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第六十四話【明かされた秘密と迫る人類の未曽有の危機】


まずは閲覧ありがとうございます!


このお話は初心者による物語です、プロフィールに書いた通りのまるで台本の様な小説とは程遠い拙い文章、少ない表現力、明らかな描写不足、当然の様な誤字脱字など正直問題だらけです、それでも読んで頂けるのならば幸いです。


一部の「」『』の説明


「」は主に人間のセリフ


『』は人間以外や大体の主観の人以外の電話や通信越しなどによる人間の音声のセリフのイメージとなっております。


【この話での未知の生命体ドラーベ内の用語集】


【アハッド】


異星の者達から伝えられた技術によって、対ドラーベを想定して造られた人型兵器、大きさはおよそ8m程


【アフィア】


地球に存在する反異種族連合軍の通称


主に多くの地球人が集まった者達で結成されたそれは、ここ数十年で規模を広げ今ではフォースデルタに次いで地球を二分に分ける程力を持った組織、度々フォースデルタと衝突を起こすも、あくまで自分達は地球の為に行っていると正当化している、異星から来た彼らの技術を盗み、アハッドまで造り出していた(但し、違いは殆ど無い)




【カッド】


アハッドと同様に異星から伝えられた技術によって造られた戦艦、アハッドを格納な上にある程度の戦闘も可能、海上、空中、宇宙への航行も可能としている


【サフィア】


反異種族連合軍…アフィアの中の特殊部隊の通称


アフィアのロヴェルが統率している組織


【サンダーボルト】


万が一アハッドが特殊な状況でエネルギー切れを起こした時に使う、フォースデルタのカッドに最近搭載された人工雷発生装置の名前


アハッドに向けて発射させる事で急速にエネルギーをチャージする事ができる





特別国家イールフ


世界に広まっているアハッド、開発当時の研究者の一人が地球に作ったと言われている小さな国


他の国が最先端を目指して高層ビルや交通などを発展させていく中、この国は地球由来の豊かな自然が多い、そして中央には大きな噴水があるのが特徴的




【フォースデルタ】


地球連合軍の通称


異星との交流によりアハッドなどを得た地球で、対ドラーベを想定され発足された国を越えた人々が集う軍




【プレデシャン】


ミレイ達の乗るカッド…戦艦の名前


【緊急襲来警報】


ドラーベが襲来するようになってから作られた警報で、国によって決められた独自のシェルターに避難するように求められる世界共通の警報


【ドラーベ】


地球や異星などに突然現れた未知の生命体、意思疎通が出来ず、人間を襲うものの明確な目的などが分かっていない為、侵略者として扱われる事が多い


現在軍に三種類確認されているドラーベだが、共通しているのは頭部が伝説上のドラゴンの様な形をしている事のみで、身体はそれぞれ違いがある


【オールドドラーベ】


ドラゴンの様な頭部を起点に、上半身は竜人を思わせる身体、下半身は蛇の様にやや長い身体、全体的に靭やかで身体の灰色部分は硬い、赤黒い部分は比較的硬くないが、それでも銃弾や刃物を通さないほどの硬さはある、人で言う肩の辺りからは、形状を鎌や触手の様に変化させる特殊な腕の様な物がある、大きさはおよそ1m超え


上記の通り足は無く、浮いてはいるがスピードは余り速くない(小学高学年位なら逃げ切れる)


【パワードラーベ】


同じくドラゴンの様な頭部を起点に怪獣の様な大きな身体、かなり筋肉質でやや猫背、手足がありしっかり二足で立っている


大きさは高さおよそ8〜12m程


手先はさながら大きな鉤爪になっていて、こちらは腕を変化させない


こちらは巨体ではあるが上記のオールドタイプとスピードは余り変わらない(歩幅でカバー)


しかしその分腕を活かした強烈な叩きつけや切り裂きは恐ろしい威力を誇り、戦車なども簡単に破壊するパワーの持ち主


溜めるのに時間はかかるが熱線を吐く事が出来る


【飛行ドラーベ】


形状は他に比べてドラゴンっぽさが強い、というのもその姿は伝説などに出てくるワイバーンに近いものとなっている


まずドラゴンの様な頭部を起点にやや細身の引き締まった身体、そこに人で言う本来腕が生えてる位置から長く発達した腕の様な翼が生えているのが特徴


翼の爪で切り裂いたり、特殊な雄叫びによる音波の攻撃をしてくる


大きさは翼を広げると全長およそ8〜10mほど高さはおよそ3〜5m


飛行する為上記二種よりスピードは速く通常は速めの自動車を追い越す程、速い時は新幹線を超える速度を出せるらしいが、制御出来ないのかぶつかる光景も目にされた事も







襲来の無いドラーベの任務に代わって新たな任務を与えられたレミ達、その内容はフォースデルタを襲撃する、アフィアに所属するある人物の調査だった


レミ達はサフィアが集めたこれまでのデータから、次に襲撃されると推測された日本のとある港町へと向かって行った


調査対象が現れるまでに時間がある為、レミ達は今は亡きヒュウの故郷を軽く探索しながら、来るかも分からないその時を待った


そして、推測通りと思しき調査対象を発見し、その戦闘の様子を観察してみると技量の高さに驚かされる、その後調査対象が去ろうとした時、久しくもある緊急襲来警報が鳴り響いた


一足先に向かって行った調査対象に続いてレミ達も出撃して助太刀しようとするも、あっさり断られてしまい別の所へ向かってしまう、後を追い掛けようとエクレールが催促する中、近くで爆発が起きる


そこでは同じく警報によって対応していたと思われるフォースデルタのアハッドが破壊されていた、その近場に居たのは強力なパワー・飛行ドラーベ…ではなく、オールドドラーベ達だった


不可思議に思いつつオールドドラーベ達に対応するレミ達、その戦いの中で統率が取れてる様な動きをした事に驚く、いくらか撃退してから取り逃しを追い掛けて移動した先で、アフィアがオールドドラーベ達を撃退していた


