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第五十三話【必然の疑惑、かけがえのない{君・オマエ}へ】

まずは閲覧ありがとうございます!


このお話は初心者による物語です、プロフィールに書いた通りのまるで台本の様な小説とは程遠い拙い文章、少ない表現力、明らかな描写不足、当然の様な誤字脱字など正直問題だらけです、それでも読んで頂けるのならば幸いです。


一部の「」『』の説明


「」は主に人間のセリフ


『』は人間以外や大体の主観の人以外の電話や通信越しなどによる人間の音声のセリフのイメージとなっております。


【この話での未知の生命体ドラーベ内の用語集】


【アハッド】


異星の者達から伝えられた技術によって、対ドラーベを想定して造られた人型兵器、大きさはおよそ8m程


【アフィア】


地球に存在する反異種族連合軍の通称


主に多くの地球人が集まった者達で結成されたそれは、ここ数十年で規模を広げ今ではフォースデルタに次いで地球を二分に分ける程力を持った組織、度々フォースデルタと衝突を起こすも、あくまで自分達は地球の為に行っていると正当化している、異星から来た彼らの技術を盗み、アハッドまで造り出していた(但し、違いは殆ど無い)




【カッド】


アハッドと同様に異星から伝えられた技術によって造られた戦艦、アハッドを格納な上にある程度の戦闘も可能、海上、空中、宇宙への航行も可能としている


【サフィア】


反異種族連合軍…アフィアの中の特殊部隊の通称


アフィアのロヴェルが統率している組織


【フォースデルタ】


地球連合軍の通称


異星との交流によりアハッドなどを得た地球で、対ドラーベを想定され発足された国を越えた人々が集う軍




【プレデシャン】


ミレイ達の乗るカッド…戦艦の名前


【緊急襲来警報】


ドラーベが襲来するようになってから作られた警報で、国によって決められた独自のシェルターに避難するように求められる世界共通の警報


【ドラーベ】


地球や異星などに突然現れた未知の生命体、意思疎通が出来ず、人間を襲うものの明確な目的などが分かっていない為、侵略者として扱われる事が多い


現在軍に三種類確認されているドラーベだが、共通しているのは頭部が伝説上のドラゴンの様な形をしている事のみで、身体はそれぞれ違いがある


【オールドドラーベ】


ドラゴンの様な頭部を起点に、上半身は竜人を思わせる身体、下半身は蛇の様にやや長い身体、全体的に靭やかで身体の灰色部分は硬い、赤黒い部分は比較的硬くないが、それでも銃弾や刃物を通さないほどの硬さはある、人で言う肩の辺りからは、形状を鎌や触手の様に変化させる特殊な腕の様な物がある、大きさはおよそ1m超え


上記の通り足は無く、浮いてはいるがスピードは余り速くない(小学高学年位なら逃げ切れる)



サフィアによる未確認の敵を誘き寄せる作戦が行われ、狙い通りに敵は…寧ろ受けて立つといわんばかりに現れた


それは黒コートの男…レダル、つい先日ヒュウが敗れた相手だった


サフィアの軍人達やレミ達が戦うつもりだった中、レダルは一対一の決闘を望むという不思議な行動を取った


その決闘にレミが出ようとするも、シャイラから告げられたロヴェルの命令により、その場はフェイスという人物に託す事になった


こうしてフェイスとレダルによる戦いが始まる、序盤はレダルが主導権を譲り相手の攻撃を受け続けるも、あまり効果的ではなかった、しかし徐々にダメージを与えると、レダルも攻撃へと転じていく


素早い攻撃が繰り出されるも、フェイスの巧みな剣術にいなされ、時折迎撃されていくと、レダルがヒュウに見せた…本当の姿を表した


更に強さを引き出した事で、形勢が変わり…今度はフェイスが追い詰められていく


止めを刺されかけたその時…フェイスが隠し持っていた切り札のグラビティキャノンによって、窮地を脱して逆にレダルに止めを刺しかけた時…レダルも攻撃に使ってなかった尻尾を使って形勢を逆転させ、そのままフェイスのアハッドを貫こうとした


…その時、突如として緊急襲来警報が発令された事により、レダルのやる気が削がれて決着は着かなかった


レダルはその場を去る前に、上空のプレデシャンにいるヒュウ達の思考に語り掛け、以前ヒュウ達へ届けられたレダル自身の腕、それを喰らう事を忠告しつつ、あまりに従わなければ…プレデシャンを破壊するとも捉えられる様な発言を残し、レダルはその場を去っていった


