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元悪役令嬢!転生先はシンデレラ!?  作者: 麦わら帽子
新たな人生**シンデレラが見る夢**
3/51

転生先の生活は♡その2

お父様に抱っこされたまま、暖炉の前でお菓子を食べるという幸せ甘々な人生初体験を済ませ、夕食はダイニングで一緒に食べる約束をして、名残り惜しいまま自室に戻る。

ロゼレッタへの愛情を犇々と感じながらもこれからのことを考える。


先ずは、本格的にロゼレッタ周囲の情報集収ですわね。何しろ記憶は戻りようがありませんもの。



手始めにメイドのマリさんにこの国のことが書かれている本を読みたいとお願いした。

 

暫くすると、マリさんが3冊の本を持ってきた。

「ロゼレッタ様には、難しい内容が書かれた本ですので、わたくしが説明しながらお読み致しましょうか?」


「ありがとう、でも大丈夫でちゅわ……」 


あ、噛んだ…

…心と身体のこのギャップ……早く慣れますように!

なんとも気まずく赤面しながらも読書に集中する…

私、見た目は9歳ですが、中身は成人!

しかも厳しい妃教育も受けた侯爵令嬢ですもの、難なく読みこなせるのですわ!


うん、早くこちらの生活に馴染まなくては……


*********************


夕食の時間になり、マリさんが迎えに来てくれた。


「今日は料理長にロゼレッタ様が大好きなお料理ばかりを作ってもらいました。旦那様もご一緒です。沢山お召し上がりくださいね。」


あぁ、あの美しすぎるお父様とご一緒できるなんて緊張しますわ?


マズイ……お父様にドキドキするなんて……9歳失格ですわ……


あぁ!!でもこのまま初恋のお相手はお父様になる予感がする……

……二人だけの夕食かぁ♡……なんて妄想していたら、お父様が私の部屋までお迎えに来てくださいました!


キャ〜♡このイケメンに馴れる日が来るのでしょうか



神様、どうか今度はお父様の結婚相手に転生させてくださいませ!


お父様と楽しく夕食を食べながら、明日は久しぶりに近くの街まで買い物に出かけようという話しになった。

「明日から、3日間はお祭りがあるんだ。出店もあって楽しめるんじゃないかな?」


「まぁ!是非行って見たいわ!」


お父様は眩しいものを見るように少し目を細めて微笑むと、では明日楽しみにしておいでとうなずく。

「それにしても、ロゼは急に…随分大人になったようだね?…先程は部屋で難しい本を読んでいたようだし、食事中のマナーの所作も完璧で美しい。どうしたのかな?」


むむむ……どうしましょう?


とりあえずは、転生したらしい…、とは言えませんわ。

私だってどう説明すればよいか分かりませんもの。


怪しい何かがロゼレッタを乗っ取った!なんて思われたら、どうすればいいか分かりませんもの。

追い出せられないようにしなくては………


「フフフ…7日間も眠っていたのですもの…ご心配をお掛けしたのですから、これからは今まで以上に頑張りたい所存ですわ、お父様」


お父様をうっとり見つめると、お父様は「え?……所存……って言ったのか?」と呟いたものの…、すぐに笑顔を見せ、そうかと頷き、無理はしないで、やりたい様にやりなさい。と応えてくれる。


あ……マズかったかな?

病み上がりだし、転落事故を起こし、記憶があやふやついでに……他の事も、あやふやにして下さいませ。


難解な書物も読破してきたため、苦でもないが……怪しまれない程度にしなくては……


他人になりすますのって、難しい。

この先も多少変に思われるのは仕方のないことだと腹を括るしかないのかな?

何しろロゼレッタの記憶はない。


うん、ボロを出さないようにしなくては……


それでも楽しい夕食の時間は終わり、湯浴みを済ませ、寝る前にマリさんが借りてきてくれた本の続きを読む。

私の住むイスタニア王国では、アストリア帝国と同じく貴族制度があり、ロゼレッタは伯爵家の令嬢で、建国当時からある由緒正しい家系らしい。


う〜ん、由緒正しい伯爵家ねぇ、私…まさかまた王子様と婚約なんてことにならないでしょうね?~私と釣り合う年齢の王子が居ないことを願うばかりですわ。


9歳とはいえ、貴族には婚約者が居てもおかしくないので、もしかして、ロゼレッタにも婚約者がいるのかしら?


暫くして、マリさんが寝る前に温かい湯たんぽを持って来てくれたので、イスタニア王室や婚約者について聞いてみる。

するとマリさんが満面の笑みで「まぁ!ロゼレッタ様も王子様にご興味がありますのね!」と嬉しそうに教えてくれる。王子様は皆さまの憧れの的ですわよ、と。


へぇ〜ほぉ〜ふぁ〜


要するに、この国の王子殿下は3人いるが、意外にも長男の王太子以外は既に婚約者がいるらしい。

現在19歳の王太子殿下には公爵令嬢や隣国の王女など婚約者候補者からの申し入れはあるものの全て断っていると。


えっ?そんな我儘良いの?

結婚は王族の義務……イスタニア王室よ……いや、王太子殿下…大丈夫ですの?


「度々、婚約者選びの舞踏会は王城で開かれるものの、未だ誰にも決まったこともなく……ロゼレッタ様は6年後にデビュタントですから、もしかして6年後までに婚約者が居なければ、候補に挙がる可能性はまだありますわ!」

マリさんがにっこり大丈夫だと頷く。


ロゼレッタ様も王子様が気になるなんて、ウフフ…。って、誤解されてますわね……王太子がワガママ過ぎる疑いがあるのに、気になるわけありませんわ。


イスタニア王国の将来が不安ですけど。


とりあえず、私にはまだ婚約者もおらず、王子殿下との婚約の可能性はないと分かり、ほっとする。


マリさんに明日の外出に備えて早く寝ましょうとベッドへ促される。

あら、さすがに9歳児ですわ…もう瞼が重い……

「マリさん、色々教えてくれてありがとう…おやすみ…な…しゃ…ぃ…。」


マリはランプを消し、ロゼレッタの部屋を出る。


マリは、やっと元気を取り戻したロゼレッタに安堵し、明日もお嬢様のお好きな書物を揃えなきゃ!と張り切るのだった。




お読み頂きましてありがとうございます。

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