そこでレミ達は軽くコミュニケーションを取り始める中、先程とは違う爆発が起きる、今しがた作られたクレーターの様な爆発の痕跡を目の当たりにした事で辺りを見渡して警戒すると、再び緊急襲来警報が発令される


今度は上空から襲来してくるオールドドラーベ達を目撃したレミ達、アフィアが咄嗟にミサイルを撃つと、爆発の直前にオールドドラーベとは違う何かが咄嗟に庇っていた


その姿は赤い人型ドラーベの様な何か、それぞれがたじろぐ中、その中で唯一…その姿に見覚えがある事で人一倍レミは驚いてしまい混乱してしまう


アフィアが先手とばかりに切りかかるも、赤い人型ドラーベは先程起こしたような爆発を起こす光を放った、アフィアは咄嗟に躱すも町には被弾してしまい、更に被害は大きくなった


しかし被害はそれだけに留まらず、赤い人型ドラーベは率いたオールドドラーベ達を逃げ惑う人々に向かわせた、これ以上被害を大きくさせない為に、エクレールは益々錯乱するレミと操縦権を入れ替えてアフィアと共に人々を守りながら迎撃していく…が、倒し損ねたオールドドラーベが人に喰らいつくと球体へと変化し、その中から…人型ドラーベが飛び出していく


その既視感のある姿に驚くエクレール、同時にレミも正気に戻ってその姿にヒュウ達を重ねるも、一連の状況を確認させる事で別の存在だと認識してもらった


納得したレミは改めてエクレールを操縦する事にし、アフィアのアハッドと連携して人型ドラーベの撃破に成功する


仲間(?)が撃破されたにも関わらず攻撃してこない赤い人型ドラーベに接近し、ワグアリゾートでヒュウが変化したエヴァルドラーベと比較して違いを見つけつつも、可能性を捨て切れないレミは「ヒュウなのか」質問をしてみた


暫く沈黙した後、赤い人型ドラーベは喋り出すものの、反応はせずに質問に答えなかったり去ろうとしてしまう、その隙を捉えたアフィアが撃墜を試みるも、結果的には効果が無かった


しかし、ようやくレミ達を認識したのか反応を示し始める、諦めずに質問を重ねるも、赤い人型ドラーベはヒュウではない上、自身と似たような存在…ヒュウとアライブも知らないと伝えられた


その中の発言により、赤い人型ドラーベには名前がある事が判明する、エクレールが名前を尋ねると自らを「エヴァルドラーベ」と名乗り、その場を去っていった


レミ達が驚くのも束の間、側で聞いていたアフィアに銃を突き付けられて知っている情報について答えろと脅されるも、エクレールの機転によって事態を回避しつつ、調査対象がヒュウの元幼馴染のタクマである事が判明した


レミ達はタクマに事情を話す事に決めて場所を移し、一部を除いてヒュウ達との出来事を話していった、それによって今回現れた敵のエヴァルドラーベを倒す決意を固めたタクマ、次に現れた際にレミ達に協力する事を約束してその場を去っていった


レミ達も軽く情報を整理した後、プレデシャンへと帰投するのだった…





プレデシャンにて



プレデシャンへと戻ってきたレミ達への第一声は…心配からの怒りだった、理由は単純で、ドラーベの襲来警報を受け、出撃してから連絡がつかなかった事だ、但し、その怒りは…調査対象の報告と、エクレールのモニターに残った映像記録を見せながら、新たに現れた敵の報告により、すぐに驚きへと変わった


ミレイ

「調査対象はヒュウの幼馴染で…警報で現れたのはオールドドラーベ、そしてそれを庇った赤い人型ドラーベ、更にオールドドラーベは人型ドラーベに変化を…」


メック

「レミが言うには赤い人型ドラーベは、火山で…火山の時に一人で変わったって言うヒュウくんと似た姿なんだよね…?」


レミ

「うん…だけど完全に同じじゃなくて、圧とか身体の模様とか…色々違いはあった、それにオールドドラーベを率いていて、多分指揮を執っていた、そのせいかオールドドラーベ達も今までと違う動きをしてたの、そしてその指揮を執った赤い人型ドラーベ自ら町を破壊して…逃げる人達をオールドドラーベに襲わせたりもしてたわ」


ミレイ

「…これまでに現れたドラーベにはいなかったタイプね」


メック

「…ヒュウくん達の可能性は…無いのかな」


対峙した当時、レミもその希望を願っていた事で、複雑な表情になり


レミ

「…メックの気持ちは分かるよ、でも…私達に…全く反応しなかった、直接聞いても違うって言われて…ヒュウとアライブについて聞いても知らないって言ってた…けどその代わりに…」


エクレール

『他のドラーベにはない名前があるって言ったんだ、それがエヴァルドラーベって言うから驚いてさ、…そう言った後去っちまったから、なんで名前があるのかとかは聞けずじまいだったけどな』


クルー1

「そんな危険な相手と…よく話す気になりましたね、素直に答えてくれたから良かったものの…一歩間違えば…とんでもない事になっていたかもしれないのに…」


エクレールは軽く両腕を上げて竦める


エクレール

『…気になっちまったもんは仕方ねーだろ?…区切りは付けたつもりでも、いざ目の前に突然似たやつがいたらもしかしてって…オレだってレミと同じ出来事を見た後の状況なら同じ事思うだろうさ』


ミレイ

「そして…オールドドラーベの新たに変化した、エヴァルドラーベのような人型ドラーベ…映像記録では変化の仕方こそ似ているけれど、ヒュウの時と違って無差別に喰らい、変化してるように見えるわね…エヴァルドラーベに指揮されて襲う事と関連があるのかしら…」


