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第五十話【疑念だらけの光景と敗北で得たモノ】

まずは閲覧ありがとうございます!


このお話は初心者による物語です、プロフィールに書いた通りのまるで台本の様な小説とは程遠い拙い文章、少ない表現力、明らかな描写不足、当然の様な誤字脱字など正直問題だらけです、それでも読んで頂けるのならば幸いです。


一部の「」『』の説明


「」は主に人間のセリフ


『』は人間以外や大体の主観の人以外の電話や通信越しなどによる人間の音声のセリフのイメージとなっております。


【この話での未知の生命体ドラーベ内の用語集】


【サフィア】


反異種族連合軍…アフィアの中の特殊部隊の通称


アフィアのロヴェルが統率している組織



【プレデシャン】


ミレイ達の乗るカッド…戦艦の名前



【ドラーベ】


地球や異星などに突然現れた未知の生命体、意思疎通が出来ず、人間を襲うものの明確な目的などが分かっていない為、侵略者として扱われる事が多い


現在軍に三種類確認されているドラーベだが、共通しているのは頭部が伝説上のドラゴンの様な形をしている事のみで、身体はそれぞれ違いがある


【オールドドラーベ】


ドラゴンの様な頭部を起点に、上半身は竜人を思わせる身体、下半身は蛇の様にやや長い身体、全体的に靭やかで身体の灰色部分は硬い、赤黒い部分は比較的硬くないが、それでも銃弾や刃物を通さないほどの硬さはある、人で言う肩の辺りからは、形状を鎌や触手の様に変化させる特殊な腕の様な物がある、大きさはおよそ1m超え


上記の通り足は無く、浮いてはいるがスピードは余り速くない(小学高学年位なら逃げ切れる)




サフィア基地本部にて、ぬいぐるみのドラーベを求めるマニア(?)レダルと遭遇したヒュウ、彼のぬいぐるみへの事情を聞いた事で協力することになり、地下の店まで案内された


先に入ったヒュウだったが、原因は分からないまま扉が閉まってしまう、外からはレダルが心配しながら扉を開けようと善処していた


そんな中、店中の中に置かれていたドラーベのぬいぐるみが一斉に襲いかかっていった、突如として危機に陥ったヒュウ達だったが、エヴァルドラーベに変化して何とかその場を乗り切る事が出来た


どうにか一段落した後、アライブがドラーベの死骸を喰らう中…部屋の一部が破壊され…新たな襲撃者が現れた


それは…ヒュウをここへと案内した男…レダルだった


目の前の出来事に驚くヒュウ、アライブはそんなヒュウを諭しつつ、危険と判断して再びエヴァルドラーベへと変化して攻撃を仕掛けるも、軽く受け止められてしまう


…それだけでも驚きなのだが、更に驚くべき事に、攻撃を防いだレダルの腕は…人間のそれとは明らかに違った


レダルが光を放つと、そこにはエヴァルドラーベとシルエットが似た存在が立っていた


驚くヒュウ達に、レダルは嬉しそうに自身の事を話していき、かつてはオールドドラーベだったと話し、自身の過去について語っていった


その話の中の人物の結末を聞いたヒュウは強いショックを受けた事で意識を失ってしまう、それに怒りを感じたアライブは、なんとか強い一撃をレダルへと入れる事が出来た


…しかし、決め手には至らなかったどころか、レダルに致死へと至る一撃を入れられた事でエヴァルドラーベの変化が解け…ヒュウは瀕死になって倒れてしまうのだった…





商業スペースの一角の上部周辺で、謎の地鳴りが起きたとサフィアのメインルームに通報があった、数分後サフィアの警備チームが地下を調査すると…謎の焼け焦げた跡を発見した、慎重に跡を辿って調査を進めると…そこには瀕死の少年が倒れているのを発見、急ぎ病院へと搬送した


少年は外傷だけでなく、おそらく外部圧迫と思われるような内蔵への損傷も見受けられた為、緊急手術が行われた


その治療が行われる一方で、少年の身元が分かる物が無く、関係者を探す為に手術前に写真を撮り、基地内の各地にあるモニターなどで情報提供を求める事となった



…その少し前、商業スペースにいるレミとメックは、沢山の紙袋を持ってカフェでドリンクを飲みながら休んでいた


メック

「…流石に買い過ぎちゃったかな」


レミ

「私も…こんなに良い店がたくさんあるなんて想像してなかった…」


メック

「良い服とかアクセサリーとかいっぱいあったもんねー、エクレールを呼んで手伝ってもらったら良かったかな?」


レミ

「ダメダメ、ロヴェルさん達の話では元フォースデルタもいるみたいだし、それに元々アライブ同様に外は駄目でしょ?仮にリュックに入れて連れて行ったら連れて行ったで『せまいー』って買い物中ずっと言ってくるし」


