、大きさはおよそ1m超え


上記の通り足は無く、浮いてはいるがスピードは余り速くない(小学高学年位なら逃げ切れる)


【パワードラーベ】


同じくドラゴンの様な頭部を起点に怪獣の様な大きな身体、かなり筋肉質でやや猫背、手足がありしっかり二足で立っている


大きさは高さおよそ8〜12m程


手先はさながら大きな鉤爪になっていて、こちらは腕を変化させない


こちらは巨体ではあるが上記のオールドタイプとスピードは余り変わらない(歩幅でカバー)


しかしその分腕を活かした強烈な叩きつけや切り裂きは恐ろしい威力を誇り、戦車なども簡単に破壊するパワーの持ち主


溜めるのに時間はかかるが熱線を吐く事が出来る


【飛行ドラーベ】


形状は他に比べてドラゴンっぽさが強い、というのもその姿は伝説などに出てくるワイバーンに近いものとなっている


まずドラゴンの様な頭部を起点にやや細身の引き締まった身体、そこに人で言う本来腕が生えてる位置から長く発達した腕の様な翼が生えているのが特徴


翼の爪で切り裂いたり、特殊な雄叫びによる音波の攻撃をしてくる


大きさは翼を広げると全長およそ8〜10mほど高さはおよそ3〜5m


飛行する為上記二種よりスピードは速く通常は速めの自動車を追い越す程、速い時は新幹線を超える速度を出せるらしいが、制御出来ないのかぶつかる光景も目にされた事も






ドラーベ達を救う為の手段として、ヒュウはエヴァルドラーベからの提案、ドラーベを助ける際、人のいるいずれかの星のトップを潰す提案を受ける事に



「…気は進まないけど、いずれは避けられない道なら最初から覚悟して戦いに臨んだ方が良いのかな、問題はエヴァルドラーベが言ったように強い相手の場合だよね…」


『…最悪、玉砕覚悟モアリダゾ?』


『ワレハソンナノゴメンダ!!』


『…アクマデ覚悟ダ、負ケル訳デハナイ』


「せめて他の星の情報があれば良かったんだけど…、…あ!そうだ!周辺にドラーベが居たら聞けないかな?偉そうな人とか強そうな人とか」


『悪クナイ考エダ、我等ガ使エル唯一ノ情報網ダナ、早速行ッテミルカ』



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



ヒュウ達は今居る星から比較的近い方の土星へと近付く、宙域に漂う衛星のような物に気を付けながらドラーベの気配を探る、土星全体は無理だが、一部の地域で気配を感じる


「…いるには…いるみたいだけど、どうしよう?…叫んで呼ぶ訳にはいかないし…」


『…ベツニサケバンデモイインダゾ?ケハイヲサグルトキニ、キモチヲノセレバイイ、チキュウデハソウシタダロウ?』


「…無我夢中でよく分かってなかったけど…あの時はそうだったんだね、来てくれるといいけど…」


ヒュウは再び土星の近くの星からドラーベを探り、その内の一体に呼び掛けてみた、すると程なくしてヒュウの近くへ寄って来た、土星から来たオールドドラーベはヒュウ達の姿を見て驚いたが、ヒュウが必死に説得する事で落ち着いて話を聞いてもらえた


土星のドラーベ

『…オマエミタイナドウホウ、ミタコトガナイ、ダガチャントドウホウノケハイハカンジル…』


「(星が違くてもドラーベは余り違いが出ないのかな、ご当地ドラーベみたいな)」


『(ホカノホシノコトハシランガ、ベースソノモノニチガイハナイダロウ)』


「なんて説明しよう…?…えっと…他の星でアライブ…同胞が頑張ったら、こうなりました…!」


土星のドラーベ

『………』


身振り手振りで簡潔に伝えるヒュウ、スカーフから伸びている竜…アライブ、エヴァルドラーベに対して土星のドラーベはジト目で見つめていた


『…マチガッテハナイガ、ソノセツメイハドウカトオモウ』


「…ですよね、えっと…姿の事は置いてもらって、少なくとも…とりあえず味方ってだけ認識してくれると嬉しいよ、それで…いきなりで申し訳ないんだけど…良ければちょっと協力して欲しい事があって…」


ヒュウ達は土星のドラーベに自分達の目的を話し、土星に襲来しているドラーベや人間の状況を聞いてみた


見知らぬ生物のヒュウを警戒しながらも、土星のオールドドラーベは話してくれた


土星では対ドラーベへの兵器の技術が発達しているらしい、かつては地球のアハッドのような兵器もあったのだが、小回りがきかなかったり、生産コストの効率化により、個人で携帯できるサイズの片手銃型の兵器…主に謎のビームガンが主流となってるらしい


その為町中でも撃てるよう、建築物もそのビームガンに耐性がある特殊な素材で出来ている、一方で人間に当てても害のないような設計もキチンと為されている為、軍人じゃなくても、そのガンを多くの者達が所持していて気兼ねなくドラーベを攻撃出来るのだとか、そのせいで土星周辺のドラーベ達はかなり数が減っているらしい


『ドウホウニトッテハヒサンダナ』


「…ドラーベを倒せる武器をみんなが持ってたらそうなっちゃうよね…、…そうだ、姿が変わった同胞はいるの?」


土星のドラーベ

『イナイ、イットキハイタガ、ミナツギツギトシンデイッタ』


「…ごめん、そんな事言わせて」


土星のドラーベは不思議そうに小首を傾げる


土星のドラーベ

『…?ナゼオマエガアヤマル?』


『キニスルナ、ヒュウハコウイウヤツダ』


土星のドラーベ

『??』


「…こうやって話している間にもどんどん数が減っちゃっているかも…、えっと…土星で一番強そう…とか、偉そうな人間…生物って分かる?」


土星のドラーベ

『…ニンゲンノジジョウニハクワシクナイ、ダガ…ヒトキワタカイタテモノガアルノハシッテイル、ソコニイッタドウホウハ、ニドトカエッテコナカッタナ』


『…フム…十中八九ソコノ可能性ハ高ソウダ』


「…?分かるの?」


『ナントカト煙ハ…トイウヤツダ』


「…とりあえず…目的地が無いままにならなくて良かった、色々教えてくれてありがとう、良かったら君も他の同胞がいる所に連れてってあげたいんだけど…来ない?」


土星のドラーベ

『…イヤ、ワレラヲタスケテクレルノダロウ?ナラバアンナイシタイ』


『…ホウ?案内カ?』


「案内は嬉しいけど…危ないよ?場合によっては戦闘になって巻き込まれちゃうかもしれないし…」


『ムシロタタカイガメインダロウ』


「あくまで目的はドラーベ達の救助でしょ!?」


土星のドラーベ

『…コレマデワレラハナススベナクヤラレテキタ、オマエタチガホントウニカテルノカ、キョウミガアル』


『……ナルホド、間違ッタ事ハ言ッテナイガ…』


土星のドラーベ

『タノム』


「うーん…でも危ないしなぁ…」


土星のドラーベの安否を心配して悩むヒュウに、エヴァルドラーベが心に語り掛けてくる


『(ヒュウ……ソノママ悩ミナガラ聞ケ、コレハ罠ノ可能性ガアル)』


「(…エヴァルドラーベ?罠って…何の?)」


『(内容ハ流石ニ分カラン、…ダガコノ同胞、ヤケニ落チ着イテ、我等ガ連レタ同胞ニ比ベテ思考シテイル上ニ、言葉モ流暢ダ、警戒ハシテオケ)』


「(う、うん…じゃあ案内は断ったほうが良いのかな)」


『(…試シニ断ッテミロ、オソラクダガ、……ト言ワレルカモシレン)』


「(…分かった)」


「……うーん…同胞を助けるのが目的だから、案内を申し出てくれたのは嬉しいけど…やっぱり危ないから…ごめんね」


土星のドラーベ

『………ワカッタ、ナラバホカノドウホウトヤラニ、ゴウリュウシヨウ、バショヲオシエテクレ』


「……!」


『(…エヴァルドラーベノヨソウドオリカ)』


エヴァルドラーベが先程した予想、もしこの案内が罠であるならば、案内を断られた時、おそらくヒュウの提案通り連れてって貰うのではなく、同胞の場所を聞いてくる…というもの


勿論これはエヴァルドラーベの推測であり、純粋に単身で同胞に合流したいと思った可能性も無くはないだろう


「…えっと…場所は」


土星のドラーベ

『アァ』


突然、右肩のエヴァルドラーベがヒュウの前に首を伸ばし話に割って入る


『待テ!我等ハ極度ノ方向オンチダ!意地ヲ張ラズニ案内シテモラエ!!』


「…え?い…意地なんて張ってないし!大体の場所さえ聞けば後は…!」


『無理ダ!ソレデ何度迷子ニナッタト思ッテイル!?』


土星のドラーベ

『…ソンナニカ?』


エヴァルドラーベは土星のドラーベに向き直り


『モチロンダ!真ッ直グ目的地マデマトモニ着ケタ試シガナイ、ダカラ案内ヲ頼ミタイ…!』


エヴァルドラーベの鬼気迫る迫力に、土星のドラーベも押され


土星のドラーベ

『…ワカッタ、モトモトソノツモリダッタシナ』


「…はぁ…心配性だなぁ」


「(…ありがとう、エヴァルドラーベ)」


『(アァ、一先ズ置イテキタ同胞ヘノ危険ハ防ゲルダロウ)』


土星のドラーベ

『…ソレデハアンナイスルガ、ホカニナカマハイナイノカ?』


「うん、いないよ、目的は助ける事で戦う事じゃないから、基本的には単独なんだ」


『…ム!』


土星のドラーベ

『…ヘンナヤツダ…ユクゾ』


ヒュウ達は土星のドラーベに先導して貰いながら宇宙を進んでいくと、土星の地表に遠目から見ても分かる高い塔のような建物が見えた、そこの頂点付近にゆっくり近付き、最上階の部屋と思われる扉の前に降りた


『ココニ、ツヨクテエライドウホウガイルノカ』


「…ん?何か混ざってない?」


土星のドラーベ

『イツモイルワケデハナイガ、ダイタイココニイル、キヲツケロ』


「…うん、ありがとう、それじゃあ君は安全な所で見守っていて、案内してくれた君が狙われると大変だから、危ないと思ったらいつでも逃げてね」


土星のドラーベ

『………ホントウニ…ヘンナヤツダ』


土星のドラーベはふよふよと離れた所に移動する、それを見届けたヒュウ達は部屋に入ろうとする


「…あれ?これどうやって入ろう?」


扉にはドアノブが無く、カッドのようなスライド式の扉と思われたが当然ながら開く様子がない、するとアライブは口に赤い光を溜め始めた


「!?ストップストップ!それは流石にマズイ!!」


ヒュウの決死の静止でアライブは溜めるのを止めた


『…ナゼトメル?コノホウガテットリバヤイゾ?』


「速いどころか存在広める前に全部終わっちゃうから!」


『…ツマラン』


すると


カシューン!


「…!…扉が…?二人とも…行くよ」


突然開いた扉、ここまでくると流石に罠を疑わざるを得ない、だがヒュウ達はそれを承知した上でここまで来た…迷いはない、アライブとエヴァルドラーベはヒュウの言葉に頷き、姿を竜からスカーフへと変えた後、ヒュウは扉を潜るため身体を少し屈めながら中へと歩を進めた


中にはカーペットと机と椅子が一つ、そして机の側に一人の人間のような生き物が立っていた


???

「……先程の声は君か?…何者だ?」


そこに居たのは厳つい中年男性、軍のような服を身に纏い、威厳に溢れていた、ヒュウは少しだけ気圧されながらも尋ねてみた


「えっと…言葉は分かりますか?」


厳つい中年男性

「…ああ、分かる、…人語を発するとはかなり賢い生物のようだ、それに…強そうだ」


「…っ!」


男の発する威圧感に思わず気圧されそうになる、冷静に観察し、自身よりも大きな未知の生物を見た者とは思えない反応


厳つい中年男性

「……それで、君の目的は何かな?侵略…それとも破壊?…いや、支配か?」


男の問いにヒュウは顔を横に振る


「……どれも…一応違います…ドラーベはご存知ですか?」


厳つい中年男性

「ああ、勿論だ」


「俺はドラーベを集めています、侵略とかの為じゃなく、彼等を助け、彼等が人を襲わないようにしたいんです、だからその為の集める協力を…お願いしたいんです」


ヒュウの提案に、男は腕を組みながら顎に片手を寄せて意外そうにしていた


厳つい中年男性

「…フム、そんな提案は予想外だな…我々にメリットはあるのか?」


「…少なくとも、今この星にいるドラーベ達からの攻撃は無くなる…と思います」


厳つい中年男性

「……断ったら?」


「…協力は断ってもいいです、でも集める事は止めないで下さい、それも断るなら…ドラーベを助ける為に、この星の強い人か偉い人を…」


『ツブス』


「説得してみせます……あれ?」


男はフッと鼻で笑い


厳つい中年男性

「…物腰が柔らかいかと思ったが、見た目のような獰猛な一面もある訳だ」


「あっいやこれは!?ちっ違うんです!」


『(ククク…)』


厳つい中年男性

「…だが生憎と得体の知れない生物の言う事を聞いてやるつもりは無い、それにその提案は私達にとってはメリットなどではない、何故なら既に…ドラーベなど手を借りずとも簡単に殺せるのだから」


「…っ!?…そんなに簡単に倒せるなら、脅威じゃない筈…!それなら別に俺が連れて行っても…!」


厳つい中年男性

「駄目だ、得体の知れない…と言ったろう?そんな押し付けがましい気持ちの君が連れて行って何か荒事が起きても困る、君はここで捕まるか…死ぬかだ」


男が指をパチンと鳴らすと、周囲の壁から複数の銃が飛び出してくる、その銃は目の前の人間よりは小ぶりのサイズだが、明らかに武器としては大きい上に自立して動いている


「…!?銃!?」


その銃から細長いビームのような何かが一斉に発射される、ヒュウはなんとか反応して狭い屋内を柔軟に素早く蹴り跳ね躱していく、その最中赤いスカーフが動き、男を貫いた


「ちょ!?」


スカッ!


『…ナニッ!?』


「…すり抜けた!?」


『(通リデ生気ガ感ジナイト思ッタガ…イヤ…ソレヨリ…銃ガ勝手ニ?)』



男の姿は透き通ったように揺らめく立体映像だった、男は再び鼻で笑い、攻撃を続ける


「…っ!うおおぉっ!!」


ドガッ!ガラガラッ!!


ヒュウは男がそこに居ないと認識すると、閉じられてるであろう扉ではなく、壁を蹴破り屋外に飛び出る、壁の一部を失った最上階の部屋は脆くも崩れてしまった


『交渉決裂…ダナ』


「…最初からこれはちょっとヘコむ…でもあの人が言うように…向こうから見た俺達は侵略者にしか思えない上に、ドラーベ達を簡単に倒せるなら、俺の提案は無意味だもんね……取り敢えずさっきのドラーベに合流して…」


『…!伏セロッ!』


「…!?」


その言葉に反応し慌てて伏せると、先程のビームのようななにかが上を通り過ぎる、そして状況を見定める為に強く飛び跳ねて空から見下ろす、辺りには塔以外では下に広がる町しかなく、攻撃の出処が分からない


すると、跳ねたヒュウを目掛けて崩れた部屋の瓦礫からビームのようななにかが飛んでくる、それに対し尻尾を強く振るい、自身の位置をずらして躱し、着地した


『ナニカイルゾ!』


瓦礫がガラリと動くと、そこから先程の小ぶりな人間サイズの銃が飛び出してきた


「えぇ!?なんでっ!?」


『コレマタ奇怪ナ、……?』


銃は銃口をヒュウへと向け次々と攻撃を発射する、ヒュウは躱しつつ咄嗟に崩れた瓦礫を拾い、狙い澄まして的確に銃口に投げつける、瓦礫は攻撃を防ぎつつ銃口に当たり塞ぐ事が出来た、銃口を塞がれた銃は構わず攻撃しようとするが、自らの攻撃で爆発する


「…っ、塞いだのにそのまま攻撃を…?…勝手に動いたけど意思があるわけじゃない?AIみたいな感じなのかな…」


一つ一つ躱しつつ、瓦礫を飛ばし銃口を塞いでいく、すると先程の爆発を意に介さぬかのように、他の銃と同じように銃口が塞がった状態で攻撃し、爆発していく、やがて攻撃は止み、気付けば最上階の部屋があった辺りは、瓦礫と銃で散乱していた


『ハジメコソオドロイタガ、アンガイアッケナカッタナ』


「流石にあんな大きさの銃が独りでに動くのは怖かったけどね…無機質だけど無機質じゃないみたいで…」


『…?…ヒュウ、銃ヲ見テクレ…サッキモ感ジタガ、何カ変ダ』


「…分かった、ちょっと待ってね…」


ヒュウは警戒しながら一つの銃に近付き、そーっと拾おうとしてみると…


ビクッ!ビクッ!


「うわぁっ!?」


銃が痙攣のように震えて動き出し、ヒュウは咄嗟に距離を取った、そして動きが治まったのを確認してもう一度近付き、そーっと覗き込む


じっと観察してみると…壊れた銃のヒビの辺りに違和感がある、ヒュウが知っている銃と比べると…明らかに異質な事…出るはずのない…液体が出ているのだ


「…コレって…生き…物…?」


『…ッ!コノ銃…ソシテコノ気配ハマサカ…!?』


???

『気付いたか…』


近くに再び立体映像の男が現れ、ヒュウが警戒する


「さっきの人!」


『…ナマエヲシラナイトハイエ、ソノヨビカタハドウカトオモウゾ』


「え…?あ…確かに…」


厳つい中年男性

『フム、声はすれど姿は無い…多重人格、外部との通信、可能性は色々あるが…』


立体映像の男が考え込む中、ヒュウは側から強い感情を感じ取った


『…グルルゥ…!…貴様!コレハ一体ドウイウ事ダッ!』


「…?(エヴァルドラーベが…威嚇を?…違う、これは強い怒りだ…スカーフの状態なのにヒシヒシと伝わってくる…一体どうして…)」


厳つい中年男性

『その質問をしている時点で気付いているのだろう?言ってみろ、答え合わせをしてやる』


「……答え…合わせ?」


『グルウゥ…!…コノ武器…ドウイウ仕組ミダ、…何デ出来テイル…イヤ…何ヨリモ…!』


『何故武器カラ同胞ノ気配ガ…体液ガ出テクルッ!!』


「!?」


ヒュウは慌てて近くの銃を拾い上げる、確かに銃から出ていた液体は、ドラーベから出てくる体液にそっくりだった


「そんな…まさか…本当に…ドラーベ、なの?」


男は鼻で笑いながら


厳つい中年男性

『フッ…正解だ、正確にはドラーベを使った生物兵器…名をガンドラーベと言う、目には目を、ドラーベにはドラーベを…という事だ、その様子では初めて見るようだ…どうだ?中々画期的な発明だと思わないか?』


『貴様ッ…!』


「…なんて…酷い事を…!」


厳つい中年男性

『酷い?心外だな、元々我々は侵略を受けた側だ、そして決死の思いで倒したドラーベを有効活用しているだけなのだよ、ただ人類の為にね…!…そうだ、自己紹介がまだだったな、私の名はネウル…この画期的な発明をしたこの星の長だ、覚えておきたまえ、ドラーベを求めし、謎の生物』


「…この星の…長、…ネウルさん、このガンドラーベ…仕組みはどうなってるんですか…!」


ネウル

『…ガンドラーベの仕組みは単純、捕えたり倒したドラーベの意思を奪い、その肉体を核として使い、銃へと改造している、撃ち出されるエネルギーはドラーベの攻撃をエネルギーへと変換、圧縮し、そして放出させている、核が生物な分、撃ち出せるエネルギーに限界はあるが…銃一丁で数百体は倒せる、そして倒したドラーベからまた新たな銃が出来る為不便は無い、そのお陰でドラーベの数も激減させる事に成功している』


「…ドラーベを…核として…?…限界を迎えたドラーベは…どうなるんですか…?」


ネウル

『分かりきった事を…エネルギーの限界は死を意味する、当然廃棄しているに決まっているだろう』


「…くっ!ドラーベを…使い捨てに…!」


『許セヌ…!』


ネウル

『…さて、ここで問題がある』


「…問題?」


ネウル

『私は君を捕獲、若しくは討伐をする、当然使う武器は、先程も話したガンドラーベだ、君の目的は確か…ドラーベを助ける事…だったな、改造された彼等も倒さずに助ける事が出来るのかという問題だ、…どうするのか非常に楽しみだよ』


再びネウルが指をパチンと鳴らすと、周りの破損したガンドラーベが起き上がる


「っ!?まだ動けるの!?…くっ…ここは一旦…!」


ヒュウは塔から飛び降り、ズザアァッ!と音を立て地面に着地し、駆け出していき距離を取っていく、先刻土星のドラーベから聞いた情報を頼りに、流石に被害が出るほどの町ごと攻撃はしないと考え、付近の町の家の屋根に飛び乗り逃げていく


ネウル

『ほう…中々速いな、だが言った筈だ、君の運命は捕まるか死ぬかの二択だと…』


再びパチンと指を鳴らすと、走るヒュウの前に先程と同じ、大勢のガンドラーベが現れた


「くっ!?こっちにも…!」


『…囲マレタヨウダ』


ガンドラーベはヒュウを円形に取り囲んで、ジワジワと迫っていく、そこに再び立体映像のネウルが現れる


ネウル

『折角の未知の素材、傷付けるのは惜しい…大人しく投降すれば…素晴らしい兵器へとしてやろう』


『フザケルナ!キサマノオモイドオリニナドナラン!』


ネウル

『…そう言うと思ったよ、投降しないなら…力で屈服させるまでだ』


ガンドラーベはネウルの言葉を合図に、一斉にエネルギーを照射した、ヒュウは攻撃を避ける為に上空へ飛び跳ねる


「ぐっ!危なかった…、…ッ!?あれは!?」


飛び跳ねたヒュウの目に写ったのは他のガンドラーベだった、囲んでいたガンドラーベは一周だけでなく、第二、第三の円形を作り陣取っていた、敢えて逃げ道を作り出し、ヒュウを空中に誘導していたのだ


そして狙いを定めた第二、第三の軍団のガンドラーベから攻撃が放たれた、攻撃は直撃し、ヒュウの身体のあちこちに穴が幾つも出来た


「うぐぅっ…!」


ヒュウは体勢を崩し、近くの地面へと落下する、ガンドラーベが迫る前にヒュウは急いで立ち上がり移動する、その最中、攻撃によって出来た穴は既に少しずつ再生をしていた


『…コノママコウゲキシナイツモリカ?』


「…破壊しようと思えばきっと出来るとは思う…でも目的は破壊じゃない…どうにかして助けたいんだ、それにここだと…町の人まで巻き込んでしまう」


『(…カイゾウサレタトイウジテンデ…ドウホウガブジトイエルノカ…?…ソレニ…ホシガチガクトモ…ヒトヲコウリョスルカ…ヒュウラシイトイエバソノトオリダガ…ヘタヲスレバイノチトリニナリカネン…)』