エクレール

『これまでに事例がねぇから何とも言えないな、もしまた会えたら色々聞きてぇとは思ってんだ、名前の事もそうだし、目的とか…いつから居るのかとかさ』


一度コミュニケーションを取れたからかエクレールのやや気楽な発言に、クルー1が少し苛立ち


クルー1

「流石に何度も素直に答えるとは思えません!…それに何か目的がある以上衝突の可能性の方が高い、勝てる見込みはあるんですか?」


エクレール

『オレ達は人型ドラーベとは戦ったけどエヴァルドラーベとは直接交戦出来てないんだ、その場にいたアフィアのタクマはすげぇミサイル撃ってたけど、ダメージは無さそうだった、効いてないのか再生してんのかは、まだ分かんねぇな』


メック

「そのタクマさんにヒュウくんの事…話したの?」


レミ

「…うん、サフィアの事は一応話さなかったけど、それ以外の私達と旅をしてた時のヒュウの話は色々したよ…正直…もっと怒られるかと思ってたんだけど…」


エクレールは腕を組んで思い出しながら


エクレール

『初めて町で陰から見た時は、無愛想で仲悪そうだったから、あんなに心配してたと知った時は驚いたぜ…ヒュウも…勘違いしたままだったろうしな…』


レミ

「………」


ミレイ

「…とりあえず、ロヴェルに出す調査報告書を纏めておくわ、タクマさんの強さはいいとして、とりあえず協力してくれる事は伏せておきましょう、そして…今回現れたエヴァルドラーベや人型ドラーベに関しては…ヒュウ達の事以外で分かる事は報告しなきゃね」


未だにヒュウ達の詳細をロヴェル達に報告をする気が無い事に、少し呆れ気味なクルー1が呟く


クルー1

「…この際全部話してもいいんじゃ…、もう…居ない人の事ですし…」


エクレール

『…なっ!?おい!言って良い事と悪い事があんだろ!?なんだよその言い草!』


ミレイ

「…あなたの言う通り、話す選択肢ももちろん可能性としてはある、…なら一つ聞かせて、みんないつかは別れの時が来る、そんな時ここに居なければ…死んでしまったら…もう仲間じゃない?」


クルー1は首を横に振り


クルー1

「そ…そうは言ってないですよ!…ただ、居ても居なくても、必死に生きている人全員に迷惑をかけるような存在…僕は嫌なんです…!」


メック

「…そんな言い方…いくらなんでもあんまりだよ…」


レミ

「……」


クルー1の発言にショックを受けるメックや、俯くレミの代わりと言わんばかりにエクレールが反論する


エクレール

『…ヒュウもアライブも必死に生きてたんだ!迷惑は掛けたかもしんないけど、それでも誰かの力になりたくて…相棒や友達、…そして仲間を助けたがって必死に生きていただろ!』


クルー1

「……」


ミレイ

「…二人ともありがとう…それぞれ考えが違う以上、その全てを一方的に否定はしないわ…それでも私にとって、ヒュウとアライブは、娘のレミやクルーのメックを救ってくれた…恩人、…いえ、例えそうじゃなくても…共にプレデシャンで過ごした日々は大切な思い出なの、…ここに居なくても…それは変わらない事実よ」


レミ

「お母さん…」


メック

「…うんっ!」


ミレイ

「…だけど、それなら私はロヴェルに全ての報告をしない選択肢もあった、でもそうせずにエヴァルドラーベや人型ドラーベの事を報告するのは、これは私達だけに留めるには難しい危機である…そう思ったから報告をするの、…中途半端だけど…これじゃ駄目かしら?」


クルー1

「…それは…でももう…」


???

『話はもう聞いているよ』


クルー1以外の一同

「!?」


突然通信の音声が響き、ブリッジのモニターに人が映った


ミレイ

「あなたは…ロヴェル?」


ロヴェル

『やぁ諸君、つい先程そこの彼から話は聞いたよ、彼の持つ…君達の情報を…全てね…』


ロヴェルはモニター越しにクルー1へと手を向ける


レミ

「…!ちょっとどういう事!?」


レミはクルー1に詰め寄り


クルー1

「こ…これは…その…」


ロヴェル

『あまり責めないでやってくれ、彼も悩んだ末の決断だったはずだからね』


メック

「い…一体いつから聞いてたのっ!?」


ロヴェル

『全容を知ったのはさっきさ、彼から艦のみんなを助けてほしいと君達の経緯とメッセージがきてね、それと同時に通信を入れてくれたから新たな敵の事も聞こえていたよ』


ミレイとしては、以前にヒュウ達を危険視していた中の一人であったクルー1が、何かしらの形で外部に情報を漏らす事は全く予想しなかった訳ではない、…だが…プレデシャンで育んだ仲間意識がそこまではしないと思い込んだ事で注意しきれなかった


ミレイ

「…流石に…ここまでとは予想外だったわね、…それでどうするつもりかしら?…黙っていた私達を…処分でもしますか?」


クルー1

「!?そ…そんな事しないですよ!だって助けてくれるって…そう言ってくれたんですから!」


エクレール

『お前…本当に…!』


ロヴェルは軽く笑い


ロヴェル

『処分などしないよ、ミレイの言葉を借りれば、僕にとっても君達はサフィアを救ってくれた恩人だからね、色々と思う事はあるが…新たな危機の可能性…なのだろう?』


…バンッ!!


???

