第五十九話【修行の後の最高の休暇…】
まずは閲覧ありがとうございます!
このお話は初心者による物語です、プロフィールに書いた通りのまるで台本の様な小説とは程遠い拙い文章、少ない表現力、明らかな描写不足、当然の様な誤字脱字など正直問題だらけです、それでも読んで頂けるのならば幸いです。
一部の「」『』の説明
「」は主に人間のセリフ
『』は人間以外や大体の主観の人以外の電話や通信越しなどによる人間の音声のセリフのイメージとなっております。
【この話での未知の生命体ドラーベ内の用語集】
【アハッド】
異星の者達から伝えられた技術によって、対ドラーベを想定して造られた人型兵器、大きさはおよそ8m程
【アフィア】
地球に存在する反異種族連合軍の通称
主に多くの地球人が集まった者達で結成されたそれは、ここ数十年で規模を広げ今ではフォースデルタに次いで地球を二分に分ける程力を持った組織、度々フォースデルタと衝突を起こすも、あくまで自分達は地球の為に行っていると正当化している、異星から来た彼らの技術を盗み、アハッドまで造り出していた(但し、違いは殆ど無い)
【カッド】
アハッドと同様に異星から伝えられた技術によって造られた戦艦、アハッドを格納な上にある程度の戦闘も可能、海上、空中、宇宙への航行も可能としている
【サフィア】
反異種族連合軍…アフィアの中の特殊部隊の通称
アフィアのロヴェルが統率している組織
【フォースデルタ】
地球連合軍の通称
異星との交流によりアハッドなどを得た地球で、対ドラーベを想定され発足された国を越えた人々が集う軍
【プレデシャン】
ミレイ達の乗るカッド…戦艦の名前
【ドラーベ】
地球や異星などに突然現れた未知の生命体、意思疎通が出来ず、人間を襲うものの明確な目的などが分かっていない為、侵略者として扱われる事が多い
現在軍に三種類確認されているドラーベだが、共通しているのは頭部が伝説上のドラゴンの様な形をしている事のみで、身体はそれぞれ違いがある
【オールドドラーベ】
ドラゴンの様な頭部を起点に、上半身は竜人を思わせる身体、下半身は蛇の様にやや長い身体、全体的に靭やかで身体の灰色部分は硬い、赤黒い部分は比較的硬くないが、それでも銃弾や刃物を通さないほどの硬さはある、人で言う肩の辺りからは、形状を鎌や触手の様に変化させる特殊な腕の様な物がある、大きさはおよそ1m超え
上記の通り足は無く、浮いてはいるがスピードは余り速くない(小学高学年位なら逃げ切れる)
【パワードラーベ】
同じくドラゴンの様な頭部を起点に怪獣の様な大きな身体、かなり筋肉質でやや猫背、手足がありしっかり二足で立っている
大きさは高さおよそ8〜12m程
手先はさながら大きな鉤爪になっていて、こちらは腕を変化させない
こちらは巨体ではあるが上記のオールドタイプとスピードは余り変わらない(歩幅でカバー)
しかしその分腕を活かした強烈な叩きつけや切り裂きは恐ろしい威力を誇り、戦車なども簡単に破壊するパワーの持ち主
溜めるのに時間はかかるが熱線を吐く事が出来る
【飛行ドラーベ】
形状は他に比べてドラゴンっぽさが強い、というのもその姿は伝説などに出てくるワイバーンに近いものとなっている
まずドラゴンの様な頭部を起点にやや細身の引き締まった身体、そこに人で言う本来腕が生えてる位置から長く発達した腕の様な翼が生えているのが特徴
翼の爪で切り裂いたり、特殊な雄叫びによる音波の攻撃をしてくる
大きさは翼を広げると全長およそ8〜10mほど高さはおよそ3〜5m
飛行する為上記二種よりスピードは速く通常は速めの自動車を追い越す程、速い時は新幹線を超える速度を出せるらしいが、制御出来ないのかぶつかる光景も目にされた事も
ロヴェルとの決戦に向けたレミの修行の為北極圏へと向かったレミ達一行、受け取った情報を頼りにドラーベ達の討伐を行う事に
その際にヒュウもレダルとの戦いに向けて修行をする為に一度別れ、それぞれ数日掛けてドラーベ達を討伐して合流した