ヒュウは後ろからの攻撃を躱しつつ町を離れるよう移動していく、狙いが外れたエネルギーは建物に当たるが被害は起きていない、土星のドラーベが言っていた通り、住民が持つという兵器と同じで、しっかり計算されて造られているようだ、お構いなしに撃ってくるのも頷ける


「…さっきの話で考えるなら、生きてるなら気絶させる事も出来るかも…でもその後どうすれば…」


『…奴ハ非道ダ…様々ナ策ヲ用意シテイルダロウ、理想トシテハネウルヲ直接潰シタイ所ダガナ』


「…来る前はアライブが好戦的になっちゃったって思ったけど、エヴァルドラーベも触発されて物騒になってない?さっきも威嚇していたし…」


『…我ハ、ヒュウトアライブガ混ジッテ生マレタ存在、ヒュウノオ人好シ、アライブノ本能、ソレガヨリ表面化シテルノカモシレン』


「…それって例えば、アライブが少しムッとした時にエヴァルドラーベはもっと怒る…とか?」


『アァ…間違ッテナイ、一応ヒュウ達ノ感情ニ限ラズ、我個人ノ起伏モアル、ダカラ感情ヲ爆発サセル事モアル』


『イシヲモチ、イキテイルノダカラトウゼンダナ』


『先程ニ関シテ言ウナラ、ヒュウヨリモ早ク異変ニ気付イタカラ威嚇シタダケデ、ヒュウガ先ニ気付イテタラ威嚇シテイタノハヒュウダッタカモナ』


「え?アライブじゃなくて俺なの?…怒りはすると思うけど、威嚇は無いんじゃないかな」


『分カッテイル、冗談ダ、サテ…奴ガ直接来ナイナラ、正面カラ策ヲ潰ス事ガ効果的ナ筈ダ、奴ハワザワザ自ラヲ長ト言ッタ、ソノ場ニ居ナイトハイエ、余程自信ガアルノダロウ』


「…分かった、だったらまずは彼等をなんとか戦闘不能にしよう!」



町を出て策を練りながら数分、付かず離れずの距離を保っていたヒュウは、急ブレーキを掛けつつ反転しガンドラーベの群れに突撃する、ガンドラーベは冷静に攻撃するが、軸をずらしながら素早く移動するヒュウに、狙いを定めて当てる事が出来ない


『ヒュウ、アレヲツカエ!』


アライブの言葉を合図に、ヒュウは左腕を触手へと変え、伸ばした触手で一斉にガンドラーベを捕えて近くの岩へと巻き付けた、銃口を上に向けさせ少しずつ締め付ける力を強めていく、ガンドラーベは次々と意識を失うように項垂れ始めた、全てのガンドラーベが項垂れたのを確認し、触手を解放し、腕へと戻す


「…大丈夫かな、うっかり気絶で済んでなかったらシャレにならないんだけど…」


『ソコハダイジョウブダ、シッカリトイキテイルノヲカンジテイルカラナ』


「…それならよかった」


『ニシテモ、触手捌キハ見事ダッタ』


「…合図を貰って初めて使ってみたけど、流石に腕が触手に変わるのは違和感が凄いよ…何かゾワッとする…」


『ククク、ツカマルノハケイケンズミダッタカラ、ツカマエルノモウマクイッタノダロウ』


「…それ関係あるのかな、それでガンドラーベ達はどうしようか、このまま放置は危険だと思うけど…」


ネウル

『…破壊せず…意識のみを失わせたか…見事だな』


「…っ!」


再びガンドラーベの近くに立体映像のネウルが姿を現す


『…ドコデモアラワレルナ』


ネウル

『この星は私の統治下だ、どこに隠れても無駄という事だ、…一つ質問がある、何故町でそれを行わなかった?』


ネウルの質問に、ヒュウは少し警戒しながらも、素直に答えた


「…単純にその時はまだ策が浮かんでなかった、それに目的は破壊や侵略じゃないと言ったはず…何よりドラーベであれ人であれ…無闇に倒したりしたくないだけです」


ネウル

『なるほど、ドラーベだけではなく、人も可能なら巻き込みたくないと、…とんだ甘ちゃんのようだ…、どれ…質問に答えてくれた礼だ、受け取るといい』


「…礼?」


……キイィエエェェェーーッ!!


「っ!これ…は!?」


『…コノ声ハ…!?』


気絶させたはずのガンドラーベ達が奇声と共に一斉にバラバラの方向にガタガタと動き始め、赤く発光する、そして…


…カッ!!…チュドオォォォォン!!


「なっ!?くっ…!」


…大きな爆発を起こした、ヒュウに爆風や煙、数々のガンドラーベの破片が当たる、外傷は殆ど無いに等しいが…ネウルの狙いは別


煙が晴れると、辺りにはガンドラーベの破片や体液が散らばっている、ヒュウの身体にも体液は付着していた


「…そ…んな…なんで…?」


ネウル

『…気に止む事はない、既にエネルギーが切れかけた廃棄寸前のゴミだ、最期は派手に終えられるのだ、ドラーベもさぞ喜んでいる事だろう』


『…貴様…ワザトダナ…!グルル…!…貴様ガココニ居タラ、ソノ身体ヲバラバラ二切リ刻ンデヤッタモノヲ…!』


ネウル

『…どうやらお気に召さなかったか…、さて…目の前でドラーベを救えなかった気分はいかがかな?』


ヒュウは愕然としながらも、なんとか気持ちを落ち着け…軽く開いた手の平を自身へと向け


「…正直まだ迷ってました、完全に独りよがりのこっちの我儘に付き合わせる事に申し訳無さもあって…それにその星特有の事情も…あるはずだって…でも…」


ギュッと手を強く握り締め、拳をネウルに向けて突き出す


「…もう迷わない!ネウルさん!あなたからドラーベを奪ってでも解放する!!」


ネウル

『…粋がるのは結構だが、私を脅かす事すら出来ない君に解放など出来るのか?』


「出来るかじゃない!やるって…決めたんだ…!」


ネウル

『面白い!ならばその力、もっと私に見せてみろ!』


地面や上空から、新たな大量のガンドラーベが飛び出してくる、銃口はヒュウへと向けられ一斉に発射される…その刹那、ヒュウは両手を組み、真下の地面を強く叩きつけた、すると衝撃で地面は割れ、衝撃波や破片がガンドラーベ達を襲い吹き飛ばす


ネウル

『……中々の力だ、君を兵器にしたらどれ程の物になるか…!想像するだけでたまらないな…!』


「(アライブ!エヴァルドラーベ!出来るか分からないけど…ガンドラーベに呼び掛けて!!)」


『マカセロ!(任セロ!)』


アライブとエヴァルドラーベは、スカーフからそれぞれ赤黒い竜と黒い竜に変化し


『『…グオオオォォォーーーッッ!!!』』


ネウル

『!?』


周囲に大きな咆哮を轟かせた、ガンドラーベ達は咆哮に驚き恐怖し、一斉に震え出し、気絶していく


ネウル

『これは…攻撃ではないのか?』


「(…っ!?なんで倒れて!?)」


『(ワレラノホウコウニ、タエキレナカッタノダロウ)』


「(それって呼び掛けたら駄目って事なの!?)」


『(今回ハ呼ビ掛ケタノデハナク、敢エテ色々ナ命令ヲ与エタノダ、我等ノ狙イ通リ気絶シテクレタナ)』


「(…命令で気絶?)」


『(コノ星ノ同胞ハ意思ガ無理矢理奪ワレテイル、シカシ少ナクトモ奴ノ命令ヲ受ケルヨウニサレテイル筈ダ、ソノ為我等ノ大量ノ命令ガ、同胞ノ意思ノ許容量ヲ超エタ事デ、気絶シタノダロウ)』


「(…でも、気絶させても…さっきみたいにネウルさんが自爆させちゃう可能性もあるよね?)」


『(ソコハオソラクモンダイナイハズダ、リユウハ、バクハツノマエノサケビ…アレハドウホウノ…ヒメイダ)』


「(っ!やっぱりあの胸を締め付けるような苦しそうな叫びは、ガンドラーベの…!)」


『(アァ、イシヲウバッタトイッテイタガ、スベテデハナカッタ、セイブツヲカクトシテイルイジョウ、メイレイヲウケサセルヒツヨウガアルタメ、ワズカニイシガアッタノダ、ソノワズカナイシガ、ネウルノジバクメイレイニ、アラガイタイガアラガエナイ、ソンナオモイガヒメイニナッタヨウダ)』


「(……ガンドラーベの必死の抵抗の叫び…)」


『(今回ノ咆哮ハ我等ノ命令デノ気絶、ソレニヨリ新タナ命令ヲ受付ラレヌ状態ニシタ、一時的デモ有効ナハズダ)』


ネウル

『…ガンドラーベに何をした?倒れてるという事は洗脳の類ではない、咆哮が攻撃ならば傷が無かったり、生きている事や周囲に被害が無かったりするのは違和感がある』


ヒュウの代わりに黒い竜、エヴァルドラーベが睨み付けて喋る


『貴様ノ問イニ答エル事ハ無イ…ガ、代ワリニイイ事ヲ教エテヤル…』


ネウル

『ほう…それが聞こえてた声の正体か、竜が身体に宿っている…とでも言うべきか…』


『…ガンドラーベノオ陰デ…貴様ノ居場所ガ判明シタ』


その言葉にヒュウは驚き、ネウルは僅かに眉間が寄る


ネウル

『……何?』


「ほ…本当に!?」


『アァ、最後ノ悲鳴ノ中、数イル中ノ数体ノ同胞ガ一矢ヲ報オウトシタ…同ジ方向ヲ見テナ』


ネウル

『何が聞けるかと思ったら…根拠としては弱いな、当てずっぽうで攻撃でもしてみるか?』


黒い竜は前のめりに首を斜めに傾げながらニヤリと笑ってみせる


『…クク…ソウ慌テルナ、今カラシテヤロウ…答エ合ワセヲナ…』


「……」


ヒュウからはエヴァルドラーベの表情は見えていないが、エヴァルドラーベによるアライブの笑い方や、ネウルに対する意趣返しのような発言から、悪い顔をしてそうだなと、何となく感じていた


『(ヒュウ、呆ケテナイデ手ヲカザシ、赤イ光ノ攻撃準備ヲシテユックリ色ンナ方向ヲ向イテクレ)』


「(は…はい!分かりました!…って、俺はその攻撃した事ないんだけど…)」


『(見様見真似デ構ワヌ、直接ハ狙ワナイシ、最悪加減ヲミスシテ奴ガ死ンデモイイシナ)』


「(駄目駄目駄目!…直接じゃないなら何とかやってみるけど…)」


ヒュウは右手を開きながら真っ直ぐ前に突き出し、赤い光を撃ち出すイメージをしながらゆっくりと方向を変えていく、手の平からは赤い光を蓄えるかのように発光していた


『少シ向キヲ上ゲテクレ…ソウ、高サハソレデイイ』


エヴァルドラーベの指示で上下の向きと高さを微調整して、ゆっくりと回っていく、回転が一周する頃


ネウル

『フッ、もうじき回転が終わるが?』


エヴァルドラーベはさらに妖しく笑い


『焦ルナ…貴様ノ動揺ガ終ワッテシマウダロウ?(ヒュウ)…我ガストップ…ト言ッタラ発射シロ、ソウダ、安心シロ?コレハ殺ス為ノ一撃デハナイ、但シ動ケバ…死ヌカモシレンガナ』


「わ…分かった」


『(エヴァルドラーベ…イカリノセイカ、ブッソウトイウカナントイウカ)』


アライブからも心配(?)されつつも、二週目が始まった直後、その時は来た


『…ヨシ…ソコデ…撃テ』


それを合図にヒュウはなるべく加減したつもりで赤い光を撃ち出す、赤い光は真っ直ぐ闇へと消えていった


「………」


ネウル

『………』


『…ナニモオキナイガ…?』


『………』


エヴァルドラーベはゆっくり項垂れ、沈黙している


ネウル

『…フッ、どうやら外れたようだな、無様な事この上ない、さて…もうじきガンドラーベの増援が着く頃だ、大人しく…』


「…っ!アレは!?」


ネウル

『…?』


驚くヒュウに釣られ、ネウルもヒュウの見ている方向に目を向ける、その見ていた方向には、闇に消えた筈の赤い光があった


ネウル

『これは…』


『焦ルナ…ト言ッタ筈ダガ?』


ネウルは声の方向に振り返ると、項垂れていた筈のエヴァルドラーベが首を傾げた状態でネウルを見つめ、妖しく笑っていた


『チャント角度ヲ調整シタノハ意味ガアル、…クク…一瞬デ終ワラセルノハ勿体無イカラナ…』


ネウル

『貴様…何を言って…』


…ズドオオオォンッ!!


ネウル

『…っ!?』


「!!」


ネウルの立体映像が少し乱れると同時に、映像の通信から衝撃音のようなモノが響いた


ネウル

『…何事だっ!』


部下

『ほ…報告しますっ!突如二回目の赤い光が直撃しました!』


ネウル

『…二回目、だと?』


部下

『はいっ!一回目は離れた所に見えただけでしたが、二回目は真っ直ぐ、この部屋の上部へと直撃したのです!』


ネウル

「(奴が放った攻撃は一回のみ、それが無数に分散したのか?その内の一つが偶然被弾した?だがそれでは、奴の本体と思われる意志と相反する、初めからコイツが単独行動じゃない可能性もあるが…少なくともそれは無いのは確定している)」


『ククク…シッカリプレゼントガ届イタナ、…ドウシタ…考エ込ンデイルナ?先程マデノ威勢ノ良サハ消エタノカ?』


ネウルは納得がいかないかの様に、ヒュウ達を睨む


ネウル

『……貴様に味方…いや、我々の中にスパイがいたのか?ソイツがタイミングをみて攻撃を仕掛けたのか?』


『残念ナガラ不正解ダ、攻撃ハ先程ノ一発ノミ、貴様ノ仲間ガ見タノハ…二回ノ光デハナク二週目ノ光』


ネウル

『…二回ではなく…二週目?…っ!角度の調整はその為か!私の居場所に真っ直ぐ直撃させるのではなく、この星の重力などを加味した二週目の軌道で当てる為か!』


『正解、ヤレバ出来ルジャナイカ…外レタト鼻デ笑ッタ貴様ノ顔…ソシテ直撃デ歪ム顔…、実ニ憐レデ滑稽ダッタナ?』


「(…エヴァルドラーベ、なんか怖い…、本当に俺とアライブから…?…)」


『(…エヴァルドラーベジシンノイシモアルトオモウガ…、ソレダケオオキナイカリナノダロウ、ヒュウノカワリニイカッテクレテルノカモシレナイガナ)』


「(あ……俺の代わりに……)」


『ククク、自分ノ安全ヲ失ッタ気分ハドウダ?我等ノ同胞ヲ駒トシ、我等ヲ捕獲ナドトイウ自惚レタ傲慢ナ考エヲ改メル気ニナッタカ?逃ゲテモ構ワヌ…ダガ今更謝ッテモ遅イガナ…!ククハハハ…!』


エヴァルドラーベは大きく口を開き、舌をだらしなく伸ばしながら、ケタケタ嘲笑っていた


「(…本当に代わり?)」


『(…スマン、チガウカモシレン)』


ネウル

『…それがお前達の本当の気持ちなのだろう、最初の交渉は見せ掛けだったと言う訳だ、獰猛で野蛮、冷酷で無慈悲、知性の欠片も無い化け物め…!』


「っ!違う!穏便に済ませたかったのは本当です!」


エヴァルドラーベは溜息を吐き


『提案ヲ飲マナカッタノハ貴様自身ダ、他ノ誰デモナイ、ソレニ貴様ハ踏ミ込ンデハイケナイ領域ニ触レタ、自業自得ナダケダ』


ネウル

『ふざけるな!化け物の言う事などもう信じない!…これは使いたくなかったが…我が星が貴様に滅ぼされるくらいなら、躊躇などしていられないっ!…お前達!奴にDGを放てっ!』


部下

『!?そ、そんな!?危険です!側の町にもどんな被害が出るか分かりませんよ!?』


ネウル

『黙れっ!コイツに星が滅ぼされるくらいなら、町一つ犠牲にしてでもコイツを滅した方がマシだ!それ程の事態なのだ!!』


部下

『っ!…分かりました、私だって星を滅ぼされるのは嫌です……DG、目標地点に放ちます!!』


ネウル達の逼迫した通信、それを見ていたヒュウは頬を軽く掻き


「…えっと、なんで星を滅ぼす事になってるの?それにDGって一体…?…ドッペルゲンガー…とか?」


『ナンダ、アルイミイマノワレラノコトカ』


「…?もしかして主体の変更の事?自分にそっくりなだけで…ほぼ本人とは訳が違うような…それに元々が全然違うよ?」


『…自分デ振ッテオキナガラ真面目ニ答エンデモヨイダロ』


「あはは…ごめん、……?」


ヒュウ達が呑気な会話を繰り広げていると、斜め上空から何かが迫り、ヒュウの数十m先に落下した、その衝撃で地響きが起きた事から中々の重さであることが伺える


「っ!……これは、黒い塊?」


落下してきた黒い塊は落下の衝撃のせいかは不明だが、高さ数mの山のような形状になっていた、すると先程ネウルが言っていた増援が遅れてやって来た、ガンドラーベ達は黒い塊の上に陣取る様に並び、銃口をヒュウ達に向けてきた、ヒュウ達は警戒を強める


ネウル

『…このDGを使いたくなかった…その理由が何故か分かるか?』


『シツモンバカリダナ、ショウジキキョウミハナ…』


ネウル

『危険だからだ!試験運転を除けば使うのはこれが初めて、だがそんな事は関係無い…製作段階で誰もが恐怖した恐るべき兵器、貴様等を含めた辺り一帯は瞬く間に焦土と化すだろう!』


「辺り一帯?さっき言っていた町一つ犠牲ってこの事…?町の人はどうなってもいいんですか!?」


ネウル

『星一つ奪われる位なら、町一つの犠牲で済めば安いものだ!そしてその元凶は貴様等だ、どれもこれも全て貴様等が悪いのだ!我が星の平穏を脅かした罪を死を持って償え!!』


ネウルの怒りの後、黒い塊の頂点に窪みが出来た、そしてその窪みにガンドラーベ達は次々と吸い込まれ始める


『…ナンダアレハ?トリアエズナニカサレルマエニサッサトコワスゾ』


「う、うん…分かった!」


???

『マテ!』


「…?君は!?」


攻撃をしようとしたヒュウの目の前に立ちはだかったのは、ヒュウを案内した土星のドラーベだった


『ナゼトメル…ヤハリ…スパイダッタノカ?』


土星のドラーベ

『…キヅイテイタノカ』


『本人カラチャント聞クマデハ、推測デシカナカッタガナ』


土星のドラーベ

『…オマエタチヲユウドウシタノハ、オマエタチノコトバヲネウルニホウコクシ、ソレニタイシテカンガエタネウルノメイレイダ、…コノホシハヤツノシハイカダカラナ…、ダガ…アノヘイキガツカワレルコトハシラナカッタ!アレハキケンダ!ハヤクニゲ…!』


「…えっ?…ドラーベ!?」


早く逃げろ…土星のドラーベがそう言い切る前に、ヒュウの目の前から消えた、代わりに目の前にあるのは黒い塊から伸びた一部分だった、土星のドラーベは吸い込まれたのだ、伸びた塊の一部分は塊の大元へと戻っていった


ネウル

『侵略者を滅ぼす為に起動せよ!ドラーベ・ギガント!!』


ネウルの言葉を合図に、黒い塊はビキビキと形を巨人のような姿に変えていく、その大きさは地球の北極でヒュウ達が見た巨大なパワードラーベよりも更に大型だった、推定50m程の黒い巨人がそびえ立っていた


「ドラーベ…ギガント…?…北極で出会った大きいパワードラーベよりも更に大きい…それにそれだけじゃない、身体も心もザワザワする…!この感じはさっきも…ドラーベ達が…苦しんでいる?」


『…ソノヨウダ、ガンドラーベノトキハ、ジバクノサイノヒメイシカキコエナカッタガ、コエハデテイナイガ、ツネニヒメイガツタワッテクル…』


「っ!一刻も速く停止させなきゃ!行こう二人共!」


アライブ・エヴァルドラーベ

『アァッ!』


ヒュウは地面を強く蹴り跳ね、DGの身長よりも高く位置どった、そして右腕を刃に変えてDGの首に狙いを定めて切りかかった


ギョロッ!


「っ!?」


接近したヒュウに反応するように、DGの頭部にやや大きな赤い光が複数現れる、まるでドラーベの瞳のような赤い光、そこからガンドラーベが発射したようなエネルギーが発射された


「うぐうぅっ……っぁあ!」


放出されたエネルギーは容易にヒュウを飲み込み、遠くへと吹き飛ばした、ヒュウは町へと吹き飛ばされ建物に激突し落下する、身体には焼けたような煙が吹き出ていた


「…っ…今の攻撃って…ガンドラーベの…?」


『構造ハ分カランガ、ガンドラーベ達ヲ集メテイタ、当然同ジ攻撃モスルダロウ…タダ、威力ハ桁違イダナ…』


ズシン…!ズシン…!


