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第六十二話【「VSロヴェル」みんなの想いを胸に!】

まずは閲覧ありがとうございます!


このお話は初心者による物語です、プロフィールに書いた通りのまるで台本の様な小説とは程遠い拙い文章、少ない表現力、明らかな描写不足、当然の様な誤字脱字など正直問題だらけです、それでも読んで頂けるのならば幸いです。


一部の「」『』の説明


「」は主に人間のセリフ


『』は人間以外や大体の主観の人以外の電話や通信越しなどによる人間の音声のセリフのイメージとなっております。


【この話での未知の生命体ドラーベ内の用語集】


【アハッド】


異星の者達から伝えられた技術によって、対ドラーベを想定して造られた人型兵器、大きさはおよそ8m程


【アフィア】


地球に存在する反異種族連合軍の通称


主に多くの地球人が集まった者達で結成されたそれは、ここ数十年で規模を広げ今ではフォースデルタに次いで地球を二分に分ける程力を持った組織、度々フォースデルタと衝突を起こすも、あくまで自分達は地球の為に行っていると正当化している、異星から来た彼らの技術を盗み、アハッドまで造り出していた(但し、違いは殆ど無い)




【カッド】


アハッドと同様に異星から伝えられた技術によって造られた戦艦、アハッドを格納な上にある程度の戦闘も可能、海上、空中、宇宙への航行も可能としている


【サフィア】


反異種族連合軍…アフィアの中の特殊部隊の通称


アフィアのロヴェルが統率している組織


【サンダーボルト】


万が一アハッドが特殊な状況でエネルギー切れを起こした時に使う、フォースデルタのカッドに最近搭載された人工雷発生装置の名前


アハッドに向けて発射させる事で急速にエネルギーをチャージする事ができる





特別国家イールフ


世界に広まっているアハッド、開発当時の研究者の一人が地球に作ったと言われている小さな国


他の国が最先端を目指して高層ビルや交通などを発展させていく中、この国は地球由来の豊かな自然が多い、そして中央には大きな噴水があるのが特徴的




【フォースデルタ】


地球連合軍の通称


異星との交流によりアハッドなどを得た地球で、対ドラーベを想定され発足された国を越えた人々が集う軍




【プレデシャン】


ミレイ達の乗るカッド…戦艦の名前


【緊急襲来警報】


ドラーベが襲来するようになってから作られた警報で、国によって決められた独自のシェルターに避難するように求められる世界共通の警報


【ドラーベ】


地球や異星などに突然現れた未知の生命体、意思疎通が出来ず、人間を襲うものの明確な目的などが分かっていない為、侵略者として扱われる事が多い


現在軍に三種類確認されているドラーベだが、共通しているのは頭部が伝説上のドラゴンの様な形をしている事のみで、身体はそれぞれ違いがある


【オールドドラーベ】


ドラゴンの様な頭部を起点に、上半身は竜人を思わせる身体、下半身は蛇の様にやや長い身体、全体的に靭やかで身体の灰色部分は硬い、赤黒い部分は比較的硬くないが、それでも銃弾や刃物を通さないほどの硬さはある、人で言う肩の辺りからは、形状を鎌や触手の様に変化させる特殊な腕の様な物がある、大きさはおよそ1m超え


上記の通り足は無く、浮いてはいるがスピードは余り速くない(小学高学年位なら逃げ切れる)


【パワードラーベ】


同じくドラゴンの様な頭部を起点に怪獣の様な大きな身体、かなり筋肉質でやや猫背、手足がありしっかり二足で立っている


大きさは高さおよそ8〜12m程


手先はさながら大きな鉤爪になっていて、こちらは腕を変化させない


こちらは巨体ではあるが上記のオールドタイプとスピードは余り変わらない(歩幅でカバー)