そして、残されたサフィアやレミ達はドラーベ達の襲来に対応した後、基地本部へと帰投したのだった…






襲来してきたドラーベ達を退け帰投したミレイ達一行、整備班を除いたクルーは艦内のブリッジに居た、先程の戦闘で現れた未確認の敵…レダル、彼そのものは初めて確認したが、彼の本当の姿…ドラーベとしての姿には少し既視感があった


要所要所に違う所はあれど、アライブがヒュウを喰らう事で変化する…エヴァルドラーベに似ているという思いをクルー達が抱いた、それによって当然、エヴァルドラーベへと変化するヒュウ達に疑問をぶつける事になったのだが…


クルー1

「あのレダルって化け物!どうなってるんですか!?ドラーベとしての姿は二人に…まるでエヴァルドラーベみたいだった!どうしてあんなに似てるんですか!」


開口一番、恐怖と共に意見を述べたのはクルーの一人、みんなが口にしようとした事を躊躇う中、率先して意見をヒュウ達にぶつけた、当のヒュウは少し俯いて塞ぎ込み、アライブはヒュウの横で浮かび、苛立った表情で少しそっぽを向いている


ミレイ

「落ち着いて、この中で一番混乱してるのは…おそらくヒュウとアライブなのよ?」


クルー1

「確かにそうかもしれませんが、…はっ!もしかしたらアライブの仲間なんじゃ…だからヒュウさんを喰らって似た姿に…いや、そもそもヒュウさんもレダルの仲間なんじゃ…それで僕達を陥れようと!?」


「ち…ちが…!」


『ヤツトワレラヲイッショニスルナ!!』


ヒュウを問い詰めるクルーにアライブが割って入り、大口を開け怒鳴り散らした、その迫力によって畳み掛けるように喋っていたクルーも黙り込んでしまう


「ご…ごめんなさい!…アライブ、落ち着いて…」


『…グルゥゥゥ…!』


ヒュウは唸り声をあげるアライブを軽く引っ張り、身体を撫でてなんとか宥める


レミ

「…気持ちは分からなくもないけどね、…ただそれだと私もグルって事になるんじゃない?」


クルー1

「…ど…どうしてですか!?」


レミ

「だって命令とはいえ、元々ヒュウを助けてプレデシャンへと連れてきたのは私よ?」


クルー1

「…それは…知らなかったから仕方ないんじゃ…」


レミ

「私は確かに知らない…でも、あのセンサーを付けたフォースデルタは…知っていたかもしれないでしょ?」


クルー1

「…っ」


ミレイ

「…連れてきてからこれまでの経緯を知ってる身としては、ヒュウ達がレダルの仲間というのは違う気がするわ、ヒュウとアライブの行動には不確定の要素が多すぎる、海上基地でのリジーの事も考えると…ね」


ミレイ

「(…ただ、レダルのドラーベとしての姿はともかく、人としての姿…おそらく素となる者がいると思うのだけど…、ヒュウ達と違って一人で完結している事が気になる…、それに…あの名前は聞き覚えがあるような?…っ)」


ミレイ自身の脳裏の片隅にある様な気がする記憶を辿るも、ズキリと頭が響いて阻害してしまい、上手く思い出せない


エクレール

『なんだ、じゃあ寧ろ怪しいのってフォースデルタで、所属していたオレ達も怪しいんじゃん』


クルー1

「な、なんでそうなるんですか!?僕達はそんな事知らなかったでしょう!あくまでレダルの仲間は最低でも同じドラーベであるアライブ、最悪ならヒュウさんもそうなんじゃってだけですよ!」