メック

「そうなんだよねー、でもそんなこと言ってるけど…ヒュウくんと別れてから買ったアクセサリー、あれエクレール用じゃないの〜?」


レミ

「!?そんな!その時は離れてたはずじゃ…!?」


メック

「あ!やっぱりそうなんだっ!?遠くで見えなかったけど、ウロウロしてたからもしかしてって思ったんだ!」


レミ

「思ったんだ、って…当てずっぽうだったの!?」


メックは満面の笑みを浮かべ


メック

「うんっ!」


レミ

「はぁ…勘で当てるって何よ…」


メック

「レミもレミで聞かれた時の反応、分かりやすすぎ!」


レミ

「……フフッ」


メック

「……ヘヘッ」


レミ&メック

「「アハハハハハ…!」」


メック

「…なんにせよ、エクレールも喜ぶと思うよ!」


レミ

「ありがとう、そうだといいな」


仲良く談笑する二人、その時を遮るかの様に配られた端末が震えだした、二人が確認すると同じ画面が表示されていた、画面には『サフィア緊急速報』と書かれていた


メック

「…サフィア…緊急速報?何これ?」


レミ

「…なんだろう、別の端末に同時にだなんて…」


すぐメッセージ開くのを警戒しながら辺りを見てみると、周りの客や通行人達も一斉に端末を取り出しているのが確認出来た


レミ

「…届いてるのは私達だけじゃないみたい?」


メック

「じゃあ…この基地にいる人達に届いているって事かな?」


端末を確認した周りの人達から、いくつかの言葉が呟かれたのが聞こえてきた


一般人1

「…誰これ?」


一般人2

「さぁ、知らない人ね」


一般人3

「…にしても…ひどいもんじゃの…」


一般人4

「折角楽しんでんのに、物騒なのは勘弁なんだけどなぁ」


聞こえてくる様々な言葉、そこからレミ達は推測し、事件か何かが起きた事を伝えるメッセージなのではと解釈し、届いたメッセージを開いてみる事に



端末のメッセージ

『このメッセージは本日お越しになったお客様、約千人以上に一斉に送られています。

現在その中からと思われる身元不明の方がお一人、商業スペース病院まで搬送されました。

搬送直後の写真を添付してありますので、もし関係者の方が居れば至急商業スペースの病院までお越しください。』


レミ

「…凄い…こんな事出来るのね」


メック

「ホントこの基地はびっくりがいっぱいだね〜、写真ってこれかな?」


二人は添付された写真を開いてみた、そこに写っていたのは…


レミ&メック

「「!!」」


担架に乗せられていたのは、同じクルーの仲間…ヒュウに似たボロボロの姿の少年だった、それを見た二人は驚き


メック

「えっ?えっ?間違い…じゃないよね…?これ…ヒュウくんだよねっ…!?」


レミ

「…ま、まだ分からない…けど!それを確認する為にも、病院に行こう!」


メック

「う、うん!」


二人はUGボードを呼び寄せ、急いで病院へと向かっていった…


病院に着いた二人は受付に話を聞き、もしかしたら関係者かもしれないと確認を取る、しかし少年は緊急手術中の為、現在面会は出来ないと言われてしまう


流石に治療を妨害する訳にはいかないので、仕方なく病院内で座っていると、ミレイとポートがやってきた、彼女達もあの写真がヒュウであると思い病院まで来たようで、他のクルーが押し寄せないようにミレイは道中、クルーに連絡を取り待機させる事もしていた


ミレイ

「レミ!メック!あなた達も来ていたのね!」


ポート

「あれは本当にヒュウだったのか?」


レミは首を横に振り


レミ

「正直…まだ分からない…私達も今来たばかりで…受付に確認を取ろうと思ったんだけど、手術中で面会出来ないって…」


ミレイ

「…そうだったの」


ポート

「仮にヒュウじゃないにしても、あれだけの傷…普通じゃないぞ」


ミレイ

「…一応道すがらロヴェル達にも連絡して聞いてみたんだけど、彼等もまだ何も情報が無いみたいなの」


レミ

「そう…なの…」


メックがレミの肩にポンと手を乗せ


メック

「レミ、今はヒュウくん…ううん、仮にヒュウくんじゃなくても、手術が上手くいく事を願おっ!」


レミ

「メック…うん、そうだね…!」


レミ達は手術が終わるのを待っていたが、他に受付に少年を確認に来る者は居なかった、それによって…運ばれた少年がヒュウである可能性が増々高まっていく


それから数時間が経ち、手術室から出て来た医者にレミ達が近寄ると手術が終えた事を伝えられた、手術そのものは上手くいったが…少年は外も内も損傷が激しかった為すぐに動ける可能性は低いという、なので、本人確認が出来たら、出来るだけ安静にするようにと告げられた