ヒュウ達は戻って来た後にミレイ達からエヴァルドラーベの変化について尋ねられて不安な気持ちが湧いてきたが、アライブに諭された事で自分達にとっての普通として受け入れる事が出来た
そして北極圏でのドラーベの討伐を終えたミレイ達は次の場所への指示を受け取り、日本の南に位置するとある島へと向かっていったのだった
【ワグアリゾート】
およそ数百年前に日本より南に位置する海底火山の噴火により出来た島、その場所を観光地に仕立て上げた島の名前
島では整備された白い砂浜や透明度が高く青い海のあるビーチが特に人気であり、その人気は年中観光客が絶えることのないほど、他にも世界有数の巨大ショッピングモールもあり、観光客は勿論、島の住人にも日々活用されている
自然も多く、島のあちこちには緑も多い、そしてそんな豊かな自然の中でも一際目を引くのが、島の端にある大きな火山だ、活火山では無い為、観光よりも頂上まで登る登山スポットとしての人気が高い
ヒュウ達がプレデシャンに合流した翌朝、サフィアから指定された目的地であるワグアリゾートに辿り着いたヒュウ達、場所の名前は聞いていたが、そこで何をするかまではまだ聞かされていなかった、改めてミレイ、ポートに聞かされたサフィアからの指示…そして目的とは…
ポート
「ここで数日の…休暇だ」
エクレール
『…へ?』
ポート
「休暇だ」
エクレール
『いや別にもう一回聞いたわけじゃねぇよ!なんで休暇!?まだあちこちにドラーベがいるんじゃねぇのか!?』
ミレイ
「…そうなんだけど、レミ達が北極圏で修行していた間も日々状況は変わっているの、前回聞いたところには別の部隊も活動しているし、何もドラーベを倒そうとしているのは私達だけじゃないのよ?」
レミ
「それはそうだけど…でも急すぎない?」
ミレイ
「そりゃあ私達も場所だけ先に言われて、次の目的の連絡を受けたのはさっきだもの」
レミ
「…そうなの?」
クルー1
「はい…先程ロヴェルさんの指示を受けたシャイラさんから連絡が来て、するべき事はワグアリゾートでの休暇だって伝えてきたんです、…元々不定期な襲来ですが…付近のドラーベの襲来は沈静化してるんだとか、それでまたすぐに襲来したら出撃してもらう可能性もあるから、休める時は休んだ方がいいって、場所もとある場所…さながらプライベートビーチのような場所があるとの事だそうです」
クルーの言葉にエクレールの目がキラリと光る
エクレール
『…プライベートビーチ!?それじゃあ!』
ミレイ
「フフ、やっぱり食いついたわね、プライベートビーチ内ならスペアボディでの外出も問題ないかもしれないわ、ショッピングモールのある中心部とかは駄目だけどね」
エクレール
『留守番より全然マシだぜ!休暇サイコー!!』
「良かったね、エクレール」
エクレール
『ああっ!』
レミ
「あ…って事は、アライブもそこでなら自由に過ごせる…?」
レミの言葉に、ヒュウの頭に顎を乗せてるアライブが顔を傾げる
『ム?アタマニノッテイイノカ?』
メック
「今も乗ってるよね!?本当にアライブはヒュウくんの頭が好きだね〜」
エクレール
『あー…なんかそれ…変化の仕方を知ってると誤解生みそうだな…』
ヒュウ達は前日にエヴァルドラーベの変化をミレイ達に撮影された、ヒュウ達が部屋に戻った後に、そのデータはプレデシャン内のクルー達にも共有された事を今朝伝えられた
「は…はは…、…あれ?そう言われてみると、別に頭から喰われないでも良いのかな、手とか…足からとか」
レミ
「確かに、出来るのかちょっと気になるかも、結果は同じとしても…やっぱりいきなり頭から食べられてるのを見るのは怖いし」
アライブはジト目になり
『ムリ』
ミレイ
「即答なのね?何か理由があるのかしら?」
『…ゲンミツニイエバ、フカノウトマデハイカナイダロウガ…メンドクサイ、ウエカラクラウノト、シタカラクラウノデハ、ロウリョクガチガウ、ニンゲンモ、ノボルヨリハクダルホウガラクダロウ?』
エクレール
『んー…そっか、ヒュウが立ってると仮定して…例えば足からだとドロドロのアライブがヒュウの頭まで這い上がんなきゃいけねぇのか』