完全に疑心暗鬼になってるクルー1を見て、エクレールは軽く溜息を吐き


エクレール

『んじゃあ聞くけどさ、レダルはその仲間を放って、どこかに行っちまったけど?』


クルー1

「…それは、まだ仲間である事を隠して何か企んでるんじゃ…」


ポート

「頑なに存在を隠していた自分の事を曝け出しておきながらか?」


クルー1

「…ヒュウさん達の事は…まだ他に知られていませんよ」


レミ

「…仮にそうだとして、レダルとヒュウ達が仲間だとして…各勢力を襲ったり、一対一の決闘を望む程の戦闘狂がヒュウ達と協力して何を企むっていうのよ」


クルー1

「それは…分かりませんけど…」


ミレイ

「…やめましょう、これ以上は埒が明かないわ」


クルー達の間で不穏な空気が流れ始める中、とある考えを抱いたエクレールはヒュウ達へと向き


エクレール

『……なぁ、ヒュウ、アライブ』


「…何?」


『…ナンダ?』


エクレール

『…お前ら、レダルの事知ってたんじゃねーか?』


一同

「…?」


エクレール

『これはあくまでオレの勘だから、違うなら違うでいいんだ、ただ…アライブがさ『ヤツトワレラヲイッショニスルナ!!』って怒ったよな?初めて見たヤツに対しての態度にしちゃあ怒り過ぎな気がしてさ…』


『…!』


「(…そういえば、あれには俺も驚いた…ちょっと苛立っていた事と…関係が?)」


レミ

「…そうね、普段からずっと一緒にいる訳じゃないけど…あんなに怒るアライブはあまり見た事がないかも」


『……』


クルー1

「…どうなんですか、否定せずに黙っているって事はやっぱり…!!」


ヒュウは少しだけ考えをまとめ…


「…仲間でないのは確かです、…でもエクレールの言う通り…知ってはいました」


エクレール

『…そっか』


『…ヒュウ…イイノカ…?』


心配そうに覗き込むアライブに、ヒュウは軽く微笑む


「ごめんアライブ、…今黙っててもいずれ分かってしまうし…何ならすぐにエクレールだけでも来て、問い質されると思ったから…」


『…ソレモソウダナ』


ミレイ

「…ヒュウ、アライブ、あなた達はいつからあのレダルを知っていたの?」


「…知っていたって言っても、すごい前からって訳じゃないんです、レダルさんに逢ったのはごく最近、俺が病院に運ばれる少し前です」


レミ

「病院?…病院ってこの基地の…?もしかしてあんなにボロボロだったのは、あのレダルにやられて…?」


ヒュウは頷いて、事の経緯を話し始める


まず、商業スペースで逢ったレダルは、ヒュウ達には正体を明かさずに接触してきた、その時は捜し物をしていると言うので手伝ってあげる事にしたという


エクレール

『…いきなり出会った見知らぬ奴にもか?本当お人好しだな…』


「その時は本当に困ってる様に見えてたから…」


レミ

「レダルは何を探してたの?」


「それは…まだ話があるので、もうちょっと待ってください…」


ポート

「向こうはヒュウ達の事を知っていたのか?」


ヒュウは首を横に振り


「…いえ、知っている様子では無かったです、でも今思うと…多分…ミレイさんが言った様に、リュックのアライブに目を付けたんだと…思います」


ポート

「なぜそう思う?」


「それも…順を追って話します」


レダルの捜し物は背中のアライブ…もとい、ドラーベのぬいぐるみだと言った、それは地下にあるお店にあると言い、そこまで案内された、店主に一度断られたと言う理由で、ヒュウが先に店に入るとそこにはぬいぐるみではなく、大量のオールドドラーベがいたという


レミ

「………」


ミレイ

「…レダルによる罠だったのね」


「…その時点だと扉が勝手に閉まって、レダルさんは外から凄く心配してくれてたんです…困る位に」


エクレール

『ん?なんで困るんだ?』


ヒュウは軽く頬を掻き


「えっと…危ない中アライブが庇いながら戦ってくれたんだけど、ドラーベの数が多くて、エヴァルドラーベにならないと押し負けそうになっちゃって…」


エクレール

『あぁ…そりゃ困るわな、レダルが心配してたっつー事は、その時はまだただの一般人としか思ってないし』


そしてヒュウ達は閉ざされた部屋の中でエヴァルドラーベに変化し、何とか中から外のレダルを説得して遠ざかってもらってからその部屋のドラーベ達を撃退した


その後一段落したものの、変化を解いた後に壁を破壊してレダルが入ってきたという、ヒュウは困惑してレダルが迫る中、アライブがレダルは人間じゃない、危険だと訴えた、戸惑いながらもアライブを信じてエヴァルドラーベに変化する事に


