古代コルドバー王朝の遺跡
砂漠の遺跡には二つの古代の物が眠ってますが・・・
薄暗いので魔法を使い灯りを放つ。
「小さな太陽よ我が手に発現せよ、サンフレアライト」
光は行き先の奥まで照らす、魔法の疑似太陽を自分の周囲に浮遊させ進む。
「お宝~♪ お宝~♪」
軽い足取りでスキルが反応する方に、足を向け進む先は城の奥らしくキューブは、不思議な探索波を出して城のマップ作成をしてるみたいだ。
キューブが出したマップに、トレジャーハンターのスキルが反応した場所は・・・
その頃まだ喜一が遺跡に入った事を、気付かない二人は・・・
「そもそも遺跡に寝たら、潰れますわよね?」
「我が巨体を支えられぬ遺跡なぞ、違法建築に決まってる筈だ、なあ喜一・・・喜一?」
クラストは喜一が居るだろう方を見たら、喜一の姿は見えずそして、アリスも気付き辺りを見回すが見付からない。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
暫く二人はフリーズし出た言葉は・・・
「置いて行かれました!」
「何で我まで置いて行く! 喜一よ」
そして喜一は一階の奥の武器庫らしき場所に着いた、何かを封印した様に硬く分厚い、鋼鉄の扉を神鉄刀と言う刀で居合いの体勢から、素早くみじん切りにし扉を斬るが他まで少し斬ってしまったが、頑丈で錆びた鋼鉄の扉はみじん切りに原型が無い程崩れた。
「さて、何が有るかな・・・」
扉の先には広い工場の様な広い場所だが、何やら超文明だったらしくライフルや重火器の武器の類いや、それを製造する機械等が有る。
武器を鑑定するとアーティファクトと言う、技術で造られた武器らしいが、近くの報告書や資料を読むと、他の大陸のエルフも関わってる技術らしいが、一応古代の技術の失われた技術武器だしお宝かもね。
他の世界から来た超文明人とエルフにハイエルフと、このコルドバー王朝の技術者が研究開発したらしいが、武器はコルドバー王朝と超文明人によって、融合技術で作られたらしい。
「・・・・・・エルフの人達は、基本生活に使えるアーティファクトて技術を、この国で超文明人の知恵を借り作ってたみたいだ・・・」
近くの資料ファイルを読むと、こう書かれている。
『我々は遂に完成した、超文明の人々が元の次元に帰る機械を完成させた、だが時空を歪め高位次元にアクセスするには魔力が足りない・・・
だがハイエルフは何故か手助けしてくれるらしい、高位次元に興味が有り彼等に着いて行くらしい・・・』
高位次元とは何だろうか? 異界と、関係は有るのだろうか?
更に読み進めると・・・
『我々は成功した、装置が相当大きいし王は渋々だったが成功を見て、子の一部を彼等の世界に送り出す気らしいが、あの眠り続ける女性達も送ったが、あんな寒い透明な棺の中で何も食べずに生きてるとは、高位次元の技術力は凄い・・・』
寒い棺とは何だろうか? 更に、ファイルを読み進めるとこの国が滅んだ理由に近付いた。
『三回目の送り出しで装置に負荷が掛かり過ぎた、あと強力してくれるハイエルフの方々の番だが、王が無茶を言い始め子ではなく自分と愛人を連れて、王妃から逃げると言う・・・無茶苦茶な・・・
たぶん装置の負荷の限界的に、次の送り出しが最後に成るが先に、超文明の人々と向こうに行った同僚達が無事に着き、新しい技術力で我々もそちらに行ける技術を作って欲しいものだ・・・』
何か雲行きが怪しく成って来た・・・・
・・・四回目は城の一部や街を吹き飛ばし、装置は無事起動し送り出したと思う。
装置は負荷に耐えられず爆発した爆風は、沢山の者が犠牲に成った・・・城に居た王族も例外ではない、だが装置近くには遺体は無く無事ハイエルフの方々を送り出せたか、私には分からない・・・確認する手が無いからだ・・・・・』
まだ続きが有るが、なんか一部の記載が日記の様だな・・・
『私は他でアーティファクトの研究してた、エルフと共に不思議な大陸に去る事にした、武器は魔力増幅装置が有るライフルやオリハルコン剣は、一部だけ持って行く事を許された。
残りは此処に封印し、もし探し出されても戦争や変な考えの国に使われない事を願う・・・』
・・・・・・ヤバそうな兵器が在るらしいが、キューブに封印すれば良いかな。