医者にお礼をした後、レミ達は看護師によって少年の病室へと案内された、その病室のベッドには人工呼吸器を付けた少年が眠っていた、服は病院で着せてもらった病衣、肝心の身体、そして頭や顔周辺にもしっかり包帯が巻かれている為、この状態の容姿では判別が出来ない…、しかし近くに置いていたある物で、とある事が判明する


メック

「…!このリュックは…!?」


そこにおいてあった大きめのリュック、それはメックが作った…二つとして存在しない、ヒュウに渡した…アライブを入れる為のリュックだった


ミレイ

「という事はやっぱり…ヒュウなのね…」


レミ

「…でもどうしてこんな事に…一体何があったっていうの…?」


ポート

「情報が少なすぎる…本人に聞くのが手っ取り早いが…」


メックが辺りを見回し、あの存在の事を…一般の人に聞かせる訳にはいかないので、小声で問いかける


メック

「…ねぇ、アライブ…いないよね…?」


ポート

「…リュックの中ではないのか?」


レミ

「そうね、大人しくしてるのかも?…見てみるわね?」


レミはリュックに近づき、そっと開けて…覗いてみた、すると…


レミ

「…!?…何…コレ…」


驚くレミが何を見たのか知る為、みんなでリュックを覗く、リュックの中に見えたのはアライブ…ではなく、謎の腕のような物だった、一同は困惑する


これは一体何…?なぜリュックにこんな物が…?アライブは何処へ…?そもそもヒュウはなぜボロボロに…?


次々と疑問は湧くが、どれもすぐに解決出来る方法が無い、せめて手掛かりがあれば…


コンコン、ガラッ


そう考えた時、突然扉が開いて誰かが入ってきた、慌ててレミはリュックなどを隠して入室者を確認した


レミ

「…あ…あなた達は…!」


???

「やぁ、お邪魔するよ」


???2

「失礼します」


入ってきたのはサフィアのトップ…ロヴェルと、そのマネージャーのシャイラだった


レミ

「どうしてここに…?」


ロヴェル

「ミレイから連絡を頂いたからね、情報を届けに来たんだ」


レミ

「何かわかったんですか!?」


シャイラ

「具体的な調査はまだです、しかし現時点で集められた情報はあるので、それを伝えに来た…という事です、その前に…包帯で分かりづらいですが、そちらの方はお連れの方で間違いないのですね?」


ミレイ

「…はい、私の…プレデシャンのクルー、先程の挨拶の場にも同席した、ヒュウで間違いないです」


シャイラ

「…そうですか、様子を見るに一命はとりとめた様子…良かったです」


メック

「…ありがとうございます」


メックがお辞儀し、顔を上げる様子を見ていたロヴェルはある事に気付く


ロヴェル

「…ん?君はっ!イールフの噴水で会った!…確か名前はメックだったかな…!?」


メック

「んえっ?イールフ…あっ!そういえば確かに見覚えが!」


ロヴェル

「まさかここで会えるとは、いやぁ何たる偶然、もし良ければミレイ、レミと共にお茶でも…!」


シャイラ

「ロヴェル!」


ロヴェル

「…っと、そうだったね、お茶は話が終わってからという事で…」


メック

「あ、あはは〜…」


ミレイ

「ヒソヒソ(あんまり本気にしちゃ駄目よ)」


メック

「ヒソヒソ(り、りょ〜かい…)」


シャイラ

「…失礼しました、それで…改めて現時点での情報についてですが…」


シャイラが集めた情報を整理してミレイ達に伝える


まず、ヒュウの発見の前にサフィアに一本の通報があった、町の一角の周辺で地鳴りが起きたという通報を受け、サフィアが現場へと駆け付けて周辺の住民から事情を聞いたという


その後警備チームに連絡を取り周辺の地下を調査すると、地鳴りの発信源と思われる場所に謎の焼け焦げたような穴があり、それは一方向に突き抜けたかのような穴だったという


穴を辿り進んでいくと、破壊された扉や瓦礫だらけの部屋があった、部屋にも穴があったが先は暗く狭まっているのが見えたのでライトで照らした、その照らした穴の奥深く、その近くで少年、ヒュウが酷い損傷状態で謎の液体に浸りながら倒れているのが発見されたという、その後ヒュウを病院に搬送した