エクレール

『これだけの基地なら地下の壁だって相当頑丈な筈…そんな壁を破壊してくるなんて、人間じゃねぇわな』


クルー1

「…だからって、エヴァルドラーベになる必要なんて!」


ポート

「…先の戦闘や、後にヒュウが病院に搬送された事になった事を考えれば…アライブの判断は間違ってなかっただろうがな」


クルー1

「……」


そしてエヴァルドラーベに変化してレダルを攻撃をしたが、全く攻撃が通じなかった、その時レダルは本当の姿を表し、自身の変化の経緯を話した、エヴァルドラーベに変化したヒュウとアライブのように、およそ十年前…自身もかつてはオールドドラーベであり、人間を喰らい、変化した、しかし仲良くなったヒュウとアライブとは違い、人間を誘惑し、惑わせ…


『…サイゴニハ…カンゼンニトリコンダソウダ』


「…やっぱり…そうだったんだね…俺は話の途中で耐えられず…意識が無くなってしまって…」


ミレイ

「十年前…?」


エクレール

『そんな前から居たっていうのかよ!?』


ポート

「その話の通りなら、レダルが言っていた「この姿を見せる事になる者が立て続けに現れる」というのは、ヒュウ達の事だったのか」


レミ

「でもヒュウは意識を失ったって…その後エヴァルドラーベは…アライブは大丈夫だったの?」


アライブは軽く首を傾げ


『…イチオウハ、ヘンカハトケナカッタナ』


エクレール

『…んで、その後どうなったんだ?』


『…ワレハ…ヤツがヒュウヲモテアソンダコトガユルセズ、イカリ、イッシハムクイタ…ガ、ソノキズモスグナオッテシマッテイタ…ナニカハナシタキガスルガ…イカリデアマリオボエテナイ』


エクレール

『おい!そこも肝心だろうが!』


『(…イヤ…マテ?ソウイエバアノトキ、エヴァルドラーベノトキニ、コレハバラバラニナッタハズ…ナゼ…?)』


アライブは自身のスカーフを刃で上げ、じっと見つめる


『(…アクマデバラバラニサレタノハ、エヴァルドラーベノトキダッタカラカ?ソウデアルナラバ…ショウジキタスカッタカ、…コレハスデニワレニトッテ…)』


エクレール

『おーい?』


『…!…トニカク、ソノゴワレハヤツニヤラレ、カベノオクフカクマデナグリトバサレ…ゼンシンカラチガフキダシ、ワレモイシキヲウシナッタ…ソノゴハシラン』


レミ

「シャイラさんの報告通り…ヒュウは地下の壁の謎の穴付近で発見、謎の液体は、エヴァルドラーベの体液だったって事…かな」


ポート

「…報告と言えば…ヒュウ、アライブ、お前達が戦った時…移動の最中でも構わんが…地鳴りのような何かが起こらなかったか?」


「地鳴り…?」


身に覚えの無いヒュウは、アライブへと向くと、アライブは首を横に振る


「いえ、知りません」


『ワレモシラン、ナグリトバサレハシタガ、ジナリガオキルホドデハナカッタトオモウガ?』


ポート

「…そうか」


エクレール

『ふぅん?嘘は…ついてなさそうだな?』


レミ

「エクレールがそう言うならそうなんでしょうね」


ミレイ

「確か他にも…報告にある、一方向に突き抜けたような穴、これに関しては心当たりはある?」


「…すみません、それもちょっと…」


『ワレモオナジダ、ワレラガチカトヤラニイタトキハ、ソンナモノナカッタトオモウガ…フキトバサレタアナトハチガウノカ?』


ミレイ

「ヒュウが倒れていた付近の穴とは、別みたいなのよ、…そう答えるって事は…」


ポート

「謎の穴も分からずか、ところで…折角命拾いした中こんな事を言うのはなんだが…レダルはヒュウ達を殺し損ねたのか?それとも敢えて殺さなかったのか?」


「…後者…の筈です、倒れてる時…少しだけレダルさんの声が聞こえて言ってたんです「また会う事があれば、戦いましょう」って」


ミレイ

「…また戦う…ね、確かにレダルは強者を求めて善戦したフェイスを見逃したけど、エヴァルドラーベでは歯が立たなかったのよね?…それまでは相手を倒してきたというのに、二人の時は再戦を望んだのね」