あとエルフ達が研究してた機械には、自動フルーツお菓子量産機械のアーティファクトを、研究してたらしいが他の世界の人に、何かの機械に魔改造されたらしい。
饅頭自動調理器とか見えたが、見なかった事に・・・肉まんも出来るのか・・・後で探そ。
機械等をキューブに頼んだ、僕が扉が有った場所に出ないと無理らしいので、出たら一瞬で中はスッカラカンに成った。
次に近くで階段を探し、二階に上がるとモンスターに遭遇した。
「・・・・油断したな、まさか悪魔モンスターに遭遇なんて・・・」
「こんな場所に人間とは珍しいな・・・」
骨の様な全身と黒い炎を纏った、悪魔らしきモンスター・・・いや、下級悪魔らしいが知能は高いみたいだ。
「私は下級ではない、デーモン達と一緒にするな!」
「悪魔は悪魔だろう、モンスターなんだから同じだろ?」
そう言うと、黒い炎は紫混じったダークパープルの色に変わる。
「私を愚弄するか! 人間ごときが!!」
「瞬間湯沸し器だな、モンスターのクセに」
「羽虫の人間が、その言葉を後悔に変えてやる!!」
「残念だけど、虫ではないから簡単には倒されんよ」
「やかましい!」
大理石の床に亀裂を入れ、蹴る様に振りかぶり加速し此方に迫りながらダークパープルの炎を纏った、骨の拳を僕に振り下ろそうとしてるが甘い!
「あ~らよっと!」
「!? 消えただと!」
消えては無い、視界外に移動しただけだ。
振り下ろした拳は虚しく空を切る。
「何を焦ってるやら?」
「何故ソコに居る?」
悪魔にも有効らしいな・・・スキル・・・
「人間がどんなスキルを持ってるかは判らぬが、小賢しい真似を!!」
喜一は悪魔のその言葉で、心を読んでると確信したので、更に情報を渡さない戦法に徹する。
僕は武器を全て入れ他の武器に変える。
「何だ? その玉の付いた剣は?」
「攻撃を食らえば直ぐに分かるさ・・・」
「我等に普通の物理攻撃は無駄と知らんのか?」
わざわざ自分は物理攻撃効かないと、情報を言うなんてバカなヤツ・・・他の悪魔は普通に、普通の武器でも倒せるが少し面倒なだけだ。
「更に愚弄するか! 羽虫!」
「やれやれ、モンスターが吠える」
「羽虫ガァー!!」
身体の生体エネルギーの気を剣に送り、柄頭に在る玉型のコンバータが起動し、青緑の光りの気を剣に纏わせる。
悪魔は更に全身から炎を出すが、吹き出す様に増加するが・・・
「奇怪な物で倒せると思うなよ!」
「・・・秘剣・・・神速オーラ二段斬り!」
足にオーラを纏わせ、走り一瞬で間合いを詰め・・・
「また消えただと!? 何処に?」
視界から消えた様に見えた悪魔だが、次の瞬間悪魔の身体に痛みが走る。
僕は悪魔の身体に剣を横一閃凪払い斬り、素早く剣を返し二段斬りをする。
「!? グフッ・・・身体が・・・何故・・・羽虫の人間がソコに・・・」
絶望と驚きの顔と共に、黒い塵に成って消えた・・・
「モンスターには負ける気は無いよ、まだ世界を見て回ってないし負ける気は無いよ・・・」
剣に纏わせたオーラを解除し、通常の剣にし鞘に収め宝物庫に向かう、クラストさんがバカに食べるしお金は沢山在っても腐らない。
悪魔のドロップはデモンハート、精神異常攻撃を40%軽減するらしいが、光魔法とかの威力低下と回復の効果が低下する要らない効果付き。
アビスブラックパープルクリスタルは素材、僕が知る限り剣や刀の補強や改良素材だったはず。
秘宝の地図は二つ在り一つは、ブルークリスタルレイクのダンジョンに、もう一つはこの城の地下らしい。
秘宝は開けないと判らないが、大抵その遺跡やダンジョンとは関係無い、虹色ランダム秘宝宝箱を掘り出し宝箱を開けるまで不明だ、だがトレジャーハンターのスキルは秘宝宝箱の中身のグレードを、引き上げてくれるらしいとかボソリとあのエルフさんは言ってた。
次はデーモンズソード、禍々しい黒い刀身に闇より黒い鍔に赤黒い血の様なグリップ、何か呪われて・・・・・・呪いの剣だが、普通の剣を扱うより疲れが四倍増しの、攻撃力も最高ランクのオリハルコン武器の二倍の威力らしい。
他にも有るがそれは魂が汚れた人間程、剣の威力は上がるが同時に生命力と寿命を剣に吸われるみたいだ、汚れた魂の闇が深いと更に。
ユニコーン金貨は八枚となんと、ドラゴン白金貨三枚とあの悪魔モンスターは強かったらしいが、此処で何をしてたのだろうか?