周辺には手掛かりが他に何もなく、今も調査を続けているとの事



シャイラ

「…これが、現状分かっている事です…以上の事からヒュウさんは何らかの事件…若しくは襲撃に巻き込まれた可能性がある…そう見ています」


ポート

「襲撃というのは…話に出てきた謎の液体に関係しているのか?」


シャイラ

「…おそらくそうです、液体は二種類あり、一つは判明していて、ヒュウさんの血液だと思われます、そしてもう一つは現在鑑識に回しています、現時点での推測では…これはドラーベの体液の様な何かとみられています、ですから襲撃というのは…ドラーベに襲われたという可能性があると思われます」


レミ

「ドラーベに襲われた…?」


ミレイ

「可能性とはいえ、どうして商業スペースの地下にドラーベがいるのかしら?」


シャイラ

「…私も報告に驚いているのが正直な感想です、この基地内でのドラーベの報告というのは、一切ありませんでしたから」


ポート

「(…ここは海中に造られた基地、今までにドラーベが海中に現れたという事が無い以上、その答えは嘘ではなさそうだ)」


このサフィア基地に普通のドラーベがいるのが不自然…、そうなると、普通ではないドラーベを知っているレミ達の頭にはそこに居ない存在…アライブに疑惑を向けてしまう


もしヒュウが無事で、今のレミ達の立場なら疑う事はあり得ないだろう


しかしレミ達は違う、まだアライブを認めて日が浅く、お互いに理解が深くない上、ヒュウがボロボロにも関わらず…近くに居ないのなら疑うのは極自然な事だった


ミレイ

「…いずれにせよ、被害者本人に話が聞けない事には始まらないわね…」


シャイラ

「そうですね…彼がいつ目覚めるか分かりませんし…皆さんもお休みになられては…?」


レミ

「お気遣いありがとうございます…でも…仲間ですから、少し見守らせてください」


ロヴェル

「…そうか、それなら僕達がいるのは野暮というものかな、これで先に失礼するよ、また何か情報を得たら追って連絡をしよう」


シャイラ

「…あなたから先に退出を願い出るなんて意外です」


ロヴェル

「…今はそういう気分にもなるさ、それではまた」


レミ

「あ…お気遣いと情報、ありがとうございました…!」


シャイラ

「いえ…早く目覚める事を祈っています、それでは」


二人は軽くお辞儀をした後、その場から退出して病院を後にした


ポート

「…三人も何処か落ち着く所で休むと良い、ヒュウは俺が見ていよう」


メック

「ポートさん…でも…」


レミ

「私に…見守らせて」


メック

「…レミ?」


ヒュウを見守る事…その役目を願い出たのはレミだった、メック、ポートは少し意外そうな表情を浮かべる


ポート

「…何処かにヒュウを襲った者がいる、いざと言う時は、エクレールで出てもらう事になるはずだ、それを踏まえた上で見守る理由があるのか?」


レミ

「…見守るのが私でなきゃいけない理由はない、ただ仲間だからってだけ…」


ポート

「…はぁ、特に理由が無いと言うのは甘いんじゃないか?…もっと全体を見て考えてくれ」


ミレイ

「…たまにはいいんじゃない?」


レミ

「お母さん…?」


ミレイ

「ここにはサフィアの精鋭もいるわ、私達が無理に出しゃばる事もない、それに…レミがこういう事を言い出すのは珍しいからね」


メック

「…確かに珍しいかも?どうして?」


レミ

「いや、さっき仲間だからって言ったでしょ、前回ヒュウが倒れた時もそうだけど…いつもこういう事はエクレールとかみんなに任せてるから、たまにはって思ったの」


メック

「そうだねぇ、レミはプレデシャンの主力だからこういう事の体験は少ないし、この場所だからこそ出来る事かも」


ポート

「…やれやれ、このままでは三対一になりそうな勢いだな…仕方ない、好きにしろ」


レミ

「…!ありがとうポートさん!」


ミレイ

「じゃあ私達は近くで休んでるから、何かあったら呼んで頂戴」


レミ

「分かった」


メック

「それじゃあまた後でね、レミ!」


レミ

「うん、みんなもゆっくり休んでね…!」


そしてミレイ、ポート、メックは部屋を後にした、レミはそれを見届けた後、ヒュウの方向を向くように椅子を置いて座った


レミの中には、仲間として心配する気持ちがある側面、襲って来た敵の情報が何も無い事で、今の自分には見守る位しか出来る事が無いという、無力感も湧いていた


レミ

「…ヒュウ、アライブ、一体何があったっていうのよ…」


レミは先程隠したリュックを取り出した、アライブが入る為にメックが作り、ヒュウが持っていたこのリュック


レミ

「…商業スペースで会った時は、大人しく入っていたのに…、…あれ?そういえば…」


…ふと疑問が湧いた、シャイラが言った情報では…ヒュウのいた周辺には手掛かりが他に何もなかった、そう言っていた


ならば最初に発見した警備チームは、ヒュウの持ち物であるこのリュックは調べなかったのだろうか?