しかしその分腕を活かした強烈な叩きつけや切り裂きは恐ろしい威力を誇り、戦車なども簡単に破壊するパワーの持ち主


溜めるのに時間はかかるが熱線を吐く事が出来る


【飛行ドラーベ】


形状は他に比べてドラゴンっぽさが強い、というのもその姿は伝説などに出てくるワイバーンに近いものとなっている


まずドラゴンの様な頭部を起点にやや細身の引き締まった身体、そこに人で言う本来腕が生えてる位置から長く発達した腕の様な翼が生えているのが特徴


翼の爪で切り裂いたり、特殊な雄叫びによる音波の攻撃をしてくる


大きさは翼を広げると全長およそ8〜10mほど高さはおよそ3〜5m


飛行する為上記二種よりスピードは速く通常は速めの自動車を追い越す程、速い時は新幹線を超える速度を出せるらしいが、制御出来ないのかぶつかる光景も目にされた事も







ヒュウ達を失った出来事によって傷心していたレミ、サフィア基地まで戻ってしばらくは塞ぎ込んでしまっていた、しかし数日経って修復が完了したエクレールや仲間達のお陰で、時間がかかりながらも調子を取り戻していった


そしてワグアリゾートでの出来事から半年、ロヴェルに連れられたレミはそこで、サフィアに募っていた不満がとある出来事をキッカケに爆発寸前になり…以前より伝えられていた決闘を改めてお願いされ、それを承諾した事で数日後に決闘を行う事となった


プレデシャンへと戻って来たレミはメックに連れられ、エクレールの新たな姿…「エクレールVer.3」をお披露目された


以前よりメックに、決闘前には間に合わせると言われた事もあり、レミにも込み上げる思いがある中、改めてロヴェルに勝つ事への決意を強めた


メックから特殊なレンズも受け取ったレミは、戦闘技術を高める為に、メインルームへと向かって擬似戦闘シミュレーターを使った訓練を行う事に


技術を高める為の訓練相手に悩む中…とある人物に声をかけられた


それは…以前強引にレミの代理としてレダルと戦った人物…フェイスだった


フェイスはランキング化されている擬似戦闘シミュレーターでトップの成績を誇る、更にレダルとも善戦した事もありその実力は折り紙付きの人物だ


そんな人物から…手合わせの願いをされたレミは快諾し、その日の殆どを訓練に付き合ってもらい、ロヴェルとの決闘に備えるのだった…








サフィア基地本部にて


決闘前日、ロヴェルの発信によって一対一の決闘が取り付けられた事が発表される、対戦相手は発表してから決闘までに、邪魔が入らぬようレミの事は伏せられていた


全面戦争を仕掛ける前日に決闘が行われる事に対し、仇を取るべきと準備をしてきた者達(戦争推進派)からは不満が上がったが、ロヴェルは「大事の前の肩慣らし、勝って弾みをつけよう、それとも…僕が見知らぬ相手に負けると?」と意見を一蹴する


レミ達は予定通り、午前中に訓練を早々に切り上げ、決闘に備えて一日をゆっくり過ごした


そして、決闘当日、レミ達はロヴェルの指示のもと、決闘の地へ移動していた、決闘の邪魔をされない為、ロヴェルとシャイラ、レミの関係者にしか場所は伝えられていない、その場所に着いた