『大変です!』


突如扉が開く大きな音が聞こえると共に、慌てたシャイラがロヴェルに駆け寄った


ロヴェル

『…どうした?今話し中なのだが…』


シャイラ

『…突然割り込むご無礼をお許しください…ですが緊急事態なんです、複数のフォースデルタの基地や本部が、謎の生物の襲来で壊滅したと報告が!』


一同

「!?」


ロヴェル

『謎の生物…それはもしや…人型のような…ドラーベか?』


シャイラ

『…ご存知なのですか?…』


ロヴェル

『なんせ、今さっき僕の所に入ってきた情報だからね、それで…詳しい情報は?』


シャイラ

『…始めこそ一体の赤い人型ドラーベとオールドドラーベの集団だったのですが、人を襲ったオールドドラーベは今までとは違う変化を遂げ、灰色の人型のドラーベとも言える姿に変化したそうです、それに驚くべき事に…これまでのパワー、飛行ドラーベと違い、襲ったドラーベが阻害されなかった場合…変化率は極僅かではなく…確認出来ただけでも100%だそうです…!』


レミ

「100%…?」


エクレール

『(っ…、もしもフォースデルタを襲ったのがエヴァルドラーベと仮定したとして…日本に来た時オレ達が妨害出来てなかったら…あの時点でも大勢の人型ドラーベが誕生してたかもしれねぇのか…)』


ロヴェル

『…赤い人型ドラーベは確実にオールドドラーベを人型ドラーベに変化させられる…か、…なるほど…強ち…人類の危機と言っても過言ではないらしい…それで、その群れは今どこに?』


シャイラ

『…赤い人型ドラーベについていくように、群れごと何処かへ飛び去ったそうです、目撃情報では宇宙に行ったとも報告がありますが…確実ではありません』


メック

「うえぇっ!?宇宙に行けるの!?」


ロヴェル

『宇宙…地球から去ったのか?…いや…一旦移動しただけという事も考えられる、ならば次の襲来まで時間が掛かる可能性があるな、…問題は…何処を狙っているかだが…再び同じ様にフォースデルタを襲うとも限らない…』


シャイラ

『…それと…こちらを』


シャイラは送られてきた映像に映し出されていた、今回襲ったという赤い人型ドラーベが変化を引き起こした…人型ドラーベの画像を見せた、ロヴェルはその姿に既視感があり、思い出す


ロヴェル

『この姿…確か…そうだ、かつてイールフで対峙した存在と殆ど同じ…なるほど、その時の人型ドラーベが…今しがた受け取った情報の…君達の仲間のヒュウというクルーとアライブというオールドドラーベが変わった人型ドラーベ…いや、エヴァルドラーベだった訳だな』


その言葉によって、クルー1は本当にロヴェルへと情報を提供した事が確信された、この場に来たばかりのシャイラは驚いている、そんな彼女にロヴェルは受け取った情報を渡した


ロヴェル

『…さて、情報や君達の話によれば…君達の仲間だったヒュウとアライブは亡くなったと、つまり…今回現れた赤い人型ドラーベ…エヴァルドラーベは彼らでは無いと話していたな、…いや、例え彼らだったとした場合…この様な所業をする様な存在だったのか?』


レミ

「ち…違います!それだけは絶対に否定出来ます!…ヒュウはそんな事をする人間じゃないし…アライブだって…こんな事は…」


ロヴェルは必死に否定したレミを見て微笑み


ロヴェル

『…そこまで断言出来るなら、君達の…いや僕達のするべき事は…決まったんじゃないかな?』


レミ

「あ…」


エクレール

『お前…レミから言葉を引き出す為にワザと煽りやがったな?あーやだやだ、相変わらずキザったらしいな!…ってそうだ、エヴァルドラーベと戦うんならタクマにも知らせてやらねぇと!』


レミ

「う…うん、そうね、でもこれだけの規模の事だし、あっちも気づいてるとは思うけど…」


あちこちで話が進む中、動き始めた男がいた


ポート

「…いい機会かもしれん、そのタクマに連絡を取ってくれ、ロヴェル、お前達も…少し話に参加してもらおうか」


ミレイ

「…ポート?」


エクレール

『いつも以上に喋んねぇと思ったら、急に何だよ?』


ポート

「それも含めて集まってから話す、俺達とアフィア、そしてサフィアの力が必要だ、フォースデルタが本部を襲われて壊滅しかけてる以上、戦える勢力は少しでも多い方がいい」


ロヴェル

『何を話すのかは分からないが…いいだろう』


レミ

「う…うん!私も連絡入れてくる!」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



そして、人類の未知の危機に対応する為、通信越しではあるものの、急ピッチでそれぞれの代表が集められた


会談の発案者のポート、その仲間のレミ達、アフィアの仮代表のタクマ、サフィアの代表ロヴェル、集められた者達にポートが話を始める


ポート

「…話の前にエクレール、こっちへ来てくれ」


エクレール

『ん?オレ?なんで?』


ポート

「いいから早くしてくれ」


エクレール

『…分かったよ』


エクレールはポートに寄っていった、するとポートはエクレールの背部に回り、一部のハッチを開けて映像の記録用のメモリーを取り出し、代わりに携えた別のメモリーを入れた


エクレール

『…?何だ?おいポート!何入れれれぇっ!?』


突然エクレールは電源が切れた様に項垂れてしまう


レミ

「…え?エクレール!?大丈夫!?」


その言葉に反応するかのように、エクレールは起き上がる、それを見てレミは安堵した


エクレール?

『…私が起動されたと言う事は…恐るべき時が…来てしまった…という事か?』


レミ

「…エクレール?」


ミレイ

「…!?」


ポート

「…はい、その時が…人類の危機が訪れてしまいました」


レミ

「…ポートさん?エクレールは…どうしちゃったの?」


…バンッ!!


ミレイ

「ちょっとポート!これはどういう事!?」


普段のエクレールとはアイカメラによる光が違う上、電子音声も普段とは違う声が聞こえた、その事も驚きだが、ミレイがテーブルを叩いて立ち上がりながら、いつになく大声を張り上げた事も、それに慣れていないレミ達は驚いてしまう


レミ

「お…お母さん…?」


ポート

「…俺に聞くより、彼に聞いた方が…納得するだろう」


ミレイ

「違う!彼じゃない!だってあの人は!あの人は…もう…!」


ミレイはテーブルに置いた手をグッと握り閉める、その様子にエクレール?は目を細め


エクレール?

『…確かに、君の知る彼とは別人だ、しかし今は…目の前に迫る危機の方が大事だ、私の事を問い詰めるのは後にしてくれ』


ミレイ

「……っ」


その言葉は理解できるものの…納得がいかない…だが確かに話を遮るような状況でもいられないと自身を言い聞かせ、ミレイは着席した


レミ

「(お母さんが取り乱すの…すごい久々に見たかもしれない、エクレールじゃないのは確実みたいだけど…アレは…誰なんだろう…)」


エクレール?