中身はアライブではなく、得体の知れない謎の腕のような物、自分達が驚いた物をシャイラ達や警備チームは平常心で確認したのだろうか?得体の知れない物を手掛かりと認識しないなんてあり得るだろうか?実はリュックには元々アライブが入っていて、見つかって極秘に処分された可能性も?


疑問は尽きないが解決出来る方法は何も無く、ただ時間だけが過ぎていった


それから更に数時間経過し、気付けば夜中になっていた、レミは無意識にベッドに腕と顔を乗せて眠ってしまっていた、ふいに何かが動く感覚が伝わり…朧気ながらもレミは目覚めた


レミ

「……ん…んん……あ…れ…?…私…寝てた…?」


???

「……まだ夜中ですよ、レミさん」


朧気な意識の中聞こえてきた誰かの声、レミは寝ぼけながら応える


レミ

「…あ、そう…まだ夜中なのね……」


もう一度眠りに落ちそうなレミの思考に、誰かが自身の名を呼んだ事が認識され、徐々に意識が目覚め始めていく


レミ

「……レミ…さん…?」


聞こえた言葉を復唱する事でレミの眠気が一気に吹き飛び、バッと顔を上げてベッドに顔を向ける、そこには起き上がって座っている、顔や頭の包帯が無いヒュウの姿があった


「あ…すみません…起こしちゃいましたね」


レミ

「…ヒュウ…?…ヒュウ…!?何で!?」


「えっと…何で?とだけ聞かれても…」


レミ

「何では何でに決まってるでしょ!」


目の前の光景に驚くレミは、畳み掛けるように言葉を重ねていく、ヒュウはその気迫に押されてすぐ様謝った


「ご、ごめんなさい…!…アライブが身体を調べるって言って、俺を触りすぎた事で揺れちゃって…」


レミ

「…え?」


そこには不在で、疑念を持ち始めた名前を聞いて驚いていると、ヒュウの近くに移動していたリュックから、ヒョコッと顔を出したのは…アライブだった


『シラベルタメダ、シカタアルマイ』


レミ

「なっ!?アンタ今までどこに!!」


「レミさん!しーっ!しーっ!」


レミは慌てて口を手で塞いで叫ぶのを止め、アライブはふよふよと移動し、ヒュウの頭に顎を乗せた、それを見たレミは小声で尋ねる


レミ

「…何があったの?アライブも居なかったし…何処か隠れてたの?」


レミの質問に、ヒュウは困った様に頭を軽く掻いた


「…実は、あまり分からなくて…」


『………』


レミ

「…分からない?何も?」


「…レミさん達と別れてから店を回って、その後町を探索している内に変な地下みたいな所に迷い込んじゃって…周りは暗くてあまり見えなかった…、後は今も少し痛むんですけど、その暗闇で強い衝撃があったって事くらいしか…」


レミ

「…その時アライブは?」


『…オボエテナイ』


「…俺が聞いてみても…こんな感じで…」


レミ

「しっかりしてよ…!…それじゃあ私達がここに来た時、アライブは居なかったけどどこに行ってたの?」


『シラン、キヅケバヒュウノウエニイタ』


レミ

「…ずっといなかったじゃない」


『ズット?キサマハネテイタダロウ』


レミ

「うっ…」


「アライブ…もうちょっと言い方…」


『ジジツダ』


レミ

「あーもういい!…それじゃあ…そのリュックに入ってたアレは何…?」


「リュックに…?」


『ハイッテタ?』


寄せているという事は、二人はリュックの事を知った筈…それなのに何故か不思議に思われた、不自然に感じたレミはバッとリュックを奪う様に掴んで引き寄せた


『ガッ!?ワレノスガ!?』


「巣って…」


レミはリュックの中を覗くと…中には何も無かった、ひっくり返し揺さぶっても何も出てこない、レミは思った事をそのままぶつけた


レミ

「アライブ…ここに変な…腕みたいな物、入ってなかった…?」


「…腕みたいな…物?」


ヒュウが首を傾げた後、アライブも首を傾げる


『ワレガスニハイロウトシタトキハ、ナニモナカッタガ?』


レミ

「何も?…おかしい、おかしいよ!私達はここで見たの…!このリュックに変な腕みたいな物が入っていたのを!」


『ワレハオカシクナイ』


「それなんか聞き覚えある…じゃなくて、なんでアライブが入るリュックにそんな物が…?」


レミ

「それを私が聞いてんのよ…」


「…ご、ごめんなさい、…リュックの中身の事は分からないです…、でも…それとは別に…俺が病院に居るって事は…またみんなに心配掛けたみたいで…それもごめんなさい」


レミ

「…!…私こそごめん、ヒュウは目覚めたばかりで身体とか色々大変なのにこんなに質問攻めにしちゃって…」


「い、いえ!起きたら知らない場所で包帯だらけになっていてびっくりしたんですけど、頭とか胸とかお腹の辺りは少し痛むけど…意外に身体全体で考えると…包帯巻く必要があるのかなって思うくらいそこまで辛くなくて…」


