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第四十五話【出発前夜の確認、アライブの目的と生態】

まずは閲覧ありがとうございます!


このお話は初心者による物語です、プロフィールに書いた通りのまるで台本の様な小説とは程遠い拙い文章、少ない表現力、明らかな描写不足、当然の様な誤字脱字など正直問題だらけです、それでも読んで頂けるのならば幸いです。


一部の「」『』の説明


「」は主に人間のセリフ


『』は人間以外や大体の主観の人以外の電話や通信越しなどによる人間の音声のセリフのイメージとなっております。


【この話での未知の生命体ドラーベ内の用語集】


【アハッド】


異星の者達から伝えられた技術によって、対ドラーベを想定して造られた人型兵器、大きさはおよそ8m程


【カッド】


アハッドと同様に異星から伝えられた技術によって造られた戦艦、アハッドを格納な上にある程度の戦闘も可能、海上、空中、宇宙への航行も可能としている


【サフィア】


反異種族連合軍…アフィアの中の特殊部隊の通称


アフィアのロヴェルが統率している組織


特別国家イールフ


世界に広まっているアハッド、開発当時の研究者の一人が地球に作ったと言われている小さな国


他の国が最先端を目指して高層ビルや交通などを発展させていく中、この国は地球由来の豊かな自然が多い、そして中央には大きな噴水があるのが特徴的


【プレデシャン】


ミレイ達の乗るカッド…戦艦の名前


【ドラーベ】


地球や異星などに突然現れた未知の生命体、意思疎通が出来ず、人間を襲うものの明確な目的などが分かっていない為、侵略者として扱われる事が多い


現在軍に三種類確認されているドラーベだが、共通しているのは頭部が伝説上のドラゴンの様な形をしている事のみで、身体はそれぞれ違いがある


【オールドドラーベ】


ドラゴンの様な頭部を起点に、上半身は竜人を思わせる身体、下半身は蛇の様にやや長い身体、全体的に靭やかで身体の灰色部分は硬い、赤黒い部分は比較的硬くないが、それでも銃弾や刃物を通さないほどの硬さはある、人で言う肩の辺りからは、形状を鎌や触手の様に変化させる特殊な腕の様な物がある、大きさはおよそ1m超え







イールフ旧訓練施設にて行われたアライブの存在を容認するか否かの戦い、経験でも想いでも実力でも決して楽に勝てる相手ではない戦いは、レミ達にペースを握られて劣勢になる中、ヒュウが奇策を考える


それは…戦いや身体の扱いに不慣れな自身の代わりに、エヴァルドラーベとしての身体をアライブに委ねるという事、これが功を奏してレミ達の膝をつかせる事が出来た


レミ達に勝利し、想いも力も証明してみせたヒュウ達を認めた事で一行は港に戻り、夜の食事を終えて明日の予定を確認する事に




ミレイ達はイフカの所で話をした…反連合軍特殊部隊…サフィアの事、彼等の元で活動する事をみんなに話していく、その為に明日の朝早くにイールフを発つ事を伝え、休息をとるために各々解散した


ヒュウとアライブは町を見納める為と称し(アライブ発案)一度町へ降りる許可を取り…深夜、素早く目的地へと向かう為にプレデシャンの目立たない所でエヴァルドラーベへ変化して町のとある場所へ向かった、周囲を警戒しながら進んで目的地近くの屋根に着地して変化を解いた二人が来たのは、オールドドラーベ達に囲まれ…窮地を脱する為にエヴァルドラーベへと変化したあの路地裏だった


基本的にはドラーベから噴出された体液は、速やかに処理するのが決まりだ、しかし…イールフは短期間での襲撃が起きている被害などの影響により、この辺りはまだ清掃されておらず…オールドドラーベの死骸は散乱し、噴出した体液は未だにその姿を残していた


そんな場所に二人がここに来た理由は、一つはアライブが気になる事があった為ここへ来る事を希望した事、もう一つはヒュウがアライブの気になる事を気にした…というのもあるが、ここを明朝に離れる事になるヒュウ自身、変化の時の事を胸に刻み込む為である