「っ!」


巨大な足音のようなものがゆっくりとだが迫ってくる、あれだけの大きさも相まって、地震のような揺れとしてヒュウ達に伝わってくる、そしてDGの姿が見え、赤い光がこちらを捉えたのが見える


『ヒュウ!イッタンハナレルゾ』


「わ、分かっ……!っ!駄目だ!二人共攻撃を合わせて!」


『ナッ!?…シカタナイ、フセギキレルカワカランゾ!』


「完全に防げなくてもいいんだっ!せめてっ…!」


DGのエネルギーがヒュウ目掛けて発射され、それに対してヒュウは片手をかざし、もう片方の手で支えながら赤い光を放つ、その攻撃に合わせて、アライブとエヴァルドラーベも口から赤い光を放った、三人の攻撃は勝てないまでも、軌道を反らす事は出来た、エネルギーは本来の着弾位置から大幅にずれた町の外に直撃し大きな爆発を起こす


『チィッ!ヤハリカテナイカ…!ヒュウ、ナゼハナレヨウトシナカッタ、ムイミニショウモウシテハモットカチメガナクナルゾ!』


「…ハァ…ハァ…ごめん…今から…離れよう…!」


『…ッ!……ワカッタ』


ヒュウは町の外へと移動を開始する、後を追い掛けるようにDGも移動していた、走りながら先程のアライブの質問に答えた


「…ハァ…ハァ……さっき避けないで迎撃したのは、声が聞こえたんだ」


『…コエ…ドウホウノカ?ソレハサッキモキイタゾ』


「…ドラーベ達の悲鳴は今も聞こえてるんだけど…違うんだ、多分…避難してない町の人達の声だった、てっきり避難させてるのかと思ったけど…違ったみたい、建物はともかく…人が直接受けられる筈もないって思ったから…迎撃したんだ」


エヴァルドラーベは顔をヒュウに寄せ


『町一ツ消エテモ構ワント言ッテイタシナ、ソレホド手段ヲ選ンデラレナイトイウ訳ダ、相手ヲソコマデ追イ詰メルトハ、ヒュウモ成長シタナ』


「…追い詰めようとしたつもりないんだけど…それに旅に出たばかりで成長って…褒め言葉になってる?」


『アァ、我等共々、化ケ物街道マッシグラダ』


「…間違ってないんだけど、受け入れてもいるんだけど、否定した方が良い気がしてきた」


アライブも顔を寄せ


『ククク、テレルナテレルナ』


「照れも間違ってる気がするよ…」


『ウレシクナイノカ?』


「そりゃあどちらかと言えば……あれ?」


『……ドウシタ?』


この時ヒュウの脳裏によぎったのは、ウレシクナイノカ?に対する返事、どう答えても良くない方向なのでは?と考えてしまった



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


1、嬉しいと答えた場合


「どちらかと言えば嬉しいよ」


『ソウカソウカ、ナラモットシッカリバケモノラシクシテクレ』


「…え?」


『バケモノハ、エ?、ナンテイワン!モットウナリゴエヲアゲタリ、エヴァルドラーベノヨウニオタケビヲアゲロ!』


「い…いや、それは二人に任せるから…!」


『ダメダ!ソンナアマエハユルサン!ワレラハバケモノダ!ウナレ!ホエロ!コワセ!コロセ!カンガエルナ!スベテヲトキハナチ、オモウガママニアバレロ!!』


「え…えぇーーっ!?」



2、嬉しくないと答えた場合


「どちらかと言えば嬉しくない…かな」


『…!……ソウ…カ…ウレシクナイカ…ソウダナ…ヒュウハニンゲンダッタモノナ…、…イツノマニカ…ワレラトチガクナッテシマッタ…モハヤアイボウデスラナイカ』


アライブは背を向け酷く落ち込んだ


『…ヒュウ、アライブガ可哀想ダロ、イツカラソンナ冷徹ニナッテシマッタ?』


「えっ!そ、そんなつもりじゃ…!ごめんアライブ!ちゃんと俺は相棒だからさ、元気出して!」


『…ミトメルカ?』


「…?相棒としてならとっくに認めて…」


『チガウ、バケモノトシテ…ダ』


「な、なんで!?それとこれとは話が…!」


『ソウカ…ヤッパリチガウノカ……』


『…ヒュウ、アライブガ可哀想ダロ、イツカラソンナ冷徹ニナッテシマッタ?』


「えっ!そ、そんなつもりじゃ…!…ってあれ、話が戻ってるような…!」


『…ミトメルカ?』


「ちょ!これ終わらな…!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「………」


『ヒュウ?ナニヲホウケテル?』


「…はっ!い…いや、ちょっと考え事してた」


『…ソウカ、ソレデウレシクナイノカ?』


「…えっと…えっと…!い…今はそれよりもDGを何とかしなきゃ!」


『厶……ソレモソウダナ、…ッ!コウゲキガクル!トベ!』


「…!くっ!」


アライブの警告により咄嗟にジャンプする、ヒュウが走って居た位置にDGの発射したエネルギーが着弾し爆発する、ヒュウの視界の下には攻撃によって焦土と化した大地が見えた、ヒュウは空中で尻尾を使い軌道を変えて着地し、更に駆けていく


「…ありがとうアライブ、流石に振り返りながらは走り辛いから、DGの攻撃を教えてくれて助かるよ」


『アァ、カワリニバッチリミテオイテヤル』


『シカシヒュウ、逃ゲテバカリデハ解決ニナラン、我等ノ攻撃モ奴ノエネルギーニ負ケテイル、コノママデハ勝テンゾ…躊躇ッテイタラナ…』


「…躊躇い?俺は躊躇ってるつもりは…ネウルさんにももう迷わないって…!」


『確カニソウ言ッタ、ダガ共ニイル我等ニハ感ジル、無意識カモシレンガ加減ヲシテイル、…ソレニ先程ノ刃デノ攻撃ノ時ニサレタDGカラノ反撃、アレモ攻撃ヲ躊躇ワセテイル原因ダ、ソウダロウ?』


「……そう…かも、ガンドラーベの時のような無機質な動きじゃなく生物的な反応、悲鳴も相まって強く耳に残って…攻撃が通るか依然よりも…攻撃する事自体が駄目な気がして…」


『…ナラ、我等ガ攻撃シナイ事デモ、ガンドラーベ達ニ苦シミヲ与エテイル事モ、モウ分カッテイルナ?』


「…っ!……うん、一撃目は直接喰らったせいで気づかなかったけど、あのエネルギーの攻撃が発射される瞬間、悲鳴がグッと強くなって…弱まっていくのが…伝わってくる、細かい仕組みは分からないけど、DGは多分、ガンドラーベを更に発展させた生物兵器、それもあれだけの威力と悲鳴、恐ろしい速度で生命を使い捨ててる気がする」



ヒュウの予測は当たっていた

DG…ドラーベ・ギガントは属に言うパワー、飛行ドラーベ達変化ドラーベよりも強力な敵が現れた事を想定して造られた生物兵器


まず核となる特殊な機械に大量のガンドラーベ達を接続し起動、ガンドラーベの肉体を溶解し変形させて巨人のような姿に、繰り出される攻撃は小さな町であれば一撃で滅ぶ威力、その代わりに代償もデカイ、通常のガンドラーベであれば、一体で数十〜百発程のエネルギーの発射で限界を迎える、しかしDGの攻撃ではたった一発で十数匹分の生命が限界を迎える…その為…極論ではあるものの、躱し続ければ自ずと自壊する


「でもそれだけじゃない…吸われたのはガンドラーベだけじゃない、スパイだった土星のドラーベも吸われてた、つまり普通のドラーベ達も無理矢理エネルギーに変換されてるのかもしれない…間違いじゃなければ悲鳴が増えたりもしてるんだ」


『…マチガッテナイゾ、ワレガミハッテイルガ、ディージーニ、ガンドラーベダケジャナク、フツウノドウホウマデモガ、ゾクゾクトヒキヨセラレ、トリコマレテイル』


「っ!やっぱり移動と攻撃をしながら吸収しているのか!」


『…時間ヲ掛ケテ勝ッテモ同胞ハ殆ド全滅ダ、ソノ場合我等ヨリモ心配ナノハ…ヒュウ、オ前ダ、オ人好シナオ前デハ、受ケルショックガ大キイ、ソレナラバ時間ヲ掛ケナイ事デ、多少ハ同胞ヲ救エル可能性ガアル方ガイイ筈、ソウダロウ?』


「エヴァルドラーベ…、…うん…そうだ、…時間を掛けるよりも、攻撃が通るかどうか考えるよりも、悲鳴に躊躇うよりも!俺達に今出来る事を!」


ヒュウは急ブレーキを掛け、反対に向き直りDG目掛けて一直線に飛び跳ねる、それを確認したDGは黒い身体の一部を目玉のようにギョロッと赤い光を浮かべ、そこからエネルギーを発射した、一直線に向かうヒュウに当たる直前


「来た…!…そうだ…!アライブ!エヴァルドラーベ!上昇お願い!」


アライブ・エヴァルドラーベ

『アァッ!……グウオォォッ!!』


ヒュウの合図に合わせ、二人は下方向にブレスを吐き、一直線だった軌道を変更して躱した、しかし…


「…うわあぁあぁあぁっ!やり過ぎやり過ぎ!」


如何せん初めての事にバランスを崩し、上昇どころか縦に回転してしまう、ブレスを止め尻尾で勢いを殺して着地し、改めて地面を蹴り出し一直線に向かう


『スマン、咄嗟ニ言ワレタセイデ加減ガ上手クイカナカッタ、事前ニ言ッテカラ飛ビ出セ』


「ご、ごめん、見切り発車過ぎた……また来る!今度は下降だ!」


アライブ・エヴァルドラーベ

『マカセロ!(任セロ!)…グウオォォッ!!』


今度は上にブレスを吐き軌道を変える、先程よりもスムーズに躱す事に成功し、バランスも崩さなかった、そしてDGの足元に迫り一気に飛び跳ね、ヒュウは右腕を刃に変えて首元に切りかかった!


ザクッ!


……ギイィエエェェェーーッ!!


「うぅっ…!」


刃はDGの首元にヒュウの肘元まで深く刺さった、悲鳴に心を痛めながらもそのまま切り裂こうとグッと力を込める


「…っ!」


グッ!と力を込めても、切り裂くどころかガッチリ固定され動かす事が出来ない、すると、刃が刺さった首元を中心にギョロッと赤い光が無数に現れエネルギーを放った


「しまっ…!」


『…ッ!』


…カッ!…ズドオオォォォン!!


アライブとエヴァルドラーベは咄嗟にスカーフに戻りヒュウを呑み込むように大きく広がり包み込んだ、そしてDGの攻撃は直撃し爆発する、爆発が止むと刃は突き刺さったまま浮かぶ黒焦げになった球体が煙を吹かしながら漂っていた


球体はその形を止めるかのようにスカーフに、そして中からはヒュウの姿が現れ、スカーフは再び赤黒い竜と黒い竜へと姿を変えた


「アライブ!エヴァルドラーベ!大丈夫!?」


『アァ、シショウハナイ』


『多少焦ゲ臭クナッタダケダ』


「っ!ごめん!もっと警戒して攻撃するべきだったのに…!」


『気ニスルナ、ヒュウ、固定サレタ刃ヲ引キ抜コウトスルヨリモ、モット柔軟ニ考エテミロ、腕ニトイウ形ニ囚ワレズ…ナ』


「…柔軟?腕の形に囚われず?……もしかして」


ヒュウは腕を変えた刃の形を腕に変えようと崩し、その崩れた状態を維持し、自身へと戻してから腕へと変え、追撃をされないように空中を移動する


「……!こんな事が…」


『ククク、ベンリダナ、フツウノワレノミノコロデハデキナカッタコトダ』


「…お陰であのまま攻撃され続ける事は避けられた、でもこっちの攻撃が全然通らない…どうすれば…!」


『…フム、ジツハヒトツカンガエガアル、ダガデキルカモ、ウマクイクホショウモナイ、サイアクモットヒドクナルカノウセイモアル』


「そ、そんなに?一体何を思い付いたの?」


『…アァ、ソレハナ───』




『……ナントイウカ、ソレハマタ随分ト無茶ナ事ヲ思イ付イタナ』


「…駄目だ!危険過ぎる!」


『…ナラバ、ホカニホウホウガウカブカ?ソンナニジカンヲカケテモイラレマイ?』


「それは…!……だけど…そんな作戦…」


アライブの提案した作戦、それはDGがエネルギー源としてガンドラーベだけでなく、オールドドラーベ達も吸収している事から発想を得て考えた事


今のエヴァルドラーベはヒュウやアライブの、人間やアライブとしてのオールドドラーベとしての姿の再現は出来ない、しかしオールドドラーベの姿に関してだけ言うならば、近くに漂い吸い込まれるオールドドラーベを参考にして形作る事は出来る、それを利用して三人の中で存在が近いアライブをベースとしオールドドラーベの肉体を形作り、アライブ自身をDGに吸収させるというのだ



『…コイツハソトカラノワレラノコウゲキヲホトンドトオサヌ、ナラバウチガワノカノウセイヲカンガエルノハシゼンナコトダロウ?』


「…だったら!俺も一緒に!」


『…ソレコソダメダ、タダデサエワレラハ、ホトンドドウイツノソンザイ、ワレノミデウマクイッテモドウナルカワカラン、サイアクタダシヌカモシレントコロニ、トモニイクコトナドデキン、ソレニ…モトモトタダノドラーベダッタノハワレダケダ、コレイジョウノテキニンハアルマイ』


「…でもっ!!」


『エヴァルドラーベ、ワレヲアノドウホウトオナジスガタニシテクレ』


アライブがエヴァルドラーベに近寄って頼む、エヴァルドラーベは目を細め


『…アライブ、決意ハ固イノカ、…オ前ハヒュウノ大切ナ相棒ダ、ソレナラバソノ役目ハ我ガ…』


『…サキホドモイッタハズダ、エヴァルドラーベハ、ワレラガヘンカシタ…ドラーベデアッテドラーベデナイソンザイ…ワレラノカクダ、ソレニオマエデハアノスガタニナレンダロウ?…ヒュウニタイセツニオモワレテルノハ、エヴァルドラーベモオナジナノハ、ワカッテイルハズダ、ダカラコソ…オマエニノゾム…ヒュウヲ…タノムト』


「……駄目だ、そんなのやっぱり…駄目だ…」


『……分カッタ…』


「…エヴァルドラーベ?……!?」


エヴァルドラーベはヒュウから無理矢理主体を奪った、その結果無理矢理入れ替えられたヒュウはスカーフから伸びる灰色の竜へと変化し、主体となったエヴァルドラーベの瞳が黒く輝く


エヴァルドラーベは移動しつつ両手を向かい合わせるように前にかざし、特殊な球状のエネルギーを形成する、アライブはエネルギーに飛び込むと端の見えなかった身体が全てエネルギーの中へと消える、首元にあった二色のスカーフは灰色だけになっていた


「…アライブッ!?エヴァルドラーベ!今すぐ止めて!」


『駄目ダ!今邪魔ヲスル事ハ許サン!ヒュウ、例エソレガオ前ダトシテモダ!!』


「……!」


エヴァルドラーベの放つ威圧にヒュウは身動きが取れず、ピシッと固められたかのような感覚に陥る、身近な者の静止を振り切り、エヴァルドラーベは集中する…そして、エネルギーの中からスルリと何かが飛び出してきた


「…アレ…は…」


『…フム、ナンダカヒサビサノカンカクダ…ウマクイッタヨウダナ』


飛び出してきたのはアライブ、その姿はよく見るオールドドラーベに相違無い姿だ、ヒュウがかつて付けた特徴的な傷や赤いスカーフすら無い、ヒュウと初めて出会った頃のような姿


『…不都合ハ無イカ?』


エネルギーの形成を止め、エヴァルドラーベはアライブに確認を取る、アライブは刃を触手に変えたり触手から刃に変えたり感覚を確かめる


『アァ、ナニモモンダイハナイ、コレナライケルダロウ、カンシャスルゾ、エヴァルドラーベ…ヒュウ……イッテクル』


アライブはDGの方へ振り向き、スウッと移動を始める


「…っ!アライブ!お願いだから行っちゃ駄目だ!」


『……』


アライブはクルッと反転しヒュウの側へ近寄っていく


「アライブ…!分かってく…」


…グバァッ!


「れ…た…?」


バクゥッ!


「!?」


アライブはヒュウに近寄ったかと思えば、大口を開けて自身より大きいヒュウに喰らい付いた、そして味わうようにングング喉を鳴らした後、解放する


「…プハァッ!…きゅ、急に何してんの!?」


『…クク、ヤハリヒュウノアジはカクベツダ、…マタクラウタメニモシヌツモリハナイガ、サイゴノバンサン、トイウヤツダ、ネンノタメノナ』


「…っ!…生きてくれるのならいくらでも喰らって構わないから、…最期なんて言わないで…せめて必ず帰ると…約束してくれよ…!」


『…ナニガオコルカワカランイジョウ、ヤクソクハデキン、モシモノトキノタメニ、タタカイニソナエロ、ウマクイカナケレバ、アトハオマエタチニマカセルシカナイノダカラナ』


「…戦いに?任せるしか…ない?何を言って…」


『…ジカンガオシイ、…ヒュウ!ワレニハワレノ!オマエニハオマエノ!イマデキルコトヲ!!』


「…!!」


『ソウスレバ!…ナニガオキテモ、オノズトミチハヒラケルダロ?……クク……ゲンキデナ……』


アライブはDGの方へ振り向き真っ直ぐ移動を始めた、ヒュウは横に首を振りながら絞り出すような震え声で呟く


「……ゲンキ…デナ…?…本気で言ってるの?…誰が欠けても、嫌なのに…?」


エヴァルドラーベは言葉でフォローするのではなく、そっとヒュウの頭を撫でる


アライブがDGの真っ黒な頭部の前に立ちはだかる、アライブを認識したDGはアライブを吸い込み始める、アライブは抵抗する事なくピタッとくっつくと、ズブズブと沈み込み…、DGに吸収された、それと同時にヒュウとエヴァルドラーベにも異変が生じた


「…アライブ?」


『…ッ、アライブノ…感覚ガ…』


「…っ!…アライブーーーーッ!!」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





???



……ココハ…ドコダ…ワレハ…、…ソウダ、ワレハ…アライブ


アライブは目を開き周りを見渡してみる、何処を見ても暗い…と言うよりは黒い空間、音こそ静かだが、DG…若しくはここに居るガンドラーベ達の脈動が全身に伝わってくる、まるで自分の脈動のように


『…ソウカ、ミズカラトビコンダノダッタナ、サテ…シラベテミルカ』


アライブはふよふよと縦横無尽に移動する、しかし景色は変わらず誰に会う事もない、どこまで行ってもどこかに辿り着く事が無い


『…ドウナッテイル?ナゼナニモ…ダレモイナイ?ココハヤツノナカデハナイノカ?…ソレトモ…スデニワレハ…、…?』


ふとアライブは何かに気付く、周りの事ではなく…自身の異変、取り込まれる前と後の変化、ヒュウ達も感じた異変


『…ヒュウトエヴァルドラーベヲ…カンジナイ……ワレハ…ワレハスデニ……シンダノカ?』


…ドロリ


『…?コレハ…カラダガ…トケハジメテイル?』


アライブの身体が少しずつ黒く溶け始めていた、角や刃の先、細長い身体の先からもドロリと溶けていく、身体だけではなく思考にも異変が起きていく


『…ワレハ…イッタイ…?…ワレハ…ワレラ?……グウゥ…!?』


アライブは苦しみ悶えて黒い地に落ちる、溶けだす速度が速まる中、ある事に気付く


『…コレハ…!…ソウカ、サイショカラ…イタノダナ、…ズット…ミナ…イッショダッタカ…ゼンブツタワッテクル』


アライブの言う全部とは、ガンドラーベ達が感じたあらゆる想いだった


…喰いたい、止めて、怖い、痛い、苦しい、溶ける、聞きたくない、申し訳ない、逆らいたい、逆らえない、気持ち悪い、許せない、殺したい、消えたくない、助けて…


想いに次第に同調していくアライブ、その身体は周りと同じように黒くとろけていく


『…アァ…ワレラハ…トモ…ニ……』


ドロリ…


アライブの身体は完全に溶け、身も心も黒い空間の一部になった…



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



一方、アライブが外から吸収された直後の外では、DGは止まる事なく未だにヒュウ達を狙っていた、少しでも攻撃をさせないように、撹乱しながら移動していく、憔悴しているヒュウの代わりにその役目はエヴァルドラーベが行っていた


『…ッ!ヒュウ!イイ加減シャキットシロ!オ前ガソンナ事デハ…決死ノ作戦ヲ行ッテイルアライブガ可哀想ダ!』


「…分かってる…分かってるけど…」


『分カッテイナイ!アライブハ我等ノ事ヲ何モ考エズ無神経ニ飛ビ出シタノカ!?』


「…っ!違う!アライブは!…アライブは皆を…助けようと…」


『ソウダ!アライブハ同胞ヲ救ウ為ニ、身ヲ捧ゲル覚悟デ飛ビ込ンダ!ソレヲ見タオ前ニ出来ル事ハ、悲シミ、震エテ何モシナイ事カ!?ソレヲアライブガ望ンデイルノカ!?』


「!!……アライブ…アライブが望んだのは…」


ヒュウの脳裏にはアライブの言葉がよぎる




『…ジカンガオシイ、…ヒュウ!ワレニハワレノ!オマエニハオマエノ!イマデキルコトヲ!!』


『ソウスレバ!…ナニガオキテモ、オノズトミチハヒラケルダロ?……クク……ゲンキデナ……』




「…アライブはアライブに出来る事として、DGに飛び込む作戦を実行した…」


『…アァ』


「…そしてもしもの時の為に、戦いに備えろって言った、それなら今俺に出来るのは…」


「…アライブが作戦をキチンと実現出来る事を信じる!…同時に…何が起きても良いように…戦いに備える…それが今の俺に出来る事!」


『…ククク、覚悟ハ決マッタナ?』


「…励ましてくれてありがとう、エヴァルドラーベだって辛いはずなのに…」


『辛ク無イト言エバ嘘ニナル、ダガ後ヲ任サレタカラナ、ヒュウ程クヨクヨシテラレマイ』


「…は…はは…面目ない…、でももう大丈夫!サポートは任せて!」


『何ヲ言ッテル、殆ドサポートナドシタ事無イダロ?ヒュウガ主体ダ、準備シロ』


「えぇっ!?…確かにあんまりした事無いけど、エヴァルドラーベが主体の方が動きは絶対いいって!それに…みんな最初は初心者だし…」


『…仕方ナイ、シテ欲シイ事ハ適宜伝エル、ソノ行動ノ際、初メテノ感覚モアル筈ダ…ヤルト決メタ以上ハ覚悟シロ』


「…?分かった、精一杯やってみる…!」


DGの行動をヒュウが確認しつつエヴァルドラーベが移動する、依然DGを撹乱しているが、攻撃が全く無い訳ではない、要所要所で捕らえようと身体を触手の様に伸ばしてきたり、エネルギーを飛ばしてくる


「っ!後ろから三叉状に触手が来てる!」


『ヒュウ!迎撃シロ!』


「分かった!…えっと、確かアライブ達は……すぅ…!」


ヒュウは触手の方を向き大きく息を吸い込み、赤いブレスを吐いた、それによって触手は燃え尽きたが、同時にヒュウに味わった事の無い感覚が襲う


「……ガハッ!ゴハッ!…の…喉が焼けるような…何で…!」


『…当然ダロウ?肉体ガ変ワッタトハ言エ、ヒュウノ意思デ…ブレスナド吐イタ事ハ無イ、元々人間ダッタ故仕方アルマイ』


「…でもアライブもオールドドラーベの頃にブレスなんて吐いてなかった筈だけど…?それにこうなるって分かってたなら、もうちょっと早く言って欲しかった…」


『オールドドラーベハ後二、パワー二変化スル事モアル、ソノ時ハ熱線モ吐クダロウ?変化前ニモ元々ソウイウ器官ガ備ワッテイルカラ、吐イタ事ハ無クトモ自然二吐ケタ…トイウ事ダ、ソレ二…覚悟シロト言ッタガ?』