レミ

「…え?そこまで辛くない?だって医者は…」


レミはヒュウの身体に目をやる、写真で見たボロボロだった時とは違い、病室に入った際の包帯の隙間に見えていた傷も殆ど無い事が確認出来た、なぜ?と驚くレミにアライブがふよふよとレミに近寄り、耳元に囁く


『…アマリニテイドガヒドカッタカラ、フトンヲカブセ、ソコデヘンカシ、アルテイドチユソクドヲタカメテオイテヤッタンダ』


レミ

「…そ…そういう事も出来るの?」


『ワレラニハモトモト、タショウノサイセイノウリョクハアル、ソレガエヴァルドラーベニナッタサイハツヨマルヨウダナ』


レミ

「再生能力…?そっか、イールフで頭部にビームライフルを当てても致命傷じゃなかったのは、それが原因だったのね」


『…バアイニヨッテハ、アレデシンデモオカシクハナカッタガナ』


レミ

「そ…その時はヒュウだって思わなかったし…アライブだってまだ…」


『…ワカッテイル、イマナラタショウハリカイモシテイル、キサマハキサマデヒッシダッタトナ』


稀有な存在となったアライブはともかく、ドラーベという種として見れば…殆どが敵対している存在、その存在に気を遣われた事に対して、複雑な感情が渦巻くレミ、そんな中…ふとアライブに巻かれている物が気になり


レミ

「…そういえば…その首のスカーフ…何?」


レミの指摘に、アライブはスカーフを軽く触手で揺らしてみせた


『コレカ?コレハヒュウガクレタモノダ…ソレヲワレニツケタ』


レミ

「ヒュウがあなたに?…そういえば町で会った時にアライブにお礼をしたいって言ってたっけ、その時食べ物以外でもいいんじゃとは言ったけど…」


『イイダロ?』


レミ

「うん、可愛い」


『…ハ?』


レミ

「…!違う!!…いいって言ったの…!」


「(…急に違う!!って…レミさんとアライブ、何を話してるんだろう?)」


レミの大声に驚いたヒュウ、二人のひそひそ話が気になりはするものの、それを言葉には出来なかった


『…クク、ソウカ』


アライブはふよふよと移動し、再びヒュウの頭に顎を乗せた


「えっと…レミさんに何を?」


『クク…ベツニ』


レミ

「そう!別に!何でもない!」


「う、う〜ん…?何か気になるけど…」


レミの圧に気圧され、ヒュウは深く追求しない事にした


レミ

「…あ、そうだ、お母さん達にもヒュウが起きたって伝えなくちゃ…ってそういえばもう夜中だって言ったっけ、…起きたのなら取り敢えず私も戻るわ、ヒュウもアライブも今日はもう寝て休んでね、明日の朝、またみんなと来るから」


「…はい、分かりました、気を遣わせちゃってすみません」


レミ

「そんな事謝らなくていいの、それじゃあまた明日ね、お休み」


「はい、お休みなさい」


そしてレミは安心して部屋を出て、寝ているかもしれないが、ミレイ達に報告しに向かっていった


…病室にはヒュウとアライブだけになった、病室は暗く…窓からは月明かり…今いる場所が地下なのは分かっている為、おそらく人工的であろう月明かりが差し込んでいた、アライブはふよふよとヒュウの前に移動していく


「…また色々ありがとう、アライブ」


『キニスルナ、…ソレデ、ヒュウニイワレテシカタナクトッサニカクシタガ…コレハナンダ?』


アライブは片腕の触手をグニグニと変化させていく、するとドサッと何かがヒュウの目の前に落とされる、それはレミ達が見たというリュックの中身、謎の腕みたいな物だった


レミ達には心当たりがないものの、ヒュウとアライブに既視感がある、なんせ…自分達はこの腕の主に負けたのだから


『マチガイデナケレバ、コレハヤツノウデ、…ナゼコンナモノガワレノス二?ソレニワレラハ…ヤブレタハズダ…ナゼイキテイル…?ヒュウ、ナニカシッテイルナ?』


「…そんな一斉に聞かないで、順を追って話すからさ…って言っても、俺も一回意識失っちゃったよね」


『ソウダナ、ヤツノコトバハキキ、ワレノジョゲンハキカナカッタナ』


少し不服そうな表情を浮かべるアライブに、ヒュウは少し慌てる


「ご、ごめんって!…あの時はもう頭がパニックになって…」


ヒュウの答えを想像していたのか、アライブは口角を少し上げる


『…クク、ワカッテイル、カラカッタダケダ』


「からか…は…はは…」


「と…取り敢えず話をするよ、その意識を失った時と…この病院で目覚めた時、この間にも一回、意識が戻ったんだ…って言っても、身体を動かせずにまた意識が飛んじゃったんだけど…」