街灯が輝く暗い夜、ヒュウ達は屋根からドラーベ達の死骸を見下ろしていた、当時を思い出しながらヒュウが呟く


「…ここで初めて協力…かな?…したんだよね」


『…アァ、ヒュウヲオイカケテクオウトシタトキニハ、ソウゾウモシナカッタコトダ』


「…それはこっちのセリフだよ、学校でドラーベに襲われて、逃げる為に怯ませたドラーベがどこまでも追ってきたんだから、それが今は協力関係になったなんて事、その時の自分に言っても絶対信じてもらえないよ」


『…クク、マッタクダ』


ヒュウは周囲に何かあるのか見渡した後、アライブに尋ねる


「それで…ここで気になる事って一体何なの?」


『……アノトキハ…ヒュウガウゴイテイタカラムリダッタガ…、マズハシタニオリルカ、トリアエズ…ノレ』


アライブはヒュウの前に移動して背中に乗りやすい体勢を取り、乗るよう促した


「…えっと、大きさ的に乗って大丈夫なの?」


『ソンナコトキニスルナ、タメシニノッテミロ』


「でも…乗ってみて重かったら大変じゃ…」


『ショクシュデカンタンニモチアゲラレタノヲワスレタノカ?ワレハソンナニヤワデハナイ、ハヤクノレ』


「…そんなに簡単だったの?…いや、そもそも乗らなくてもいいんじゃ…?」


『デハココカラトビオリルノカ?…ワザワザタイエキデグチョグチョニナリタクハナイダロウ?セッカクワレガノレトイッテルノダカラ、スナオニノッタホウガハヤイ…』


「…そこまで気にしてくれて言ってくれるなら…、…あ!靴は脱いだ方が…」


『イイカラサッサトノレ!!』


「は、はい!」


ヒュウは了承して急いで背中に乗り、頭の角を掴む、するとアライブは少し考え


『…ソコヲツカンデハ、ヒュウヲカクニンデキン、ツカムナラクビモト…イヤ、カタニシロ』


「えっ?あ…確かに…分かった」


ヒュウは言われた通りにアライブの肩を掴む、そしてアライブはふよふよとドラーベの死骸のそばへ移動し、一つ一つ何かを確認するような仕草を取った


「えっと…やっぱり仲間…だったの?」


『…ナカマ?…イヤ、モウチガウ、…アノトキワレハドウホウカラソンザイヲキョゼツサレ…イカリヲカンジタ、ダカラアノトキ…ワレハヒュウノカラダヲウバイ、ドウホウヲコロスツモリデイタ』


「…でも、その時アライブが動かす事は出来なかったんだよね、もう少し早く意識の入れ替えが出来てたら…」


『…ソノトキハイマトハジョウキョウガチガウダロウ?…ソレニソノノゾミハヒュウガナシトゲテクレタカラナ、ソノコトジタイハヨイノダガ…コロシタドウホウヲミテ…ベツノコトガウカンデナ』


「別の…事?」


『…ニガテナラ、メモ、ミミモフサゲ』


「……苦手?それってどういう…」


グバァッ…!


バクゥッ…!


ヒュウがどういう事か聞こうとする前に、アライブは大きく口を開いて死骸に喰らいついた


アグッアグッ!ングングッ!…ゴクンッ!