「それは…納得出来るかも…、…確かに覚悟しろとは言ったけど、気持ちの問題じゃなくて具体的に教えて欲しかったよ!」


『分カッタ分カッタ、次カラハ気ヲツケル、練習ハ…イツカシテモラウトシテ、今回ハ大人シク主体ニ替ワレ』


「…ごめん、任せてって言ったのに」


『気ニスルナ、ソレゾレ得意不得意ガアルダケダ、タダヒュウノ場合ハ経験不足ナダケデ、ドチラナノカハ分カランガナ、サァ、交代ダ』


「分かった…!」


ヒュウとエヴァルドラーベは目を閉じ集中し始めた、竜のヒュウの身体はスカーフに戻ると、色が灰色から黒へと変わりスカーフは黒い竜へと変化した、それと同時にヒュウが主体となったエヴァルドラーベの瞳が黄色く輝く


『無事交代出来タナ、問題ハココカラドウスルカダガ…』


「うん、出来ればアライブの為に時間稼ぎをしていたいけど、それが合ってるのかが分からないのが…」


『フム、…?ナンダ?何カガオカシイ』


「?」


ヒュウは移動を止め振り返ってみると、先程まで追ってきていたDGの触手が来ない、DGの様子を確認する為そーっと上空へ上がる、確認出来る位置まで移動すると、そこにはうずくまっているDGの姿があった


「…止まっている?…アライブが中で何かしてくれたのかな…」


『…分カラン、一応警戒シテオイタ方ガ良サソウデハアルガ…』



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



その頃ネウルは…


ネウル

「どうなっている!何故DGは止まった!」


部下

「止まった直接の原因は不明!生体反応はありますが、命令に反応はしません!…ただ先程、妙なドラーベの反応がありました」


ネウル

「妙?」


部下

「はい、通常DGは…周辺のガンドラーベ、ドラーベに対して特殊な周波数を出す事により引き寄せる、若しくは直接触手を伸ばして吸収して、エネルギー源とします、ですが妙なドラーベは、自ら飛び込むように吸収されに行ったようなのです」


ネウル

「……その時間の前後、DGの周囲の映像は?あるなら他にも何か映っているかもしれん、確認してくれ」


部下

「はい!いくつか録画されている映像がありますので、至急確認致します!」


部下は映像を同時にモニターに映し、妙なドラーベや怪しい箇所を探し始め、ある瞬間を捉える


部下

「…!これは…!ネウル様!こちらを!」


部下がネウルに見せたのは、エヴァルドラーベがアライブをオールドドラーベとしての肉体を再構築した瞬間の映像、エヴァルドラーベと何かを話した後アライブがDGへと向かう様子まで映されていた


ネウル

「これはあの化け物?まさか奴はドラーベを生み出した元凶なのか!?」


部下

「いえ、推測ですが少し違うと思われます、もし仮にドラーベの親的な存在なのだとしたら、わざわざ集める事に我々に許可など取らないと思われます」


ネウル

「奴は化け物だぞ?人間の常識で考えてはならん」


部下

「仰る事はごもっともですが……それでは次にこちらを…これは我々の技術、DGのエネルギーを解析で可視化した物、それを今見せた映像に適用した物です、これを参考にした推測では、この人型ドラーベが自身のエネルギーを使って生み出した…いわば分身のような存在かと、解析した人型ドラーベのエネルギーの総量のおよそ半分…若しくはそれ以下のエネルギーをこのオールドドラーベは抱えています」


ネウル

「…何故そんな事を?仲違いした訳ではあるまい…内部から破壊するつもりか?」


部下

「可能性は高いと思われます、……っ!これは…DGのエネルギーが急激に増大している?」


ネウル

「どういう事だ?目的は破壊ではないのか?」


部下

「…その筈ですが、…!停止したDGに異変が起きています!」


ネウル

「…これは?…フ…フフフ!そうか…化け物の目論見は…という事か」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



同じ頃、ヒュウ達もDGの異変を目撃した、うずくまっていたDGが大きな地鳴りのような唸り声を発しながらボコボコと形を変えていく


「えっと…これも…アライブが中で何かしている?」


エヴァルドラーベは目を細める


『……ヒュウ、コレハ最悪ノ事態ガ起キテイル可能性ガアル』


「…最悪の事態?」


『ソウダ、アライブハ我等ト同ジ存在、ツマリ我等ノチカラノ一部ヲ身体ニ宿シテイルナ?』


「うん、溶けて一つになった事で、分散とまではいかないけど、俺も人間の頃には感じなかった力を身体に感じているけど…」


『…アライブノ作戦、中デ何ヲスルツモリカハ言ワナカッタガ、モシソノ作戦ガ失敗シタ場合、最悪ノ事態ノ引キ金ニナル…』


「失敗した場合…?…!もしかしてアライブが…DGのエネルギー源に…?」


『…ソノ可能性ガアル』


DG

『グオオオォォォッ!!』


「…っ!?」


雄叫びをあげると共に、DGの身体がバキバキと砕け、中からガンドラーベが攻撃として放つ、赤いエネルギーの塊のような身体が出てくる、形も巨人から巨大な龍を思わせる姿に、身体がくねっている為ヒュウ達から全長は分からないが、およそ60m程の長い身体


「…姿が…変わった…アレは…何…?」


???

『化け物!礼を言うぞ!』


「…!?この声は…ネウルさん!?」


ヒュウ達の目の前に立体映像のネウルが姿を現す


ネウル

『分身を使って何か企んでいたようだが……結果は見ての通り、DGをより強化する貴重な養分となったようだ』


「…!そんな筈ない!アライブはまだ頑張ってる!」


ネウル

『私達はエネルギーを可視化して、既に分身が消えたのを確認している、アレが貴様等が生み出した分身なら…今どうなっているのか感じ取れるのではないか?』


「それは…」


ネウル

『…図星のようだな、こうなったのも全て…私の星に来たのが悪かったのだ、何処かで大人しくしていれば良かったものを、…だが安心しろ、お前達が死んだ後も…貴様の全てを…私が有効活用してやる…フハハハハハ…!』


『…!ヒュウ、奴ガ来ルゾ!』


「っ!」


エヴァルドラーベの警告を聞き咄嗟に移動を始める、するとその直後、DGがヒュウの居た地面に激突する


「速い!?明らかにスピードが上がってる!さっきまでのようにエネルギーを吐いたり、触手じゃない攻撃を…!」


DGが体勢を立て直している内に、ヒュウは離れるように移動していく


ネウル

『なんと素晴らしい力だ…!これならドラーベどころか他の星も支配出来る…!』


『…ヒュウ…覚悟ヲ決メロ、ダガモシ辛イノナラ我ニ任セテモ構ワン』


「…辛いのは一緒でしょ…?…大丈夫、戦いに備えろって言われたんだ…!何とかしてみよう!」


『…アァ、ソレデコソアライブモ浮カバレル、…追イカケテキタナ』


後ろを見ると長い身体をくねらせ、岩場を薙ぎ倒しながら追い掛けるDGの姿が、先程までの巨人の姿での慎重さからは考えられない攻撃


DG

『グオオオォォォッ!!』


『クッ!速イ…!ヒュウ!右だ!』


ヒュッ!…バクン!


スピードはヒュウより速く、大口を開けて喰らい付こうとしてくる、エヴァルドラーベが指示を出し、何とか躱す、攻撃は一度だけでなく何度も行われ、その都度エヴァルドラーベは躱す方向の指示を送る事でヒュウは躱す事が出来た


ネウル

『何時までそうしているつもりだ?お前の分身はあの中だぞ?放っておいていいのか?分身やドラーベを倒す事が出来ないのなら、さっさと諦めて死ぬが良い!』


『…言イタイ放題言ッテクレル、シカシコノママデハ…!』


「…エヴァルドラーベ!一か八か…タイミングを計って攻撃をする!その時が来たら合図をお願い!」


『…分カッタ、任セロ…!』


ヒュウが狙うタイミング、移動から転じてエヴァルドラーベと共に狙うのは、DGが喰らい付こうと大口を開いた瞬間


『今ダ!』


エヴァルドラーベの合図で振り返り、躱しながら両手に溜め込んだ赤い光をエヴァルドラーベのブレスと共に、開いた口を狙って解き放った


ネウル

『何っ!?』


DG

『グオオオォッ!?』


「…っ!…うわああぁっ!!」



ヒュウ達の攻撃がDGの口内に当たり巨大な爆発を起こす、その爆発によってヒュウは大きく吹き飛ばされ、遠くの山へと直撃した、DGは爆発の影響か姿が無く、ただ巨大な黒煙がもくもくと立ち昇っているのだった


『…ヒュウ、無事カ?』


その言葉に反応し、ヒュウは上半身をゆっくりと起き上がらせる


「…いてて、な…なんとか…」


『全ク…受ケ身ノ余力位残シテオケ』


「は…はは…、自分でもこんなに…消耗するとは思ってなかったから…、DGは…どうなったかな…」


『…分カラン、ダガアノ巨体ダ、無事ナラココカラデモ見エル筈ダガ…見当タランナ』


「…そっか」


ヒュウは力無く仰向けに倒れ込む


「…結局…DGに囚われた同胞を一人も救えなかった…、それだけじゃなく…大切な相棒…アライブまで…」


『ヒュウ…』


「…ネウルさんの言う通り、ここに来なければ良かったのかな…同胞全員を助けるなんて…無茶だったのかな…」


『……』


エヴァルドラーベはスゥッとヒュウの前に身体を伸ばして近づき、顔に擦り寄った


「…エヴァルドラーベ?」


『…今ノ状態ダト…コレデシカ慰メラレン、…救ウ筈ノ同胞ヤ、大切ナ相棒ヲ失ッタガ、少ナクトモ…今以上ニ失ウ事ハ避ケラレタ、攻撃ガ通ッタノモ…アライブガ身ヲ挺シタオ陰ダロウ、…作戦ガ失敗シテモ、アライブノ作戦ニハシッカリト意味ガアッタ…ソウダロウ?』


ヒュウは少しの沈黙の後、エヴァルドラーベの頭をそっと撫でる、エヴァルドラーベは撫でられるのが嬉しいのか、小さくグルルと喉を鳴らす


「…うん、そのお陰で…DGを止めることが出来た…俺達も…まだ生きる事が出来る…」


『グルル…、…ソウダ、生キテチカラヲ尽クシ、目的ヲ達セネバ、地球ノレミ達モ怒リニ来ルカモシレンゾ?』


「…それは…怖いかも…」


『ダロウ?…トニカク、今出来ル事ヲ我等ハ…ヤリ遂ゲタ、マダコノ星デモ出来ル事ハアル、ネウルニ我々ノ無事ヲ分カラセ、抵抗ノ意志ヲ挫キニ行クゾ』


「…分かった」


???

『…その必要はない』


「…!」


ヒュウは声に反応し上半身を起こす、そこに再びネウルの立体映像がヒュウの前に現れる


『…映像トハイエソッチカラ姿ヲ見セルトハナ、自慢ノ兵器ガ破壊サレ、テッキリ落胆シテルカト思ッタガ』


ネウルはその言葉を聞き、少し俯く


ネウル

『…ああ、正直驚いている…よもやここまでの事が起きるなど、全く想像していなかった』


「…えっ?」


『…皮肉ヲブツケタツモリダガ、素直ニ受ケトメルトハナ、何ヲ企ンデイル?』


ネウル

『…私に出来る事はもう何も無い、この戦いで用意した兵器を全て失い、兵器の源のこの星のドラーベも殆どが失われただろう…』


「…俺達も…大切な存在を失いました、お互いもう戦う力も殆ど無い…後は…例え勝手だと言われても…俺達の目的を果たします…いいですか?」


ネウル

『…私に出来る事は何も無いと言ったはずだ、好きにしろ』


「…ありがとう…ございます」


スッとネウルは顔を上げる


ネウル

『……出来るものならな』


「…え?……っ!」


…グラッ……ゴゴゴゴゴゴッ!!


ネウルがボソリと呟いた後、突如大きな地鳴りが鳴り響く


「じ、地震!?」


『…!ヒュウ!向コウダ!』


エヴァルドラーベの見ている方向に向いてみると、小さな赤いエネルギーが見えた、そのエネルギーは龍へと形を変え、雄叫びをあげる、そしてぐんぐんと巨大化していく


DG

『…グオオオォォォッ!!』


「…D…G?なんで…倒した筈じゃ…」


『何故ダ…何故アレ程ノエネルギーヲ感知出来ナカッタ…?』


ネウル

『…フハハハ…それ程お前達は衰弱したという事だ、こちらではずっと見えていたぞ?DGがお前達の攻撃を吸収している所をな!』


「攻撃を…?じゃあ…俺達のした事は…」


ネウルの背後には巨大化を終えたDGの姿が、その大きさは推定100mを超えている


ネウル

『成長を…促進しただけだ……フ…ハハ…ハハハハハハハッ!!』


ヒュウはよろけながらも立ち上がる


「…まだ…まだ諦めない…!絶対に最後まで…!……?…から…だが、うごか…ない?」


『コレハ…!ヒュウ、周リニ何カアルゾ!』


ヒュウの周りに、赤い炎のようなエネルギーが揺らめき取り囲んでいた、熱を発しているのか…視界が陽炎を見るかのようにブレる、熱にも冷にも耐性があるヒュウ達に影響が表れるほど、このエネルギーの凄まじさが伝わる


「…熱い…それに…力が入らない…」


立つ力さえ湧かず、ヒュウはガクッと膝から崩れてしまう


『…コノ炎、タダノ熱デハナイ…我等ノチカラヲ…吸ッテイルノカ…!』


ズズズ、と地響きを出しながらDGが近付き、その無数の瞳でヒュウを捉えると、瞳を細めニヤけながら見下ろしていた


「…っ…まだ…まだ何も為せていないのに…頼むから…身体、動いて……!」


『グ…交代スル事モ…出来…ヌ…』


ネウル

『化け物よ、さらばだ!DG…終わらせろ…!』


ネウルの合図を受けると、DGは長い身体をくねらせ、ヒュウ目掛けて激突すると、龍の形を崩し山を包み込むような形に


「…ぐっ!?うわああぁぁぁっ!?」


『グアアアァァァッ!?』


熱エネルギーの塊に飲まれたヒュウとエヴァルドラーベの全身が焼け焦げ、再生が追いつかない程の速度で崩れていく、ネウルはその様子をじっくりと眺めていた


ネウル

『フハハハハハ!ハハハハハハハ!』


悲鳴は姿の崩壊と共に徐々に消えていく、ヒュウ達の身体は塵一つ残す事無く崩れ去った


DGだったモノも形を崩し、山を燃やすだけのエネルギーと化していた


ネウル

『…DGは失ってしまったが、未知の化け物の脅威は去った…今後の為の成果としては充分だったな、さぁ、後始末だ!山火事を消火するんだ!』


部下

『了解!直ちに上空から消火剤を散布します!』




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




──???



…身体が…動かない…重い…眠い…


…何が…起きたんだっけ……いや…何も出来なかったんだっけ…


……誰もいない…アライブも…エヴァルドラーベも…同胞やガンドラーベ達も…


何処とも分からず力無く漂うヒュウ、大切な者達の事は分かるが、自分の事は霧がかかったように、どういう生き物だったか認識出来ない、そのヒュウの視界に…オールドドラーベが映る


…アライブ?


オールドドラーベは首を傾げた後、否定するかのように横に首を振り、ヒュウに触手を伸ばし、引きずり、何処かへ向かう、自分を認識出来ていないヒュウは、勝手に身体が動く感覚だけが伝わるが、過去の経験から多少の推測は出来ていた


…勝手に身体が付いていく…見えない何かに…触手に引かれてる…?…何処に…連れてかれるのかな…


オールドドラーベが進んだ先にあったのは黒い塊、マグマのようにボコボコと泡を噴いていた、黒い塊はドンドン広がっているのが見える、連れてきたオールドドラーベはヒュウを見つめ、触手で黒い塊を指し示す


……あれが…どうしたの?


黒い塊を指し示したオールドドラーベは、ヒュウに触手を絡め運び始め、躊躇なく塊へ飛び込んだ、身体は少しずつ沈み込んでいき、視界は真っ暗になった、ズブズブとした感触を感じながら進んでいくと、拓けた所に出た


何処を見ても黒く、ヒュウを連れてきたオールドドラーベの姿しか認識出来ない、それだけでなくあらゆる感情が伝わり、重圧としてヒュウに襲い掛かる


…喰いたい、止めて、怖い、痛い、苦しい、溶ける、聞きたくない、逆らいたい、逆らえない、気持ち悪い、許せない、殺したい、消えたくない、生きて、助けて…


…これは?…ガンドラーベやドラーベ達の想い…?…ここに連れてきて何を…


…何を?…まだ…何かをしようって思ったのか?…辛い想いがのしかかる中で…自分で身体を動かす事も出来ないのに…


ヒュウを連れてきたオールドドラーベはただじっとヒュウを見つめる、そんなドラーベにヒュウは問い掛ける


…君は…俺を知ってるの?


オールドドラーベは首を傾げ、少し考え…問い掛けに答えた


オールドドラーベ

『…クワシクハナイ』


…そっか


オールドドラーベ

『…タダ』


…ただ?


オールドドラーベ

『…オマエハ…ヘンナヤツダ』


…ヘンナ…ヤツ?……何処かで聞いた気が…それも…最近…


オールドドラーベの一言、それを思い出そうとするヒュウの意識に、少しずつ直近の記憶が蘇る


…変な奴…同胞…黒い塊…土星…


「…最初に会った…土星の…ドラーベ?」


オールドドラーベはコクリと頷くと、朧気だったヒュウの意識がハッキリし始める、それにより、自分のエヴァルドラーベとしての姿も思い出した


「…!君は何でここに!?いや、そもそもここは何処なの!?」


土星のドラーベ

『…ココハ、ソトデモナカデモワレラヲコロス…クロイカイブツノナカ』


「怪物の…?」


土星のドラーベ

『…オマエナラナントカデキルト、ワズカニキボウヲイダイテイタガ…シンデシマッタ…』


「…そうだ…DGに攻撃したけど効かなくて、力を吸われて…それで俺達の全身が…焼け、崩れて……うっ…」


土星のドラーベに死んだと報され、死の間際に全身を襲った感覚を思い出し、ゾワッとした感覚が襲う、ヒュウは振り払うように問い掛ける


「……ねぇ、俺が来る前に、何か変な事はなかった?」


土星のドラーベ

『…ソノマエニ、マワリノコレガナニカ、ワカルカ?』


「…周りのこれ…?この黒い空間?」


土星のドラーベ

『…コレヲオマエハ、クウカントトラエルカ?』


「…?…ちょっと…まってね」


土星のドラーベの言う事に違和感を覚え、身体が動かない代わりに視線で出来る限り周りを見渡し、今ある情報から他の可能性を考える


怪物の中、黒い塊、入った時に感じた想い、これをお前は空間と捉えるか…という問い掛け、土星のドラーベには空間として捉えない何かがある…?…だったら他に可能性として考えられるのは…


ヒュウは…集中し、何かを探る…そして感じ取り、思った別の可能性の答えを口に出す


「…ドラーベ?」


土星のドラーベ

『………』


「…そうだ、この気配…確かにドラーベのモノだ、でも君以外姿は無い、ここに入る前にも全く見かけなかった、つまりこの空間、外から見た黒い塊そのものが…ドラーベ?」


土星のドラーベ

『…ソウダ、セイカクニハ…オマエガクルヨリモマエ、ヘンナドウホウガ、カイブツノナカノドウホウヲクライ、ヘンカシタスガタダ』


「…変な…同胞?…まさかアライブ…!?あの黒い塊がアライブ!?それに喰らって変化ってどういう事…!?」


土星のドラーベ

『…オチツケ、ナニヲアワテテルカハシランガ、チャントジュンバンニハナス』


土星のドラーベが話し始めたのは、ヒュウ達に危険を知らせた直後、自身が怪物…DGに取り込まれた後の事、内部は黒く、どこまで行っても進みも戻りもしない不思議な空間


辺りにはエネルギー源として吸収されたガンドラーベや土星の周辺のオールドドラーベ達の姿が、そこではDGが攻撃する度に、ガンドラーベ、オールドドラーベが黒く染まり、溶けるように崩壊したと言う


崩壊していく事に順番は無く、自身より後に吸収されたドラーベが先に崩壊したりもしたそうだ、やがて自身の身体も崩れてしまったらしい


「崩れた…?でも今君は俺の目の前にいるよね?」


土星のドラーベ

『…タシカニクズレタンダ、ドウジニソノトキニワカッタ、ドウホウタチハニクタイヲウシナッタダケデ、クロイクウカンノイチブトカシテイタコトニ』


「それは順番的に、今のここじゃないんだね?」


土星のドラーベ

『ソウ、ニテイルガチガウ、ツヅキヲハナスゾ』


黒い空間の一部と化した土星のドラーベ、その時の黒い空間は肉体を失ったドラーベ達の意識の集合体だった、黒いのは恐らく崩壊した時に黒く染まっていた為、いわば空間自体がドラーベ達の新たな肉体となっていたのだろう


バラバラの身体だったドラーベ達は、無理矢理一つに黒い空間にされた事で変化があった、それは意識の共有、誰かの感じた感情が、一つとなった無数のドラーベ達に伝播したらしい、主な感情としては、元々の本能やネウルの支配による恐怖、ガンドラーベに改造された時の感情など、それら全ての記憶が自身の事のように感じたと言う


「…それがここに入れてもらった時にも感じた…」


しかしそれだけでは終わらなかった、肉体が黒い空間になった事で、死ぬ問題が解消された訳では無かったらしい、黒い空間は徐々に小さくなり、共有した意識が消えていくのを感じたと言う、云うなれば意識としての死、生物たらしめる肉体を失い…そして意識も失う、それは生物としての完全な死であると、土星のドラーベは語る


「完全な…死」


肉体は動かせず、後から吸収された同胞がただただ崩壊する光景を見るしか出来なかったドラーベ達、その絶望しか見る事のないドラーベ達は次々と意識を失ったと言う、かく言うこの土星のドラーベ自身も、その絶望した一人だと言う


…そんな時だった、変な同胞が現れたのは


始めに土星のドラーベが何故変だと思ったのか、それは他の同胞やガンドラーベは皆、自身の意思で来た訳ではない、吸収された時点で命令から解放される事で、初めて吸収された事に気づき、ショックを受ける


しかしその変な同胞は違った、吸収されたというのに、さほど驚く事も無く移動している、時々何かを確認してる素振りがあるが、この時点では何をしているか全く意味が分からなかったらしい