「…俺が気付いた時は狭くて暗い所に立ってたんだ、視界の先の方には何かが蹲っていて…それを見たはいいんだけど、身体は痛いし…力が入らなくて俺は前に倒れたんだ、…何か…生暖かい液体があったと思う、その直後、風を切るような音が聞こえて近くに声が…レダルさんの声が聞こえたんだ」


アライブは首を傾げ


『…ナニカイッテタカ?』


「えっと、ちょっと断片的なんだけど、「あの一撃」とか「一矢報いた」とか…「ヒュウのドラーベは興味深い事をしていた」とか「傷を負わせたご褒美」とか」


『…ホントニダンペンテキダナ』


「うっ…、あっ!その後変な何かが落ちた音が聞こえたんだ、その後頭の辺りにも…生暖かい…水?みたいなのが広がったような…それと変な音も…何ていうか…ズリュッ!みたいな…?」


『ヨリワカリヅラクナッテルゾ…』


「う…動けなくて…で…でも!最後の方にレダルさんが言った事は割と覚えてるよ!確か「生き永らえたらこれを届ける、あなたのドラーベにこれをあげてください、私が思うように、あれが只の食事じゃないなら、きっと役に立つはず、また会う事があれば、戦いましょう…」…そんな感じだった気がする」


『サッキトウッテカワッテ、マタエラクハッキリシタナ…』


「…なんていうか、無理矢理覚えさせられたみたいな感覚で…」


『ソレデコレトハ?ナニモトドケテモラッテナイガ…マダキテナイダケカ?』


「…多分リュックと…入ってたそのレダルさんの腕の事だと思う、レミさんが聞いてきたでしょ?腕みたいな物が入ってなかったかって」


『…ソウダナ、ヒュウノシジデワレガカクシタガ…』


「…このベッドとか外を見ると分かるけど…今いるここは病院みたいな施設、つまり俺達はこの町の誰かに助けてもらったんだと思う、理由はリュックの中の見た事がない腕、普通そんな物が入ったリュックなら取り上げられてもおかしくないはずなんだ、でもレミさんの「私達はここで見た」って言葉から助けてくれたのはレミさん達ではないし、リュックはここにあったって事に…多分なるんだ」


『…ナルホド、ソレデヤツガトドケタノハ、ワレノス、コレトイウノハヤツノウデ、トイウコトカ…ダガナゼソンナコトヲ…』


「…レダルさんは「あれが只の食事でないなら役に立つはず」って言った、だから…アライブに喰わせる為…だと思う」


『ジシンノウデヲワレニクワセルダト?ワケガワカラン』


「…最後に言ってた「また会う事があれば、戦いましょう」…先の事と合わせると、強くなったアライブと戦いたがってるんだと思う、それが合ってるかは分からないけど…今俺達が生きてるのも戦いたがってる証拠だと思う」


『…タタカウコトハトモカク、ツヨクスルイミガワカラン、カチタクナイノカ?』


「…勝ち負けっていうよりは、アライブの事が好きなんだと思…ぐはっ!?」


ヒュウの顔面に、アライブが投げたレダルの腕がゴン!とぶつかった、その直後にアライブは白々しく』


『スマン、ウデガカッテニウゴイタ』


「…いった〜…!…いや絶対故意に投げたよね!?めちゃくちゃ痛いんだけど!?」


『ヤツガワレヲスキナドト、ヘンナコトヲヌカスカラダ!』


「変な事って…あぁ!…ごめん、言い方が悪かった、レダルさんはアライブに言ったよね、初めての仲間が出来たみたいで嬉しいって」


『…フユカイダガナ』


「…アライブを仲間と思い喜ぶ一方で、明らかに俺が嫌がるように話をした、ただ戦いたいのならそのまま戦えばいいのに」


『…ソウダナ』


「そういう意味でレダルさんは俺が嫌いで、アライブの事が…」


アライブは先読みする様に触手でレダルの腕を掴む


「…!…ライバル!ライバルだと!おもったんじゃないかなぁっ!」


『…ライバル…カ』


アライブはレダルの腕を離した


「(はぁ…危なかった)」


『…キコエテイルゾ、チナミニ、サッキアタマニヨギッタコトモダ』


「そ、そういえばそうでした…」


「…それでアライブはどうするの?…すぐ考えが読まれるから先に言うけど、ちょっと不安要素しかないから…俺は食べない方がいいと思う…でもこの意見に左右されないで、アライブの正直な気持ちを教えてほしい」