「それは…」


『(…スグタオスヨリモ、ツヨクナッタワレラトタタカウコトヲノゾム…カ、ユウドウサレテイルミタイデ、ツクヅクイラダタサレル)』


エクレール

『…ま、とりあえずヒュウ達がレダルの仲間なのかどうかの疑惑は晴れたんじゃねーか?』


クルー1

「本当の事を…言ってない可能性は?」


レミ

「それはさっきも言ったように、エクレールが居るからないでしょうね、以前も問い詰められた時はタジタジだったし」


エクレール

『ん?そうか?そんな事ねーよ、なぁ?』


エクレールは笑顔で雰囲気は穏やかだが、背後に本体ボディが睨んでるかのような威圧感がヒュウを襲っていた


「…は…はい…!そんな事ないです!」


『…マタカ』


レミ

「脅してどうすんのよ…、でもそんな感じなら、本当に大丈夫そうね」


ミレイ

「ええ、ヒュウとアライブはレダルではなく、私達の大事な仲間…ね?」


「…い、いいんですか?」


ポート

「…良いも何も、そんなオドオドした態度でヤツの仲間というのは無理がある、全部演技だと言われれば相当な物だが、エクレールに怯える辺り…その線は欠片も無いな」


「…え、えっと…?」


レミ

「そうそう、ヒュウにスパイとか全然合ってないと思うし」


「えぇ…?」


『ワレニスラアマイ、オヒトヨシナヤツダカラナ』


「アライブまで!?…そこまで言われると流石にへこみ過ぎてどうにかなりそう…」


次々と畳み掛けられる様にスパイの可能性を否定されるヒュウ、ずっと疑われるよりは全然マシだが、その否定の理由に傷つきそうになる


ミレイ

「フフッ、それだけ私達もあなた達の事を分かってきたって証拠よ」


エクレール

『アライブも…レダルにヒュウが弄ばれて意識を失って、そんな事をしたレダルに怒ったって、それだけヒュウの事が大事って気持ち、伝わってきたしな』


エクレールの言葉に、アライブが戸惑う


『…!……ヒュウガ…ダイジ…?…ソウカ…ワレハ…』


「…それは俺も…かな、アライブは…大事な仲間だと思ってる」


エクレール

『いやいやいや!力を合わせて、互いを心配して想い合う程なんだろ?もっとこう…なんかあるだろ!』


『…ナンカ?』


「って何…?」


エクレールは手を口元に当て


エクレール

『そうだな…仲間ってのも確かにそうなんだけど…、それよりこう…オレとレミのようにだな…そう、そうだよ!お前達はもう大事なパートナー!大切な相棒なんじゃねぇか!?』


「俺と…」


『ワレガ…』


ヒュウとアライブは互いに向き合い、首を傾げる


「相棒?」『アイボウ?』


その時、二人にはこれまでの事…ヒュウにはアライブの生への望み、アライブにはヒュウが自身に生きて欲しいという願い、それらや二人が経験した出来事が脳裏に広がっていく


そんなヒュウとアライブの中に何かが芽生える、形として見えるものでは無い上、周りの者には分からないが…確かに二人を結ぶ様な…見えない繋がり…強い絆が


「…良いのかな、既に仲間ってだけで…考えられなかった奇跡…十分嬉しいのに…俺なんかが…アライブをそんな風に想うなんて…」


消極的なヒュウの意見に対し、アライブは首を横に振り


『…ワレハベツニカマワン、イヤ…チガウナ、ヒュウ…ワレハノゾミタイ…ワレヲ…ヒュウノアイボウニシテクレ』


「望むって…良いの?…俺は…弱くて…情けなくて…頼りない…今回だって…いや、いつだってアライブの足を引っ張ってばかりだっていうのに…」


『タシカニ、ニンゲンモタクサンイテ、サラニイロイロヒカクシテ、ユウシュウナヤツナラ、ホカニモゴロゴロイルダロウ』


「…うん」


『…ダガ、ソンナタヨリナイヒュウガ…ナヤミ…クルシンダスエニ、ワレノノゾミヲウケイレタカラコソ、ワレハイマココニイル、ダカラワレハ…ホカノダレデモナイ、ヒュウヲノゾム、アトハ…ヒュウガドウシタイカダ…ベツニコトワッテモ、チカラヲカスコトハヤメヌ、ソコハアンシンシロ』


アライブの言葉はしっかりとヒュウに届き、そこまで言ってくれる事自体はすごく喜ばしい事なのは間違いない、…しかしヒュウは自分への自信は全く無い事で、すぐに答えられずにまだ悩んで少し俯いていると、アライブは半分笑う様に顔をしかめ