やがてその変な同胞も身体が溶け始めていた、その時、その同胞が持っていた直近の記憶が共有されたという、変な同胞は変なヒュウにアライブと呼ばれていた事、自身達を助けようとしていた事、その為にアライブは自ら黒い怪物に吸収された事、それらが同化する事で伝わったという


「アライブも…溶け…」


土星のドラーベ

『…アァ、ソノアライブモ、ワレラトイシキガヒトツニナリカケタコトデ、アライブデアッタコトヲウシナイカケテイタ』


「そんな…」


土星のドラーベ

『…ソンナトキ、アライブノキオクヲミタワレハ、…ヘンナヤツ、オマエノコトガウカンダ』


「…俺…達?…どうして?」


土星のドラーベ

『…ヨクアツサレタコトデ、キョウフイガイノカンジョウニトボシイ、ソコニイロンナカンジョウヲモッタアライブガトケコンダコトデ、…アルカンジョウガウカンダノダ』


「ある感情…?」


土星のドラーベ

『…オマエタチハ、ドウホウヲスクウタメニヤッテキタ、シラズトハイエ、ワナニサソイコンダコトニ、ザイアクカンガアッタ、…モウシワケナイ…ソウオモッタンダ』


「…それは…仕方ないよ、いきなり来た見知らぬ生き物を信じる方が難しいし、ネウルさんに逆らえない状態だった、俺が逆の立場でも同じ事をしていたよ」


土星のドラーベ

『…ナルホド、コレガオヒトヨシカ』


「…えっ?」


土星のドラーベ

『…ナンデモナイ、トニカク…モウシワケナイトオモッタ、ソノカンジョウニアライブガハンノウシタノダ』


「アライブが…?」


土星のドラーベ

『ミモココロモクウカンノイチブトナリカケタアライブ、ヤツハヤツデアルコトガ、ホカヨリモナガクデキタ、マザリアッタハズノワタシノイシキノモトニキテ、アライブハワタシニイッタ『オマエハスパイノドラーベダナ?』…ト、ソコデワタシモジカクヲモツコトガデキタ…アライブノオカゲデナ』


「…そっか、アライブも…頑張ってくれてたんだ…」


土星のドラーベ

『アァ、ヤツハヒッシニナッテドウホウニヨビカケタ、ケッカトシテジカクヲモツコトガデキタノハ…ワタシダケダッタ、…ソコデアライブハカンガエ、キミョウナコウドウニデタ』


「…奇妙?」


土星のドラーベ

『…イシキモキエカケタドウホウヲ、クラッタノダ』


「……え?」


土星のドラーベ

『ドウホウヲクラッタアライブニヘンカガオキタ、ウシナッタハズノニクタイガ、ソノクウカンノナカニアラワレタノダ』


「アライブの肉体が…?」


土星のドラーベ

『ソウダ、ワタシタチハ、メヲウタガウトドウジニキョウフシタ、アライブハワタシタチヲクライ、イキノビルツモリダト、ソノトキハソウカンガエテシマッタ』


「…それは!…多分だけど、違うよ…」


土星のドラーベ

『アワテルナ、ソノトキハ、トイッタダロ』


「あ…ごめん、つい…」


土星のドラーベ

『アライブハツギニ、クロイクウカンカラワタシヲミツケダシ、クラッタ』


「…えっ!?君も喰われたの!?」


土星のドラーベは刃を口元に寄せて目を細めて軽く笑い


土星のドラーベ

『アァ、アンナコトハハジメテダッタ、キチョウナケイケンダッタナ』


「…他の星でも肯定的な意見、アライブといいエヴァルドラーベといい…ドラーベではそっちの方が普通なのかな…」


土星のドラーベ

『…ソノアト、アライブガナニヲシタガワカランガ、ナントワタシノコノニクタイモ、クウカンニアラワレタノダ』


「アライブがそんな事を…」


土星のドラーベ

『オドロクワタシヲ、アライブハレイセイニサトシタ、ホカノドウホウモオナジヨウニデキナイカタメシテイタガ、デキナカッタ、ドウヤラワタシガイダイタカンジョウノオカゲデ、ソノヨウナコトガデキタラシイ』


「…君が申し訳ないと想う事で、アライブとの間で繋がりが出来た…それで上手くいったのかな」


土星のドラーベ

『…アライブモナゼデキタノカフシキガッテイタガ、ナルホド、ソウイウコトカ、…ニクタイヲエタコトデ、ダッシュツヲハカルノカトオモッテイタノダガチガッタ、アライブハ、クウカンゴトホカノドウホウモクライハジメタ、リユウヲキイテミルトオドロイタ、『カンゼンニシニ、キエテシマウクライナラ、ワレガクラッテカテトシテヤル』ソウイッタノダ』


「…言葉はちょっと乱暴すぎるけど、アライブなりの出来る事をしようとしたのかも…」


土星のドラーベ

『…デキルコト?』


「うん、意味は言った通りの事だと思うんだけど、同胞達が何も残らず、エネルギーとして消費されて消えるなら、アライブが喰らい、力に変える事で、同胞が居たって証にしようとしたのかも」


土星のドラーベ

『…キガクルッタノカトオモッタガ?』


ヒュウは苦笑いし


「間違ってはないかも?ほら…俺もアライブも変だから」


土星のドラーベ

『…ナットクシタ、…ドウホウヲクライツヅケタアライブニイヘンガオキタ、カラダガスコシズツ、クロクナッテイッタンダ』


「…黒く?喰らっていた同胞が黒かったからかな」


土星のドラーベ

『クワシイゲンインハワカラン、ダガアライブハナニカヲカンジタラシク、ワタシニイッタ『コノママデハキケンカモシレン、スパイノオマエニタノミタイコトガアル』トナ』


「何を頼まれたの?」


土星のドラーベ

『…ジシンニナニカアッタトキノタメニ、ヒュウ、モシクハ、エヴァルドラーベニアエタラ、セツメイヲシテホシイト、ソノゴクロイクウカンヲクライツクシタアライブハ、ホドナクシテヘンカシハジメタ、ソレガアノクロイカタマリダ』


「あの塊自体が…この中は…アライブの中…!?」


土星のドラーベ

『アライブハジシンデクウカンヲケイセイシ、ソシテワタシヲトリコマナイヨウニホゴシツツ、モトイタクウカンニワタシヲハイシュツシ、クロイカタマリニヘンカシタ、コレガドウイウモノナノカハ、ワタシニハヨクワカラナイ』


「…アライブが…この空間を…?元々ドラーベを消費するはずだった空間から作り変えた事で、空間そのものになって同胞を喰らって…助けようとした?…喰らう事が救いになるかは…分からないけど…」


土星のドラーベ

『…スクナクトモキュウシュウサレタジテンデ、ワタシタチノニクタイハホウカイシテイル、ソレヲカンガエレバ、スコシデモヤクニタテタホウガ、ワタシニトッテハ…スクイトナル』


「…そっか、それなら良かったのかな」


土星のドラーベ

『クロイカタマリニヘンカシタソノチョクゴハ、アライブノコトバモキコエ『ホカニドウホウガキタラココニユウドウシテホシイ』トイワレ、ユウドウシツヅケタ』


「…アライブを手伝ってくれたんだ…今は君にも…アライブの言葉は聞こえないの?」


土星のドラーベ

『…オマエガクルマエカラ、アライブノコトバハアヤフヤニナリ、キコエナクナッタ、モシカシタラ…アライブハジシンヲウシナイカケテルノカモシレン』


「な、なんで!?…あれ?」


よく見ると土星のドラーベは、姿が少し薄くなっていた


土星のドラーベ

『…コレガショウコダ、アライブノオカゲデイジデキテイタニクタイガ、キエカカッテイル…ジカンガナイ、オマエガアスクエルノナラ、ハヤクアライブヲ…スクッテヤレ…』


「っ!…俺もアライブや君達を救いたい…でも今の俺はアライブを感じる事も、身体を自分で動かす事もできないんだ…!どうすれば…!」


土星のドラーベの姿はドンドン薄れていく


土星のドラーベ

『ハヤク…!ナンデモ…イイカラ…』


ヒュウは必死に出来る事を考える、今自分はアライブの位置が分からず…かつ動けない、土星のドラーベが消える事はおそらくアライブの意識の死も意味する…薄れ具合からして時間が少ない、エヴァルドラーベも何故かいない


そんな中で出来る事を必死に考え、ある事が浮かぶ、時間があればもっと色々と模索出来たかもしれない、しかしもう迷ってる暇はない、急いで土星のドラーベへと伝える


「…っ!土星のドラーベ!今すぐ俺の口に飛び込んで俺に喰われて!」


土星のドラーベ

『…ハ?』


突然のヒュウの願いに土星のドラーベはキョトンとし、目を丸くする


「上手くいくかは分からない!でも君もアライブも、今消えかかっている!色々と怖い事はあるけど、時間がないんだ!全てを無駄にしたくないんだ!だから…、……アグァッ!?」


ヒュウが言葉を言い切る前に、土星のドラーベはヒュウの頭部をこじ開け、口の中に身体をねじ込む、ヒュウの意図しないタイミングで喰らう事になり驚くが、そんな事は関係ないとばかりに、土星のドラーベ自ら、身体を奥へと進める


アガッ…アグッ…ング、ングッ…ゴクンッ…!


喉を鳴らして膨らませながら、ヒュウは土星のドラーベを呑み込んだ、ヒュウ自身が初めて体験し、感じた未知の感覚に戸惑いながらも、身体はスムーズに土星のドラーベを体内へと受け入れた、膨らみは喉元に消えると、腹部を歪に膨らませる、膨らみはギュルギュルと音を立てながら消化し、元の大きさになる


「うっ…」


土星のドラーベを喰らい吸収したヒュウの全身に、力が巡っていく、それを象徴するかのように、鼓動は徐々に大きく、強くなる


……


………クン…


ド……ン…!


ドックンッ!


『「グオオォォォーーーッ!!!」』


ヒュウの瞳は一瞬強く光り輝くと、バッと立ち上がり大きく咆哮した


「…?今のって…」


???

『…驚イタゾ』


聞き馴染みのある雄叫び、その声の主がヒュウの目の前にズイッと顔を覗かせた、それは見覚えのある黒い竜


「…!エヴァルドラーベ!?一体今まで何処に!?」


『…ソノ話ハ後ダ、先ニヤルベキ事ガアルダロウ?』


「っ!そうだ…!……」


ヒュウは集中し何かを探る、身体がピクッとなると右手を前にかざす、すると黄色い光が現れ球体になり、何かが落ち、それを左手で受け取ると光は消えた


???

『……ナンダ?…ワタシハ…イッタイ…』


「しっかりして!土星のドラーベ!」


現れた何かに対し、ヒュウは土星のドラーベと呼び掛けた、その姿はヒュウが喰らったオールドドラーベそのものだった


土星のドラーベ

『オマエハ?…ナンダ、ハキダシタノカ…、…イヤ、アノトキタシカニトケタカンカクガ…カラダモ…ウスクナッテイナイ?』


土星のドラーベは溶けたはずの自身の身体が、今確かに存在する事に驚いていた


「土星のドラーベ、俺も驚いていてるし君が驚くのも無理はないんだけど…今は一刻も早く力を貸して欲しいんだ!間違いじゃなければ、君が今一番アライブを感じ取れるはずなんだ!」


土星のドラーベ

『…マダトマドッテイルガ、ヤッテミヨウ』


土星のドラーベは瞳を閉じ集中する…、ヒュウが何故自身を頼りにしたのか分かりかねたが、確かに自身を的確に喰らい、助けようとしてくれた存在を強く感知する、土星のドラーベは向きを変え、触手で方向を指し示す


ヒュウは土星のドラーベを抱えて足に力を込め、その方向に全力で飛び跳ねた、高速で進んでも変わらぬ黒い景色、土星のドラーベの感知した事を信じ、一直線に突き進む


土星のドラーベ

『…ココダ!』


その言葉に勢いを止める、ヒュウやエヴァルドラーベから見れば、黒い景色自体には他と違いは全くない、しかし土星のドラーベはアライブの気配を確かに感じていた、しかし気配はあれども姿が何も無い、それどころか段々景色が黒く、暗くなっていく、更に別の異変が起きる


「アライブは…何処に…?…うっ…何だ…?…苦…しい…?」


『…何故ダ…呼吸ハ…シテナイ、我モ…苦…シイ』


土星のドラーベ

『…コンナカンカク…ハジメテダ…コレガ…クルシイ…』


ヒュウ達に今の状態では起きない感覚、海や宇宙の呼吸が出来ないような苦しい感覚が襲う、そしてさらに不可思議な現象が


「…エヴァル…ドラーベ…ソレ…ハ…?」


『…!何ダ…コレハ…!?』


ヒュウの首のスカーフから伸びて黒い竜になっていた筈のエヴァルドラーベが、ヒュウから離れて黒いオールドドラーベになっていた


土星のドラーベ

『…!…ヌウゥッ!?』


「…っ!…ドラーベッ…!?」


土星のドラーベは何処かに引っ張られるように、暗闇の底へと消えた


『…ッ!ヒュウ…!逃ゲ…!…グウゥゥッ!?』


『…エヴァルドラーベ…!?』


黒いオールドドラーベになったエヴァルドラーベも、引っ張られるように暗闇の底へと消えた



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



何処かに引っ張られたエヴァルドラーベは、先程までの暗さ、黒さが嘘のような、視界の拓けた見知らぬ場所に出た、側には先に消えた土星のドラーベと、ヒュウが入る時に見た、おそらくアライブの変化した、黒い塊があった


『…厶?苦シサガ消エタ?…オイ、土星ノ…無事カ?』


土星のドラーベ

『ア…アァ…、ココハ…クロイカイブツノナカカ…コレハドウナッテイルンダ?』


『…全ク分カラン、近クニ塊…アライブガイル、マサカ間ニ合ワズ、排出サレタ?…ナラバモウ一度!』


エヴァルドラーベは黒い塊に近付き、入ろうとするが、触れた瞬間電流が流れたかのように弾かれてしまう


『ッ!…入レナイ!?…クッ!土星ノ!オ前モ協力シテクレ!』


協力を求めて土星のドラーベに振り返ると、土星のドラーベはペタリと床に座り込み、呆然としていた、エヴァルドラーベは近付きドウシタ?と問い掛ける


土星のドラーベ

『…アライブヲ…カンジナイ…アノ…ヘンナヤツモ…』


『…何ヲ…』


エヴァルドラーベは気配を探る、アライブはDGに吸収された時点で既に存在を感知出来なかった、しかしヒュウの事は当然しっかりと感知出来ていた…先程までは


『…馬鹿ナ…何故?……ヒュウ…応エロ…、…ヒュウッ!!返事ヲシロッ!!』


エヴァルドラーベの叫びに返事は返らず、虚しく響くのみ、何度も何度も呼び掛けたが、応えが返ってくる事は無かった…


叫び続けたエヴァルドラーベも力が弱まり、ペタリと座り込み俯いてしまう、エヴァルドラーベは声が掠れながらも呼び掛けを止めなかった


『…ヒュウ…アライブ…返事ヲ…』


土星のドラーベ

『……?…コレハ!?』


驚く土星のドラーベの声に反応し、顔を上げると黒い塊が勢い良く広がり始めていた、弱りながらも土星のドラーベと移動していくが、行ける範囲が徐々に狭まり、周りは全て塊に呑まれてしまった、そしてとうとう…塊がエヴァルドラーベ達に触れると、全身に強烈な痛みが襲い掛かる、言葉にならない悲鳴が響き、二人は気を失い、倒れ、空間ごと塊に呑まれていった…




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



一方、エヴァルドラーベ達が何処かに引っ張られた直後のヒュウは、未だ苦しみに囚われていた


「…ぐ…二人とも…無事でいてくれ…アライブも…何処に…」


視界はどんどん黒さや暗さを増していき、それに伴い身体も身動きが取れなくなっていく、ヒュウを襲った異変はそれだけに留まらなかった、少しずつ角や尾の先、手足の先から黒く染まり崩れ始めていく


「…身体が…!?…まだ…まだ何も…出来てないのに…!…見つけ…なきゃ…!」


ヒュウは気持ちで自身を奮い立たせ、身体を動かそうとした、すると身動き出来なかった身体がスッと動かす事が出来た


「…やった!動かせ……え?」


ヒュウの視界に入ったのは、片腕のような物、腕を見て何故驚いたのかというと、それは見覚えのある形、自身の腕に似ていたからだ


慌てて自身の腕があった箇所を見ると、肩付近から下の右腕がごっそり無くなっている、その事から目の前の腕はやはり自身の物と認識する、離れた右腕をもう一度見ると、一気に黒く染まりポロポロと崩れて消えてしまった


「…そん…な…」



気付けば胸から下も既に崩れて無くなっていた、頭部は崩れていく速度が緩やかでまだ角の根本付近までで耐えている、しかし問題は動かす身体が殆ど無くなった事、ヒュウはもう、ただ緩やかに死を待つことしか出来なくなっていた


「…駄目だ…身体が…崩れて…考えるのも…難しく…」


崩壊は胸から肩、首、そして頭部へと進行していく


…まだ…もっとなにか…できたのかな…ごめん、どうほうたち…ごめん、エヴァルドラーベ……ごめん、…アライ…


…思考のみ出来た最後の頭部も、跡形も残らず崩れて消え去り、空間は真っ黒に染まった…




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー







ヒュウが完全に崩れ、エヴァルドラーベ達が黒い塊に呑まれた頃、ネウル達は基地から指示を送り、後始末の山火事の消火作業に追われていた、元が強力なDGのエネルギーによる影響か、消火剤が役に立たず、水による消火に切り替えていた、しかし消火よりも火の回る速度が早く、中々鎮火とはならない


ネウル

「くっ!中々消火しきれんな…!…今出せる全力は出し切っているのか?」


部下

「…はい、出せる全ての水量で消火作業に当たっていますが…」


ネウル

「…そうか、…ならばチームをいくつかに分け、事前に燃えるであろうルートに先回りさせてくれ、何なら燃え広がる可能性のある物も除去する事も視野に入れてくれ」


部下

「了解!直ちに連絡します!…?これは…一体?」


ネウル

「…どうした?」


部下

「は、はい!今モニターに出します!」


ネウルの前に映像が映し出される、そこには焼け焦げた山が映し出されていた


ネウル

「…これがどうかしたのか?」


部下

「…これはたった今私が気付くまで燃えていた場所なんです、こちら側はまだ消火出来る者が居ない筈なんです」


ネウル

「…何?勝手に火が消えたとでも言うのか?」


部下

「…仰るとおりです、現在他の者にも聞いていますが、何処の範囲も火が消失したと報告が来ています」


ネウル

「…ふむ、至急現場を調査させてくれ、警戒を怠らないよう注意しながらな」


部下

「了解、連絡します」


…ビーッ!ビーッ!


部下が連絡をしようとしたその時、突然大きな音が鳴り響く、これはドラーベの襲来や地震などの災害時に鳴る警報、ネウルは直ちに発信源の特定を急がせた、部下が特定した場所、それは…


部下

「っ!?こ、ここです!ここを起点に警報が出ています!」


ネウル

「何!?…くっ、皆急ぎ避難しろ!先の衝撃で身体の弱っている者の救助を優先しつつ、この基地から脱出しろ!」


部下

「了解!…基地にいる者に通達しました!ネウル様も参りましょう…っ!?」


部下がネウルの方へ向くと、扉を通り驚くモノが近付いて来るのが見えた、驚く部下を見てネウルが振り返ると、そこには自身よりも大きな人の様な形の火の集合体が佇んでいた


ネウル

「な…なんだこれは!?火が独りでに動いている!?…くっ!」


ネウルは携帯用のガンドラーベを使い、エネルギーを射出する、後ろに居た部下も慌ててネウルに駆け寄り、同じく所持していたガンドラーベで攻撃した


バシュッ!バシュッ!…ジュッ…ジュッ…


攻撃は通らず、火の中に蒸発するように消える、隙をついて逃げたい所だが、唯一の出入り口はこの火があるせいで通れない


火の集合体は腕のような物を前にかざした、ネウル達は攻撃されると思い身構えた、…しかし、攻撃は飛んでこない、代わりに妙な事が起きた、それは先程まで使っていたガンドラーベが引き寄せられていた、ネウルは取り戻そうとしたが、部下に危険と言われ、掴まれ止められてしまう


ガンドラーベは迷う事なく進み、ジュワッと焼け溶けるように火の集合体の中へと消えていった、その光景にネウルも部下も絶句した


絶句しながらもネウルは必死に頭をフル回転させ、ある事が浮かぶ、それは…


ネウル

「…ガンドラーベを引き寄せた…?まさかお前…DG…か?」


部下

「…!まさかそんな!?あれはただの兵器!意思も私達が事前に消去済みです!それにDGだとしても何故ここに!どうしてこんな火の塊に!?」


ネウル

「…それは私が知りたい事だ、…あれだけの強さを持ったのだ…簡単に死んではいないと思ったが…」


DGと呼ばれた者はただ静かに佇んでいる、そこには火が燃える音だけが聞こえていた


部下

「…まさか、主の元へ帰ってきた…、なんて事は無いですよね?」


ネウル

「…そんな訳あるまい、大方怨みを持って現れたという方が…まだ可能性としては高いだろう」


部下

「…そんな…では私達は…」


ネウル・部下

「…!?」


ネウルと部下は驚いた、目の前のDGと呼んだ火の集合体が、言葉を理解したかの様にネウル達の前に片膝を付いて座り込んだ、まるで主の元へ帰還した事を報告するかの様に


ネウル

「…あり得ん…!…そんな馬鹿げた話があってたまるか!」


部下

「…本当に…本当にあのDG…?」


非現実的な光景に狼狽える二人、そんな二人の前でも火の集合体はブレる事なく体勢を変えない、…徐々にネウルは火の集合体に近付き問い掛ける


ネウル

「…お前は…本当に…DG…なのか?」


火の集合体は顔のない火の頭部をネウルを見るかのように見つめ、頷く、しっかりとした受け応えに二人は安堵した、そしてネウルは微笑みを浮かべると、それを見てDGも立ち上がった


ネウル

「…正直信じられんが、あれだけの速度での成長だ、我々の理解を超えた成長を遂げたと言う事か…、DGよ…よくぞ化け物を滅ぼし、ここまで戻って来てくれた…!」


DGは言葉の代わりに、頷きで応える


ネウル

「…お前が居れば、他の星も支配下に置くのは造作も無いだろう、その力を私達の為に役立ててくれ、期待してるぞ…!」


DGは…今度は頷かなかった、その代わりに…


DG

『…ク…クク…クククク…』


ネウル

「……?」


頷きの代わりに聞こえてきたのは声、怖気のする様な笑いだった


ネウル

「DG…今の声はお前か?」


DG

『クク…ソウダ、ホカニコノバニイルマイ、オロカナニンゲン…』


部下

「…な、なんだ?さっきまで跪いていたのに…態度が全然違う…」


DG

『ナニ、オマエタチノハンノウニアワセテヤッタダケダ、カンチガイヲシテ…ウレシソウナオマエタチハ、…クク…ジツニケッサクダッタ』


ネウルは警戒して距離を取る


ネウル

「っ!DG!貴様私達を騙したのか!?何が目的でそんな事を!」


DG

『イッタダロ?ハンノウニアワセテヤッタダケダト、…モクテキハアエテイエバ…、オマエノソノヨロコビカラドンゾコニオチタカノヨウナハンノウ、ソレガミタカッタノカモシレンナ』


ネウル

「…貴様ぁっ!!」


部下

「駄目ですネウル様!危険すぎます!」


素手で飛び掛るネウルを必死に部下が止めた


DG

『…ソイツノホウガレイセイダナ、ミナラッタラドウダ?』


ネウル

「黙れDG!私を愚弄した事!ただで済むと思うなよ!」


DG

『……ソレモ…モウイイダロウ』


ネウル

「何…!?」


DGの身体を形成していた無数の火が一つになり、大きく燃え上がる、しかし不思議と熱は感じない、ネウル達が驚きながら見ている中、火は形を変えていった、変化を終えたDGは瞳を赤黒く光らせ、大きく雄叫びをあげる


『グオオォォォーーーッ!!!』


ネウル

「…き、貴様は!?」


目の前に現れたのは、ネウル達がDGを使い、倒した筈の人型のドラーベだった、しかし多少違う所もあり、竜が居なかったり、首元のスカーフも無かった


ネウル

「…何故その姿に?…まさか…奴すらも吸収したのか?」


DG

『…ココマデシテモ、ナオツゴウヨクカイシャクスルカ、ワレハディージーデハナイ、ワレハ…アライブ』


ネウル

「…アライブ?誰だそれは…?…いや待て…確かその名は…」



ネウルはDGが龍の様な姿に変化した直後を思い起こした



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



???