ヒュウの意見を聞いたアライブは、触手を顎に当てながら考え、軽く首を傾げて尋ねた


『…ワレハマエニイッタナ?ドウホウヲクライタイ、ツヨクナリタイト』


「…言った、それを俺に受け入れてほしいと…」


『…イマノワレラデハヤツニマッタクカナワヌ、カツタメニハツヨクナルシカナイ…ツヨクナルニハ…ギジュツメンモアルカモシレンガ、ナニヨリモジリョクガタリン、ジリョクヲタカメルニハ…クラウシカナイ…ソレハワカルナ?』


「…うん…それじゃあ…」


『…ダガ、クラウモノハヤツノウデデナクトモヨカロウ?』


てっきり喰らうと言うと思ったヒュウは少し面を食らった


「えっ?…レダルさんに勝つ為に、強かったレダルさんの腕を…喰らうんじゃ…」


『…ツヨイモノヲクラエバ、ソレダケツヨクナルホショウモナイダロウ、ワザワザヤツノホドコシヲウケルキモ…イマハナイ』


「それはそうだけど…本当にいいの?…俺に気を遣わなく てもいいんだよ?」


『ヒュウガナニガナンデモ、ヤツノウデヲクラエトイウナラ、クッテヤッテモイイガ、ワレラハタガイニソノキガナイ、ソレナラバ、ヤツノウデヲクワナクテモイイハズダ』


「…確…かに…分かった、それじゃあこの腕はどうしようか…捨てるのも何か怖いし…リュックとか何処かに隠してもバレたら怖いよね、えっと…バレない場所…バレない場所…あ、そうだ」


とある場所が浮かんだヒュウ、その思考が伝わったアライブが慌ててヒュウに顔を近付ける


『マテ!!…ヒュウ、ソノカンガエハホンキジャナイダロウナ…!』


「えっ?…でも…パッと浮かんじゃって…さっきもちゃんと隠せてたし…」


『アレハシカタナクダ!ワレハシュウノウドウグデハナイ!』


「わ、分かってるよ…!…だけどアライブ、他にいい方法…あるの?」


『……ナイ…ナニカカンガエロ!』


「ええっ!?」


…それからしばらく、二人は考え続けたが何も浮かばなかった…アライブは渋々、変化の際の自身の腕にしまい込んだ


「…ごめん、アライブ」


『…ヒジョウニキワメテフカイダガ、シカタアルマイ』


「…ありがとう」


アライブは少し不安気な表情を浮かべ


『…ヒトツダケ…イイカ?』


「ん?何?」


『ワレラガツヨクナルマエニ、ヤツニデクワシタバアイダ』


「……うん」


『…ソノトキハフカイダガ、コノヤツノウデヲクラウカモシレン、ソレデモ…』


「いいよ」


『イイカ?…ン?イイヨ?』


「あ、読まれるからつい即答しちゃった、…流石に今の状態でアライブに喰わせないで出会ったら今度は即座に殺されるかもしれない…、何も出来ずに殺されるよりかは…例え勝てなくても、せめて出来る事はやって多少は足掻きたいかなって」


『…ワレモ、オナジカンガエダ』


「…そっか、それなら良かった、じゃあそろそろ寝ようか」


『ワカッタ…ヒュウノウエ二ノレヌノハザンネンダガナ』


「はは、また次の機会にね、お休み、アライブ」


『アア、オヤスミ、ヒュウ』


アライブはリュックへ入り、ヒュウは眠りについた





その光景を監視カメラを通して見ている者がいた…



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


基地本部、メインルームのモニターではいくつもの監視カメラの映像が映し出され、それをサフィアの監視チームが確認作業をしていた



監視チーム1

「おい、新しく入った患者、異常ないか?」


監視チーム2

「はい、患者は安定した様子で睡眠中、異常ありません」


監視チーム1

「そうか、峠は越えたようで何よりだ、引き続き監視を頼むぞ」


監視チーム2

「了解です」


監視チーム2?

「(フフフ…すぐに食べてくれなかったのは残念ですが…ヒュウのドラーベ…いえ、アライブ、あなたはもっと強くなってください、そしてまた戦いましょう…そしていつかまは私のように人間を…ヒュウを完全に喰らう事も…楽しみにしていますよ…)」



作品に関しての感想、質問があれば可能な限りお返事します。


次回も楽しみにして頂けると幸いです

ここまでお読み頂きありがとうございました!

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