このドラゴン白金は後に意味が在ったが、それは僕が進む先のとある事でソロで旅をし冒険をする者の必須。
それは後に分かるが、その可能性が回避される未来も在る。
そして悪魔が何故居たかは知る術は喜一には無いが、その答えは喜一が持つキューブの中に在ったりする。
そしてその頃喜一を追い城の中に入った二人、だがクラストの無駄な感で近くの階段を上がり、二階に行くと何故かモンスター達が遅い来る。
「喜一さんじゃないのが沢山居ますけど・・・」
「こんな筈ではないが下郎共、我がドラゴンだと知っても尚掛かって来るなら来い!」
クラストはヤル気満々に拳を構えるが、アリスは溜め息をしながら言う。
「モンスターに言って理解出来れば、苦労しないですよ」
「それは言うな!」
クラストは多数のモンスターと戦う為に、封じてたドラゴンの気配を出すと・・・
「・・・・・・」
アリスはその気配に本能的に逃げ出し、モンスター達は混乱し逃げ惑うのだった。
「最初から気配を出せばよ・・・アリスは何処に行った?」
クラストは逃げ惑うモンスターを、先に片付ける。
アリス無我夢中で走った結果・・・
そして喜一はと言うと・・・
「クラストさん、派手に近くで気配を出してるが、モンスターでも出たのかな?
まあ僕は悪魔が出たが、アッチもかな?」
呑気にそんな事を言うと、パニック状態で泣きながら他の通路から、走って来るアリスさんに出会った。
「喜一さん見付けた、怖いよ~」
クラストさんなにやってんの、全く・・・
アリスさんの頭を撫でよしよしした・・・
何か不謹慎だが可愛いと思ってしまった。
「よしよし」
「・・・・・・ついでにドーナツ頂戴・・・」
どさくさに紛れてドーナツを要求するアリスさん、あざといな・・・
「こんな埃や砂だらけの場所では、ドーナツが不味くなるよ」
アリスさんに言うと。
「そうね・・・でも、クラストさんが怖い気配を出したから、仕方がないの・・・」
イヤイヤドーナツ食いたいだだよね・・・
「それより先に進むよ」
「何で喜一さんは、あの気配に恐れないの?」
「・・・・・・さあ?」
クラストさんの気配に恐れないのは、僕自身も判らないしたぶんこの先も分からないだろう。
再び歩き出し宝物庫に向かう、途中の部屋に赤い宝箱を見付け鍵がしてないので開けると、ユニコーン金貨20枚を手に入れた。
「アリスさん山分けね」
「宝箱から、甘いお菓子が出ないのかな?」
・・・出ないよ・・・アリスさん。
他にも一瞬でどんなダメージやキズも治る、森の恵みて黄色い液体回復薬と、疲労が回復する精霊の贈り物てロイヤルゼリーとか入った、栄養ドリンクみたいなフラスコポーション瓶に入ったのが、全部で8ダース位在った。
「赤い瓶は何かな?」
アリスさんが言ったのを調べると、とても貴重な物だった。
「不死鳥ライフポーション、戦闘で死んだ仲間を生き返らせらる回復ポーションだって」
「凄いポーションだけど、死なないのが一番ですよね」
確かにだけど、モンスターと戦う以上危険は何時も在る。
「一応持っておこう」
「そうですね」
4本の不死鳥ライフポーションを、二人で分けた。
更に宝物庫の方に向かう、途中床が無い場所は迂回したりした。
ジャンプして超えれる場所は飛び、建物が崩れた場所はまた迂回して進む、途中でモンスターを倒しまくりどや顔のクラストさんが合流。
何故か上機嫌で、モンスターを倒した話をするが雲行きが途中で怪しくなる・・・
「・・・でな喜一よ、本来のドラゴンの姿だったら雑魚モンスターなぞ、瞬殺だったが次はどうだ? 本来の姿で・・・」
何か僕達の安全配慮が無い、話に成って行くので。
「砂漠に行って一人でやって」