イールフ旧訓練施設上空、プレデシャンのブリッジにて


レミ

「って、なんでここなの!?」


レミの疑問に反応したかのように、ブリッジの通信が繋がる


ロヴェル

『フフ、寂れてはいるが…なかなか風情を感じる…良い場所だね、場所の提供をミレイがしてくれたんだ、イールフ国長…イフカにも許可を取ってくれたみたいでね』


レミ

「ロヴェルさん!お母さんがここを?」


ミレイ

「ええ、この場所自体、知ってる人が限られているでしょう?決闘にはうってつけだと思ってね、…大事な一戦だもの、ここなら気持ちも引き締まらない?」


レミ

「あ……」


ポート

「(…一歩間違えば、トラウマを呼び起こしかねんが…)」


レミはかつて存在した仲間…ヒュウとアライブ、彼等が変化したエヴァルドラーベと行った…この場所での戦いを思い出すと、グッと気持ちが引き締まっていった


レミ

「…うん!やる気湧いてきた!ありがとうお母さん!」


ポート

「(…今のレミにその心配は杞憂だったか)」


ロヴェル

『それでは…出撃準備をしてくれ、僕はいつでも始められるから、レミの準備が出来次第、コックピットから通信をしてくれ』


レミ

「はい!分かりました!」


ロヴェルとの通信が切れた



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



ロヴェルとシャイラの乗るカッドにて、ロヴェルはアハッドの中で待機し、レミからの連絡を待っている中、シャイラと通信で話していた



シャイラ

『……この勝負、私はどちらを応援していいのか…複雑な気分です』


ロヴェル

「そんなに複雑ならレミを応援すればいい、幸い僕を応援してくる者には困ってないからね」


シャイラ

『…真面目に言ってください…!…それに、本気の筈なのに…何故以前のアハッドをお使いに…最新のアハッドがあるというのに…』


ロヴェル

「以前ではない、未だに現役だよ、それにあっちはまだ未完成、完成してない物で決闘する方が失礼じゃないか?」


シャイラ

『それはそうなんですが…』


ロヴェル

「仮に完成していても、あれの使い時はここじゃない、勝つにしろ負けるにしろ、決闘で全てが終わるわけじゃないだろう?」


シャイラ

『…はい、今後のサフィアに大きく関わる一戦なのは間違いありません…そういう意味では、初めて使う未完成のアハッドより、手に馴染んだアハッドの方が…信頼出来ますね』


ロヴェル

「そういう事だ、さて…僕も心構えをするとしよう」


シャイラ

『…どうか…ご武運を』


ロヴェル

「…あぁ」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



一方レミも準備を整え、コックピットに待機して気持ちを落ち着けていた


エクレール

『レミ、準備はいいか!?』


レミ

「…ちょっと、緊張してきたかも…」


エクレール

『おい!?』


レミ

「冗談よ、大丈夫…行けるよ」


エクレール

『…そうか、…ん?』


コックピットのモニターが突然何かを映し出した、そこには艦長のミレイを始めとしたクルーのみんなが映っていた


レミ

「み…みんな!」


クルー3

『レミ、そんなに気負うんじゃないぞ!エクレールは俺達が今出せる全力で仕上げた最高のアハッドだからな!』


メック

『そうだよ!レミ、エクレール!リラックスしていこっ!』


クルー2

『レミ達なら勝てる!あたし達がついてるからね!』


ポート

『…悔いのないよう、全力を尽くしてこい』


クルー1

『レミさん!エクレールさん!僕達みんなで応援していますから!』


ミレイ

『エクレール、レミの事…お願いね、そしてレミ、今後の事を気にして勝つ事だけに囚われないで、…エクレールと協力し、持てる力の全てをぶつけなさい』


エクレール

『任せとけって!』


レミ

「みんな…ありがとう…!私達…頑張るから!!」


通信を切ってからロヴェルに通信を送ると、呼び出し音の後に繋がり、モニターにロヴェルが映った


ロヴェル