ヒュウはエクレールに言われた事を想像してみた、どっちにしても苦痛のタイミングが違うくらい…と思ったが、下手すると、ドロドロのアライブがジワジワと這い上がりながら自身を喰らっていく様子を見る事に…?という想像をしてしまう
「あぁ…うん、だったら上からの方がいいかも…」
『(…ドロドロデモタシカニヒュウヲクラッテハイルノダガ…、ワレガアタマカラクラウノハ…ドロドロニナルマエニヒュウヲノミコムカンカクヲアジワイタイカラ、…トイウノハダマッテオクカ』
『…ヒュウガシタイメージモオモシロソウダガ…ドロドロダトワレガミエナイノガナンテンカ、イチオウジョジョ二オビエルヒュウノキモチガツタワルトカンガエルト…ソレハソレデ…)』
頭上で良からぬ事を考えて不気味に笑みを浮かべるアライブから、『ククク…』と声が漏れ出てるのがヒュウに聞こえてくる、顔は見えていないものの、その声のトーンから不思議と良い事を考えてない気がした
「…えっと…アライブ…なんで笑ってるの…」
『ククク…ベツニ』
エクレール
『あー…ぜってぇ良くねぇ事考えてる顔だな…』
ポート
「…脱線しすぎだ、話を戻すが…一応アライブだけでなくエクレールにも言える事だが、ビーチの状況次第では難しいという可能性も考えておくべきだろうな」
エクレール
『えぇ〜っ!?』
メック
「ワグアリゾート自体は人気のリゾートらしいから、仕方ないっちゃ仕方ないかな〜」
ポート
「…とにかく、今回の目的は休暇だ、各々ビーチに必要な物があるのなら、先に買い物を済ませてくるといい」
「休暇に必要な物…?」
ポート
「特にヒュウは、最低限な物しか持ち出していないから、持って無いだろう」
ヒュウやレミ達が何かあったかどうか考えると…
メック
「…あっ!水着か!」
「水着?…そう言われてみれば…確かに持ってないや…」
ミレイ
「それだったら、ヒュウと何人かで一緒に買ってくるといいわ」
ミレイの言葉に率先してメックが挙手し
メック
「はい!私いきまーす!レミも一緒に見に行こっ!?」
レミ
「って私も!?ん〜…分かった、一緒に行くわ」
ミレイ
「それじゃあ、私達は先にビーチで待ってるから、気を付けて行ってきてね」
こうして、ヒュウ・レミ・メック・アライブ(リュック)は、ワグアリゾートの巨大ショッピングモールへと向かった
ショッピングモールに着くと、まずは水着を買う為、同じ店の中でヒュウ・アライブ組とレミ・メック組でそれぞれ別れた、水着を買うのは初めてのヒュウは、特にこだわりが無い為すぐに決まった、その後は二人が買う物を決めるまでアライブを退屈にさせないように店の中の休憩スペースで待つ事に
一方のレミ、メックは互いに勧めあったり、何着か試着を繰り返している、夢中になって楽しんでいるとあっという間に一時間が過ぎた、結局退屈にさせてしまったアライブを心で宥めていると、レミ達が合流して購入した
他にもクルーに頼まれた備品やお土産を買う為、雑貨店などにも行った、そこではメックの提案によって、アライブが動けないのをいい事に、レミやメックがサングラスやリボンなど色々付けて遊…、オシャレをさせてみていた(レミ・メックは、ヒュウがアライブと思考で話が出来る事を知らない、一応内心で怒られる可能性を警戒する為、ヒュウは参加せずにひっそりとアライブを宥める事に)
結果としてアライブが気に入る物は無く(ヒュウがアライブの感想を受け取り、あくまでなんとなくというニュアンスで伝えてる)買う事はなかったが、メックは楽しんだようで満足気だった、レミはレミでメックがアライブに何かを付ける度にこっそり撮影していた(先に店員さんに許諾済み+サングラスのみ個人的に購入した)
その様子を見たヒュウが不思議に思って声を掛けるも、レミは慌てた様子で友達の為と言い放った
そして一通り買い物を終えたレミ達は、ロヴェル指定の場所へと向かっていった
先に到着しているはずのミレイ達から送られてきた地図付きの写真の目的地付近に着いて辺りを見渡すが、そこには崖しか見当たらない、先に来ているはずのみんなの姿も無く、どうしようか悩んでいると…
…ヌゥッ!