「ちょ…ちょっとアライブ!?急に何をしてるの!?」


ヒュウの驚きながらする質問に、アライブは少しだけヒュウに振り向く、その口の周りにはドラーベの体液がベッタリと付着している


『…ゲフッ!…タダクラッテルダケダガ?』


「…い…いやそうなんだけど…何でそんな事を…」


アライブはそっぽを向いて目を閉じ、何かを感じ取っているかのように集中する、すると、死骸を呑み込み歪に膨らんだ腹部はギュルギュルと音を立てながら元の大きさに戻っていく、そして軽く溜息をついてから目を開けて首を少し動かし、ヒュウに目線をやる


『…ヤハリチカラガワク、リユウハシランガ…ドウホウヲクラウコトデ、ワレハヨリツヨクナレソウダ』


「ど…同胞を…喰らって強く…?それは凄い…かもしれないけど…でもそんな事しなくても、アライブは充分強いから食べなくてもいいんじゃ…」


アライブは視線を戻し、ヒュウの言葉を聞いていないかのように別の死骸にバクゥッ!と喰らい呑み込んでいく


「ア…アライブ?大丈夫だよね…?聞こえてる?」


『ゲフゥッ!…キコエテイル、…ヒュウ、イゼンワレハオカシクナイト、ソウイッタコトガアッタナ?』


「う…うん…、その時のアライブは凄く悩んでたみたいだったし…今も印象に残っているよ」


『ングングッ!ゴクン!…ンハァ……!…ワレヲウケイレタヒュウニナラ…イマナラスナオニワレハオカシイト、ハッキリイエル』


「……何がおかしいのか、聞いてもいい?」


『…カマワヌ、ヒトツサキニイッテオクガ、ワレガドウホウヲクラウコトハ、ダレカニイッテモカマワン、ソノホウガジユウニクエルカモシレン、ダガリユウダケハ、ヒュウニダケハナス…』


気付くと路地裏一帯に大量に散乱していた死骸は、アライブが肉片一つ残らず喰い尽くし、アライブは先程と同じようにギュルギュルと音を立てながら残らず消化して吸収した、辺りには蒸発しにくい体液のみが残されているせいで、ある意味不気味な光景に、その後アライブはヒュウを屋根に乗せ、向かい合うように移動する


アライブが話したのは記憶を遡った異変の始まり、学校でのヒュウからの最初の攻撃を受けた事で怒りが芽ばえた事から始まった、後にヒュウを喰らい変化した事も…今思えばアライブなりのオカシイ事らしい


しかしそれとは別に、今いるこの場所でエヴァルドラーベへと変化した時、話していない異変があったとアライブは言う


「それって一体?」


アライブは小首を傾げる


『…エヴァルドラーベニナッタワレラガコロシタドウホウヲミタトキ、ワレガナニヲカンジタカ、ワカルカ?』


「さっき言ってた別の事の話だよね、…何を感じたか…殺したかった相手を殺せたから満足した…だけど悲しくなった…とか…」


アライブは首を横に振って否定する


『…サキホドモイッタヨウニ、ヒュウガコロシタコトニハタシカニマンゾクシタガ、カナシクナドナッテイナイ…タダ…』


「ただ…?」


『…クイタクナッタ』


「……えっ?」


アライブは刃を触手へと変え、握ったりうねらせたりしながら話を続ける


『ナゼソウオモッタノカ、ワカラナカッタ、ダカラリカイスルタメニ、オモウガママニコウシテクラッテミテ…リカイシタ、ドウホウヲクライ、ワレノチニクトシ、チカラヲエテ、ツヨクナル、…コレヲホッシテイタノダト』


アライブの発言に対してヒュウの脳裏に真っ先に浮かんだのは…心配だった、但しそれは力を得たアライブが暴れ出す不安から来る恐怖による心配ではなく、当の本人…アライブ自身への負担などが無いかの心配、当然その想いは…アライブにも現在進行系で伝わっている


「…そんな事してアライブは…大丈夫なの…?」


『…ダカラサキホドイッタハズダ、…ワレハ…スデニオカシイト、ワレハクラウコトヲヤメルキハナイ』


「だ…だったら下手にこれ以上おかしくならないように我慢すれば…それが無理なら俺が注意したりして止めるから…!」


アライブは目を細め


『……ソレハダメダ、ヒュウガワレヲトメ、ソレガツヅケバオソラク…イヤカナラズ、イズレハエヴァルドラーベニナッテデモ、コロシタドウホウヲクラオウトスルハズダ』


「ちょ…ちょっと待ってよ!意思を一つにしてやっとエヴァルドラーベになれるんだよ?もしアライブが単体で同胞を喰らおうとする為に変化って考えるのなら、エヴァルドラーベになるなんて無理なんじゃ…!」