『準備が出来たようだね』


レミ

「はい!よろしくお願いします!」


レミ、ロヴェルのアハッドが出撃体勢に入ると、改めて気持ちを落ち着ける為に…最後の深呼吸をする


ゆっくりと空気を吸い込み、吐き出す、その行動の中


…どうか無事に、帰ってきてください


レミ

「あ……」


…ふと…かつての仲間がかけてくれた言葉が…レミの脳裏に蘇った、今は聞く事が不可能になった…想いが込められた言葉が


エクレール

『…どした?何呆けてんだよ?』


レミはエクレールの言葉に気付き、手に力を込める


レミ

「…ううん、なんでも、…行きましょう、エクレール」


エクレール

『おう、やってやろうぜ!』


レミ

「レミ・エクレール、行きます!!」


ロヴェル

「ロヴェル、出撃する!」


両者のアハッドが、イールフ旧訓練施設上空に待機したそれぞれのカッドから飛び出した


メック

「…ヒュウくん…アライブ…私達と一緒に、レミとエクレールを…応援してね」


旧訓練施設に大きな音を立て、両者のアハッドが着地する


ロヴェル

『ほう?それは新型かな?』


レミ

「はい!構想自体は前からあったんですけど…先日とうとう完成したんです!」


ロヴェル

『なるほど、新型というのも心惹かれるが…君自身がイールフの時からどれほど成長したのか…楽しみだ、…さて、決闘の前に一仕事お願いするよ』


レミ

「…えっ?一仕事って…?」


ロヴェル

『大事な仕事だ、君は僕のタイミングを見ながらこれを読んでくれ』


ロヴェルからデータが送信され、モニターに表示されたのは、何かが書かれたデータ、そこには「台本」と書かれていた


レミ

「え?ちょ…なにこ…」


ロヴェル

『諸君!』


ロヴェルの声が、ここから始まった中継の通信を介して辺りに響く


ロヴェル

『大事な決戦が控える中、勇気か…はたまた無謀か!決闘を申し込んできた者がいる!僕はサフィアのトップとして、決戦の前に逃げる訳にはいかない!僕は当然その挑戦を受けた!…その挑戦者は敢えて匿名としよう!…負けた時の為に…ね』


モニターにエクレールのメッセージが表示される


エクレール(メッセージ)

『負ける前提とかふざけんな!!』


エクレールは怒りを表すものの、レミは反応してツッコミを入れる余裕が無く、用意された台本を読むのに必死だった


ロヴェル

『決闘を申し込んだという事は、何かしらの願いがあっての事!僕の願いは当然、君の願いの拒否という事になる!さぁ挑戦者、君はこの戦いで勝利を得た時、何を願う!』


レミ

「えっと…願い…願いは…あっこれね…!えっと…」


レミは音声を同じ位に調整する、ロヴェルの計らいによってレミの声は、対峙するロヴェルや上空のシャイラやミレイ達以外には加工されて発信されている


レミ

『わ…私は!この決闘でトップであるあなたに勝利し!…えーと…サフィアの…解体を願う!』


エクレール(メッセージ)

『急にどうしたのかと思ったら…さっきの台本か、…何かガチガチじゃね?』


レミは音声を消し


レミ

「ほっといて…!いきなりこんなもの読まされてびっくりしてるんだから!」


ロヴェル

『何!?解体だって!?それは困る!ここを失っては、行き場を失う者達が沢山出てしまう!…そうなってはいけない!この決闘…何がなんでも負ける訳にはいかない!!さぁ!カウントスタートだ!』


上空のカッドから、シャイラによってカウントダウンが開始される


エクレール(メッセージ)

『まーた偉く熱が入ってるっつーか、ノリノリだな』


レミ

「…そうね、どうしてかはともかく、大事ではあるんだろうけど…これは予想してなかったわ」


ロヴェルから通信が入り


ロヴェル

『ありがとう、急なお願いの対応、感謝するよ』


レミ

「い…いえ、でも…解体でいいんですか?戦いを止めるだけなんじゃ…」


ロヴェル

『もちろん構わない、止めろと言って止めるようであれば、この決闘の意味は無いからね、この台本の通り…戦う為の組織その物が無くなるかも、というインパクトが大事なんだ』


エクレール(メッセージ)