「うわぁっ!?」
エクレール
『…よぉっ!遅かったなっ!』
突然、崖下からエクレールの本体ボディが上がってきた
レミ
「ちょ…!?なんでここに…しかもそっちのボディなの!?見つかったら大変でしょ!?」
エクレール
『まぁまぁ…四の五の言わずに手に乗れって、運ぶからさ』
レミ達は言葉の意図が分からなかったが、とりあえず言われるままにエクレールの手に乗った、すると崖下へとゆっくり降りていく、少し経つとエクレールが着地し、地面へと手を下ろした、レミ達は手から降りると目の前の光景に驚いた
白い砂浜に透き通った海、思い描いた以上のビーチが広がっていた、しかし人の姿は人気リゾートにしては少ない、近づいてよく確認してみると…ここに居る人は全て見知ったクルー達だった、砂浜近くの木々の側にはビーチ用のベンチで寛ぐミレイの姿があった、レミ達に気付くと手を振ってきた為、レミ達はミレイの近くへと向かい事情を聞く事に
レミ
「お母さん、ここって一体?…それにエクレールはなんで本体ボディなの?見つかっちゃマズイんじゃ…」
ミレイ
「ここがロヴェルが指定した場所よ、ただ…先に着いてから分かったんだけど、あなた達や旅行者が通る陸路だと崖にしか辿り着けない位置だったの、崖もねずみ返しの様な構造だし…地図上でも分からないけどね、だから崖まであなた達が来たらエクレールに降ろして貰うように崖下で待機してもらってたの」
エクレール
『そういう事!』
エクレールがトコトコと、今度はスペアボディでやって来た
ミレイ
「地図では火山のほぼ真横に位置するこの場所、陸地では崖が、海上では海流の関係上、普通の船やボートでは来られない場所みたい、だからエクレールを崖下に待機させる事も出来たって事なの」
メック
「そっか!それで他の観光客とかが居ないんだ!これなら安心だね!」
『……』
「…?アライブ、なんかウズウズしてる…?」
ミレイ
「フフッ、エクレールが大丈夫なのよ、アライブもここでなら自由にしていいのよ」
『……!』
アライブはすかさずリュックから飛び出し、ヒュウの頭に顎を乗せた
『…ハァ…ヤットジユウカ…』
エクレール
『せっかく自由だってのに、結局そこなのかよ…』
「はは…変わらないね」
ミレイ
「フフッ、そうね、プレデシャンも近くに停まってるから、レミ達も着替えてらっしゃい」
メック
「はーいっ!!」
そしてレミ達は、プレデシャンに移動して、ショッピングモールで買ってきた水着に着替え、出てきて各々ビーチを楽しむ事に
その着替えの際に、改めてヒュウは自身のスカーフを取ろうとしたが…相変わらず取る事は出来ず、アライブのスカーフも一度外そうとしたが、本人に断られてそのまま海へと向かって行った
ヒュウは波打ち際に座り、まずはアライブに海を慣れさせようとする事に、レミ・メック・ポート・エクレールはビーチバレーを楽しんでいた、ミレイは木陰のベンチで寛ぎ、クルー達も各々楽しんでいる
『コレモツカレバイイノカ?』
「はは…入るのは合ってるんだけど、その言い方じゃあお風呂みたいになっちゃうかな、とりあえず頭から降りて入ってみない?」
『厶…シカタアルマイ…』
アライブは渋々頭から降り、下部から海に入り、少し潜れる海面から顔を出していた
「どう?」
『…アタタカクハナイ、フロヨリハツメタイカ?』
「ひんやりして気持ちいいとかはない?」
『イワレテミレバ、アタタカサトハチガウココチヨサダナ』
「良かった、そう感じるのならアライブもリラックス出来るかな、…そうだ、アライブって泳げるの?」
『カンガエタコトモナイナ、ソレハドウヤルンダ?』
「どうやるってそりゃ…、…あ…そういえば、俺も泳ぎ方は分からないや…」
ヒュウがどうしようか悩んでいると、レミやメックがヒュウ達もビーチバレーに誘おうと寄ってきた
メック
「ヒュウくーんっ!何してんのー!良かったら一緒に…って、おおっ!アライブも海入ったんだね!」
『ウム、ツメタクテココチヨイ』
レミ
「(顔だけ出してる…かわいい…)」
レミ
「……それで何してるの?何か考えていたみたいだけど」
「えっと、アライブにも楽しんでもらえたらなって思ったからこの海に慣れてもらおうかなって、まずは入ってもらったんです…それでアライブって泳げるのかが気になって、試してもらおうとしたんですけど…」
レミ
「…アライブが…泳ぐ?(見たい)何か問題があったの?」
「…アライブにどう泳ぐかを聞かれたんです、それでその…俺自身泳ぎ方を知らなくて、教える事が出来ないんです」
レミ
「…えっ?ヒュウって泳ぎ方知らないの?」