『…せっかく集まってもらったのにすまない、まずはこの身体の持ち主…エクレールではない私の自己紹介をしようか、私はドラーベの生態について研究していた、かつての研究者の頭脳データをベースにしたAIだ』


ミレイ

「…AI」


ロヴェル

『ドラーベの研究者は別に少なくはないが…頭脳データをベースにしたAIがいるのは初めて聞いたな』


タクマ

『…そういう存在がいていいのかは置いておくとして…わざわざ陣営関係無く集めたのには訳があるんだろ?…やはり、あの赤い人型ドラーベの事か?』


研究者のAI

『そうだ、まずは先に私の知る情報を話す、人型ドラーベが初めて確認されたのはおよそ…十年ほど前からだ、…私のベースとなった研究者は、ある日ドラーベにやられて消息を絶った筈の友人を見かけた後…とある現場を見てしまったそうだ、様子のおかしい友人が…オールドドラーベによって人型ドラーベに変わる所を』


一同

「!?」


研究者のAI

『それを見かけて以来、後世にこの情報を残そうとした研究者は私を作った、私は初めは共に研究を進めていくのかと思ったが、彼は…友人を放っておく事が出来ず、次に見かけた時人型ドラーベだった友人に尋ねたそうだ、「君は…彼なのか…それとも…ドラーベか?」…と』


研究者のAI

『…その時友人は答えず…何もせずに何処かに去ってしまった、その日は無事だったものの…数日後、研究者は無惨な姿で発見された、しかし彼はその前に私にデータを送ってきていた…それを解析した結果、恐るべき事が判明したのだ』


ミレイ

「……」


ロヴェル

『恐るべき事とは?』


研究者のAI

『それはそれまで未確認だった、脅威の力を持つ人型ドラーベの大量の出現予測…道半ばで尽きてしまった彼だが、友人はドラーベに喰われ、その姿を奪われるように乗っ取られた事を突き止めたらしい、そこから予測したのが人型ドラーベの大量発生だ』


タクマは口元に手を当てて考えを述べる


タクマ

『何故新種のドラーベが現れただけで、大量の出現予測になるんだ?ドラーベに…おそらく乗っ取られた人間と人型ドラーベの大量発生予測になんの関連があるんだ?』


研究者のAI

『…それは、人型ドラーベには人…あるいはドラーベの明確な意志があると思われたからだ、それまでに変化が確認された飛行・パワードラーベの例になるが…ドラーベ同士は変化した後でも互いの関係性はそこまで変わらない事が分かっている』


レミ

「(…確かに、これまでの襲撃でもドラーベ達は飛行・パワー・オールドと問わずに一緒の事が多かった、それに以前プレデシャンが襲われた時、オールドドラーベが飛行ドラーベに乗ってた事もあったっけ)」


研究者のAI

『…つまり、仲間意識も強く…人としての知識も得た人型ドラーベがもしも指導者としての意識が芽生え…更に変化のメカニズムを理解していた時、それが引き金となって大量発生する恐れがあると推測された』


レミ

「(それで…人型ドラーベへの変化が…確実になっているんだ、じゃああのエヴァルドラーベは…別の誰かが変化したものかも、ヒュウと一緒にいたアライブはレダルに…殺されてしまって…その後にヒュウも…、…という事はあのエヴァルドラーベは…研究者を殺した人型ドラーベって事?)」


研究者のAI

『…研究者が亡くなった当初、匿名でこの情報を軍や国に提供したが、その人型ドラーベ自体、認知されないように立ち回っていた為に、妄想の類として片付けられてしまった、その為当時補佐をしていたポートに私のデータを預かって貰っていたんだ、それから今…おおよそ十年近く推測された事は何も起こらなかったようだが、つい先程起動され…ポートからもデータをもらったよ…人型ドラーベを生み出す…変異したと思われる赤い人型ドラーベの存在を…』


レミ

「ポートさんが…ドラーベの研究者の補佐をしていた…!?」


ミレイ

「……」


今度は考え込んだロヴェルが尋ねた


ロヴェル

『つまり、人型ドラーベ大量発生の原因は、赤い人型ドラーベであるのは間違いないんだな?』


研究者のAI

『…少なくともその可能性が一番高い、ポートから受け取ったデータでの動きから推測すると、あれはドラーベ達を人型ドラーベへと導く指揮官のような役割があると思われる』


ロヴェル

『先程は変化のメカニズムを理解していた時と言っていたが、ただ指揮官が付くだけで、それまで成しえなかった変化を意図的に起こす事が可能なのか?』


エクレールは(研究者のAI)困ったような表情で首を傾げ


研究者のAI

『…例え話になるが…問題の解き方を知った者が知らない者に解き方を教えるようなものだと…私は考える、それまで人型ドラーベが発生しなかったのは…知らなかった…もしくはそれ以降にドラーベ…あるいは世界に積極的に関わらなかったからだと思う、かつて変化してしまった友人…人型ドラーベは表立って行動していない上に別の人型ドラーベの発生も起きていない、これはそのドラーベにも想定外の変化であったか、若しくは同胞に興味が無かったが故に、大量発生が起きなかったと思われる』


ロヴェル

『…なるほど…納得出来るな』


レミ

「(…そこまで分かってるならあのエヴァルドラーベは完全にヒュウじゃない…、ヒュウはもちろん…アライブも…エヴァルドラーベの姿に変われる理由自体は知らなかった…でも…このAIさんの言い方からしても、研究者を殺した人型ドラーベとも…違う?)」


