夢の中の不埒な王子
「ええ…王太子殿下は想像を遥かに超える美しい人でしたわ。傾国さながらの神秘的な美しさで黒髪にブルーの瞳でお声も素敵だった。しかも将軍職を兼務しているらしいわ。頼もしいのね♡…まだ婚約者がいないことは本当らしいですわ…亅
……どうしよう?狙っちゃう??
いやいやいや……まだ9歳だし……
「……あぁ、ロゼレッタ様が羨ましいですわ!わたくしも一目王太子殿下を見てみたいです!亅
うん、私でもそうそうお会い出来るはずもない。でも……
「お父様とは、随分と親しげでしたわ。」
王太子殿下に親しげに……砕けた口調で……タメ口でしたわね?
マリさんは少し考えながら
「……王都では交流があったのかもしれませんわ。でもこちらの領地では王太子殿下をお見掛けしたことはありません……」
マリさんは、この領地…現地採用のメイドのため、滅多に王都には出向かないんだそう。
「……でも、近々お会いする約束をしてらしたわ。もしかしてこちらのお屋敷にもいらっしゃるかもしれないわね」
マリさんは満面の笑みで、そうなったらどうしましょう!!うきゃ〜!とはしゃいでいる。
ミルクを飲み終えると睡魔が……やはり9歳児、もう寝なくては……「おやすみ、マリさ…ん……」
「……ふふふ……おやすみなさいませ…ロゼレッタ様…よい夢を……」
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あれ……
私の目の前には、あの神秘的な王太子殿下が……?!
え?
私が一緒にワルツを踊っている!あの王太子殿下と!!
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あ…コレは夢かな?
だって、だって王太子殿下と踊っている私は9歳児じゃ無くて、成人しているんだもの!!
しかも、成人した私は、サラお母様とそっくり!
夜会らしき場所で大勢の貴族がいる中で、成人したロゼレッタはブルーのプリンセスラインのドレスに身を包み、正装姿の王太子殿下と仲睦まじく踊っている。
『ミシェルの事は、突然で……残念だったな』
え?
『…はい。突然すぎて…未だに信じられなくて…』
お父様に何かあったの?
『何か困ったことがあれば言うといい。善処しよう。……継母達からは害されていないだろうな?』
…今…なんて??
…ま・ま・は・は…??ママハハ…??継母…??継母達?!
『はい…殿下のおかげで、何とか……』
『リリアナ達にも困ったものだな。……この夜会にも一緒に来てしまったのか。』
……リリアナって、あの悪女ですか??
王太子殿下は、ロゼレッタをグッと胸元に引き寄せると耳元で囁く。
『リリアナ達は先に帰らせよう。……ロゼレッタ、今夜は二人きりで話したいことがある。ここでは話しづらいな……私の部屋へ行こう。』
『殿下……』頬を赤らめ潤んだ瞳で見つめ合う。
王太子殿下に肩を抱かれ、ロゼレッタは会場を離れ、別室へと消えて行く……
『ランスさまぁ……あん♡…私、0時までには帰らないと…』
『0時?…いいだろう。それまでは…』
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ゴラ〜!!
9歳児の夢でなにやらかして******
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