「…はい、それによくよく思い返すと、海にこうして入ったのも今日が初めてなんです」
メック
「そうなの?港のある町に住んでたから、そういう事は経験済みで、泳ぐのも得意かと思ってたよ」
「…確かに住んではいたんですけど…あんまり港とか海に行く機会はなかったですから…、そうだ、必要かは分からないけど、もし二人さえ良ければアライブに泳ぎ方を教えてあげてくれませんか?」
メック
「アライブにって…ヒュウくんはいいの?」
「俺は海に入れただけで楽しいし、結構満足もしちゃってて、後はアライブやみんなが楽しんでくれたらなって」
普通に聞けば優しいようにも聞こえるが、レミは違和を感じて直球に質問した
レミ
「…本当は泳ぐのが怖いんじゃ?」
レミのど直球の意見にヒュウは苦笑いし
「それは…確かにあるかも…しれません」
メック
「ん〜…それじゃあ、レミはアライブに泳ぎ方を教えてあげて!ヒュウくんには私が教えるからさ」
レミ
「えっ!本当!?…じゃなくて、…いいの?私で」
メック
「クスクス…うん、いいよ、二人が良ければだけどね」
『ヒュウガムリナラシカタアルマイ、ワレハドチラカラオソワッテモカマワン』
レミ
「う…うん…分かった、…じゃあ私が教えるわ」
『アァ、ヨロシクタノム』
「俺はアライブやみんなが楽しんでくれたらいいので…教えなくても…」
メック
「まぁまぁ、泳ぎ方を知ってるのと知らないのじゃ全然海の楽しみ方も変わるからさ、それにせっかく綺麗な海なんだから、泳いだり潜ったりしなきゃ勿体無いって!」
「…分かりました、そんなに言ってくれるなら…じゃあ…お願いします」
こうして、ヒュウはメックに、アライブはレミからそれぞれ泳ぎ方を教わる事になった
ヒュウはメックから水中ゴーグルを受け取って付け、まず息を止めて潜る事から始め、身体を慣らしていく、次にメックに手を持ってもらい、顔を上げた状態でバタ足を教わる
そしてメックの泳ぎ方を見て腕の動かし方、息継ぎのタイミングを教わっていく、初めこそ分からない事だらけで困っていたヒュウだったが、整備の時にも体感したメックの教え方や、ヒュウの素直さにより、メキメキと上達していった
一方のレミは、まずアライブに海に入ったままどう移動するのか見せてもらった、アライブは波に揺られながらもスムーズに縦横無尽に動き、海面から見えるアライブの部分のみに注目すれば、顔のみがスライドするように移動している様に、その動作が可愛らしく思って見惚れる一方で、アライブの移動がスムーズな事もあり、動作として泳ぐ事を教える必要は正直ないとも考えた
…が、一応泳ぐ姿が気になるのでやっぱり教える事にしてみた、アライブには足が無い為、ジェスチャーで何通りか腕で水を掻く仕草を見せてから、先に泳ぎ、やり方を見せる、それを見ていたアライブは触手を鎌に変えてレミの動作を真似した、すると教わった中から、平泳ぎや犬かきの動作が先程の移動よりも速く、腕の振りの速さも相まって中々のスピードで泳ぐ事が出来た
時折潜ったりしながらしばらく泳いでから海面に上がり、アライブもそれに続いて海面に出てくる
レミ
「アライブ、あなた泳ぎを覚えるの早いし、中々上手ね…!」
アライブは波に揺られながら小首を傾げ
『ソウカ?ゾンガイオヨグトイウノハカンタンダナ、キサマノオシエカタモヨカッタノダロウ、カンシャスル』
レミは波に揺られながら感謝を述べるアライブを愛しく思い、必死に撫でたい衝動をなんとか堪える
レミ
「…ッ!…いいのよ、私もあなたの泳ぐ姿が見れて楽しかったからね、ってそうだ!ヒュウとメックは…結構沖に行ってるのね、追い掛けてみましょうか」
『アァ、ユクカ』
「えっと…こんな所までいいんですか?足が付かないと…正直結構不安なんですけど…」
メック
「大丈夫!教えてた私が言うんだもん!先に潜るから、ヒュウくんも追い掛けてきてね!行くよっ!」
「えっ?ちょっとメックさ…!」
メックは深く息を吸い一足先に潜っていった、ヒュウも慌てて覚悟を決め、息を吸い込んで、水中ゴーグルをしているにも関わらず、目を閉じて潜り出した
潜ったヒュウは恐る恐る目を開けると、目の前にはクリアで見通しが良く、見渡す限りの淡く青い海が見えた、そしてそれだけでなく沢山の小魚が泳ぐ美しい光景が広がっていた、先の方ではメックが色鮮やかな魚と並走するように泳いでいた
その光景を見ていると、ふと背中にツン、と何かが触れてくる感触が、ヒュウは小魚かな?と疑問を持ちながら振り返ると
『ゴバァッ!!』
「!?ぐぼぁっ!?」