タクマ

『…それで、ただ俺達を向かわせずに集めたからには…何か必要な策があるのか?赤い人型ドラーベを倒す為の何かが…』


研究者のAI

『…赤い人型ドラーベに対しての実戦データはまだないが、発生した人型ドラーベには有効だった…そうだな?ポート』


ポート

「はい、レミから受け取ったエクレールの映像記録に、通常の人型ドラーベを撃墜する様子が記録されていました」


レミは首を傾げ


レミ

「…え?どういう事?」


研究者のAI

『…研究者は私以外にも後世に残る布石を用意していたのだ、そちらは半ば賭けではあったが…、当時研究者の耳に…機械の扱いに関して天才的な技術を持つという幼い少女の噂が舞い込み、その子にデータを渡したんだ、少女の成長に合わせて解除出来るロックを施したデータを…このエクレールのAIもその中にあったデータをベースに作ってくれたようだね』


レミ

「え…ちょ…ちょっと待って!?…エクレールを作ったのって確か…!…その少女ってまさか…メックなの!?」


名前を呼ばれたメックは、軽く頭を掻きながら


メック

「…そうみたい?…私も聞いててびっくりしたけど、…話を聞いて昔の事思い出しちゃった…、…この声も何だか懐かしく感じたのは、聞き覚えがあったからなんだね」


研究者のAI

『そう…彼女…メックこそが、人型ドラーベに完全に対抗し得る武器を作れる者だ、よくぞそこまでロックを解除出来るほど成長してくれたものだ』


褒めてくれて嬉しいものの、メックはどこか不満そうに手を顎に添えながら


メック

「…確かに解除はしたけど、結構嫌らしかったよ?データはバラバラで、繋ぎ合わせようとしたら破損しちゃってやり直し、何万回もやり直してようやく出来たんだから!途中で変に繋がったデータで武器を作ったりもしたけど、使いづらいって言われちゃうしさっ!」


レミはメックの苦労に苦笑いしつつ、ある事を思い出す


レミ

「…ん?使いづらいって…もしかして…あの時チカチカ色や性能が勝手に変わって…狙って使えないビームサーベルだったのって…そのせい…?」


メック

「そそ、意外に形にはなったけど実用性は無かったのが惜しかったな〜、完成した時は思わずガッツポーズしちゃったよねっ!」


レミ

「…そ…そうなんだ(…エクレールが聞いたら『欠陥品をそのまま完成させんじゃねぇっ!!』…とか言いそう)」


研究者のAI

『…普通は途中で諦め、何万回もやり直す事はないだろう…それに奇跡的に別の形で武器を誕生させた辺り、天才以外の何者でもないだろう』


タクマ

『…その武器は…俺達でも使えるのか?』


研究者のAI

『無論だ、だからこそ集まって貰ったのだ、メック、データを提供出来るか?』


メック

「大丈夫だよ!データさえあれば作るのは簡単だから!」


メックのとある一言に反応し、ミレイが思わず立ち上がる


ミレイ

「待って!…ポート、そのデータ…一応あなたが確認してくれる?…本当に…「簡単」なのか」


ポート

「…分かった、見てみよう」


ポートは端末を使ってメックから武器のデータを受け取り、一通り目を通していく


ポート

「…メック、お前はこのデータを解析した後、作製にどれ位時間と人数を掛けた…?」


メック

「えっと…みんな忙しそうだったから…人数は私一人で、素材探しを抜いたら休憩無しで…三時間位かな?」


ポート

「………」


珍しくポートがフリーズする、その様子を見て不安になったレミは


レミ

「…ポートさん?」


ポート

「…三時間位…か…、…通常…アハッドの武器の製作に携わる並の技術者を数十人と仮定しよう、…このデータを参考にすると…一日八〜十時間掛けたとして…最低でもおよそ十日は余裕でかかるな」


タクマ

『…は?』


ロヴェル

『フフ、二人のどちらかは分からないが、中々面白い冗談だ、どれ…そのデータ、良ければシャイラにも見せてくれないか?彼女はサフィア随一の技術者でもあるからね』


ポート

「…分かった、少し待っていろ…今……送ったぞ」


シャイラ

『…横から失礼します、データを受け取りましたので確認させていただきます、…ほう?なるほど…これが…こうなって…中々大胆な発想を…ん?…っ!?…あの…これを本当にあなた一人で作ったんですか?』


メック

「うん!簡単でしょ!?」


シャイラ

『……そう…ですね、えぇ簡単ですよ?…簡単ですともっ…!時間と労力を膨大に使えれば…!』


悶えるシャイラを見てすぐに、ロヴェルはモニターへと向き直って何事も無かった様に微笑み


ロヴェル

『……なるほど、冗談ではなかったか…』


レミ

「(あ…珍しい…ロヴェルさんが折れた…)」


タクマ

『緊急事態だって言うのに通常の制作に時間がかかり過ぎだろ!次にいつ襲来するか分からないんだろ!?アンタの元の研究者どうなってんだ!』


エクレールは(研究者のAI)両手を前にして横に振り


研究者のAI

『す…すまない!中々変わり者とは言われてたらしいが…その影響か、私の事は徹底して真面目に設計したと言われたな』


ミレイ

「(…確かに、関わった大体の人に偏屈者なんて言われてたっけね)」


タクマ

『…ハァ…それでどうするんだ?例え分散しても何日も掛けられない、かと言って作らない選択肢も無いが…その間の被害はどうすれば…、一応…彼女はある程度早く作れるにしても…一人に負担を押し付けるのも申し訳無いだろう』


レミ

「(…あ、結構優しいのね、最初に会った時協力を志願したのに突き放されてびっくりしたっけ)」


メック

「そうだね〜フルでやっても良くて一日八本しか作れない、それぞれの軍に行き渡らせるとなると全然足りないもんね〜」


タクマ

『…なんだ?…はっ!?まさか…これはツッコミ待ちなのか…!?俺は試されてるのか!?』


レミ

「…うん、突っ込んだら負けだと思うから気にしないで…」


研究者のAI

『いつ次の襲来が来るか不明な時間の関係上、最速でメックに数本作ってもらい…主力を絞るのが良いと思われる、恐らく指揮官の赤い人型ドラーベさえ倒せば統率が乱れ、脅威度が大幅に減るだろう、そうなれば残った人型ドラーベに対してならば、通常武装もある程度は効果が発揮され…数で押し通せるはずだ』