「此処でドラゴンの姿に成られたら、私達まで迷惑に巻き込まれますから、やめて下さい」
だがクラストさんは。
「その時は逃げれば良いではないか?」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
アリスさんと無言でクラストさんを、ジト目で見るとクラストさんは。
「そんな目で我を見るでない」
ジト目に耐えられずジト目から逃げる様に、早歩きで先に進んで行ったが途中で、足元見なかったらしく床の穴に気付かずに一階に落ちたみたいだ。
「何故床が抜けてるのだぁー!!」
クラストさんの声が深くから聴こえる、どうやら地下まで落ちたらしい、人間だったら死んでるな。
「先に行ってるから」
「早く上がって来ないと、置いて行きますよ」
イタズラぽい顔でアリスさんが言うと。
「させぬぞ!」
クラストさんを放置して先に進む、暫く歩くがたまにクラストさんの悲鳴が聴こえる、見落とす様な床が落ちた場所は無かった筈だが。
「また床がぁー!!」
アリスさんと目を合わせ、溜め息をしながら前に進む。
「何やってんだろうなあのドラゴン」
「ドラゴンなのに、ドジ過ぎますね」
呆れながら奥の宝物庫に辿り着いた、オリハルコン製の扉が在り一応スキルを使うと、キューブから不思議なアイテムに反応し、万能鍵てアイテムを扉の鍵穴に設置すると、数秒でカチャと音がし解錠する。
「何が在るのですかね?」
ワクワクしながら聞くアリスさんに言う。
「宝物庫だから金貨や貴重な物だろうね」
「それで沢山甘い物買えますね」
アリスさんは目を輝かせ言うが、果物だってそんなに買い占められないし、ある程度しかその町や集落の売る量は決まってる。
扉を開けると装飾品系の鎧とかが置かれてた、サンフレアーライトが照らす部屋は更に布で巻かれた板らしき物、宝飾された剣や盾に杖。
奥に向かう扉がまだ在り、キューブが回収を始めたので万能鍵を使い鍵を開けると、後ろからクラストさんがやっと来た・・・クモの巣だらけで。
「待たせたな!」
「待ってないよ」
「待ってませんよ」
僕とアリスさんは同時に言うと。
「二人共我に酷くない?」
何か泣きそうな顔で言われたが、落ちたのは自業自得だしアリスさんを泣かせたし、仕方ないのだ。
「さて開けるよ」
扉を開くとサンフレアーライトに照らし出された、金銀財宝の山に宝石や貴金属が在り、数年遊んで暮らせる位は在るのだが・・・
「我は此処に棲みたい」
「宝が沢山だからって住むて、ドラゴンの習性かな?」
「人間の姿でないと住めませんけど・・・」
呆れながらアリスさんは言うと、近くに何か降り立った様な揺れを感じた直後に、クラストさんが言う。
「・・・・・・この気配まさか・・・」
「またドラゴン、クラストさんより何か怖いぃ~」
アリスさんは腰を抜かし座り込み、震えながら動けずに居た。
「安心せよ、我の古き友の気配だ」
言い終わったのと同時に、ワンパンで壁を殴り壊し外に出るクラストさん、色々非常識過ぎるドラゴンだ。
キューブは全てを回収が終わり、壁を何枚か破壊し外に出たらしい、なんか外から『やはりクラストの気配だったか』とか聴こえ、声がする方に行き壁の穴(クラストパンチ穴)から外を見ると、外に出たクラストさんともう一体のドラゴンが居た。
クラストさんはドラゴンの姿に戻って居て、隣には黄金に輝くドラゴンは威風堂々とした姿をし、クラストさんの知り合いらしいが何故か、クラストさんよりドラゴンとして格上な紳士ドラゴンの気がする。
「本当に久しいなクラスト」
「そうだな、何時ぶりかは忘れたがな、ガァーハハハァー!」
クラストさんの笑い声うるさい、そしてクラストさんは僕に気付き言う。