『化け物!礼を言うぞ!』


「…!?この声は…ネウルさん!?」


ヒュウ達の目の前に立体映像のネウルが姿を現す


ネウル

『分身を使って何か企んでいたようだが……結果は見ての通り、DGをより強化する貴重な養分となったようだ』


「…!そんな筈ない!アライブはまだ頑張ってる!」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ネウル

「…そうだ、確かにあの化け物はアライブと言っていた…!貴様はDGの養分になったのではないのか!?」


『…厶?ワレハナノッテイナイガ…ソウカ、ソトデハソンナコトガアッタノカ、タシカニワレハ、ウチガワカラナントカシヨウトシタガ、ヤツニキュウシュウサレタ、カラダモ…ココロモナ…』


ネウル

「ならば何故今…目の前に貴様がいる!」


『…イマワレガココニイラレルノハ、ヒジョウニフタシカナヒョウゲンダガ、ソレゾレノツナガリ…ソノオカゲカモシレン』


ネウル

「繋がりだと?何を分かりにくいことを…!」


『…タスカルコトニナッタキッカケハ、コノホシニキタトキ、ソコデデアッタコノホシノドウホウダ、ネウル、オマエノサシガネノナ』


ネウルはアライブの指摘にたじろぐ


ネウル

「っ!…気付いていたのか…!…だが…何故それがキッカケに繋がる!」


『コノホシノドウホウハ、オマエノシハイカダ、ダレモガキョウフスルナカ、ワレラニデアッタドウホウハ、オマエニオビエ、ワレラヲワナヘトユウドウシナガラモ、ワレラニキョウミヲモッタ、ベツノホシカラキタ、オナジドウホウデアリナガラ、ミチノヘンカヲトゲタソンザイデアルワレラニナ』


ネウル

「…別の星…!貴様はやはりただの侵略者だったか…!」


『…ソウオモイタイナラカッテニソウオモッテイロ、ハナシヲツヅケル、ソノスパイノドウホウハ、ワレラノドウコウヲミマモリ、ディージーガツカワレルト、ワレラノモトヘキケンダトケイコクヲシニキタ、ソレニヨッテワレラノアイダデ、ミエナイツナガリガデキタ』


ネウル

「警告一つで繋がり…?随分安い繋がりだな」


アライブは目を細めてニヤける


『…クク、ソンナゴウマンサノケッカガ、イマノコノジョウキョウダゾ?』


ネウル

「…っ!」


『…トニカク、ソノオカゲデワレガキュウシュウサレ、ドウカシ、キエカカッタトキニ、スパイノドウホウニヨル、ワレラヘノシャザイノキモチ、『モウシワケナイ』トイウカンジョウガアッタオカゲデ、アルテイドハジユウニナレタ』


部下

「…ある程度?」


『アァ、スパイノドウホウヲイチジテキニタスケ、ノチニアウカモシレン、オマエノタトエノ…ワレガブンレツシタバケモノ…ヒュウ、エヴァルドラーベニタイシ、セツメイヲタノンダ、アウコトニカクショウハナカッタガ、イマオモエバ、ディージーガワレヲキュウシュウシタジテンデ、ヒュウタチガキュウシュウサレルノハヒツゼンダッタトモイエル』


ネウル

「必然?どうしてそうなる!いや、それ以前にあの化け物は吸収ではなくDGの攻撃で塵も残さず消し去ったはずだ!」


『…ディージーガヘンカヲトゲタトキ、コウドウニヘンカハナカッタカ?タトエバ…ソレマデトチガウコウゲキ…トカナ』


部下

「…言われてみれば、我々が手掛けたDGの特徴、巨人の時の攻撃は、ドラーベなどを消費して行う強力なエネルギーによる攻撃が基本です、龍とも思える姿に成長した時はエネルギーを発射せずに…物理的な直接攻撃になった…」


ネウル

「…それが何だと言うのだ」


『…ディージーノオオモトハホトンドイシナキキカイダ、シカシオマエタチノメイレイヲキクヒツヨウハアル、ソノワズカナイシキハアレド…ジガガナイ、ダガソノオカゲデ…ワレヲキュウシュウシタコトデ、ワレノイシヤモクテキノエイキョウヲツヨクウケタ』


ネウル

「貴様の意思や目的だと?たかが一匹のドラーベ如きの影響を受けたと、本気で思ってるのか?」


『ナニヲイオウガジジツハカワラン、ゲンニヘンカシタアトハ、ドウホウヲショウヒスルコウゲキヲヤメ、ヒタスラクラオウトシタ』


部下

「…喰らおうと?何を…?それに何故化け物を助ける訳でもなくそんな事を?」


『…クラオウトシタノハ…バケモノ、コノバアイハ…ヒュウノコトダナ、ソシテナゼソンナコトトキイタガ、…オソラク、ソレガタスケルコトニツナガルトカンジタノダロウ』


ネウル

「喰らう事が助ける事?何を馬鹿な事を…」


『…ジッサイ、ヒュウタチヲクライ、キュウシュウシタコトデ、ツギニツナガッタ、サキノハナシニツナガルガ、スパイノオカゲデ、タイナイデセツメイヲウケタヒュウタチダッタガ、ヨリョクガナイジョウタイデ、タダイナダメージヲウケタタメニ、マトモニウゴクコトガデキナカッタ、ソノトキワレハキエカケ…ジカンガナカッタ、ソコデオヒトヨシナヒュウガイガイナコウドウヲトッタ、ユイイツソノバニイタドウホウ、スパイノドウホウヲクラッタノダ』


部下

「喰らった…?同胞を助けるはずじゃ無かったのか?」


ネウル

「生きたがった化け物が本性を表しただけだろう」


『…イキタイトイウブブンハヒテイシナイガナ、ダガソノオカゲデ、チカラヲイクラカトリモドシ、クラッタスパイヲサイゲンシタ』


ネウル

「…再現だと!?そんなバカな!」


部下

「まさか…本当にドラーベを発生させたのは…!お前達がドラーベの親玉!?」


アライブは首を傾げて否定する


『…ザンネンダガソレハチガウ、ワレラハタダ、ドウホウヲタスケ、アツメ、ユクユクハヒトヲオソワヌヨウミチビコウトスル、ソレガワレラノモクテキダ』


部下

「ドラーベを集め…人を襲わない様に?」


ネウル

「先程も言っていたが…そんな話信じられるか!」


『シンジロウガナンダロウガ、ワレラハワレラノモクテキヲハタスダケダ…、ハナシヲモドスゾ、スパイヲサイゲンシタコトデ、ツナガリガデキタスパイガワレノソンザイヲカンチシ、ヒュウタチヲユウドウシタ、ソコデワレハジシンヲカクリツスルタメ、ヒュウイガイヲシリゾケ、スコシズツ…ユックリト…ヒュウヲクライ…アジワイ…キュウシュウシタ』


部下

「…正気じゃない…!助けに来た者を喰らうだなんて…!」


『厶?クク…ソウダッタナ、ワレニトッテクラウコトハ、アマリニモシゼンナコトダッタカラナ、…オマエタチハワレガヨウブンニナッタトイッタナ?ナゼソレヲシッタ?』


ネウルの部下は、自分でも答えを確認する為に説明した


部下

「…それは化け物が生み出した分身をDGが吸収した映像があった…、直後に化け物は「アライブはまだ頑張っている」…そう発言した、つまりお前は吸収されたアライブの筈…」


『…アァ、ソレデアッテイル、ブンシントイウタトエモアルイミマチガッテイナイ、カンケイセイヲセツメイシテモムダダロウカラ、カンタンニソノタトエデイウト、ブンシンシタワレガ、ホンタイヲクライ、モドルトカンガエレバ、ワリトシゼンダロウ?』


ネウル

「貴様の説明はそれでいいかもしれんが、DGの事はどう説明をつけるつもりだ!貴様はDGをどこへやったんだ!?」


アライブは手を自分に向け、胸元に向けた


『…ディージーハ…エネルギーノモトトナルドウホウハ、スベテワレガクラッタ』


ネウル・部下

「!?」


『…エネルギートシテショウヒサレ…ナニモノコラナイヨリハ、ワレノカテトシ、チカラノイチブトシテデモソンザイヲノコシタクテナ、ソノセイデワレガキエカカッタコトモアッタガ…、ケッカトシテハソレゾレノツナガリノオカゲデ、アルテイドノサイゼンノケッカニハナッタダロウ』


ネウル

「…最善の結果だと?結局敵も味方も…何もかも喰らい尽くした…、貴様の独り勝ちと言う訳か…!」


『…クク、ザンネンダガ…ヒトリデハナイ、ワレラノ…ショウリダ』


部下

「…我…等?」


アライブは両手の平を上向きに、軽く胸の前に差し出すと、淡い光が両手と胸から上を包む、光が消えると首元には灰色と黒のスカーフ、そのスカーフから伸びた先、それぞれの手の上には二匹の竜が、右手には黒い竜、左手には灰色の竜が現れた、二匹は眠る様に目を閉じていたが、アライブに指で優しく顎を撫でられ、喉をクルルと鳴らしながら、目を覚ます


「……?…あ…れ?ここ…は…?」


『…我ハ…一体…?』


「…エヴァル…ドラーベ…?」


『…ソノ声ハ…ヒュウ…?』


『…コウイウトキハ…『オハヨウ』…ダッタカ?』


「…あ…うん…そうだね…、おはよう…、……え?……!」


目覚めたばかりで視界がぼやけ、意識も呆然と返事を返したヒュウは先に聞こえた声と別の声に反応し、声をした方にバッと振り向く、そこにはヒュウを見つめるエヴァルドラーベの姿があった、一瞬…エヴァルドラーベとも思ったが、その瞳は赤黒かった事、そして奥から黒い竜が覗き込んでいた事もあり、このエヴァルドラーベの主体が、助けようとしたアライブである事をヒュウは認識した


「あ…あ……!」


『…クク…ヤクソクドオリゲンキニシテタカ?…ヒュウ』


「っ!アライブッ!!」


竜になったヒュウはアライブの顔に擦り寄る、お互いにゴツゴツしているが、そんな事は気にせず目の前のアライブの存在をしっかりと感じる為にとにかく擦り寄った


アライブは身を挺して事態を解決しようとしてくれた、そんなアライブを助ける前に自身は崩れてしまい、助ける事が出来なかった、失ったと思ったアライブが目の前にいてくれる嬉しさが、自然とヒュウをそうさせている、アライブはそっと受け入れ、優しくヒュウの頭を撫でていた、黒い竜のエヴァルドラーベもその様子をそっと見ていた


「本当に…本当にアライブなんだよね…!?夢なんかじゃないよね…!?」


『ソレダケスリヨッテモ…ソウオモウカ?』


「…ううん、この星に来る前にもアライブは俺を撫でた、その時と同じ感覚が…優しさや暖かさが…撫でてくれる手を通して…ちゃんと伝わってくる」


『…クク、ソレハナニヨリダ』


『…アライブ、無事ダッタカ…』


『…アァ、オカゲサマデナ、エヴァルドラーベモゲンキ…トハチガウカモシレンガ、マタアエテウレシイゾ』


『…一応聞クガ、夢デハナイ…トハ言ッタガ、ココガ死後ノ世界…ナンテ事ハアルマイナ?』


「…えっ!?」


『クク…アンシンシロ、イマハチャントイキテイル、ソコニニンゲンモイルダロウ?』


「人間…?」


ヒュウとエヴァルドラーベが辺りを見回すと、そこには驚いているネウルとその部下の姿があった


「…!ネウルさん!?…と…もう一人は?」


『ネウルノブカダ、ソシテココハコイツラノキチ、シゴノセカイデハナイ』


ネウル

「…こ、こんな馬鹿げた事あってたまるか!」


部下

「…ドラーベじゃなく…竜を…生み出したのか…!?」


『アラタニウミダシタワケジャナイ、サイセイシタダケダ、チャントセツメイシテヤッタダロ?ワレラハヒトツデ、ディージーノタイナイデ、ワレガヒュウヲクラッタト』


「…?そうなの?…全然気付かなかったけど…」


『…モウイチドセツメイスルノハメンドウダ、ヒュウタチニハアトデハナス』


「ご…ごめん、分かったよ」


『…ソンナワケデ、ヒュウモエヴァルドラーベモサイセイシ、オマエタチノタノミノディージーモモウイナイ、コノトオリヒトリデハナク、ワレラノショウリ…トイウコトダ』


部下

「…そんな…私達は…もう…」


ネウル

「……るな…」


「…?」


ネウルは鬼の形相でヒュウ達を睨む


ネウル

「ふざけるな!こうなったら貴様等全員道連れにしてやる!」


「…っ!?やめ…!?」


ネウルは懐からボールペンサイズのスイッチを取り出し押そうとする、しかしその瞬間、何かに手が弾かれスイッチは遠くへ飛んでいく


ネウル

「くっ!?」


「…今のは…触手?」


部下

「…ド…ドラーベ!?」


触手はスイッチをキャッチし手元に戻す、触手を戻した先に居たのはオールドドラーベだった、このオールドドラーベが触手を伸ばし、ネウルの妨害をしたようだ、そしてそのオールドドラーベ、見た目こそ他と違いはないはずだが…ヒュウには覚えがあった


「君は…アライブの所に案内してくれた、土星のドラーベ?」


土星のドラーベ

『…ソノコエ…スガタハチガウガ、ブジダッタヨウダナ、ヘンナヤツ』


「変な奴って…はは…、君も無事だったんだね、良かった…」


土星のドラーベ

『…ソンナコトヲイウノハヤハリ…オヒトヨシ…ダカラカ』


『クク…ソウイウコトダ、オモシロイヤツダロ?』


土星のドラーベ

『…アァ、オモシロイ、ヘンナヤツダ』


「変な奴は変な奴のままなんだね…」


ネウル

「土星のドラーベだとっ!?何故そのドラーベまで生きている!貴様等のような化け物はともかく…ただのドラーベが何故っ!?」


アライブは土星のドラーベの頭をなで


『タダノドウホウデハナイ、コノスパイハトクベツダ、ワレラニセッスルコトデカンジョウヲイダキ、ワレヤヒュウニクワレタコトデ、ワレラノカラダノイチブトナリ、ヨリ『コ(個)』トシテノイシガツヨクナッタ、ソレニヨリコノバニサイゲンガデキタトイウワケダ』


部下

「…ネウル様…これ以上は…」


ネウル

「ぬぐぐ…!…まだ、まだだ!!」


『…ソウダ、サイゴニ…イイモノヲミセテヤロウ』


ネウル

「…いいもの…だと…!?」


アライブは再び両手の平を上に向け胸の前に軽く上げると、その両手を中心に淡い赤い光が広がり、今居る部屋を覆っていく


部下

「こ…これは一体…?」


「部屋が…赤く…、あれ…でもこれって…」


『…アァ、コノ感ジ、黒イ塊ダッタアライブノ中ニ似テイル…』


アライブは両手を下ろすと、全身から無数の赤く光る球体が飛び出していく、無数の球体は二種類の形に変化していった


ネウル

「なっ…!?」


「…!君達は!」


球体が変化したのは、オールドドラーベとガンドラーベだった、無数のドラーベ達は部屋一帯に漂っている、そしてその視線は、全てネウルや部下に向けられていた


部下

「ま…まさか、これは全て…!」


『…ソウ、ディージーニキュウシュウサレ、ワレニクワレタ…ドウホウタチダ』


ネウル

「…あり得ん…こんなのは間違いだ…悪夢に決まってる…」


『…タメシテミルカ?』


ネウル

「…は?」


「アライブ?」


アライブがスッとネウルの方向に人差し指を向けると、ドラーベ達は一斉にネウル目掛けて突進していく


ネウル

「…や、やめろっ!こっちへ来るな!?…くうっ!?……?」


ネウルは屈んで身構えた、そんなネウルにドラーベ達は突進したが、全員ネウルの身体をすり抜けていく、通り過ぎたドラーベ達は再びアライブの周りに漂った


「あ…あれ?すり抜けた?」


『…トウゼンダ、カレラニハニクタイガナイ、ワレガケイセイシタコノクウカン、ワレラノイチブトナリマダジカンガタッテイナイコト、ソノオカゲデイチジテキニデハアルガ、カレラノタマシイヲコノクウカンニシュツゲンサセルコトガデキタ』


ネウルは腰が抜け、ドサッと座り込んだ


ネウル

「はぁ…はぁ…、化け物の次は…幽霊か…脅かしおって…!」


アライブはネウルに対して、目を細めて冷たい視線を向ける


『…イッテオクガ、ワレハキサマデハナク、カベヲユビサシタダケデ、ツッコメトシジヲシテハイナイカラナ?カレラガオマエメガケテツッコンダノハ、ヘイキノザイリョウニサレタコトデメバエタ、カレラノイシダ、カラダヲツキヌケタトイウコトハ、コロシタイホドノウラミガアッタカラトイエル、…カリニニクタイガアレバ…、クク…タダシヌダケデハスマナカッタダロウ』


ネウル

「っ!」


「…アライブ、さっき一時的って言ったよね?それってつまり…」


『…ソウダ、ジキニカレラハ、カンゼンニワレラノカラダノイチブトナル、ダカラサイゴニ…トイッタ』


「…最後にって…あれは…同胞達に向けてだったんだね」


アライブは少し困り気味に、自身の顔を人差し指でポリポリ掻きながら


『…ドウホウニムケテデモアルガ、サキニカベヲユビサシタトイッタガ、ツッコムノハソウゾウデキテイタ、ダカラソノコウドウヲゼンテイトシテ、イママデノハライセニ、ネウルヲオドカシテヤロウトオモッテナ』


「ええ…?」


『ククク…オ陰デ腑抜ケタネウルガ見レタ、我等ニトッテモ良イモノガ見ラレタナ』


「エヴァルドラーベまで…」


『…サテ』


アライブは足音を立てネウルに近づいて行く、ネウルは目の前に立ったアライブを見上げる


『…マダ…アキラメナイノカ?』


ネウル

「…これ以上生き恥を晒すつもりは無い、さっさと殺せ…化け物め」


「ネウルさん…」


『…マダゴカイシテイルヨウダナ、ワレラノモクテキハ、オマエヲコロスコトデモ、ホシヲシハイシタリ、ホロボスコトデモナイ』


ネウル

「……」


『…イカリハシタガ、ワレラハタダ、ドウホウヲアツメ、タスケ、ダレカトテキタイシナイヨウ、ミチビキタイダケダ』


「アライブ…!」


ネウル

「……そんな事を言って、本当に貴様等が人類と敵対しない保証がどこにある…貴様等が我等と敵対したように…」


『…ソモソモキサマガヒュウノテイアンヲムゲニシタノガゲンインダロウ、アレサエコトワラナケレバ、ココマデオイツメルコトモナカッタ』


ヒュウはネウルに対して同情するように首を傾げ


「…それはこの姿の事もあるし、ちょっと仕方ないような…」


『イイヤ『コトワレバコロス!』トオドシタナラトモカク、ヒュウハコトワッタバアイデモ、ミズカラコウゲキスルイシヲマッタクシメサナカッタ、ソレデモコイツラハコウセンシヨウトシタ、ダカラジゴウジトクダ』


「それは…そうかもしれないけど…、…あれ?そういえばあの時アライブがしれっと『ツブス』って言ったのも攻撃される原因になったんじゃ…」


『………』


「…?……□◎△☆▽♤!?」


アライブは少し考えた後、ヒュウを引っ張り、両手で顔を揉みくちゃにし、解放する


「…あぁ…ビックリした…」


『トニカク!ワレノコトハベツニシンジナクテモカマワン、ダガ…!』


アライブはそっとヒュウを撫でる、ヒュウは自分の意志とは関係無しに喉をクルルと鳴らす


『…ドウホウヲアツメ、タスケルコトヲテイアンシタ、コノオヒトヨシノコトハ、ヒュウノコトハ…シンジテクレ、オマエタチナラソレガデキルハズダ、ヒュウハオマエタチトオナジ、…モトモトハ『ニンゲン』ダッタノダカラ』


ネウル

「何っ!?」


部下

「元々…人間!?…あり得ない…一体どうして!?」


『ドウシテトイワレテモナ、グウゼンコウナッタトシカイイヨウガナイ』


『…ザックリ言エバ、人間ノヒュウトオールドドラーベノアライブガ色々アッテ、今ノ身体ノベースト我…エヴァルドラーベガ生マレ、ソノ際ヒュウトアライブハ死ニ、我ガ二人ヲ新鮮ナ内ニ再現、ソシテ何ヤカンヤデ、今ニ至ル』