ポート

「なら今ここにいる代表は…実力も申し分無いでしょう、ロヴェルにタクマ、そしてすでに武器を持つレミを主軸としよう、構わないか?」


レミ

「!…うん!」


ロヴェル

『異存はないな』


タクマ

『こちらも問題は無い』


メック

「それじゃあ…計三本かな?ロヴェルさんは二刀流だもんね!」


ロヴェル

『すまない、間に合わなければ一本でも構わない…よろしく頼む』


メック

「はーいっ!じゃあ二人のアハッドのデータも頂戴ね!早速取り掛かるから後はよろしく!」


メックはいち早く格納庫へと駆け出して行った


レミ

「えっ!?もう…!?って行っちゃった…」


研究者のAI

『…とりあえず出来る限り準備をして、いつでも出撃出来るよう備えていてくれ、それまで解散としよう』


ロヴェル

『了解した…それでは諸君、後で会おう…失礼する』


ロヴェルの通信は切れた


タクマ

『…それじゃあ俺もこれで、また後でな、…そうだ…あなたが…噂のプレデシャンの艦長さんか?』


ミレイ

「…ええ、あなたがタクマさんね、先程は取り乱してごめんなさいね、それにレミから話は聞いてるわ…ヒュウの事…本当になんて言ったらいいか…」


タクマ

『いいんです、俺はアイツに…ヒュウに手を差し伸べられた筈なのにそうしなかった、その代わりと言ったら失礼だけど…あなた達がヒュウの手を掴み、離さないでいてくれた…だから謝らないでください、寧ろ…ヒュウを助けてくれて、本当にありがとうございました』


レミ

「タクマ…」


ミレイ

「…そう言われると、謝るのは失礼になっちゃうわね…お互い、この窮地を乗り切りましょう、力を合わせて…!」


タクマ

『…宜しく頼む…!…それじゃあまた』


タクマの通信は切れた、辺りは静かになり…ミレイは改めて切り出す


ミレイ

「…それで…話を聞いた限り、あなたは本当に彼をベースにしたAIなのね?」


研究者のAI

『あぁそうだ、あなたも彼が亡くなった事は知っていたはずだ』


レミ

「お母さん、その研究者と仲が良かったの?あんなに…取り乱すの珍しかったし…」


ミレイは軽く腕を組んだ後、そっと手を頬に当て


ミレイ

「…仲はそれ程良くなかったわ、彼は殆ど研究一筋で、私の事など見向きもしなかった…彼の実の娘に対してもね」


レミ

「娘さんにも?子供にまで見向きもしないって…ちょっと酷いのね…」


ミレイ

「…そうよ、あの人は私達を置いて何処かへ行った…そしてしばらくして、さっきAIが話した彼の訃報を聞いたのよ…そして程なくして、私はフォースデルタからの指示で復帰する事になった」


ミレイ

「…フォースデルタに復帰してしばらく経ったある日、フォースデルタが扱いに困ったという少女がやって来たの、私が引き取ると、その少女は亡くなった研究者の娘の為に作ったAIがあると言って研究者の娘にあげたの…そのAIの名前は…エクレール」


レミ

「…え?それじゃあその研究者って…私の…」


研究者のAI

『…名はテム、レミ…君の父親だな』


レミ

「!」


テムのAI

『…AIである私に感情を理解する事は難しい、代わりに代弁するのもお門違いだろうが…君達の事を思っていたのは確かだろう…その証が…エクレールのAIであり、ポートであった』


ミレイ

「…?エクレールはともかく、どうしてそこにポートが出てくるの?」


テムのAI

『ポートは元々テムの補佐をしていた事は話した通り、私がデータを託したように、テムもポートに頼んだのだろう』


ポートは頷き


ポート

「…そうだ、テムは遺体となって発見される前と思われるタイミングの前…一人飛び出した痕跡とメッセージを残していた、その中に「私はおかしくなってしまった友人を救いたい、何事もなければそれでいいが、もし何かあった時は…彼女達を支えてほしい」…とな」


レミ・ミレイ

「!!」


ポート

「個人的にテムさんに恩義があった俺は、その遺言を実現する為、ミレイ…レミ…お前達を支える為に…今では副艦長という立場になった…という事だ」


テムのAI

『テムも…完全に家族を蔑ろにしたのではない、救いたがっていた友人と同じ位、君達の事を想っていたんだ…』


ミレイ

「……」


レミ

「…物心が付いた時には…既にお父さんは居ないと思ってた、正直今も実感は湧かない、でもこうして身近な形に…AIのテムさんやポートさんやメック、そしてエクレールも…可能性や繋がりを遺してくれた…だったら私も…繋がりを絶やさない為に、私に出来る事をしたい…!」


ミレイ

「レミ…」


テムのAI

『…ありがとう、テムも空の向こうで…きっと喜んでくれるだろう』


レミ

「…うん、そうだと…いいな…」


ミレイ

「…テムさん、質問…いいかしら…」


テムのAI

『何かな?』


ミレイ

「先程…話に出てきたテムの友人の名前は…それにテムを亡き者にした人型ドラーベは…まだ生きているのかしら?」


レミ

「…そうだ…目立った行動をしてないって事はまだ生きている可能性があるのね」


テムのAI

『…いや、先程君達の経緯のデータを受け取って、話をしながら確認したが…既に死んだらしいな』


クルー1

「…?僕達の経緯って…関係ありましたっけ…」


テムのAI

『…君達も知っているはずだ、テムの友人の名前は…レダル』


一同

「!?」


テムのAI

『…どうやら半年程前に君達の仲間が倒したと…このデータには入っている…そしてそのレダルを倒したのは君達の仲間、一人の少年とオールドドラーベはその時亡くなってしまったと…非常に痛ましい事だ…』