「喜一よ、コイツは我が友グレイスだ」
「どうも喜一です」
一応挨拶しとくと驚く、クラストさんの友グレイスさん。
「ドラゴンの姿の初見で驚かない人間は、久々だな・・・」
人間の姿はクラストさんが初めてだが、人間の姿に近いドラゴン戦士は会った事が有るけど、クラストさんやこのグレイスさんみたいな気配は出してない。
まあ何故普通に話し合えるかは分からないが、僕はグレイスさんを見ると、優しそうな感じがした・・・ドラゴンだが。
「喜一、我はグレイスに付いて行く、元々グレイスに逢うために喜一と一緒に旅をする予定だったしな」
と言われたので。
「別に構わないけど、武器は返してね」
そう言うとクラストさんは名残惜しそうに言う。
「・・・・・・持って行っては・・・」
「駄目に決まってるよ」
何故に持って行こうとする、貸してるだけだよクラストさん。
「クラスト」
「なんだ? グレイス」
グレイスさんは真面目な顔で、普通に正論を言う。
「借りたら返せ当たり前だ」
「グレイス・・・何故に喜一の味方をする」
文句を言うクラストさん・・・
「常識的に借りた物を返すのは、当たり前だからだ」
「我等はドラゴンだぞグレイス?」
もっともらしい言い訳をするクラストさん、威厳の欠片もないな・・・
「やれやれクラストは・・・」
溜め息をするグレイスさん、クラストさんがごねるので自在剣をキューブから出し、鞘から抜くとグレイスさんから許可が出る。
「やれやれ、クラストを倒しても・・・」
クラストさんが何かを察したのか、此方を向き。
「待て喜一、返すからそれで我を斬らないでくれ」
気付かれたので仕方なく。
「ドラゴンを軽く斬れるか試したかったが・・・」
「我を本気で斬る気だったな・・・喜一よ」
返さなければね・・・。
「さてね」
「まあクラストが斬られても、数万年後に復活するだろう」
そうグレイスさんが言うとクラストさんは。
「いや普通半年で復活するから、それにあの剣で倒されたら我は、絶対復活しない気がするから」
なので僕は・・・
「爪を斬って大丈夫なら・・・」
「爪と肉体は別だから、一緒にするでない喜一」
上手く誘導出来なかった。
「我よりグレイスを斬れ」
クラストさんに言われ、ジト目で睨むグレイスさん。
「俺は関係無いだろう、あと美味い酒はクラストに無しな」
「酒を盾にするでないぞグレイス!」
そしてグレイスさんは僕を見て言う。
「まあ冗談は此くらいにして」
「冗談には聞こえなかったぞ、グレイス」
グレイスさんをジト目で睨むクラストさん、それを無視してグレイスさんは言う。
「喜一よ、この残念な友クラストを連れて行くが・・・」
僕はグレイスさんに即答する。
「どうぞ連れて行って下さい、残念なドラゴンなので」
それを聞いたクラストさんは半泣きで。
「二人揃って言いたい放題だな、それと喜一よ数日間とは言え仲間だったのに冷たくない?」
即答されて文句が在るらしいが、アリスさんが怯えるし非常識に食べるし、食糧が一日で一週間分減るから正直助かる。
「別に普通だよクラストさん」
「・・・・・・本当か?」
なので笑顔で。
「普通だよ普通」
「凄い満面の笑顔で言われてもな・・・」
食事を作る身に成って欲しい、大量に食うし生でモンスターを食べるのが、普通に他の旅人や冒険者に見られたら変に思われる。
リザードマンなら虫モンスターを普通に食べるが、大抵ソロの冒険者だし。
「では行くかクラスト、サラバだ人間の喜一よ」
「喜一よまた会おうぞ!」
砂塵を巻き上げ二体の竜は、砂塵と共に消えて行ったが砂で視界が・・・あと、何か忘れてる気がする・・・