『…スコシマエマデ、ワレニマドワサレタヒュウガソレヲイウカ?…ヤロウトオモエバ、ヒュウノイシヲネジマゲルノモフカノウデハナイト、ミヲモッテタイケンシタダロウ?』


「それ…は…」


ヒュウの脳裏に、イールフでの変化後の情景が浮かんで少し俯いてしまう


『…ソウナラズトモ、イズレエヴァルドラーベニナッタトキニ、ムリヤリイシヲイレカエ、ドウホウヲクラッテシマイカネン、ソウナレバ、ヒトツニナッタヒュウモオカシクナッテシマウカモシレヌ…ソレハ…ワレハノゾマヌ』


アライブの気遣いに、ヒュウは顔を上げる


「…アライブは俺の事を…心配して…?」


ヒュウは少し考え


「…アライブ…俺に何か出来る事ってあるかな…?」


『……ワレガドウホウヲクラッテモ、オビエズ…シンパイセズニ…タダウケイレテホシイ』


「…ただ…受け入れる…、…絶対に変にならない?」


『……クク、ソレヲタシカメルタメニモクラッテミタトイウノモアル、チカラハマスダロウガ、ココカラサラニオカシクナルワケデハナイ、ソコハアンシンシロ、ダガコンナリユウ…ホカノニンゲンハシンヨウシヨウトハオモウマイ、ダカラ…ヒュウニダケハナシタ』


アライブの打ち明けに対してヒュウは今自分の出来る事を考え、悩んだ、そしてまっすぐアライブの目を見つめ、ヒュウはアライブへ手を差し伸べる


「…アライブ、オカシクナルワケデハナイってその言葉、信じるよ…?」


『…コウイッテハナンダガ…ウノミニシテイイノカ?』


ヒュウは軽く笑い


「いいも何も…最初から乗っ取るつもりだったら秘密に出来た筈、それなのにアライブは言わなくてもいい事を俺に打ち明けてくれた、だったら俺に出来るのは、そのアライブの期待に応え、信じてあげる事位しかないから」


『…ク…クク…!…ナラワレモ、ヒュウノソノシンライニコタエテヤル』


だんだんとヒュウの反応が予想出来つつある事に思わずニヤけるアライブも、伸ばしたその手に自分の刃をそっと乗せた


『……ソレニ、アジハヒュウノホウガ、ウマイカラナ』


「…ん?それって…もし俺が不味かったら危うかったって事…?」


『クク…サテ、ドウダロウナ?』


「そこはハッキリ否定して!?」


ヒュウとアライブは秘密を共有する事で絆を深めつつ、港でアライブに付着した体液を軽く落としてからプレデシャンへと戻っていった…




プレデシャンに戻ってきたヒュウとアライブは格納庫の光が漏れていた事が気になって覗き込むと、メックがエクレールと共に本体ボディに何かをしているのが見えた、声を掛けようとも思ったが邪魔をする訳にもいかないとも思い、部屋に帰ろうとした