ミレイ

「…どちらも大事な仲間よ、亡くなった今でもね…」


テムのAI

『…そうか、レダルと似た稀有な存在出会った彼らなら確実にこの戦いの戦力となった事だろうに…是非会って話も聞いてみたかったが…そちらは…空にいる筈のテムに任せるとしよう』


ミレイ

「…そうね、多分…研究者として…話を聞きまくってる事でしょうね」


ミレイの中で、テム達のイメージが浮かび上がる、天国の様な場所で、延々とテムがヒュウ達を追い回す光景を


テム(幽霊のイメージ)

「ドラーベと打ち解けた人間!?それに人型ドラーベに変化する!?君達!もっと話を聞かせてくれ!どうしてそんなに仲が良いんだ!?」


アライブ(幽霊のイメージ)

『ナンナンダコイツハ!イイカゲンシツコイ!!ヒュウ!コイツヲナントカシロ!!』


ヒュウ(幽霊のイメージ)

「なんとか出来たらこんなに問い詰められてないってぇ!」



ミレイ

「(…って感じかしら)」



テムのAI

『…それでは諸君、あの赤い人型ドラーベ、データではエヴァルドラーベと名乗った変化ドラーベを必ず倒し、人類を危機から救おう…!』


一同

「了解!」


テムが頷いた後エクレールはゆっくりとガシャッと項垂れると、ポートがメモリを入れ替え、すぐまた立ち上がる、その様子は普段のエクレールと遜色無かった


エクレール

『…やっと終わったのか…?あー長かった、…いきなり動かせなくなってビックリしたぜ…』


レミ

「…エクレール…大丈夫?」


エクレール

『ん、特に問題はないな、反応は出来なかったけど、話も聞こえてたからその点も大丈夫だぜ!…いきなりポートとかメックとかレミの父さんとか…驚く事ばっかりだったな』


レミ

「本当ね、まさかエクレールが作られた経緯が聞けるとは思ってもなかった」


エクレール

『オレもテムって人の事知らなくて実感ないしなー、…でもとにかく、やらなきゃいけない事はハッキリしたんだ、オレ達もみんなも襲来に備えよーぜ』


ミレイ

「フフッ、先に言われちゃったわね、いつ来るかは分からないけど…エクレールの言う通り、備えだけはしっかりね、みんな…共に危機を乗り越えましょう…!」


一同

「了解!」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




…同じ頃、広い宇宙の何処かにて、各地を襲撃していた赤い人型ドラーベのエヴァルドラーベは、休息の為大勢の人型ドラーベやオールドドラーベ達と無気力に宇宙を漂っていた、不意にボソリとエヴァルドラーベは尋ねた


エヴァルドラーベ

『…オ前達、ヒュウ…アライブ、コノ名ノ人間ヤ同胞ニ聞キ覚エハアルカ?』


ドラーベ達は互いに確認を取り、首を横に振る、エヴァルドラーベは虚ろに呟く


エヴァルドラーベ

『…ソウカ…マダ…曖昧カ、…我ト同ジ様ナ姿ヲ持ツ者達…人間ト我ラガ同胞ガ変化シタトイウ存在…一度見テミタカッタガ…仕方アルマイ』


ドラーベ達は心配そうな表情を浮かべると、エヴァルドラーベはその方向を向く


エヴァルドラーベ

『…?オ前達…ドウシタ?何カ気ニナル事ガアルノカ?』


ドラーベ達は首を傾げ、戻してから首を横に振る


エヴァルドラーベ

『…ソウカ、何デモナイナライイ、マダ変化ヲ遂ゲテナイ同胞モ多イ…マタ我ガ先陣ヲキル、ダガ人間モ…コノママ防戦一方トハナラズ…ソロソロ対策ヲ講ジルハズ…一筋縄デハイカナイダロウ…変化スル瞬間マデ…油断スルナ』


ドラーベ達は頷いた


エヴァルドラーベ

『…アァ…イズレ奴等モ…来ルダロウ…』






この話終了時点の主な登場人物のプロフィール



テムのAI(年齢無し)男性ベース


ドラーベ研究者のテムをベースにしたAI、訪れた人類の危機の為にエクレールのスペアボディを借りて、ポートによって起動してもらった


性格は至って真面目でいろと言い聞かされた、AI当人いわく、製作者のテム自身が変わり者という自覚があっての事らしい


ちなみに、テムのAIがエクレールに入れた別のメモリーに入っていた理由は、テム亡き後、人類の危機がもっと未来で起きると勝手に思い込んでしまったせい、なのでまだ十年程しか経過してない事に、人知れず驚いてたりもしていた


テム(享年当時二十代)男性


ミレイの夫でありレミの父親、そして人間のレダルの友人でもあったドラーベの研究者


性格はミレイや関わった関係者からは偏屈者とされている、具体的な一例で言えば、知りたい事はとことんまで調べ尽くさないと気がすまないタイプ


更に負けず嫌いな一面もあり、それ故に偏屈者と呼ばれた自身とは対象的な生真面目なAIを作り出した、メックが嫌らしいと述べたデータに関しては、少なからず負けず嫌いな一面もあったが、託したメック以外の誰かに不必要に悪用されないようにという警戒もあったとの事


おかしくなった友人のレダルや家族を心配する一面もあり、後世の為にデータを遺したりなど危機感や洞察力も高かった


テムのAIの話通り既に亡くなっており、その原因は人型ドラーベに姿を変える事が出来るようになったレダルをしつこく心配しながら何度も説得を試みていた


しばらくはレダルも友人としてただ避けるようにするだけだったが、変化に協力していたドラーベがレダルを完全に吸収した事で友人としてのレダルの意識が無くなった、それによってドラーベが得た記憶によりしつこく尋ねるテムは目障りと認定され…最後は殺された




作品に関しての感想、質問があれば可能な限りお返事します。


次回も楽しみにして頂けると幸いです

ここまでお読み頂きありがとうございました!

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