『へー、ちゃんと意味があったんだな、てっきりレミを辱めたいのかと…』


レミ

「(あのね…)」


レミ

「…そういう事なら、納得しました」


ロヴェル

『だが…もちろん決闘自体には台本などない、僕は全力で君を倒すよ、…そろそろスタート間近だ、お互い全力を尽くそう』


レミ

「はい!」


ロヴェルの通信は切れた


エクレール

『…ロヴェルって真面目なトーンとそうじゃない時のギャップが激しいよな…、ま…それはそれとして、頑張ろうぜ!』


レミ

「もちろんっ!」


シャイラ

『3…2…1…決闘、スタート!』


まずは互いに距離を取り合い、ロヴェルは携えた二本のビームサーベルを取り出す


レミ

「…!離れた上で…射撃武器では無くビームサーベル…試されてるのかしら…」


エクレール

『…かもな、こっちとしては最初から訓練の成果を試せるのは有り難いぜ』


エクレールも唯一携えた新型ビームサーベルを構える、以前まで使ってたビームサーベルのように色が次々に変化せず、初期と同じ色をしたピンクのビームサーベルだ


レミ

「行くわよっ!エクレール!」


エクレール

『おう!任せろ!』


エクレールは正面からロヴェルのアハッドへと向かって行く


ロヴェル

「ほう…真正面から、余程の自身があると見た…ならば!」


ロヴェルはビームサーベル二本を交差する様に構え、レミの剣撃を正面から受け止めて防がれてしまう、しかし、レミは加速を掛け強引に押し切ろうとする


ロヴェル

「む…この馬力は…」


ロヴェルは素早く力負けを悟り、防いだビームサーベルを横に流し、エクレールから距離を取った


エクレール

『チッ!惜しいな!』


レミ

「いやいや…そんなあっさり決まるはずがないでしょ…」


ロヴェル

「…なるほど…正面からでは受け止め切れないか…いい整備士がいるようだ、…そして、それを使いこなす彼女もまた、…フフ、彼女にこの役目を頼んだのは、間違い…なかったようだ!」


今度はロヴェルから攻撃を仕掛けた、二本のビームサーベルを巧みに扱いながら連続で振るい、衝撃波を連続で放ってきた、エクレールは衝撃波の軌道を予測し、最低限の迎撃、回避法を伝えると、レミはビームサーベルで一発衝撃波を振り、出来た隙間を掻い潜り攻撃を仕掛ける、しかしロヴェルは咄嗟に回避に集中し、中々当てる事が出来ない