しかし、メックの近くにいるエクレールに何故か気付かれて呼び止められてしまい、仕方なくメックとエクレールの近くへと寄っていく事に…


エクレール

『なぁんで帰ろうとしたんだよぉ…!?』


「せ、整備してるのかなって思って邪魔しちゃいけないかなって…」


メック

「あぁ!それならエクレールの協力もあってほぼほぼ終わったから大丈夫だよ!」


エクレール

『…オレは殆ど道具の受け渡し役だけどなー』


「…えっと…やっぱりダメージ…酷かったですか?」


メック

「ん?そりゃあ勿論!こんな鋭利に切られる事なんて初めてだったからね!もう直す時スッゴクワクワクしたよ!」


「ご、ごめんなさい…!…って…え?ワクワク…?」


咄嗟に申し訳無いと思ったヒュウが頭を下げるも、メックからワクワクしたと言われて驚いてしまう


メック

「うん、ワクワク!だってさ、これまでは大体戦う相手は決まってたじゃない?そうなると、自ずと負う傷もある程度パターン化されるわけ、流石に直すのも飽きちゃってさ」


エクレール

『そりゃ対ドラーベの兵器なんだから当然だろ、他の軍と戦っても基本同型機だしな、っていうか飽きるってなんだよ!』


怒るエクレールに対し、メックは修理道具をクルクル回しながら


メック

「傷付かない方が一番楽だけど、今までにない新しい傷は私にとっても可能性でもあるの」


「えっ?傷が…ですか?」


メック

「そう、例えば今日エヴァルドラーベが付けた傷によって、全体の強度の見直し、それに伴う素材の検証やバランス調整、とかね、一つの新発見が今後の戦いに大きく役立てるの、壊されたとしても、それは新たにより良い物を作り直せる可能性なんだよ!」


アライブは嬉しそうに話すメックを見て首を傾げ


『…コワレテモ…イイモノガ?』


エクレール

『良くなるのは歓迎だけど、流石に壊されるのは勘弁だな…』


「…そんな事考えてもみなかった、凄いですね…メックさん」


メック

「何言ってんの!レミとエクレール、ヒュウくんとアライブのお陰でこの可能性は生まれたんだよ!?もっと誇ってほしいな〜」


エクレールは素早くガッツポーズを取り


エクレール

『おっしゃあ!見事に壊してやったぜ!…なんてなるわけないだろ!』


メック

「さっすがエクレール!ノリわかってる〜!」


エクレール

『このメンツじゃオレしかいねーだろうからな!ってあのな…』


エクレールのノリの良さはヒュウも少しは知っているため、感謝を伝える


「は…はは…エクレール、ありがとう」


エクレール

『あぁ、気にすんなって』


メック

「エクレールっ!ありがとうっ!」


『……アリガトウ』


エクレール

『何真似してんだよ!それにアライブまで!?…これはやべぇ…誰か!ツッコミが足りねぇ!誰かーーーっ………!』


そのエクレールの言葉を最後に、メックとエクレールと別れてその場を後にした




格納庫を後にしたヒュウとアライブ、港で落としきれていないアライブの汚れが気になったヒュウの提案で部屋で着替えを取り、遅めの入浴をする事に


ヒュウは身体を軽く流して湯船に浸かろうとする、だがアライブは入り方もただ煙の出る水に浸かる意味も分からずにふよふよと浮かんでいる、ヒュウはそんなアライブに近寄りそっと湯船の近くまで誘導する


そして側に置いてある桶を使い、アライブの身体に少しずつお湯を掛けると、それに驚いたアライブはバッと移動して逃げていく


『…!!キュウニナニヲスル!』


「ご…ごめん、この湯船に浸かるために軽く汚れを流してるんだよ」


『…?ヨクワカラン』


「…いや、いっその事先にちゃんと洗っとこうか…!」


そう言うとアライブを台に乗せ、シャワーからお湯を出した、勢い良く出るお湯に驚いていたが、ヒュウに諭され触れてく内にお湯に慣れていき、一度お湯を止めてからヒュウは人肌にも優しい石鹸を使いアライブの身体を洗っていく、擦ると出てくる泡にアライブは驚きつつも、ヒュウに「大丈夫」と言われる為身体を委ねた、そしてヒュウに目に泡が入るといけないからと言われ、渋々ながらもアライブは目を閉じた


一方のヒュウも初めてアライブを洗っていく内に違和感を覚える、今洗っているアライブと…過去の記憶と目視でしか比較出来ないが、同じ種類のオールドドラーベとでは違いがある…気がした