『…チナミニ、ワレニハヒッパラレルアシナドナイカラアンシンシロ』


「…え?」


確かにアライブに足が無いのは事実ではあるが、思わぬ発言にヒュウは顔を上げ、意図せずに小さい笑いが噴き出し、気持ちが少し軽くなる


「…あ…はは、…そっか…分かったよ、それなら…アライブだけが望むのは不公平…だよね…」


『フコウヘイカドウカハカンケイナイ、タダスナオナキモチヲキカセロ』


ヒュウは分かったと頷いて、少し俯いて呼吸を…気持ちを整え、ゆっくりと顔を上げる


「…俺は…アライブの望みを受け入れたい!だから…!」


ヒュウは、まるで義務とも言える自身の接続詞を振り払うように首を横に振り


「…違う!だからとか、言われたから仕方なくじゃない!アライブ…俺は願いたい!俺をアライブの相棒にしてほしいって!これから先何があっても!ずっとずっと…仲間として…相棒として側にいてほしいんだ!!」


あの時と…落ち込んだ自身に強く語り掛けた時と同じ、ヒュウの純粋で真っ直ぐな願いにアライブは面食らった後、あくまでまだ可能性でしか無かった言葉を聞けた事で、徐々に笑いが漏れ


『…ク…クク!クハハハハ…!!』


『…ハァー…!…イイダロウ!…ヒュウ!オマエノソノネガイ…ワレガカナエテヤロウ!!』


二人の気持ちは重なり、自然と言葉を紡いだ


「俺はアライブの…!」


『ワレハヒュウノ…!』


「相棒だ!!」『アイボウダ!!』


アライブが望み、ヒュウが願い、互いを相棒と認めあったその時、二人を中心にプレデシャン内に赤い光が包んだ


「な…何!?」


『クッ…!コレハ!?』


一同

「っ!?」


みんなが咄嗟に手で光を軽減するも、まぶたの裏まで光は通り、残光で少しの間目が眩んでしまう、…しばらくしてようやく開く事ができた、そこには特に変わらずにヒュウとアライブがいて、眩しかった赤い光は…既に発していなかった


レミ

「い…一体何が…?」


エクレール

『オレにはヒュウとアライブの居た辺りから光っていったように見えたけど?何したんだ?』


「こ…こっちも何がなんだか…」


『オナジク、ワケガワカラン、ナンダアレハ?』


ミレイ

「ヒュウとアライブの中で、何かが起きたのかしら…?」


『ナニカトハ?』


ミレイ

「発生元であるあなた達が分からない事を私達が分かるのは難しいわね、…ただ、二人の想いがキッカケなのは間違いないでしょうね、それによって何が起きたのか分かれば良かったのだけど…」


エクレール

『…ん?なぁ、そのスカーフ…』


ふと、エクレールがスカーフに疑問を感じて指摘する


『…ナンダ?コレハワレノダ、ヤランゾ』


エクレール

『んな事分かってるよ!そうじゃなくてさ!…ヒュウの首にも付いてたっけ?』


「…え?」


エクレールにそう言われた事で意識が向くと、確かに首元がやけに暖かい、ヒュウが首元を触ると、確かにヒュウの首に…アライブに巻かれている物にそっくりな赤いスカーフが巻かれていた