振り返った先では、アライブが目の前に居て大口を開いた、ヒュウは驚きのあまり一気に空気を吐き出し、慌てて海面へと上がった、アライブもその後を追って海面へと出てきた
「ゲェッホッ!ゴホッ!…あー……びっくりし…ゲホッ!」
『ブジカ?』
「…いや無事かって…アライブ…びっくりさせないでよ…」
『クククッ、ナカナカイイモノガミレタナ』
遅れてメックも海面に上がり、レミも合流した
メック
「プハッ!あ、レミにアライブ!そっちも終わったの?」
レミ
「ええ、教えたら結構サクサク上達したのよ、ヒュウの泳ぎも見えたけど、教わったばかりにしては上手ね」
「…ありがとうございます、メックさんの教え方が上手だったお陰です、潜ってみたら全然違う綺麗な景色が広がっていて…本当に教わって良かったなって」
『オモシロイヒュウモミレタシナ』
「…あのね…危うく溺れる所だったんだけど?…そういえばアライブ、さっき海の中で口開けてたけど、海水入らなかったの?」
『厶…サキホドカラヤケニシオカライノハ、ソノセイカ?』
「絶対海水のせいだね…」
レミ
「そうそう、教えてる時に思ったんだけど…アライブって、呼吸してないの?」
レミの発言にヒュウとアライブは驚いて振り向き
「そ…そんな!?死んでるんですか!?」
『ナンダト!?ワレガカ!?』
レミ
「いやちゃんと生きてるでしょ!…潜ってる時に口とか鼻とかから泡が出てなかったから、そう思ったのよ」
メック
「へぇそうなの!?アライブ、ちょっと潜ってみてよ!」
『厶、ワカッタ』
アライブが先に潜り、ヒュウ・レミ・メックもそれに続いて潜りアライブの観察をしてみた、しばらく見ていると確かに、レミの言う通りアライブの口からも鼻からも泡が出ていなかった
何故かそのまま水中での耐久戦が始まった、数十秒経ち、まずはヒュウが耐え切れず上がってしまう、それから十数秒経ち、レミが耐え切れなくなり海面へと上がった、そしてメックとアライブの一騎打ちになった
更に数十秒経ち先に限界がきたのは……メックだった、メックは急いで海面へと上がり、それを見届けたアライブもゆっくりと上がってきた
メック
「プハァッ!…ハァ…ハァ、アライブ…強すぎだよ〜」
『ソウカ?』
レミ
「…ハァ…、アライブは呼吸を必要としないのね、もしかしていつまでも潜れるの?」
『ワカラン…ガ、オソラクカノウダロウ、シカシタダモグルダケダト、ソノウチアキガクル』
メック
「ずっと潜れるのはいいなー、いちいち上がらなきゃいけないのめんどくさくてさ〜」
レミ
「面倒臭いって…潜って見ていたいって気持ちは分かるけどね…」
メック
「でしょう!?…せっかくだし、もう少し潜って色々見ようよ!」
レミ
「ええ、いいわよ」
「分かりました」
『ウム』
それからヒュウ達はしばらく海へ潜り、ゆっくりときれいな景色を楽しんでから砂浜に戻ると、ミレイ達がバーベキューの準備をしていた、気付けば時刻は昼過ぎ、ヒュウ達は近くにあるシャワールームで身体を洗い流した後、それぞれ着替えて準備を手伝う事にした
バーベキューも無事に終え、再び各々で過ごす事になり、ヒュウとアライブは木陰に座って涼み、レミ・メック・エクレール・クルー達は再びビーチバレーに、ミレイ・ポートはショッピングモールへと夕食の買い出しに行った
「はぁ…海は綺麗だったし、初めてのバーベキューも美味しかったな…」
『オイシイトイエバ、ヒュウモチガウアジワイデ、オモシロカッタゾ』
「…シャワーで流す前に、いきなり頭に喰らい付いた時は何事かと思ったよ…あんな所でエヴァルドラーベに変わる必要なんて無いのに…」
『アノスガタデイタイキモチハアルガ、イマヘンカスルツモリハイチオウナイゾ?ウミガシオカラカッタカラ、ソコニハイッタヒュウニモ、ヘンカガアルトオモッテナ』
「一応って…それに味の変化があってもちっとも嬉しくないけど…」
苦笑いするヒュウ、ふとある事が浮かび
「あっ!もしかしていつも同じ味だと飽きる!?」
『マッタクアキナイナ!!』
「…あぁ…そう…」
『…タダ、サッキミタク、イツモシオカライノハカンベンダガナ』
「…シャワールームで喰らい付いた時も『…ンガ!?…ショッペッ!!』って言ってたね」
『ヤハリ、イツモノアジガイチバンダ』
「いや味で褒められても……そうだ、比較の為に聞きたいんだけど、ドラーベってアライブ的には美味しいの?以前ミレイさんが作ってくれた料理も合わせてくれると分かりやすいかも」
アライブは刃を頬に当てて首を傾げ
『ソウダナ…ヒュウヲヒャクトスルナラ、ニンゲンノリョウリハ…ハンブン…クライカ、ドウホウハヒュウノハンブンノハンブンクライダナ』
「なんかやけに俺の味が過大評価な気が…」