頭部は見た目の通りゴツゴツしている、ここはおそらく他のオールドドラーベとは変わらない、その一方で身体の赤黒い方は見てきたオールドドラーベと違う気がした、身体の鱗は薄く…かつ表面に革製品のようなしっかりとしたハリもあるも、柔軟性や弾力も相まって意外と柔らかい


腕は刃のままだと危ないので変えてもらった…が、何故か触手に変えた、以前見えない時にヒュウを押え込んだのはこの触手だったのだろうかと思いながらも洗っていく、この触手も柔軟性があり、先程まで刃だったとは思えない柔らかさだった


自身とアライブの身体を丁寧に洗い、シャワーでしっかりと流すと、先程まで付いていた港で落とし切れなかったドラーベの体液や汚れは綺麗に落ちていた、もう大丈夫だよ、とヒュウが声を掛けると、アライブはゆっくり目を開けて擦られたところをあちこち確認する


『……?……!ナンダ…ナニヲシタ?』


「何って、洗って汚れを落としただけだけど?」


アライブは宙を∞の字に舞った


『…カラダガカルイ…!ナニカシタノカ?』


「…いやだから、洗っただけだって…」


アライブはピタリと止まって、キリッとしながらヒュウの前に近寄り


『アラウ…!アナドレンナ…!』


「大げさだよ…って思ったけど、アライブの話だとドラーベ達が身体洗うのは…しなさそうだから仕方ないか、…そんなに良かったのなら、また入浴する時は洗ってあげるからね」


『…タノムゾ』


身体を洗い、さっぱりした事で改めて湯船に浸かる事に、ヒュウが先に浸かる様子を見てアライブもゆっくり確かめながら浸かっていく、最初こそ疑心暗鬼だったアライブだが…どうやら全身が暖まる感覚が気に入ったみたいだった


『コレハ…ナゼカハワカランガキモチイイナ…』


「癒やされてるみたいでよかったよ」


『…イゼンヒュウガハイルノヲミタトキハ、タダノミズニハイルコトヲリカイデキズ、ヘンナヤツダトオモッタガ…』


ヒュウは軽く思い出し笑いをしながら


「…確かに、そういう事も言ってたね」


『…イマナラスコシリカイデキル…コレハイイモノダ…』



ヒュウ達はしばらくゆったりと過ごした、お風呂を上がる時、アライブは少し出渋ったが明日も早いと諭して出る事に


アライブを脱衣所の椅子に乗せ、頭や顎を拭き取る時、近く…どこからか音が聞こえた


「…?」


『…グルル…』


「…アライブ?」


『…グルル…、…?…ナンダ?』


「…えっと…怒ってる?」


『ナゼダ?』


「いやだって…、今の…グルルって、威嚇かなって」


『…イカク?ソレニソノグルルトハナンダ?』


「…あれ?今のアライブじゃないの?」


『シラン』


「…そっか、じゃあ身体も拭き取るね」


『アァ』


ヒュウはアライブの身体もタオルで拭き取っていく、すると


…フキフキ


『…グルル…』


「…」


…フキフキ


『…グルルル…』


「…」


…フキフキ


『…グルルルルルルル…』


「……あの?この音か声…やっぱりアライブから鳴ってる気が…」


もう一度ヒュウに指摘され、アライブはヒュウに顔を向ける


『…グルル…?グルルソンナグルルハズハグルルナイグルルルルル』


「アライブ!?言葉が分かりづらくなってるよ!?」


アライブは小首を傾げる


『グルル…厶、…グルル…コレハタシカニ、…グルル…ワレカラキコエルグルル?』


「だ…大丈夫?やっぱりドラーベを喰らった影響が?それか病気とかじゃないといいんだけど…」


『…グル…、トクニフチョウハナイガ…』


「あ…治まってきた?」


『厶?ソウダナ、イッタイナンダッタノカ』


「なんだろ…人で言うしゃっくりみたいなものなのかな…」


アライブから聞こえる謎の音も気になるが、先程身体を洗った時にも思った事が気になり質問してみた


「アライブって頭部はともかく、思ったより身体柔らかくない?ドラーベは普通の銃弾とか効かないって習ったけど、これだと普通の銃弾や刃物も通しそうだけど…」


『……?』


アライブは自分の身体を見回し触手でグッと押してみる、多少ハリはあるがグニグニとして確かに柔らかい、少し考え…何かを閃く


アライブは触手を刃に変えると、疑問に思ったヒュウが理由を聞こうとする前に自身の身体に突き刺した


ガギッ!