「本当だ…なんで?」


エクレール

『少なくとも光る前は付いてなかったと思うけど…でもなんでスカーフ?もしかしてなんかスカーフに秘密があんのか?』


ポート

「ふむ、調べる価値はあるかもしれん、貸してくれるか?」


「は、はい!…えっと…ここかな…あれ?…違うな…じゃあ…」


ヒュウはスカーフを解こうと、おそらくあるであろう結び目を探るも、中々上手くいかず、それを見ていたレミがイライラしてヒュウの背後に回り込む


レミ

「あぁもう!私が外すわ!…ここをこうして…あれ?変ね…なら!……と…取れないんだけど?」


ポート

「…見せてみろ」


ポートはヒュウの近くに移動して首のスカーフをじっくり見ていく、触ってみたり、結び目のような所も確認していく


ポート

「…何か妙だな…ヒュウ、少々荒っぽくなるが…構わないか?」


「…?は…はい…大丈夫ですけど?」


ポート

「…エクレール、手を貸してくれ」


エクレールの目が何故かキラリと光る


エクレール

『おう!オレもそうしたいと思ってたぜ!』


「…?」


ヒュウを挟んでエクレールは結び目側に台を用意しそこに立ち、ポートはその反対側に立った、そしてエクレールは結び目を、ポートはその反対側をがっちり掴んだ


「ま…まさか!?」


エクレール

『せぇーのっ!!』


エクレールの合図と同時にスカーフを両側から強く引っ張った


「ちょ!ちょっと…!苦し…」


両側から引っ張られた事により、ヒュウを巻いてる部分が少し狭くなり、それにより息苦しさがヒュウを襲った、しかしスカーフは一定の長さまで少し伸びるだけで取れなかった為、エクレールとポートはスカーフから手を離した


「…かはっ!…はっ…はぁ…!…く…苦しかった…」


エクレール

『わりーわりー、でも全然取れないな…こんだけ引っ張ったら普通千切れたりしてもおかしくねえんだけどな…』


『キサマガヒンジャクナノデハ?』


エクレール

『もう少し言い方変えろよ!…だったら本体を使ってでも…!』


エクレールが物騒な事を言い始めた最中、ポートは徐に懐から携帯型のサバイバルキットを取り出し、ナイフを使いスカーフを切断しようとした


「ポ…ポートさん!?」


エクレール

『っておい!?いきなりすぎんだろ!?』


…ググッ…!


ポート

「…!」


しかし…スカーフにナイフの刃が通らず、何故か切る事ができなかった


レミ

「嘘!?ナイフでも切れないの!?」


「えぇっ!?」


ポートは改めてスカーフにナイフを突き立て、今度はゆっくり貫通させようとした、布のように伸びはするものの、貫通どころか穴一つできなかった


クルー1

「ま…まさか…呪われてるんじゃ…」


エクレール

『んな馬鹿な!』


ポート

「…エクレール、スカーフを出来るだけ伸ばしてくれるか?ヒュウ、今度は本気で行くから覚悟しろ、それからアライブ、お前も刃で貫通できるか試してくれ」


『オッケー、任せとけ!』


「え?…本気って…さっきのは?」


『ム?セッカクノオナジヨウナスカーフ、ツラヌクノハスコシシノビナイガ…ヤッテミヨウ』



そして指示通りにエクレールが出来るだけスカーフを引っ張り、ポートとアライブがにじり寄り狙いを定める、ヒュウはそんな二人の圧に気圧されていた、まるで蛇に睨まれた蛙のように


「は…はは…二人共…なんか怖…」


ポート&アライブ

「くらえっ!!」『クラエッ!!』


「ひいぃぃっ!?」


二人は刃を勢い良く振り下ろした、すると…


ガギッ!!


ポート&アライブ

「くっ!?」『ガッ!?』


硬い物がぶつかり合うような音を立て弾かれる、二人はその反動で後ろによろけた


「だ…大丈夫ですか!?」


ポート

「…あぁ、弾かれただけだから大した事はない」


エクレール

『おいおい…弾かれるとかマジかよ…』


「…スカーフどうこうより何より…とにかく二人が怖かっ……うわあっ!?」


アライブは触手でヒュウを引っ張り、揺さぶった


『ヒュウ!ワレニケンカヲウッテルノカ!?』


「おぉれぇにぃいぃわぁれぇてぇもぉ〜!?」


エクレールがアライブを止めて、何とか落ち着かせた


ポート

「…ふむ、ここまでくると色々試したくなる、布に対して刃が無理なら次はやはり…火だな」


「えぇ!?」


慌ててレミが割って入り


レミ

「ストップ!ストップ!だんだん加減がなくなってるって!既にヒュウが危なくなってるから!」


ポート

「…そういえばそうだったな、すまない、ヒュウ」


「…い…いえ…もう落ち着いてくれただけで充分です…」


エクレール

『んー、結局何なんだろうなソレ?見た目はスカーフっぽくて、なびいて生地っぽさはあるけど、取れない、解けない、千切れない、切れない、貫けない、勢いを付けて攻撃すっと凄ぇ硬ぇ、そんな素材あったか?』