それともう少し考えて飛び立って欲しいもんだ、宝物庫だった場所に戻るとアリスさんは復活してた。
「クラストさんは?」
「仲間が迎えに来て一緒に行ったよ」
胸に手を当てホッと息をし、安心した様に僕に言う。
「安心したらお腹空いちゃった、喜一さんドーナツ食べたいな」
「普通にドーナツ食べたいだけだよね?」
そう言うと目線を逸らすアリスさんだった。
あとクラストさんにまんまと剣を持って行かれたが、何時か取り返そう。
「次は地下に行こうアリスさん」
「まだ何か在るのですね」
廊下を戻りクラストさんがさっき落ちた場所に行き、飛行魔法を制御しでゆっくり下に降りると、広場らしき場所に降り立つが砕かれた人骨が散乱してる、たぶん砕いたのはクラストさんだろう。
アリスさんも降り立ち粉砕した、人骨に嫌な顔をして踏まない様に歩いて回りを見る。
何ヵ所か他に行く道は在るが、財宝は隠し扉が在る壁の方だ。
キューブの地図を見ながら広場の壁を確認し、隠し通路のスイッチを探すと、動く壁が在ったので押すとその裏に空洞が在り、何か取っ手らしきリングが在り引っ張ると・・・
ガチャ・・・カタカタカタカタ・・・・・・
何かが動きそして一部の壁が後ろに下がると、大理石の壁が綺麗にスライドしながら左右に開き、奥に進む道が現れた。
ゴットンと重い音が遠くからした、奥にも何かが在りそうだのでアリスさんと共に奥に行く、キューブの地図を頼りに財宝の地図をシンクロさせ、財宝を探すと怪しい空間が途中の通路に在り、その近くで足を止めると不思議な場所に鏡や怪しげな、犬らしき像が置いてありその近くの壁を探ると、壁の一部にボタンらしき感触が。
そのボタンらしきのを押すと鏡が消え、中を覗くとピンクと青のイルカのペンダント(オリハルコン製)と、大きな魔法増幅機らしきイルカの像が在る。
大きなイルカの像は、水と光と雷の魔法エネルギーを増幅させる装置のキーらしい。
しかもあの研究者達より更に古代の文明らしく、一体僕が住む世界の古代技術はどんな超技術が在ったんだ?
「相当古い古代技術みたいだよ・・・」
「クラストさんなら・・・いえ、無いですよね」
あのクラストさんが知ってそうと思ったらしいが、アリスさんは途中で無いと思ったらしい、僕もそう思うよ・・・グレイスさんなら知ってそうだが、アリスさんが怯えそう。
他にも今の世界地図を合わせても合わない、不思議な世界地図と他にも遺跡が示されて他ので、キューブに解析を任せた、他にユニコーン金貨数十枚と、ドラゴン白金貨三枚を手に入れた。
「なんか古代の遺跡探しの冒険ですね」
「そうだねアリスさん」
アリスさんは溜め息をしてから僕に言う。
「もう、仲間なんだからアリスて普通に言ってよ」
何故か呆れながらアリスさんは言うが。
「だってアリスさんも僕を、喜一さんて言ってるじゃん」
溜め息をして僕に言う。
「喜一がアリスて呼ばないからよ」
膨れっ面で言うアリスさんは可愛いし、仕方なくアリスと呼ぶ事にした。
「じゃあ改めて宜しくアリス」
握手するために手を出すとアリスは・・・
「ドーナツ宜しくね喜一」
少し早まったかもしれない・・・
握手を交わした僕らは財宝? の在った隠し部屋を出る、更に奥に行くと怪しげなモンスターが居た。
「何か居る、アリス行くよ」
「不気味なモンスターね・・・アレ、アンデッドよ!」
サンフレアーライトが照らしたモンスターは、不死系のモンスターらしいが服装は、豪奢だったらしき王の様なボロボロの服装をし黄金の錫杖には、魔法宝石らしき宝石があしらわれ、王冠だと思う冠をして居た。
確か日記らしきのには、王は愛人とエルフ達と転送が成功したかも知れないと有ったが、この王はさて一体?