突き刺したはずの身体は硬く…刃が通らなかった、突然の行動にヒュウは驚き尋ねた


「な…何で急に自分を攻撃したの!?危ないよ!?」


『…キニナルコトヲタメシタダケダガ?』


「き…気になる事?」


『…コレハスイソクダガ…ドウヤラワレノカラダハ、ジョウキョウニヨッテ、タショウヘンカシテイル…カモシレン』


「状況によって変化?」


『…イマノヨウニ、コウゲキヲカンチスルト、フセゴウトカタクナル…ミタイダ』


「…じゃあオールドドラーベ達も、戦闘中じゃなければ元々柔らかいの?」


『…イヤ、コレハワレダケダロウ、シガイハカタカッタカラナ』


「死骸はって…それはまた別の硬直じゃ…?…じゃあ何でアライブだけ柔らかく?洗う時には既に柔らかかったよね」


『…ナントナクダガ…ゲンインハワカル』


アライブは刃をヒュウへと向け


『ヒュウガゲンインダ』


「ええっ!?なんで俺!?」


『…ワレラノカンケイガカワッタンダ、ヒュウガワレヲウケイレ、ワレモヒュウヲウケイレタ、テキデハナク…アンシンデキル…ミカタトシテナ』


「…味方?」


アライブは頷いてから、刃を触手に変えてヒュウの手を掴み、自身の身体をグニグニと押させる


『ダカラ、コウゲキヲウケルオソレガナクナリ、コノヨウニ、グニグニヤワラカイノダロウ』


「…それならもしかして、さっきのグルルも…そういう事なのかな…」


『…ドウイウコトダ?』


「…ちょっとごめんね」


ヒュウは椅子の上にいるアライブの頭を撫でる


『厶?キュウニナニヲ…グルルル』


「あ…鳴り始めた」


『グルル…ヒュウ…グルル…ナニヲシタ…グルル』


「えっと…ただ撫でているだけなんだけど、もしさっきの事と関連してるのなら、このグルルって鳴るのは、アライブが嬉しかったり、安心してるって事なのかなって思って」


『グルル…アンシン…グルル…』


「鳴らしながらも言葉を喋れてるから、喉が鳴ってる訳じゃなさそうだけど…どうなってるんだろう、そういえばアライブは喋ってる時、俺達みたいに言葉毎に口をパクパクさせてはないんだね?」


『グルル…ソコハベツニグルル…キニシナクテモイイダロウ…グルル…、タダアンシンダトサエワカレバナ…グルル』


「…そうだね、アライブが安心だったり、嬉しいって思ってくれてるなら俺も素直に嬉しいよ、これなら身体的にも心的にもアライブを洗いやすいし」


『…ソレナラコノヘンカモ…グルル…ワルクハナイナ』


ここでも新たなアライブの一面を少し知る事が出来た二人は、身支度を整えてその場を後にし部屋へと戻った



部屋へと戻ったヒュウはベッドに座って一息つくと、それを追うようにアライブも近寄りベッドに乗った


「…今日はビックリする位色んな事があったね」


『…ソウダナ』



初めての別の国の観光、ドラーベの襲来、オールドドラーベに殺されそうになる中、ヒュウは元凶のドラーベに喰われ人型ドラーベへと変化しオールドドラーベを倒す、その後元凶のドラーベに誘導され暴走、そのままプレデシャンやレミ達と戦い、気を失い、再び目覚め暴走しかけるもメックのお陰でヒュウは戻り、事なきを得る