「大分ザックリいったね…、それに新鮮って…肉や魚じゃないんだから…」


部下

「ちょ、ちょっと!しれっと言ってるけど本当は死んでるんですか!?」


『人間トドラーベトシテナラナ、今ハヒュウモアライブモ、何ヤカンヤデチャント生キテイル』


部下

「む、無茶苦茶だ…」


ヒュウは苦笑いし


「改めて聞いてみても、俺も同じ感想です…」


『…ウレシクナイノカ?』


「…嬉しくなかったら、ここに居ないよ」


『…クク…ソウカ、アンシンシタ』


アライブは嬉しそうにヒュウを優しく撫でる、ヒュウは再び無意識に喉をクルルと鳴らしながら


「アライブ…!撫でるのはいいけど…話が進まないから…!」


『厶?ソウダナ、ヒュウタチハアトデナデマクッテヤロウ』


『…シレット我ヲ巻キ込ンデナイカ?』


『キニスルナ、サァ…ネウル、ヒュウノコトクライハ、シンジテクレルカ?』


ネウルは考え込み、言葉を選ぶように呟く


ネウル

「…ヒュウとか言ったな」


「は…はい!」


ネウル

「…私達からすればお前達は侵略者だ、だが…アライブの言う通りならば、お前達はただ…ドラーベの為に迎撃したに過ぎん」


「…はい」


ネウル

「…ドラーベ達やお前達をここまでした私達を、本当に殺さないのか?」


「…ネウルさん達を殺しても同胞は帰ってきません、例え殺して帰ってくるんだとしても、俺には殺すなんて選択…出来ません」


『ワレハコロスカモシレンガナ』


「アライブ…!」


『クク…アクマデワレコジンノハナシダ』


「もう…」


目の前で仲良くするヒュウ達、その光景を疑うネウルは尋ねた


ネウル

「…何故だ?」


「…?」


ネウル

「何故お前達はそれ程互いを信頼出来る、人間とドラーベ、そして未知の生物エヴァルドラーベ、普通であれば人間とドラーベは敵対する者同士、力関係の主従はあれど互いを信頼などあり得ん」


『…ソコハ先程言ッタヨウニ何ヤカンヤアッテダナ…』


「あはは…、最初から話をすると長くなっちゃうのでエヴァルドラーベの説明みたいになっちゃいますけど…、もちろん最初から仲良かった訳じゃなくて、ネウルさんの言うように、俺はアライブの事に怯えてばかりでした」


「ただ…運良く一緒に過ごせた事で、アライブはアライブなりに必死に生きたいって思ってる事が分かった、エヴァルドラーベも誕生した時に俺達に興味を持ってくれたお陰で、俺達を仮初めの姿…人間とドラーベとして再現してくれ、ずっと中から見守ってくれたんです」


ネウル

「……」


「それからも色々と大変だったけど、そんな苦労した日々を一緒に過ごしてきたからこそ、こうして俺達は心も身体も一つになる程、信頼し合えたんだと思います」


ネウル

「…お前達は別の星から来たのだったな、そこではお前達のような者がごろごろいるのか?」


「…って事は…こっちの方でも…俺達みたいな存在は殆どいないんですね?…沢山は流石にいないですけど、一人だけ…変化した経緯も似ている、俺達よりかなり前に人型のドラーベになった同胞は居ました…」


『(レダルモドウホウ…カ…)』


『(マァ、名前ヲ言ッテモ…誰?トナルシ、妥当ナ言イ方ダロウ)』


「…ただ、その同胞は力に溺れてしまい、今の俺達で言う、人間の部分を惑わし、完全に取り込んでしまったんです、その後はその星の人達や俺達と敵対し、俺はその同胞との戦いの中で相棒を失った怒りに飲まれて、殆ど無意識の内に倒してしまった…」


『一応フォロースルガ、ソノ同胞ハ、自分ト同類、或イハ自分ヨリモ強イ奴ヲ求メテイタ、ソコデヒュウニ出会イ、目ヲ付ケタ、ソノ最後ノ戦イモ、ヒュウヤアライブト一緒ニ居タ仲間ヲ狙ウト脅サレタ…故ニヒュウ達ハ戦ワザルヲ得ナカッタ』


ネウル

「…仲間?仲間はいないのではなかったのか?」


『…?アァナルホド、スパイカラキイタノカ』


土星のドラーベは頭を下げ


土星のドラーベ

『…スマヌ』


「大丈夫、謝らなくていいよ、…その星の仲間だった人達も、星を出る際に連れて一緒に居たその星の同胞も、それぞれ別の星に居て…今は一緒には居ないって意味です、同胞を助けるって目的は俺達がその星で培った経験や…しでかしてしまった事を経て決めた目的なんです、出来るか分からないし出来てもどれだけ時間がかかるか分かりません、今回の様にこっちが望まなくても戦いになってしまう事もきっとある…、そんな宇宙のように果てが見えない事に巻き込めませんから」


部下

「その星の人達は…貴方方を受け入れたのですか?」


「…こんな姿になった事とか、最初は自分でも意味が全く分からなかった…その時も色々とありましたし、星を出る際もその星全体で見ると、俺達を化け物って思う人が殆どだと思います、でもその仲間達は…エヴァルドラーベに変化する事を知っても、優しく受け入れ、最後には旅立つ事を惜しんでくれたんです」


ネウル

「…果てが見えないと言ったが、同胞を集めるというのはこの星だけではないのか?」


『アァ、コノウチュウノスベテニチラバルドウホウヲアツメ、タスケルソウダ』


ネウルの部下は驚き、ネウルは納得した様に頷く


部下

「宇宙の…全て!?」


ネウル

「…なるほど、一つの星の統治者が…宇宙規模の目的を持った者に勝てる筈も無いか…、それで、一体これまでにどれほどの成果があったんだ?」


ヒュウは目を丸くし


「えっ!?…えっと、元居た星や道中を除くと、ここが初めての星なので成果は…」


『ナイ!』


「はっきり言わないで!?」


『始メタバカリノ旅ダ、仕方アルマイ』


ネウル

「…宇宙規模であるならば、遅かれ早かれ…いつかはこうなっていた事は変わらなかったか、…ならばヒュウよ」


『…ホラ、カワルゾ』


「え?あ、うん…!」


ヒュウとアライブは互いに主体を入れ替える、灰色の竜とスカーフは赤黒くなり、エヴァルドラーベ(肉体)の瞳は黄色く輝く、そしてヒュウはネウルの目線に合うように屈んだ


ネウル

「…会った時とどこか違うと思ったが、そうやって互いに本体を変える事が出来るのか」


「…はい、これが俺達…エヴァルドラーベなんです」


ネウル

「…そうか、では改めて問おう、未知の生物…エヴァルドラーベとなりし…元人間…ヒュウ…!お前達の目的は何だ?」


ヒュウは真っ直ぐネウルを見つめ、心を込めてお願いする


「宇宙に散らばるドラーベ…同胞達を集め、時には助け、そして同胞がこの先、人間や他の生物を脅かさないように導きたい、その為にこの星の同胞を集める事を…許可して頂きたいです」


ネウル

「…お前達は勝者だ、好きにしろ」


ヒュウはスッとお辞儀した


「…ありがとうございます…!」


エヴァルドラーベが二人に向かって首を伸ばす


『ツイデニ、モウヒトツ頼ミガアル』


「…エヴァルドラーベ?」


『オ前達ハ他ノ大キナ星ト繋ガリハアルカ?』


ネウル

「ああ、あるにはある、様々な交流のみで言えば木星や天王星…連絡だけで言えば他の星にも交流関係を持っているが…、それがどうした?」


『同胞ヲ集メル我等ノ事ヲ広メテ欲シイ、タダ我等ト仲間ト思ワレルト、オ前達ガ危険カモシレン、モシ広メテクレルノナラ敵トシテノ方ガイイダロウ』


「それは…そうかも」


『ソノ際、敵ハ最初ニ交渉ヲ持チ掛ケタガ、コチラガ提案ヲ拒否シ攻撃シタラ、迎撃サレ壊滅シカケタ、トデモ言エバイイ』


「そ…そこまで言う?」


『強チ間違ッテナイト思ウガ?』


ネウル

「…そうだな、我々は禁断の兵器を用いてまでお前達を殺そうと全力を出した、追い詰める事こそ出来たものの勝てなかった、気が付けばこの有様だ、…いいだろう、可能な限り、お前達…エヴァルドラーベの存在を広めよう」


『…感謝スル』


「ありがとうございます…!」


ネウル

「…しかし、お前達の存在を認識した所で、事がスムーズに進む保証はない、それは分かっているのか?」


『勿論、最初カラ全部スムーズニイクトハ思ッテナイ、無数ニアル星カライクツカスムーズニ済メバ十分ダ』


「戦闘は極力避けたいもんね」


ヒュウの言葉にネウルは軽く笑い


ネウル

「つくづく思うが…ヒュウ、お前は見た目との印象の差が激しいな、アライブやエヴァルドラーベの方がよっぽど合っている」


ヒュウは苦笑いし


「は…はは…、元いた星でも似たような事言われました…」


『ソノチガイコソガ、ワレラヲツナゲタノダ』


『ソレニ…、オ人好シガ故ニ、誰カニ我等ヤ仲間ガ傷付ケラレルト、人一倍怒リガ強イ、案外一番怖イノハ、ヒュウカモシレン』


「ええっ!?そ…そんな事ないと思うけど…」


ネウル

「フッ、温厚そうな人間が怒るのは恐ろしいからな、最も警戒すべきはドラーベのアライブでも未知の生物のエヴァルドラーベでもなく、人間だったヒュウ、という事か」


ヒュウは首を横に振って否定し


「いやいやいや!ネウルさんまで同意しないでください!」


ネウル

「…さて、お前達はここでドラーベを集めたらどうするのだ?」


「…取り敢えず、安全な場所を探して連れてって、その後はまた今回の様に他の星に行って、集める許可を得て…、その繰り返しになると思います」


ネウル

「…それなら、あんまり長居させるのも良くないな…、そろそろ行くといい」


「…はい、それじゃあ…」


座り込んだネウルに、ヒュウは手を差し伸べる、ネウルは少し驚いたが、その大きな手を掴み、立ち上がる


その時ヒュウは漂う同胞に異変を感じて振り返る、空間内に漂っていた肉体の無い、オールドドラーベやガンドラーベ達が薄れ、中心に淡い光球が見え始める


ネウル

「…これは?」


『…イチジテキナタマシイノジッタイカ、ソノオワリノトキガキタヨウダ』


「あ…」


オールドドラーベやガンドラーベ達は次々と光球へと変化していく、その光景は綺麗でありながらも物悲しさも感じる、残り一体になったガンドラーベがヒュウに近付き、そっと囁く


ガンドラーベ

『…アリガトウ』


「…っ!」


ヒュウはすかさず手を伸ばすが、その手が触れる前にガンドラーベは光球へと変化した、光球は一斉に動き出し、ヒュウの中へと消えていった、全ての光球が消えると、アライブが展開した空間は…役目を終えるかのように静かに消えた


ヒュウは自身の中へと消えていった同胞を抱え込む様に自身の身体をそっとハグをする


「…こちらこそありがとう、これからは…君達も一緒に…」


アライブとエヴァルドラーベもそっとヒュウに擦り寄ると、ネウルの方へ向き直る


ネウル

「…私が言えた義理ではないが…、ドラーベ達を…頼む」


「…はい、それじゃあ…行きますね、行こう…アライブ、エヴァルドラーベ、そして…土星のドラーベ」


土星のドラーベ

『…ワタシモ?』


『オマエモドウホウナノダカラ、トウゼンツレテイッテヤル』


土星のドラーベ

『…ダガ…オマエタチヲワナニ…』


「そうだけど、その後警告してくれたり、アライブを助けるキッカケにもなってくれたでしょ、どうしても嫌だって言われちゃったら困るけど…」


土星のドラーベ

『…ワカッタ、ヨロシクタノム』


土星のドラーベはヒュウの側に寄るとアライブ達が促し、触手でヒュウの角を掴む


「…良かった、じゃあ行こう…!…ネウルさん!部下さん!失礼します!」


ヒュウはアライブに方向を伝えられつつ、その場を後にした


ネウル

「…人を襲うドラーベ、その常識を覆そうと導く存在、エヴァルドラーベか…」


部下

「…本当に全てのドラーベを集め…導く、そんな事可能なんでしょうか…?」


ネウル

「可能かと言われれば…際限が見えない事だ、限りなく不可能に近いだろう、宇宙は広いしドラーベの発生源も全体数もまるで分からん、…ただ、それを実現出来るかもしれない…そんな片鱗を私達は見たのではないか?」


部下

「…そうかもしれませんね」




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



基地の外に出たヒュウ達は上空に居た、地球の時と同じようにドラーベの意識に願うとヒュウを中心に黄色いオーラが広がる、そしてヒュウの願いをアライブとエヴァルドラーベが咆哮に乗せて土星全体に行き渡らせた


土星のドラーベ

『…コワイガヤサシイ…、フシギナオタケビダ…』


ヒュウのその様子は、基地に居たネウル達にもモニターを通じて見えていた


部下

「…綺麗な…光ですね」


ネウル

「…ああ、普通なら不気味な光景だ、しかし…彼等の目的を知った今となっては、美しく思う」


咆哮が止むと、あちこちからオールドドラーベ達が現れ、ヒュウの元に集っていく、ヒュウは気配を探り残った者がいないか確認する


「…うん、これで全員かな?」


『アァ、問題無サソウダ』


土星中のドラーベが集まったが、地球に比べると圧倒的に数が少なく、およそ数百程、数が少なくとも大事な同胞である事は変わらない、ヒュウはオールドドラーベ達を引き連れ宇宙へと飛び立って行った


ネウル

「…行ってしまったか」


部下

「…本当に土星のドラーベ達は、みんなついていったんでしょうか…」


ネウル

「…その点は大丈夫だろう、わざわざ同胞を置いていくような真似はしまい、なんせドラーベが認める程の…お人好し、なのだからな」


部下

「…そうですね」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



土星から旅立ったヒュウ達は置いてきたドラーベ達がいる星へと戻って来た、ヒュウは地球と土星、生きてきた星や環境の違いにより争わないかハラハラしたが、案外あっさり馴染んでいた、元々広い宇宙を漂っているからか、ドラーベ同士は割と友好的だった、唯一、地球から連れてきた人型ドラーベには驚いていたが、それも最初の内だけですぐに打ち解けていた


ヒュウ達はその様子を見届けると、以前行った洞窟で、ようやく得た一時の休息を楽しみながら、アライブの吸収されてからの一部始終を聞いた


「…そんな事が…アライブも大変だったんだね、そういえばDGの中で、土星のドラーベを喰らった時にエヴァルドラーベが出てきたけど、それまで何処にいたの?」


『…ズット中デヒュウガ消サレヌヨウニ、肉体ノ保護ヲシテイタ、DGノ攻撃ニヨル消耗ノセイデ、コノ姿ドコロカ声スラ出セナカッタンダ、スマン』


「あ…そうだったんだ…ごめん、無理させちゃって」


『気ニスルナ、ヒュウモ我ナノダカラ助ケルノハ当然ダ、ニシテモ…動ケナカッタトハイエ、ヒュウガ同胞ヲ喰ラウトハナ…』


ヒュウの意外な行動を思い出し、目を細めるエヴァルドラーベ、ヒュウは苦笑いし


「…あの時は力が出なくて動けないし、土星のドラーベも消えかかっていたあの状態で出来る事をって考えたら、あれしか浮かばなくて…」


アライブはグイッと顔をヒュウに寄せ


『ワレラモクラッテミテモヨイノダゾ?』


「あれは緊急事態だったから仕方なく喰らったの」


『同胞ハ喰ラッタノニ我等ハ駄目ナノカ…』


『ムシロワレラヲイチバンニクラッテホシカッタ…』


「なんでそんなに喰われたがるのかが分からないよ…」


ヒュウの困惑の言葉にアライブとエヴァルドラーベは、顔を見合わせながら


『ソリャアナァ、エヴァルドラーベ?』


『ナァ、アライブ?』


互いに何かを通じてか、クククとニヤけ合っていた


「…何その意味深な笑いは…」


『別二他意ハ無イ、多分ナ』


『ウム、キニスルナ』


「…分かった、じゃあ気にしないよ」


アライブはグバァッと大口を開けながら


『スコシハキニシロ!!』


「ちょっ!?どっちなの!?」


『ククク、ヨク考エテ答エタ方ガ良イゾ?』


「よく考えてって…からかい方に依っては逃げ場が無いような気が…」


『ソノトキハアキラメロ、トイウコトデクラッテミロ』


「という事で!じゃなくて…それよりも次どうするかを話そうよ」


エヴァルドラーベは首を傾げ


『…ム…連続デ行クツモリカ?流石ニソレハ無茶ダロウ』


「すぐには行かないけど…話くらいならいいじゃない?」


アライブはムスっとした表情を浮かべ


『…ヤダ』


「え?」


『サイショカラアレダケクロウシタンダ、スコシハヤスマセロ』


『身体ハトモカク、心ヲ休メル時間モ必要ダロウ、呆然トシテ過ゴシテモイイノデハナイカ?』


「でもそうしてる間にも、何処かで同胞が危ないかもしれないし…」


ヒュウの心配に、埒が明かないと感じたアライブとエヴァルドラーベは再び顔を見合わせ


『……エヴァルドラーベ』


『……アァ、分カッタ』


「…?……!?」


次の瞬間、ヒュウとエヴァルドラーベの意識が入れ替わりヒュウは灰色の竜に変化し、エヴァルドラーベ(肉体)の瞳の色が黒く輝く


「ちょ…急にどうしたの…!?」


『コウスレバ、文字通リ手モ足モ出マイ』


『オトナシクヤスメ』


「何もここまでしなくても…、ちゃんと言えば休むのに…」


ヒュウが強引な方法で静止させた事に溜息を吐くと、アライブは再び大口を開け


『チャントイッタダロウガ!!コノオヒトヨシノガンコモノメ!!』


『…ソレニ、入レ替ワッタノハ別ノ理由モアルシナ』


「…別の理由って?」


エヴァルドラーベはヒュウの方へ向き、頭部を開く


「…あの?」


『…疲レサセレバ、嫌デモ休ムシカナクナルダロウ?』


「…!?休む!休むからそれは勘弁して!!」


『…ダメ、頂キマス』


グバァッ!と音を立てながら大きく口を開き、ヒュウに喰らい付こうとする


「くっ!…そうだ!…どっちも痛いかもしれないけど…!…スゥ…、…グウオォ!」


『…ッ!?アグァッ!?』


ヒュウは口を開き、目の前に迫ったエヴァルドラーベにブレスを吐いた、エヴァルドラーベは焼け、喰らい付くのを中断する


「ゴハッ!ゴハッ!…ごめん、これでしか止められないって思って…、ゴホッ…」


プスプスと焼けたエヴァルドラーベ、少しの沈黙の後ヒュウに向き直り、目を細めて微笑む


『…ヨク止メタナ、イイブレスダッタ』


『マサカヒュウガブレスマデハクトハ…ナカナカヤルナ』


「…二人共…ありがとう、まだ出し慣れなくて…自分の喉ごと焼いちゃうけど…、少しずつ自然に吐けるよう頑張るよ」


『…ククク、ソレハ楽シミダ、…サテ、ソレデハ…』


「…?…うぐっ!?」


エヴァルドラーベはヒュウの喉元をガシィッ!と強く握り締め捕まえる、声に発さなくても想いで会話できる為そこには支障は無い、しかしこれでは先程の様にブレスでの攻撃が出来ない


「(エヴァルドラーベ…!?何を…!?)」


『…コレデブレスハ吐ケマイ、ソレニマサカ…一度止メタ位デ諦メルト思ッテイタノカ?』


「(…!?そこはいいブレスだった、で終わっていいでしょ!?)」


『…地球デモ言ウダロウ?食べ物ノ恨ミハ恐ロシイ…ト、大人シク喰ワレナカッタ罰ダ、永〜ク、味ワッテヤロウ…』


「(ごめん!どうしても止めたかったんだ!アライブ助けて!)」


『…ヒュウ、ブレスハダメダ』


「(アライ…)」


…グバァッ!


『…ングアァ…』


バクゥッ!