ロヴェル

「あの物量を僅か一発の衝撃波で切り抜けるとはね…AIもやるようだ」


エクレール

『切り抜けても…中々当たらねー!!』


レミ

「流石ロヴェルさん…最初こそ受け止めてくれたけど、武器以外に一撃を当てる事が難しい…!」


互いの剣撃のぶつけ合いや回避は続くが、決定打に欠け、決着が着くまでとはいかないものの、攻撃が徐々に掠り…お互いにダメージが蓄積していく、そんな中…


レミ

「…ねぇ、何でこれずっと同じなの?」


レミの突然の質問に、モニターのアニメーションのエクレールはやや怒り気味に


エクレール

『おい!?戦いに集中しろよ!これって何の事だよ!?』


レミ

「ビームサーベルの事よ、これ…例のビームサーベルを調整したのよね?何か…初期型に逆戻りしてる気が…」


エクレール

『…はぁ?そんな訳…』


アニメーションのエクレールは、ふと何かを思い出したようにハッとし


エクレール

『…あっ…忘れてた』


レミ

「何を?」


エクレール

『…い…いや!何でもない!』


レミ

「何か知ってるのね!?言いなさい!」


エクレール

『…えっと…ちゃんと例の性能を自由に切り替え出来るんだ、…だけど…それをオレが忘れちゃってたんだな!ハハハ!』


レミ

「…?どういう事?」


エクレール

『いや、レミが切り替えながら戦うのは大変だから、オレがレミの指示とかその場の状況を判断して、切り替える…つもりだったんだよ』


レミ

「…戦いに…何だっけ?」


レミは満面の笑みを見せ付ける


モニターに表示されたアニメーションのエクレールはワタワタ慌てる


エクレール

『わわわ悪かったって!ほら!ロヴェルが来るって!怒ってる場合じゃねぇって!』


レミ

「エクレールのせいでしょうが!!」


ロヴェル

「…アハッドの動きが止まった…何かの作戦か?…何を狙ってる…?」


ロヴェルは動きの止まったエクレールを警戒し、迎撃態勢に入る


レミ

「もう…しっかりしてよね!」


エクレール

『ハイ…スミマセン…』


レミ

「…任せたからね」


エクレール

『…!おう!』


改めて気持ちを整えたレミは、エクレールを動かしてロヴェルのアハッドに対し衝撃波を何発か振るった、ロヴェルは切り払おうとしたが、衝撃波の色が先程とは違う事に気付き、回避に方針を変える、衝撃波は壁に当たると、それぞれ燃えたり、凍ったり、様々な現象が起きた


ロヴェル

「これは…?フフ…中々ユニークな武器…ここに来て使った理由はともかく、面白い武器だ」


エクレール

『よしっ!いい感じに切り替え出来たな!』


レミ

「ひと振り毎に変わったから、ヤケクソになったのかと思っちゃった」


エクレール

『んなワケあるかっ!ちゃんと試運転したかったんだよ!』


レミ

「分かってる分かってる、さぁ、行きましょう!」


エクレール

『お、おう!』


エクレールは赤い衝撃波を飛ばしつつ左右にブレながら突っ込んだ、ロヴェルは衝撃波を相殺して突破を試みると、無事に打ち消す事が出来、突撃しようとすると


ロヴェル

「む…!」


弾けた赤い衝撃波が周辺を燃やし、一瞬立ち止まってしまう、すると第二波の黄色い衝撃波が目の前に迫り、やむを得ず片腕のビームサーベルで切り払う、するとアハッドが痺れを起こす


ロヴェル

「くっ!二段構えか…!それにこれは…電流…!」


アハッドのコックピットは特殊多段構造になっていて、パイロットへのダメージは極力抑えられている、アハッドには強烈な電流でもロヴェルには僅かな痺れとして伝わる、しかしその僅かな痺れが、時として大きな意味を成す


衝撃波と共に突撃を選択したレミは、ロヴェルのもう片方の腕も黄色いビームサーベルで切りつけて痺れさせ、黒いビームサーベルで一気に迫り


ロヴェル

「くっ!?」


レミ

「これで!!」


エクレール

『終わりだ!!』


ロヴェル

「…まだだ!!」


ロヴェルは痺れながらも僅かに動き、右腕を前に差し出す、それによってレミ達の渾身の一撃は、本来の狙いである頭部ではなく右腕に当たり、ロヴェルの決死の一撃はエクレールの左腕に当たり、ロヴェルのアハッドは右腕、エクレールは左腕を破壊されて爆発する、その爆発を利用し、ロヴェルは距離を取った