夕方に目覚めるとエクレールに怒涛の質問攻めをされ、ついに元凶のドラーベの存在がバレた、そこでヒュウと元凶のドラーベの想いなどを話し、それを聞いていたエクレールも受け入れた、ここで元凶のドラーベを「アライブ」、アライブがヒュウを喰らい変化した人型ドラーベを「エヴァルドラーベ」と名付けた


その後プレデシャンにいたみんなも話を聞いていた事を知り、色々と話し合った結果、アライブの今後を決める戦いが行われた、レミの乗るエクレールと、アライブがヒュウを喰らい変化したエヴァルドラーベによる戦いは、互いに苦戦を強いられるも、一か八か戦いの最中にアライブを信頼して意識を委ねると…無事に意識の交代に成功しエヴァルドラーベが勝利した、そんなアライブとヒュウの互いの信頼する様子に、みんなもアライブをある程度受け入れてくれる事になった



「…振り返ってみても信じられない一日だね」


『…マッタクダ』


「改めてになるけど、これからよろしく、アライブ」


『…ワレモコレカラセワニナル、ヨロシクタノム、ヒュウ』


「…じゃあそろそろ寝よっか、…そういえばアライブって寝るの?」


『イゼン、ヒュウノヨウニベッドデヤスンダガ、キヅケバアサダッタナ、タブンネテイルノダロウ』


「…あぁ、確か前にベッドで先に休んでたって言ってたっけ…」


『……………』


アライブは何故かヒュウをジッと見てきていた、どうしたのか不思議に思ったが、状況的に浮かんだ事を聞いてみた


「……アライブ?…もしかして…ベッドで寝たいの?」


アライブはグイッとヒュウに近寄り


『イイノカ…!?』


「別にいいけど…前は勝手に乗って休んでたんだよね?」


『…イゼントハ、イロイロカワッタカラナ、キイテコトワラレテモ、メンドウダカラナ』


「確かに…それじゃあ…」


ヒュウはベッドの掛け布団を一部動かし、先にスペースを作ってあげた、しかし何故か乗ろうとせず『ドウシタ?ハヤクコロガレ』と言われてしまう


どういう事か分からず、取り敢えず先にベッドに転がるとアライブは近寄り、仰向けで転がるヒュウの上に顎を下にしてうつ伏せで乗ってきた


「えっと…アライブ?ベッドに乗るんじゃ?」


『…?ベッドニモノッテルガ?』


「にもって…そこだとベッドじゃなくて、ほぼほぼ俺の上だよね…」


『…イゼンモヒュウノウエデヤスンダガ?』


「以前も上で…?あっ…あの時の身体の凝り、不思議だったけどそういう事だったのか…」


『………メイワクナラオリルガ』


アライブはどことなく悲しげな雰囲気を出している


「あぁ!違うっ違うからっ!そんな悲しそうにしないで!アライブが休める場所がそこだって言うなら全然構わないから!」


『…ソウカ……!』


一転して嬉しそうにするアライブに翻弄されながらも、掛け布団をかけて眠る事に


「…おやすみ、アライブ」


『…!アァ、ヨクネムレ、オヤスミ…ヒュウ…グルルル…』


ヒュウは、目を閉じて喉を鳴らしているアライブを見てると、基地に現れた時と今では印象が全く違って見えると思った、どこでもついてきてくれて、今は身体に少し感じる重さも相まってまるで…


突然アライブはパチッ!と開き、鋭い眼光でギョロッ!と瞳をギラつかせ


『…ワレハイヌヤネコデハナイゾ』


「っ!わ…分かってるよ…!」


『……ナライイ』


再びアライブは目を閉じた、あまりの馴染み具合につい考えが読まれる事を忘れてたヒュウは、余計な事を思う前に眠る事にした…




作品に関しての感想、質問があれば可能な限りお返事します。


次回も楽しみにして頂けると幸いです

ここまでお読み頂きありがとうございました!

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