「我が城を奪われても、コルドバーの者に我が技術を渡す物かぁーっ!」
何か勘違いしてるらしい・・・
「あの?・・・」
「何だコルドバーの少年よ・・・」
やはり勘違いしてるよこのアンデッド。
「コルドバーて国は太古に滅んでますよ、後僕は他の大陸の者です」
そう言った筈だが・・・
「コルドバーの少年よ・・・」
「認めない気だな」
溜め息をしながらアリスが言う。
「砂に埋まって廃棄に成ったこの遺跡を見れば、直ぐに分かりますよ」
「・・・・・・え"!?」
何でアリスの言葉は信じるんだ、このアンデッド。
そしてアンデッドは動揺したかの様に、全身を震わせながら声を何処からか響かせて言う。
「そ・・・そんなバカなぁ~!!」
「動揺し過ぎだろう」
そして最後のコルドバー王の話を一応すると。
「愛人とエルフと共に、他の世界に行って城や民を犠牲にするとは相変わらずな奴等だ」
そしてアンデッドは・・・
「この先に在るのは出口だが、我が友が造った欠陥品には触るなよ、絶対に触るなよ・・・」
何だか芸人みたいな事を言うが、それより。
「イルカの像は何に使う鍵ですか」
アンデッドの王は驚きながら言う。
「アレを見付けたか、ワシや仲間すら隠した場所忘れてたが、アレを見付けたなら教えてやる」
僕とアリスは真剣な眼差しで聞く。
「我等が国を・・・」
「前置きは要らないです」
アリスに話の腰を折られたアンデッドの王。
「語り聞いて欲しいのよ、お嬢さん」
「それより肝心な話をお願いします」
何か悲愴感がアンデッドの王から出てるのだが・・・
「聞いて・・・欲しいなぁ~」
「イヤです」
更にアンデッドの王から悲愴感があふれ出る、仕方ないて感じでアンデッドの王は肩を落としながら言う・・・
「あの大きなイルカの像は、島の形をした船を動かすアイテムでな、ライバルだったコルドバーの奴等に奪われない様に、要塞城を作る予定が地下以外平凡に出来てしまった・・・」
城の一部棟の屋根が玉葱みたいだったり、何か城より巨大砦を城に見立てた様な外観の遺跡だった様な。
「そのイルカの像を我等が・・・アレ?」
何かド忘れてしたお爺ちゃんの様な仕草をし。
「アズールアウローラは、何処に置いたか忘れてしまった」
それを聞いて、僕とアリスはコケた・・・
「忘れたのですか?」
「何せミイラの様な姿で長年居たし・・・」
「イヤ、ミイラですから・・・見た目」
更に肩を落とすアンデッドの王。
「忘れたし仲間も生きてないし、奴等もほとんど滅んだし見付けれたらくれてやる、海に島の様に浮いてるかは我にはもう分からないが・・・」
新しい目標が出来た、このアンデッドの王が人間だった頃に、仲間と造ったアズールアウローラて島を探す事。
「島に五つの棟が在る島を探せ、ソコに我等の研究成果や島を船の様に動かす、司令塔に向かう道が在るだろう」
そう話したらアンデッドの王は、床に横に成り。
「疲れたし寝るか・・・」
寝るのかよ!
僕とアリスはたぶん城から離れた場所の、古びた大理石の階段を登りその先の部屋の扉は開いて居て、アリスと中に入ると何かの装置やら色々在る。
さっきのアンデッドの王が、友の『欠陥品には触るなよ』と言ってたが、どれだろうか?
アリスは不思議そうに見てたが、目を離した間に何かに触ったらしくアリスが居た場所から、眩い光が発生して居てアリスが見えない。
「喜一・・・」
それがアリスの最後の言葉だった、離れ離れに回り見るんではなかった。
光が収まった後にその近くのを調べると、未完成ワールドゲートと未完成転送装置が在ったが、どちらかは分からないが近くに何かメモが在る。
相当古いメモだが、普通につい最近の様な紙質で書かれた内容は。
『未完成転送装置により触るな! 触ると、自分の故郷に強制転送されるか、自分が嫌な相手の居場所に転送される結果が有り、部品が足りない為に完成まで触るべからず・・・』
どうやらアリスは、ダルマ達が居る故郷かクラストさんの居る場所に、強制転送されたみたいだ・・・
まあ無事なら何時かまた会えるさ・・・クラストさんに、ストレスでダメージ受けて無ければ、それにクラストさんの居場所なら空から逃げれば大丈夫だ、どうせ酔っ払って寝てるかもだし。
また久々に一人旅か・・・・・・次は、僕に食事を押し付けない仲間に出逢えると良いな・・・
扉を発見し砂漠は一人旅はキツそうだから、僕は砂漠を出て他の国に行く事にした。
こうして喜一は再び一人旅に成ったが、その頃アリスは・・・
「喜一、助け・・・アレ?」
「アレ? なのだ?」
アリスはは雪だるまと遭遇した。
「人間さんと旅に出た筈なのに、何故居るのだ?」
「・・・・・・帰って来たの私・・・」
そして喜一から貰ったペンダントが何故か無い、しかも剣は無いし外套は羽織ってるけど、喜一と旅が出来るアイテムが無い。
「そんな・・・」
落ち込むアリス?
「・・・私の・・・私のドーナツがぁ~!」
「ドーナツ?」
そっちかい!
こうして喜一は再び一人旅が始まったのである。