『ソンナコトハナイ!ワレガヒュウノアジヲホショウスル!モットジブンノウマサヲホコレ!』
「えぇ……じゃあ…俺とドラーベは…どんな味?」
『厶…ニンゲンノタトエデコトバニスルノハムズカシイナ…ヒュウハトニカクウマイ、ユルサレルナラ、ツネニクライタイホドダ』
「うん…常には流石に駄目かな」
『…ケチ』
「そんな事したら常にプレデシャンで留守番とかになっちゃうよ…それでドラーベはどんな味?」
『厶…ドウホウハダナ…ダイタイスグニノミコンデシマッテ、ニクソノモノノアジハ、アマリキニシテナイ』
「言われてみれば…蛇みたいに咀嚼してる感じはないね、それにしては味の評価低くない?」
アライブは目を細め
『…モンダイハタイエキダ、アレガアマリウマクナイ…ナントイエバイイモノカ…ヒュウノコトバヲカリルナラ、オソラク、ニンゲンノチノヨウナアジ…トイッタトコロカ』
「…うっ…それは確かに嫌かも…エクレールみたいに焼き切る訳じゃないから、俺達の場合…いつも切り裂いてるから体液まみれになっちゃうもんね、…可能なら洗ってあげた方がいいのかな…」
『イチイチアラウクライナラ、サッサトクラッタホウガコウリツガイイ、ソレニヤツガタオシタドウホウモイイワケデハナイ、ヤタラコゲクサカッタシナ』
「あ…そうなんだ…それならせめて俺達が倒したドラーベくらいは少しでも美味しくした方が…どう味付けしていいか分からないけど…」
『ソンナテマカケルクライナラ、ヒュウヲクラワセテクレレバソレデヨイ』
その言葉にヒュウは危機を感じ
「…やっぱりどうにか美味しくしなきゃ…!」
『…ダメカ?』
「……そんな悲しそうにしないで…!ねっ!」
『……ダメナノカ?』
「…機会があったら頑張って美味しくするから、ねっ!」
『………ソウカ……シカタ…ナイナ…』
アライブはヒュウに背を向け酷く落ち込む、そんな様子に変化以外では喰われたくはない気持ちと、落ち込ませて申し訳無い気持ちがせめぎ合い、ヒュウは頭をガシガシと掻き乱し、気持ちを整理して落ち着け
「……分かった…!…分かったよ!…ちゃんと約束守るなら喰らってもいいから!」
アライブはその言葉を聞き身体をビクッ!とさせると、振り向いてグイッとヒュウの顔の近くに寄る
『ホントカ!?』
「…本当だよ、…そこまで落ち込まれちゃうと申し訳なくなるし…それに一応、アライブがドラーベを喰らうのは、間接的にだけど俺の為にもなってるから…それの協力だって思えば…なんとか」
『ソレデ、ヤクソクトハ?』
「えっと、喰らう際の前提として、戦いとか緊急の用事じゃない限りは変化はしないって事にしてもらって、修行の時の事を考えると…何回も喰われるのは大変だから、戦ってるドラーベの群れをアライブが喰らいきったら、一回喰らい付いてOK…て事で」
『厶…ドウホウヲクラッタカズダケ、ヒュウヲクラッテハイケナイノカ?』
「そんな事したら身体が保たないって…」
『…マァイイ、イママデハヘンカノトキシカドウドウトクラエナカッタカラナ、キカイガフエルダケアリガタイ』
「…さっきシャワールームで喰らったのは?」
『アレハアジミダ』
「どう違うの?」
『サァ?』
「さぁ?じゃなくてさ…」
『……?……!』
突然アライブが何かを感じて瞳をギョロッとさせると、火山の方向へ振り向く
「…アライブ?」
『…ヤツダ』
「ヤツ?…ヤツって…誰?…っ!ま…まさか…!?」
???
「(アライブ、ヒュウ、…聞こえますか?)」
ヒュウが想像してしまった存在の名前を浮かべた瞬間、重苦しい声が聞こえてバッと立ち上がり周囲を見渡す、それと共にヒュウの周囲の空気がグッと重くなる感覚に包まれる
「う…この声は…やっぱりレダ…!」
レダル
「(おっと…落ち着いてくださいね、もし悟られたら、そこは危険!…になってしまいますから…まだ座っていてください)」
「ぐっ…!……?うわっ!?」
ヒュウは再びゆっくりと座ろうとすると、近くにビーチバレーのボールが飛んでくる、遠くではエクレールが『わりーわりー!』という声が聞こえ、ボールを拾おうとレミが駆け寄ってきた
レミ
「ゴメンゴメン!大丈夫だった!?」
「あっ…はい、当たってはないので…はいコレ」
ヒュウはボールを拾い、レミに渡した
レミ
「ありがと、ヒュウとアライブも参加する?」
「えっと…」
レダル
「(…仲間ですね?…ですが私もあなた達に用事があるのです、おりこうなヒュウならどちらを優先するか…決まっていますよね?)」
アライブはレミから顔を背けてしかめる
『(…ヒレツナ)』
「……誘ってくれて…嬉しいです、でも今日は初めて泳いでみて…思った以上に疲れちゃったので…先にプレデシャンに戻りますね」