「♢□△▽☆◎◇○!?」


そして暫くの間、ヒュウは妨害をした罰として、より長い間味わい尽くされるのだった…、後にアライブもヒュウを味わったのは言うまでもない




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



ヒュウ達が去った後の土星では、謎の生物に関しての説明を求める声が上がり、ネウルはヒュウ達が来てからの出来事を説明をした、土星全体で見ると納得しない者も少なからずいたが、DGの被害に合った町の人達の証言もあり、何とか事は収まった、ドラーベの目撃情報も無く、人々はやや不安に思いながらも、ドラーベの居ない新たな生活を始めていた



土星の基地にて


ネウルは交流関係にある星々の者に今回の事を報告していた、一部の者からは最初の方はあり得ない、冗談と揶揄われてまともに思われていなかったが、いつもと同じように、真剣に話しているネウルを見て、徐々に誠意が伝わっていた


ネウル

「…これが私達の星に現れた、未知の生物、エヴァルドラーベに関する報告です」


木星の代表

『…最初はなんの冗談かと思いましたが、貴方は余り冗談を言う方ではなかったですね』


海王星の代表

『…単純に汝の力不足故に起きた結末と言えるがな』


天王星の代表

『でもでも〜!DGの技術の原点、それを提供したのってさ、海王星だよね!?』


海王星の代表

『技術が同じでも、我等と他の星では比較対象にすらならん』


木星の代表

『…はっきり言いますね』


天王星の代表

『…別にそれはどうでも良いんだけど〜!その…エヴァルドラーベ?次に何処に行くとか言ってなかったの?』


ネウル

「…何処に行くとは言ってなかったが、彼等の目的は宇宙全てのドラーベを集める事だ、遅かれ早かれ各星に現れる…確実にな」


天王星の代表

『それなら早くウチに来ないかな〜、話だけでも只でさえ珍しい存在な上に土星が勝てない位強いのなら、ボコボコにしてからワタシのペットにしてあげるのに〜!』


木星の代表

『…悪趣味ですね』


天王星の代表

『ん〜?何か言った〜?』


木星の代表

『いえ、いい趣味だと言ったのですよ』


海王星の代表

『…とにかく、其の者がいずれ訪れると言うならば、力で屈させれば良いだけの事、話は終いだ』


海王星の代表との通信が切れた


木星の代表

『どうするのかはまだ決め兼ねますが…、慌てて考えてもいけませんね、では皆様、私もこれで…失礼します…』


天王星の代表

『うん!待ったね〜!』


木星の代表との通信が切れた


天王星の代表

『じゃあワタシも切るね!あ、そうだ!もしなんちゃらドラーベがもう一回来たら、ワタシの居る天王星に行けって言っておいてね!』


ネウル

「はい、機会があればお伝えします」


天王星の代表

『ありがと!それじゃ、まったね〜!』


天王星の代表との通信が切れた


その直後、木星の代表との通信が繋がった


木星の代表

『…みんな去った頃かな?』


ネウルは真面目な表情から一変、少し表情が綻ぶ


ネウル

「ああ、丁度切れたところだな」


木星の代表

『…にしても、未知の生物、エヴァルドラーベか…、土星の切り札を使っても勝てなかったとはね…』


ネウル

「…真正面の力だけなら我々が勝てた可能性もあった、しかし…彼等は力だけでなく、側にいる者や同胞を大切にする気持ちが強かった、だからこそ我々に勝つ道を選び取る事が出来たのだろう」


木星の代表

『…フフ、こう言ってはなんだけど、そのエヴァルドラーベに対して敬意を持って話しているように感じる、貴方が対峙した相手に「彼等」と呼ぶのも、その証拠だ』


ネウル

「…余り意識はしていなかったが、長い付き合いの君がそう言うのならその通りなのだろう」


木星の代表

『…話し合いで済むならそれに越した事はないけど、海王星や天王星はあくまで武力で潰すつもりみたいだったね、この周辺での屈指の力を持っているから…仕方ないと言えば仕方ないけど…』


ネウル

「…想像はしていた、だが…だからこそ対峙した時知る事になるはずだ、止めておけばよかった…とな」


木星の代表

『凄い自信だね…、そこまで入れこむような事があったのかい?』


ネウル

「…別に肩入れしている訳じゃない、実際に出会い、体験したからこそ言える考えだ、今の海王星、天王星は、私がエヴァルドラーベと出会った時の態度と同じだ、ドラーベを支配してるが故に…現れたドラーベより自分達の方が強いという絶対的な自信、そして何より、我々よりも高度な技術を使ってるとしても、ベースはあくまでドラーベを使った兵器だ、ドラーベを助ける目的の彼等には…是が非でも勝てない、対峙した私はそう思ってるよ」


木星の代表

『…はは、もしそうなら、本気で話し合いで何とかしたい所だね』


ネウル

「その方が向こうも喜ぶだろう、何せ彼は…お人好しだからな…」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



ヒュウはようやく、アライブとエヴァルドラーベによる喰らい付きから解放され、その後無理矢理数日間、近くのドラーベ達と過ごして休息した、時間を置いた事でヒュウを主体にして改めて今後の事を話す事に


「…それで、次はどうしようか」


『厶、ソウダナ、少々味変シテ喰ラッテミタイナ』


「それはもういいから…!…そうじゃなくて、次に行く場所だよ、近い方なら木星になるけど…」


『ドウセゼンブメグルンダ、ドコカラデモカマワン』


「…それもそうだね、じゃあ次は木星で」


ヒュウはドラーベ達に再び留守番を頼み、宇宙へと飛び出した


『サテ、次ハドンナ波乱ガ待ッテイルヤラ…』


「不吉な事言わないで!?」


『ヒュウナライワナクテモカンガエテソウダガナ』


「うっ…」


『ウチュウハヒロイ、アセラズニスコシズツコナセバイイ、デキルコトヲ…ナ』


「…うん、そうだね、目的の達成は果てしないけど…アライブ、エヴァルドラーベ、これからもよろしくね」


アライブ・エヴァルドラーベ

『アァ!』




こうして彼等、エヴァルドラーベの最初の星での目的は完了した、全てが順調とまではいかないものの、出来る事を精一杯やったからこそ悔いは少ない、この先彼等に何が起こるかは分からないが、彼等が今出来る事を精一杯頑張るというスタンスは、ずっとずっと…変わらないだろう…





エピローグ、エヴァルドラーベのその後


fin...




主な登場人物のエピローグ後のプロフィール


【ヒュウ】


「未知の生命体ドラーベ」並びにこのエピローグの主人公


【このエピローグ後について】


地球を出てから初めてのドラーベの救出、完全とまではいかないもののどうにか終える事が出来た、今後はおそらく、拠点と各星を交互に巡りながらドラーベ達の救出を少しずつ進めていくはず


時折ブレスや触手などの訓練をしているはず


もちろん、何が起こるか分からない旅なので、感情豊かなヒュウはアライブ達に比べて紆余曲折する事はあるはず、しかし…彼は努力を重ね、それを支えてくれる相棒達がいる為、そう簡単に折れたりはしないはず




【ヒュウのプチ小話】


本作の主人公としたヒュウですが、いつか言ったように、彼自身は普通の感性を持つ普通の少年のイメージになります、この普通の感情がこの物語では重要で、アライブやエヴァルドラーベがヒュウから学び、そしてヒュウはアライブやレミ達の強さを学んで成長していく…というイメージでした。


性格は優しく素直で奥手、普通故に感情の起伏が激しくもあります。見方によっては子供っぽくもあるかも?

アライブ達いわくお人好しで頑固者。

無意識ではありますが、後述のトラウマによって庇われる事に恐怖があります。


幼少期塞ぎ込んでいたのにお人好しなのは理由があります、それはタクマが積極的に交流してくれた事に恩義を感じ、自分も誰かに優しく接しようと思い、お人好しに、だけど慣れるのが難しく、他に交流関係を持つのは苦手。


レミ達と交流出来ていたのは、そうせざるを得ない状況+自分を助けてくれた相手+割と優しくしてくれた為


後は力を振るう事も苦手です、本人は必死に戦っていますが、北極圏の修行でもアライブが指摘した様に、無意識なセーブをかけています、それは最終話以降のエヴァルドラーベとして一つになった後も変わらない点ですね。


一応、特定下ではセーブが無い状態になっています、それがイールフでの変化直後の跳躍だったり、プレデシャンに辿り着いた時にアライブに誘導された時やワグアリゾートの火山でレダルに目の前でアライブを喰われた時の変化後。


最初のイールフの変化は主体として初めて故に加減が全く分からない故の結果、そこからプレデシャンに着いた時はアライブによる洗脳に近い誘導のせい、ワグアリゾートではヒュウが弱い自分を殺した事での現象なので、ヒュウがそうした無理をせずに自分でセーブが無い状態は出来ない…と思います。


仮の話ですが、ワグアリゾートで起きたヒュウの自決による状態は、エヴァルドラーベの制御も効かないレベルなので、止められる要素が無かった場合、おそらくヒュウだけ廃人になっていたと思います。


エピローグ後の肉体としてのエヴァルドラーベの主体の実力は


エヴァルドラーベ・アライブ→→→ヒュウ


になります、しかしこれは普段の実力なので、ワグアリゾートでの様な事があると、感情の根源であるヒュウが突出する可能性もあります。



エヴァルドラーベへの変化についての補足。


ドラーベ達の前に現れるのは基本的に、レミ達の様に敵対意識があるか、襲われた人達の様に恐怖している事が殆どです、そうなると倒すか倒されるかの二極化になり、ヒュウの様な出来事は殆ど起きないというのがあの世界の現状でした。


それ故…序盤の海上基地でエヴァルドラーベになった際、フォースデルタのリジーがドラーベの習性を解説していた事は間違いでは無かった…という事です。


ちなみにドラーベの習性を知っているのは、リジーだけでした、ドラーベ研究者のテムも傾向は掴みかけたものの、レダル(ドラーベ)に殺されました。


ヒュウは主人公だけあって、普通の少年でありながらも、いくつか裏話があります。


まず、食べ物の好き嫌いはありません、そして恋愛感情もありません、食べ物の好き嫌いについては元々ですが…恋愛感情の方には隠された理由があります。


幼い頃のヒュウは両親を失ったショックで塞ぎ込み、施設で育ちました、途中からタクマと仲良くなるものの、誰かと恋愛関係になった事はありませんでした。


これを踏まえて…本編最後でエヴァルドラーベが語った事を思い出すと、彼は海上基地でアライブに喰われて共に溶けて一度死にました、そして誕生したエヴァルドラーベが咄嗟にヒュウ達のそれまでを確認しながら再現した。


…つまり彼は恋愛に疎いのではなく…その恋愛に関する愛情を知らなかった為、再現後には恋愛感情が無いのです。

ヒュウが誰かを好きになって愛する前に死んだ為、その感情が生まれなかった、それ故レミやメックと恋愛に発展しなかったという事です。

ただアライブやエヴァルドラーベと同じ様に、仲間としての好意自体はちゃんとあります。


ちなみに、北極圏での修行中にアライブが感じたヒュウのトラウマをいくつか紹介。


①両親が死んだ事、実はその時に幼いヒュウもいたものの、両親がドラーベから庇っていました、ヒュウ本人は強いショックを受けていて覚えていません。

②学校で目の前で熱戦でいくつもの命や日常が一瞬で奪われた事、この時一瞬だけ①の記憶が呼び起こされ、無意識下でまた命が奪われたと認識するも、一瞬だった為思い出した感覚はありません、この際一瞬だけドラーベに対して憎悪が湧き、アライブはその記憶の憎悪の感情にひかれていました。

③海上基地でドラーベ(アライブ)に襲われて喰われた事、後に絆を結んである程度軽くはなっていますが、喰われそうになるとビクッと無意識に怯えた反応をします。


他にも本編内にもトラウマはありますが、一応この辺りで…。



【アライブ】


この物語の主人公の相棒


【このエピローグ後について】


地球外での初めてのドラーベの救出、一度はヒュウ達と離れる事になったアライブだが、どうにか危機を脱して今もヒュウの相棒として共に生きている、時折好戦的なところは変わらず、ヒュウに宥められては我慢出来ずにヒュウを喰らっている


このエピローグ以来、基本的にはスカーフ、スカーフが変化した竜、主体となってサポートしています、更にある程度はオールドドラーベとして分離する事も可能になり、時折拠点のドラーベ達と交流している、ヒュウ達も協力して交流しているが、その度に何故かヒュウに対してよだれを垂らすドラーベが増えているとかいないとか…


【アライブのプチ小話】


本作の相棒枠のアライブ、全編通してカタコトで言葉が分かりにくかったと思います…すみません、しかしその分分かりやすく存在を確立出来て…いたらいいな…


人間とドラーベのある事に関しての共通したちょっとした法則があります。


それは互いに希望する事に関しての言葉で、ヒュウ達人間が【願い】アライブ達ドラーベが【望み】と振り分けていました、深い理由は無いのですが…人間とドラーベ、それぞれに価値観が違う様な表現がしたくて、違いを付けた覚えがあります。


性格は後述のエヴァルドラーベのプチ小話にある理由で、高圧的で仰々しい、ヒュウを観察する様になってから徐々に軟化している、あとスカーフの事とかを考えると…少しツンデレも?


アライブに関してはそこまで謎は余り無い…と思いますが、本編では出てない裏話として、アライブ・エヴァルドラーベの口調についての共通の設定がありますが、そちらはエヴァルドラーベのプチ小話にて


アライブの食べ物の好き嫌いは簡単で、ヒュウが好みの味で、その他普通となっています、ドラーベの血の味も美味くないと言ってますが、普通に分類されます。


これはアライブがヒュウを襲う前、まだ人を襲うのに成功した事が無く、初めてヒュウを喰らったから、ヒュウの味が気に入ったようです。


アライブのプレデシャンクルーの好感度について。


最終話時点で好意的な順番は


(マシ)レミ・メック→ポートクルー2・3→エクレール・ミレイ→クルー1(イヤ)


となっています。


レミやメックの好感度が高いのは、している事へのリスペクトの意味合いがあります、ポート達は平均、エクレールは対ドラーベ兵器としても、叩きつけられまくった事も苦手な原因に、でも実力は認めてます。


ミレイに対しては、イヤというよりも苦手意識があるイメージです、ミレイはヒュウの様な…もしくはそれ以上の優しさがあるものの、ミレイの直感力が高いのを薄っすら察知していて、見透かされてる様な感じがして苦手なんだとか。


クルー1は、やはりヒュウ達への疑心が強かった事で、この中では一番イヤな存在らしいです、他を含めるならぶっちぎりでレダルになるでしょう。


アライブがヒュウの頭に顎を乗せるのが気に入っていましたが、これも理由があります。


アライブ自身段々とヒュウの頭の感触を気に入ってはいますが、大元の原因は、海上基地の時点でヒュウと一つになってエヴァルドラーベになった事で、離れている事が違和感になっているからです、だからヒュウの頭に積極的に顎を乗せたがっていました。


逆にヒュウがアライブと離れてても不安がらないのは、元々の感情の有無が影響しています。


アライブがヒュウの思考を読めるのも、ヒュウがアライブの思考を読めないのも同じ理由です、一つになった今ではその必要が無くなりましたが、三人は互いを別の存在とも認識してるので、そこまで思考を読まなくなったイメージです


【エヴァルドラーベ】


主人公ヒュウと相棒のアライブが一つになって変化した姿…もとい、誕生した生物


【このエピローグ後について】


完全に一つになった事での変化により、本編よりも表面に現れてサポートをしている、DGとの出来事で一時は死を覚悟したものの、結果的に三人共生存した事にホッとしている、アライブよりもヒュウへの食の衝動が強いが、保護者的目線なので我慢している…が、時折我慢が限界に達して爆発し、有無を言わさず喰らい付く事もしばしば


このエピローグ以降では、DG内で起きた黒いオールドドラーベへの分離は出来なくなっている…というのも、あの時点でのDGは実質的に巨大なアライブだった為、アライブの力やヒュウへの食の衝動が一時的に高まった事で、ヒュウ以外を排除した結果の現象だった為


解放された現在は、アライブやヒュウ同様に、時にスカーフ、時にスカーフが変化した竜、時に主体としてサポートする




【エヴァルドラーベのプチ小話】


言葉の表記はヒュウ+アライブ、漢字とカタカナで、アライブよりも発音はいいイメージ…多分


アライブのプチ小話にもあった、本編で明かされてないアライブ・エヴァルドラーベの口調や性格の共通の設定について。


基本的にドラーベは、ドラーベ同士の独自の周波数で話をしていて、人間には言語的には伝わりません、逆も同じで、ドラーベからも人間の言葉は分かりません。


これはイールフでヒュウがボロボロになった際、アライブの言葉は分かっても、相対したドラーベの言葉が分からないという事で表現がありました。


エピローグエヴァルドラーベ編の前編にて、エヴァルドラーベがヒュウの記憶の中にあった、という発言があります、つまりアライブとエヴァルドラーベの口調の原因はヒュウにあります。


エヴァルドラーベは誕生した際、記憶は当然ながらありません…が、本能的に肉体に感じたヒュウとアライブを保護して再現した際、その全てを一時的に吸収しました。


アライブはヒュウに迎撃されるまで強い意思が無い、更に迎撃後も怒りに囚われたり、執念で追いかけている為、まともな意思疎通が難しく、エヴァルドラーベが言葉を参考に出来る情報がありませんでした。


そこで、ヒュウの記憶を参考にする事になります…が、明らかにヒュウの口調とは違いますね。


エヴァルドラーベが参考にしたのは、これも本編で深くは語られてない、ヒュウが幼い頃の記憶です。


幼いヒュウは両親を失って施設に入れられて塞ぎ込んでた際に、同じく幼いタクマから交流をしてもらい、徐々に心を開きます。


その際に、遊びの一つとして行っていたのが…いわゆるファンタジーの勇者と魔王になりきるごっこ遊びです、そこでは幼いヒュウにもあった優しさが発揮されます。


幼いながらも、本来ならタクマは、交互に役割を変えて楽しむつもりでした…が、幼いヒュウはごっこ遊びでもタクマを倒したくないと、毎回魔王役をやって倒される役に徹底してました。


その魔王役の喋り方にエヴァルドラーベは惹かれた事でベースにして、成長したヒュウの語彙力を取り入れた結果、あの様な口調や性格になりました。


アライブが喋り出したのも、エヴァルドラーベに変化してから…つまり、エヴァルドラーベが参考にしたものをそのままアライブにも再現させた為、それ故アライブとエヴァルドラーベの口調や性格が殆ど同じ…という事です。


同じ性格と言っても、アライブよりはエヴァルドラーベの方が保護者目線がある分優しいものの、爆発力は高め、なのでこのエピローグ内でも、一時的にネウルに異様に敵意を向けていました。


仮にヒュウが、ごっこ遊びなどキャラを作った様な行動をしなかった場合、当然ヒュウの素の口調が反映される為、物腰が柔らかいアライブやエヴァルドラーベになっていたかも…しれません。


(例、イールフでのセリフをベースに)

本編でのアライブ

『…イマスグキサマノカラダヲヨコセッ!!』


例のパターンのアライブ

『…イイカライソイデ!キミノカラダヲクダサイ!』


……完成した物と比べて…違和感バリバリですね。



北極圏の修行の際、ヒュウ達がレダルの様に浮遊しようとして出来なかったのも理由があります。


それはエヴァルドラーベが再現する意味でのヒュウを人間として捉えてた事による弊害(生物としての人間の認識ではない)あの世界の地球では、単体で人間の能力で浮遊する事はありません、アライブはオールドドラーベの時は浮遊しますが、浮遊しないヒュウと一つになって生まれた存在なので、エヴァルドラーベの主体になったら浮遊出来ないのです、代わりに強靭な脚力で高所への跳躍が可能に。


後に火山での出来事により、歪に深く混ざった事が原因で、互いの認識が混濁した事で浮遊が可能になりました。


肉体としてのエヴァルドラーベ、その主体のパターンの容姿の違いについて、主に肉体のエヴァルドラーベの瞳の色と、首の交差するスカーフの色が変わります


ヒュウが主体


瞳が黄色く

スカーフが赤(左アライブ)と黒(右エヴァルドラーベ)


アライブ主体


瞳が赤黒く

スカーフが灰色(左ヒュウ)と黒(右エヴァルドラーベ)


エヴァルドラーベ主体


瞳が黒く

スカーフが赤(左アライブ)と灰色(右ヒュウ)


になります。

スカーフが竜に変わる時は、首に巻かれて伸びている部分が竜になっていて、左右はスカーフが変化した際の竜が、その方向の肩の上辺りに頭を伸ばすイメージです。


【この世界での宇宙や星々の軽い設定。】


基本的に、地球を含めた太陽系の惑星の順番は現実と同じです。


各星には人々が住んでおり、隣の星とは交流があります。

例として、地球は金星と火星に交流がある。しかし連絡に関しては更に幅広く交流する星も


そして、異星の人が地球に伝えたアハッドの技術とドラーベの襲来数、侵略度にも違いがあります。


水金地火木土天海の並びで、右の海王星から対ドラーベの技術が高く、高水準の兵器があり、ドラーベを利用した兵器などがあります、逆に水星まで行くと、対ドラーベの技術が低く、兵器が余りありません。


そしてドラーベの襲来数に関して、これも右の海王星からドラーベの襲来数が多く、水星では少ないです。


一見海王星側が大変に見えるかもしれませんが、ドラーベの襲来数が多くても対ドラーベの技術が発達している為、海王星には殆どドラーベがいない状態になっています。


水星側は対ドラーベの技術が低いものの、元々のドラーベの襲来が少ない為、被害が少ないイメージになっています。



【このエピローグで関わった者達のプチプロフィール】



ネウル 男性 (48)


土星でヒュウ達が出会った土星を統べる者


アライブやエヴァルドラーベ目線では、偉そうで高圧的な印象だが、ネウル達からすれば、ヒュウ達エヴァルドラーベこそ突如襲来した侵略者なので、対応としては間違ってない


実際、土星の住民に選ばれた人間なので、かなりの人格者である。


性格は真面目で冷静、取り乱したのはヒュウ達のせい、住民からも慕われ、ネウルも住民を大切にする。


この事からヒュウ達と引き換えに町一つ滅んでも構わないというのは、相当エヴァルドラーベを危険視した表れになっています。


ネウルの部下 男性 (27)


土星でネウルと共にいた部下の中の一人


ネウルを様付けするのは尊敬の表れ、ネウルには止めろと言われても絶対に呼ぶ


性格は物腰が柔らかいイメージで、洞察力もある。


土星のオールドドラーベ


ヒュウ達が土星で出会ったオールドドラーベ、ネウルの支配下だった、ヒュウ達が呼びかける気配に気付き、ネウルに報告してからヒュウ達の所に向かった。


ちなみに土星のドラーベ達自体が言葉をネウルに発してるのではなく、ネウル側がドラーベの独自の周波数を言葉に変換する装置を使って話している。


DGの中でアライブに喰われ、消えかけたヒュウ達の窮地を救う時にヒュウの願いで喰われた、最後にはアライブが取り込んだDGの力を使って再現し、完全に分離させた。


その後はヒュウ達エヴァルドラーベについていき、拠点でのんびりした日々を送っている。


ガンドラーベ


土星で開発された、自動銃型兵器。


オールドドラーベの肉体をベースとし、内包する力をエネルギーに変換させて放つ生物兵器、形は片手銃の様なフォルムになっている。


ネウル達の指示によって行動するように改造されており、痛みや苦しみの感情が芽生えてるものの、制御によって抑えられている。



DGドラーベ・ギガント


土星で開発された、禁忌の兵器


大量のドラーベをベースとした兵器、形はパワードラーベに似ているものの大きさは段違い。内部には膨大なエネルギーで構成されていて、エネルギーを吐いたり棘状の触手で攻撃したりする。


想定以上のパワーが原因で土星内で禁忌とされて封じられていた、元々は威嚇用として巨大なガンドラーベを開発予定だったが、イレギュラーが起きて誕生した。






【このエピローグ完成後の作者のあとがき】


まずは、本編並びにエピローグまで読んで頂きありがとうございました!


好きな事を色々詰め込んだかなりの自己満足作品、更に表現など至らなさなどもありながら、想像よりも多くの人達に読んで頂き、本当に嬉しく思ってます!


レミ達のエピローグのあとがきにも書きましたが、このエピローグは一種の可能性であり、何らかの形で変わる可能性もあります、ご了承ください。


このエピローグを持ちまして、小説としてのヒュウ達の冒険は終わりますが、彼らの中では目的の達成の為の物語は続いていくでしょう。


ですが必ずしも小説を書かないかと問われると…分かりません、続きを書くかもしれないし、外伝を書くかもしれない、なんなら全く関係ない小説を書く可能性も、書かない可能性もあります。


元々の投稿のきっかけも、ある種突発的な気まぐれでもあるので、どうなるかは自分でも全く分からないです。


何かしら投稿したくなったりしたら、この小説家になろうにひっそりと増えてる…かもしれません、一応今は時折青空を確認してはいますので、直接でもマシュマロでも何かしらメッセージがあればそちらに来てくれても嬉しいです。


…それでは長くなりましたが、改めてここまで見てくださった方々…本当にありがとうございました!


この小説の何か一部でも好きになってくれたら、本当に作者冥利に尽きます!…またいつか…何かを投稿した際、もしくは交流する時はよろしくお願いします!



作品に関しての感想、質問があれば可能な限りお返事します。


ここまで全てお読み頂き、そしてこれまでありがとうございました!


…それでは!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