ロヴェル

「ハァ…ハァ…何とか…間一髪だったか…」


レミ

「ぐっ!?確かに痺れさせたのに…その状態の攻撃を回避して攻撃するなんて…!」


エクレール

『こっちにしては…利き手に当たらなかったのが幸いだな…あっちは両刀だから…そこまで左右に違いはねぇだろうが…』


ロヴェル

「…フフ、いつの間にか、僕もこんなに熱くなっている…、こんな感覚は…久しく感じてなかったな…」


ロヴェルは残った左腕を前に構える、それを見たレミ達は、戦力を削いだ筈のロヴェルからのプレッシャーが強まっているのを感じていた


エクレール

『…ボロボロだってのに、すげぇ気迫だ…』


レミ

「私達も危ないけど…それでも、負けられない…!」


エクレール

『…あぁ、もちろんだ』


レミ達は残った右腕でビームサーベルを帯刀するような構えを取った


ロヴェル

「あれは…?フフ、勝負は次で…決まるか…」


ロヴェルも残った左腕で同じ構えを取り、辺りに…見守る者達に緊張感が走る


レミ・ロヴェル

「………」


そして…


レミ・ロヴェル

「…はあぁぁぁぁっ!!!」


エクレール

『いっけえぇぇっ!!!』


互いがビームサーベルを振り抜いてすれ違い…交錯した


時間を置いて…エクレールの頭部の一部が斜めに切られ、ガクッと膝を付いた


ミレイ達

『レミっ!?』


シャイラ

『やった!!』


ロヴェル

「……よくやったが…ここまでだ」


ロヴェルのアハッドの胴体が切られ、大きな音を立て崩れ落ちた、そしてレミのアハッド…エクレールは立ち上がる


シャイラ

『…そんな!?』


クルー1

『勝った…?』


ポート

『…ああ、そのようだ』


シャイラ

『…っ!……決闘終了…勝者…挑戦者!!』


シャイラが決闘の終了の合図を出すと、レミの元に再び台本が送られてくる


レミ

「…これは…」


エクレール

『…あれで終わりかとおもったら、勝った後も台本あんのかよ』


通信越しにロヴェルの音声が響き渡る


ロヴェル

『おめでとう…悔しいが君の勝ちだ、決闘の勝者の言う事は絶対、名残惜しいが…解散を…』


レミ

『…待ってください!』


ロヴェル

『!?』


レミ

『今の戦い…勝ちはしましたが、とても良い勝負で…感銘を受けました…!これだけ強いあなたが率いる組織…解散なんて勿体無いです!』


エクレール(メッセージ)

『最初は驚きでめちゃくちゃだったけど…なんかレミもノリノリになってきてんな』


ロヴェル

『…だが、それでは僕の気持ちが収まらない!解散を撤回するなら…代わりの何かで補ってもらわねば、トップとしてケジメがつかない!』


レミ

『…それなら…明日行われる、全面戦争の撤回をお願いしたいです、…戦争が起きてしまえば、例え優秀な皆さんでも犠牲は出てしまう、…あなたを慕う人達の犠牲は…私は見たくないんです!』


ロヴェル

『…全面戦争の…撤回?…それに、君は僕と共に戦う者達の事まで心配してくれるというのか…』


レミ

『…もちろん、元々解散を願ったのも、誰かが犠牲になるのが…耐えられなかったから…だから、解散が無理だと言うのなら、せめて…全面戦争だけでも、撤回してもらいたいです』


ロヴェル

『…最初の要求を叶えなかったんだ…流石に何度も断る訳にはいかない、何より…僕も仲間は大事だ…居場所が残せると言うのなら…その願いを…叶えよう』


…パチ…パチパチ


シャイラの乗るカッドから拍手の音が響く、ミレイ達も合わせる様に…拍手を重ねていく


レミ

『…ありがとうございます!!』


ロヴェル

『…こちらこそ、僕達の大切な居場所を奪わないでくれて…感謝する…』


ロヴェル

『…同士達よ!決闘は決した!僕は敗れたが…勝者の寛大な心によって、僕達は僕達のままでいる事が許された!代わりに…明日の戦いは無くなってしまったが、その戦いで消えるかもしれなかった者達の未来まで救われたんだ…力だけでなく心までも僕を上回った勝者に…感謝しよう!!』


パチパチパチパチパチ!


サフィアに繋がっていた中継は…そこで終わりを迎えた


ロヴェル

『…お疲れ様、ここまで付き合ってもらって、感謝しているよ』


レミ

「い…いえ!もう台本読むのに必死で…結構恥ずかしかったです!」


モニターにエクレールのメッセージが出てくる


エクレール(メッセージ)

『そうかなぁ、決闘前はそうだったけど、さっきはノリノリだったぞ?』


レミは密かにモニターをコツンと突き、抗議の意思を示す


ロヴェル

『いや、中々鬼気迫るものを感じたよ、それに何より、必死な君は可愛かったからね、恥じらう必要は無いさ』


エクレール(メッセージ)

『台本の台詞を聞いていても思ったけど、本っ当にキザったらしいな…』


ロヴェル

『それに何より、君は約束を果たし…僕に勝った…それだけでも充分なんだ、久し振りにとても熱くなった良い戦いだったよ』


レミ

「それは私達もです、内心勝てるかドキドキしてたけど…終わってみたらこんなに熱い戦いが出来て、本当に良かったと思ってます」


エクレール(メッセージ)