レミ
「………そう?じゃあゆっくり休んで疲れを取ってね」
「はい、また後で」
ヒュウはプレデシャンへと歩いて向かい、アライブもふよふよと後に続いた、レミはヒュウ達の後ろ姿を見届けた後、ビーチバレーへと戻った
プレデシャンの後部の甲板へと移動したヒュウ達、周りに人がいない事を確認していると
レダル
「(いやー仲間よりも優先して頂けて、私すごく嬉しいです)」
『ダマレ…!』
レダル
「(いいえ黙りません…と言うより、あなた方の脳に直接訴え掛けているので、厳密には喋ってはいないんですよ?それに私が訴え掛けている今の状態なら、あなた達もわざわざ口に出さなくても私に意識を向ければ伝わります、それならばあなた達も他の方に聞かれず話が出来ますよ)」
「(…それは…どうも、…用事って…なんですか?)」
レダル
「(決まってるじゃないですか…以前地下で倒れたあなたに私が言った事…確かに刻み込んだはずですよ?…忘れたとは言いませんよね?)」
「(…また会う事があれば、戦いましょうっていう…)」
レダル
「(そう…それですよ!私、今さっきここに辿り着いたんですが…アライブ…あなたが強くなっているのを、この身にしっかりと感じるんですよ)」
「(だからって!…正直、戦えるレベルになったとかそんな実感はないです…流石に…早すぎる)」
レダル
「(あなたに言ってませんよ…!私は…アライブに言ってるんです)」
「(…っ!)」
『(……ソレデ、ワレラトタタカウト)』
レダル
「(はい、これだけ早い再会になるとは思いませんでしたが…これも何かの縁です、私はこの島の火山の火口の中に居ます、アライブ、是非ヒュウを連れていらしてください…それでは後ほど…!)」
重苦しい声が消えた事で空気が一変し、元の空気感に戻った
「…まさか…もう戦う事になるなんて…」
『……ヒュウ…オマエハ…ドウシタイ?』
「…えっ?どうしたい…って…」
『…サキホドヒュウハ、タタカエルレベルデハナイトイッタ、ナラバハジメカラ、ナカマトトモニタタカウセンタクモカノウダ、ソウダロウ?』
「…そう…かな、でもそれを許してくれるような相手じゃない…よね…」
『ヤツハワレトタタカイタガッテイル、ソノカノウセイモ、モチロンアルナ』
「…そうだよね」
ヒュウは悩む様に俯きながら、思いを吐露する
「…アライブ、俺は…怖いんだ…アライブも…みんなも…失いたくない…、前回は見逃してくれたけど、この誘いを断ったらみんなが危ないし…受けたとしても…次負けたら今度こそ…殺されてしまうんじゃないかって思ったら…」
『…ヨワキスギル…トイイタイトコロダガ、ワレモ…ヒュウヲウシナイタクハナイ…』
ヒュウはゆっくりと顔を上げ
「…アライブはどう思ってるの?純粋に…勝てると思う?」
アライブは考えながら目を細め
『ワレトヤツナラ、ムリ…ダロウ』
「…そっ…か、それほどにレダルさんは…」
『…ダガヤツハワスレテイル、イヤ、アナドッテイル』
「…え?」
スッと刃をヒュウへと向ける
『ヒュウ、オマエヲダ』
「…お…れ?」
『イッタハズダ、ワレトヤツナラ、トナ、タタカウノハ、ワレラ…ダロウ?』
「そ…それはそうだけど、それって何か違いがあるの?ワレトヤツナラって、別にアライブが変化せず戦うわけじゃないよね?」
『モチロン、エヴァルドラーベニナルガ』
「……俺主体にするって事?アライブで無理だったら、
俺なんてもっと勝てないよ」
『ソコハ…、マァ…タタカイノナカデタメストシヨウ、トニカク、ワレラナラバ、ムリカラ、フリクライマデハイケルダロウ』
「…ぷっ!はは…!アライブ…!無理から不利って…劣勢なのは変わってないよ」
『ククッ、ジッサイノトコロ、タタカッテミナイコトニハワカラヌ、タダイゼンヨリハカクジツニマシニハナッテルダロウ、ソウデナケレバ、ヤツモワザワザサイセンヲノゾマヌダロウ』
「…確かに、以前と変わらないなら結果は目に見えている…あんなにアライブが強くなっているのを嬉しそうにしてたから…よっぽどなのかな?…そう思ったらちょっと気持ちが前向きになったかも」
『ソレハナニヨリダ、サテ…デハムカウカ?』
「…うん…行こう、この島にあるという…火山の火口へ」
ヒュウ達はエヴァルドラーベに変化し、レダルの待つ火山へと向かっていった
…その様子を陰から見ていた者がいた事を、ヒュウ達は後に知る事になる…
作品に関しての感想、質問があれば可能な限りお返事します。
次回も楽しみにして頂けると幸いです
ここまでお読み頂きありがとうございました!




