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旅をする者達  作者: 穴にハマった猫
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異界湖

夜にフユさんにプレゼントを作ってたら朝だった、今日フユさんを連れ異界湖に向かう、母がフユさんにはんごろしのこし餡のぼた餅を渡す。


「帰れなかったら帰ってきな、年始のチャンスもあるし」

「縁起悪いから、そんな事を言うなよ母」

「年始?」


忘れてるみたいなフユさん、まあ異界湖は他の世界に繋がってるらしい、異空間在るかも知れない不思議な湖だ。

異界の魔王の力を使った魔法も使えるし、色々な異界や世界に繋がってても不思議では無いかも知れない。


「じゃあ行こう」

「キーくんのお母さん、お世話に成りました!」

「達者でね・・・」


フユさんは母に頭を下げそして、森の奥に向かってフライ・ドライブで空から向かう、行く道は深い森だし異世界人のフユさんを危険な道を歩かせれない。

ヒノキ古代檜コダイヒノキの森の上空を通過し、湖の中心から間欠泉の様に・・・いや噴水の様に、湧き水がたまに水柱を立てる。


「・・・・・・異世界て本当に不思議」

「地下の圧力で吹き出た湧き水らしいよ、調べる事は不可能だけどね・・・主が居るから」


オリハルコンの鱗の巨大な鯉の古代魚が居る、ヤツは基本虫モンスターを補食してるらしいが、湖の深い場所に来る水棲生物以外を襲うらしい。

何かを守ってるのではとの噂も有るが、調査には何回も失敗してるとか噂が絶えない。


「湖の岸に何か在るよ、キーくん」

「祭壇だよ・・・謎が多い・・・」


神を祭る石の祭壇らしき物は、両端に不思議に火が消えない石灯籠が左右に在る、この石灯籠は消える事の無い聖なる炎なので消えないらしい。

この世界を創った創造神の、始まりの炎とも呼ばれて居る。


「・・・キーくん、私誰かに呼ばれてる気がする・・・あの場所に下ろして」


フユさんがしたした場所は、祭壇中央の場所。


「・・・誰が私を呼んでるのかな?」


僕には分からないが、フユさんが指した場所に降りるとフユさんはふらりと歩き、両手を握り祈る様に空を見て暫くすると、空から光が降り立ちフユさんを光の柱が包み込む、フユさんは誰かと話してる様な声が聴こえる。


「・・・確かに私は異世界人です」


眩しさに目が眩みフユさんを見失う、そして聞こえた声・・・


「キーくん・・・サヨナラ・・・好きだったよ・・・」


その言葉の直後に光は収まり、フユさんの姿は消えた・・・


「最後に告白して帰る何て・・・」


そして思い出す、渡す筈だったプレゼントを・・・だけど、確かに万能空間に入って居た雪の結晶の形の花、スノーデイジーをクリスタルに魔法細工して、加工したネックレスと髪飾りは無くなって居た・・・


フユさんをイメージしたプレゼントは消え、湖の畔で暫くなにも考えずに過ごした、小人のマツリに背中に蹴りを入れられるまで。



◆◆◆


・・・私は聞こえた不思議な声に答える。


「はい、確かに私は異世界人です」


暫くすると光が私を包む・・・


「汝が異世界人と証明された・・・

汝は異世界の家族の想いに応えよ・・・」


私は迷った・・・

初めて異性を好きに成り、店では私をたまに気遣ったりここに来る前までは、一緒に居て嬉しかったし楽しかった・・・

キーくんのお母さん公認だし、何時かは今はもう無理かも知れないけど、私は・・・


「時間はない・・・汝は地球へと送られる、汝の家族の元に帰るが良い・・・」


私の合意は?


「未成年には無い」

「酷い!」

「さあ別れの挨拶を済ませるがよい・・・」


え!?もう・・・心の準備が・・・


「急げ!」


声の主に急かされ私は混乱のまま、キーくんに最後の未練だらけの言葉を、キーくんに言う。


「キーくん・・・サヨナラ・・・好きだったよ・・・」


テンパリ過ぎて間違えちゃったー!


「難儀な異世界の娘よ・・・」

「言い直しをさ・・・」


だけど気が付くと見慣れた観覧車、見慣れた街並みに大型船が見えた・・・

私が失踪した学校ではなく、何故か他の場所に居た・・・


「失敗したぁ~!」


私は頭を抱えしゃがむと、周りの視線に堪えきれなく実家に向かい帰る。

実家に帰ると両親に、滅茶苦茶鬼の形相で怒られ泣かれた、私は()()()()してたらしい。

実際は一年以上だと思うけど、何故一日失踪で済んだのか私は分からない・・・


「何時かまたあの異世界に行って、今度はキーくんと添い遂げる為に自分の意思で行きたい」


私はそう決意した・・・だけど、一年以上向こうに居たブランクは、私には大変な日常に成った・・・

学力は問題無かったけど、働いてた時のクセがたまに出たり営業スマイルが、色々な噂を呼んで大変な事に成ったのは黒歴史として封印したい。


必ず戻って、キーくんの彼女に成る・・・


そして荷物を取り出すとフユは、謎のアクセサリーを手にし想いを募らせたのだった・・・

誰が作ったか直ぐに分かったから・・・

喜一から貰った不思議なトラベルトランクは、荷物を全部取り出すと、普通の革鞄のトラベルトランクに成ってしまった。



◆◆◆


フユさんが帰って数日、最後の告白に頭を悩ます・・・


『キーくん・・・サヨナラ・・・好きだったよ・・・』


好きだよではなく好きだったよ、過去形の告白をどう受け取れば良いのだろうか?

ドーナツやロールケーキを作り気を紛らわせるが、妹や母につまみ食いされ違うダメージを負う。

悩んでも仕方ない、僕は選ぶ新たな旅を・・・・・


そして再び旅立つ日、母に背中を押される。


「何時でも帰って来な、此処は喜一が何時でも帰って来て良い場所さ、彼女か妻を連れて来て欲しいけどね」


嬉しい言葉だが、最後の方は厳しいと思う・・・平均的な面白味無い顔を、好きだったよと言ったフユさん位しか居ない。


リゼさんやシャルさんやチノちゃんは、恋愛対象に出来ないし成らない。

何時か普通顔でも傍に居てくれる、良きパートナーが見付かるか判らないが、旅をすれば恋愛とか考えてる暇が無いかも知れない。

何処を旅をどうするかは、アルバトスの話が胸に引っ掛かってる。


「じゃあ、行ってきます」

「お土産は宝石と孫でも良いからね!」


思わずコケて、顔面ダイブ大怪我する所だった。


「・・・考えとくよ」

(前者を・・・)


無人バスに乗り悩みながら行き先を決める、そして出した答えは・・・

フユ 「私ヒロイン降格・・・そんなぁ~」

メインヒロインはまだ未定です。

フユ 「何時か絶対に戻ってみせる」

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