『…ところでさぁ…オレ達ロヴェルに勝ったんなら、お尋ね者になるんじゃね…?』


レミ

「………え?…あっ!確かに!?ロヴェルさん!私達もうここには居られなくなっちゃうんじゃないですか!?」


ロヴェル

『…?当然じゃないか、トップである僕を倒し、全面戦争を止めた、一部の者からしつこく追われることになるだろう』


レミ

「そ…そんな…でも…確かにそうよね」


ロヴェル

『冗談だよ』


エクレール(メッセージ)

『は?』


レミ

「……え?」


ロヴェル

『対峙していた君は分からなかっただろうが、君の声も、アハッドも加工して中継していたからね、僕と戦ったのが誰なのかは、僕とシャイラ、そして君の仲間達だけしか知らないよ』


レミ

「そ…それじゃあ…」


ロヴェル

『ああ、君達は逃げる必要はない、組織の危機を救ってくれた者達を追い出すなんて無粋な真似はしないさ』


レミ

「よ…良かったぁ…」


エクレール(メッセージ)

『冗談が悪趣味すぎんだろ!!』


ロヴェル

『フフ、それじゃ僕達は先に戻るから、時間を空けてから、他の艦と共に戻ってきてくれ、一緒に戻るのは流石に怪しまれてしまうからね』


レミ

「は、はい!色々配慮までしてくれて、ありがとうございました!」


ロヴェル

『こちらこそ、君に頼んでよかった、最高の結果を…最高の戦いを…ありがとう』


シャイラのカッドがロヴェルのアハッドを回収し、その場を去った



ロヴェルの乗るカッド内にて


シャイラ

「……正直、今でも信じられません、あなたが負けただなんて」


ロヴェル

「互いに死力を尽くして得た結果だ、あまり彼女を責めないでくれ」


シャイラ

「…そんな事はしません、彼女だけでなくあなたにも…失礼になってしまう」


ロヴェル

「…そうか、君もそう言ってくれたのならば…彼女に頼んで正解だったよ」



一方レミ達は、通信で仲間達から健闘を受けた後、時間を置いてから帰る様に言われた事もあり…少し静かな訓練施設に二人で留まっていた、レミはエクレールの中で…呆然と脱力した様にコックピット内の天井を見上げていた


エクレール

『…レミ?』


レミ

「…なに?」


エクレール

『…その…なんだ、とりあえずお疲れ』


レミ

「…ありがとう、エクレールもお疲れ様、…でもそれだけじゃ…ないんでしょ?」


エクレール

『まぁ…な、…多分…だけど、決闘を無事に終えられて…思い出してんじゃねぇかって思ってさ?…ここであった…あの戦いを…』


レミ

「……やっぱり…分かっちゃう?」


エクレール

『何を隠そう、オレもそうだからさ、なんせ出撃前に言葉が聞こえる位だからよ』


レミ

「…そっか、エクレールも…」


エクレール

『「も」って事は…やっぱりレミもか、…オレからしたら、半年経った今も実感が湧かない、人で言うなら意識を失って…気付けば…居なかったからさ…』


レミ

「…うん」


エクレール

『でも…それを直接見ていたレミは、オレ達の何倍も辛かっただろ?…レミはちゃんと役目を果たしたんだ、今日位は多目に見るさ、オレも…ヒュウとアライブもさ』


レミ

「……うん…ありがとう…」


ロヴェルからの願いによって生じた重責を無事にやり遂げ…頭部を一部欠損したエクレールは空を見上げ…中でも同じ様に天井を見上げるレミ…その頬には一筋の涙がつたっていた…







作品に関しての感想、質問があれば可能な限りお返事します。


次回も楽しみにして頂けると幸いです

ここまでお読み頂きありがとうございました!

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