レミ

「…パッと考えて…いや、ちゃんと考えてみても浮かばないわよね、素材が分かっても光ったら付いていただなんて、そんな事初めて見たし…」


ミレイ

「ヒュウ、それからアライブ、他に何か増えてたり身体に違和感があったりはしない?」


ヒュウとアライブは身体のあちこちを触って確かめる


「…特に何もないです」


『ワレモ、トクニヘンカハナイ』


ミレイ

「…そう、ちょっと不便かもしれないけど身体に害がないなら、そんなに不安がる物でもないのかもしれないわね、でも今はってだけかもしれないから、何か変な事があった時は早めに教えてね」


「…はい」


『ワカッタ』


ミレイ

「それじゃあ…、ヒュウ達が隠していた事に関しては!!…一旦これでお終いにしましょう」


「は…はい…!(い、一瞬語気を強めたような…やっぱりちょっと…怒って…?)」


ミレイ

「…私達はロヴェルの所に行ってくるわ、少なくともヒュウ達はまだ、プレデシャン内にいてね」


エクレール

『そういや、普通ならまだ治療中だもんな』


「分かりました、みなさん気を付けて」


レミ

「エクレールも、大人しくするのよ」


エクレール

『へいへいわーってるよ、気を付けて行ってこいよな』


そして、ヒュウ、アライブ、エクレール、クルー達はプレデシャンに残り、ミレイ、レミ、ポートはメインルームへと向かった



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




プレデシャンに残ったヒュウとアライブとエクレール、エクレールはスペアボディのメンテナンスとの事でメックの元へ向かい、ヒュウ達は自室に戻り、レダルが最後に言い残したある事を相談する事に…


「……」

『……』


ヒュウ達の目の前に置いてあるのはレダルの腕、いざという時まで、喰らう事はしないと決めた二人だったが、レダルに次会う時までに腕を喰らえ…そう言われた、拒否する二人に対してレダルは、プレデシャンを盾にしたような脅迫をしてきた


「…レダルさん、あの様子だと多分腕の位置も分かってるって事だよね」


『…ダロウナ、ステテタラモットヒサンナコトニナッテイタカモナ』


「…本当に捨てなくて良かったよ、その場合下手したらいつの間にか戻ってきたりしてた可能性も…」


『ソンナノロイミタイナコト、アルワケナカロウ』


「だ…だよね」


『…ソレデドウスル?ヒュウガネガウナラワレハ、イマウデヲクラウガ?』


アライブの気遣いに、ヒュウは慌て


「駄目だ!…そんな無理矢理な形でなんて」


『ダガソレデハ…ココガアブナイ』


「…そう…だけど、…でも前にアライブと決めた想いは…出来れば変えたくない、それにいつなのかは決まってはないし…だから代わりにって訳じゃないけど…レダルさんに会うまでに…努力をして…強くなろう…!」


『ヒュウ…、…ソウダ、ヤツヲコロセルホドツヨクナレバ、ナニモモンダイハナイナ』


「い…いや、殺すのはやり過ぎじゃ…」


『アマイ!ソンナコトデハカテナイゾ!?』


「えぇっ!?」


『…ト…イキゴンデミタモノノ、ワレラハソトニデレヌガナ』


「は…はは…そうなんだよね…」


『…ツヨクナルタメニ…ナントカドウホウヲクラワネバナラヌトイウノニ…』


ふとアライブの視界にレダルの腕が入り、じいっと見つめ始める


『…ツヨク…ナルタメ…、ツヨク…ツヨク…』


アライブが少々虚ろになっている様に感じ、ヒュウが心配し


「…アライブ?」


『ツヨ…ク…、……?…ヒュウ?ナンダ?』


「えっと…、なんか腕を見つめて、ツヨク…ツヨクって呟いてたから…大丈夫かなって…」


『…ワレガ?…イヤ、モンダイナイゾ』


「そ…そう?…何か変だったり、気になる事があったら言ってね、俺もアライブの考えてる事が分かれば良かったんだけど…」


何気ない意見に、アライブはニヤリとし


『ホウ…イイノカ?ヒュウヲクライ…アジワイタイ、ソウカンガエルワレノカンガエヲシリタイト?』


「それいつもなの!?」


『ムロンダ!』


「即答!?そ…それはそれとして、本当に問題無いならいいんだ」


『アァ、スマンナ、シンパイカケテ』


「それはお互い様だから、…ミレイさん達、ロヴェルさんの所に行くって言ってたけど…大丈夫かな…」




作品に関しての感想、質問があれば可能な限りお返事します。


次回も楽しみにして頂けると幸いです

ここまでお読み頂きありがとうございました!

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