4話 異世界勇者
〜〜〜 私の部屋 〜〜〜
えぇ、なにしてるのよカリオは
『いや、一応言うけど世間には知られてないからね』
いや、教えなよ、神託しろよ、神だろお前
『なぁ!?私に言うな私に、専門外なんだよ!?私は錬金術専門なんだよ!!』
だったら専門の人に言ってよ!
『専門の世界を司る神は今は他の仕事で忙しいんだよ!』
はぁ、まぁいいか
『良くないよ!専門外の事しろって言われてムカついてるんだよ!ちょっと面貸せ!』
やだよ面倒臭い
『むきぃぃぃ』
コンコンッ
「お嬢様、国王陛下がお待ちしています」
「分かったわ、今から行くわね」
まぁ、なんの用なのかは想定ができている、多分勇者の事だ
〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜
〜〜〜 謁見の間 〜〜〜
「よくぞ来た勇者達」
「これから勇者達には魔王を討伐してもらう」
はいはい、テンプレテンプレ
「だが、今の勇者達では魔王には遠く及ばんだろう」
そりゃそうだ
「ときに我が娘アリアよ」
「なんでしょうお父様」
「お前はもうステータスカードを持ってるよな」
「はい、持っています」
「つまり学園に入れるということだ」
え、そうなの?
『それは本当よ、なにを思ったのか分からないけどステータスカードを持っている事が学園への入学条件なのよ』
まじか、でもこの世界の常識は知らないよ?
『あとで私の部屋に来なさい、教えてあげるから』
分かった〜
「はい、そうですね」
「という事で勇者達には我が娘アリアと共に学園へ入ってもらう」
「いやいやいや、待って、いきなりなんの話?」
「そうよ、私達はいきなりここに召喚されて意味分からなことを言われているのよ」
うん、めっちゃ正論
って、あれ?なんかこの勇者達に見覚えが……
あっ、こいつら私と同級生だった人だ!?
でも、私が死んでから3年は経っているのに、時間軸が違うのか?
『いえ?時間軸は同じよ、どうやら3年前に召喚されて今まで召喚待機状態だったみたい』
え!?召喚してから3年待たないといけないの!?
『えぇ、そうよ』
召喚魔法って不便だなぁ
『いやいや、そもそも異世界召喚魔法は使わないでよ』
まぁ、確かに
「なんでこんな変な事が2回も起きるのよ!明日香は死ぬわ異世界召喚されるわ!」
私の死は変な事じゃないでしょ!
って、あいつは 朝比奈 和理香 (あさひな わりか)、 またの名を回想の人!
居たのか……いや、まぁ当然か、学校で召喚されたんだし
「私達は帰れるんでしょうね?」
いや、帰らせるのは駄目だ、3年も時間が経っているんだ、帰ったところで相手に認識されない
『でしょうね、3年も経っているのに姿形が変わらないのはおかしいもの』
可哀想だけど帰らせる訳には行かないわ
「悪いが帰ることはまず不可能だ、唯一の帰る方法は次元魔法で帰ることだ、だが必要魔力は179652893だ」
『これは本当よ』
相当多いわね、私でも足りないわ
ちなみにずっと話をしてても大丈夫なのか?と思うかもだけど私達のINTだとものすごいスピードで会話が出来るから実際には1秒も経っていない
『なんで急に説明口調になってるの?』
うん?あぁ、これね、これは私の癖よ。なんでか分からないけどつい説明口調で今の状況を説明しちゃうのよ
『なにその変な癖!?』
さぁ?私にも分からん
「帰えれないから結局安全に暮らすには魔王を斃さないといけない……ちっ、結局言いなりになるしかないのか」
あぁ、苛ついてる、まぁ当然か、もう家に帰れないからね
「で?いつから学園に入学するんだ?」
「それは一ヶ月後からだ」
ふぅん、一ヶ月……アリアの部屋で勉強する分には十分すぎるな
『私の部屋は時間経過が60分の1だから一日に1440時間勉強出来るわ』
うわぁ、すごいな
『今のアリアのINTなら一度覚えたら一生忘れないでしょうからかなりの量覚えられるわよ』
え?私って完全記憶能力者なの?
『そうよ、IQは3857ぐらいよ』
え?なにその数値?あのアインシュタインでも160〜190って言われているんだよ?
『まぁ、頭が良いに越したことはないでしょ』
……誘拐とかされないよな?
『誘拐の可能性についてはお姫様の時点であるから安心しなさい』
うわ〜い、まったく安心出来な〜い
『というかまさかお姫様に転生するとは思ってなかったのよ、なるべく高い権力を持つ家に転生すれようにはしたけど』
え、アリアがわざとお姫様にしたんじゃなかったの?
『いや、さすがにそこまではしないわよ』
そうだったのか…
「その一ヶ月後まで何処で待てば良い?」
「もうとっくに勇者達の部屋は用意してある、そこで待っていてくれ」
おっ、話が終った、部屋に戻るか
〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜
〜〜〜 私の部屋 〜〜〜
さて、勇者達の部屋を周るか、今の状況について話さないと
そう思いドアノブに手を掛けたとき
「ちょっと待つです」
「え!?あっ、ゆるいたんだ」
「やっぱり忘れられてたです!?」
いや、ごめん、まじで忘れてた
「ごめんごめん、話掛けられないからすっかり居ないのかと」
「ひどいです!」
「いや、本当にごめん」
「許して欲しいなら魔力くれです」
「魔力?」
なんで?
『妖精にとって魔力はご飯なのよ、ちなみに貴方の魔力は格別に美味しいわよ』
え?なんで?
『神の血が混じってるからよ』
え?なんで神の血が?
『貴方の身体は人間の身体と私の血を錬金して創ったからよ』
え?どうゆうこと?
『世の中にいる不老不死の存在は神しかいないのよ、だから神の血を混ぜて不老不死にした』
あぁ、納得
「はい、魔力」
血管に穴が空いているイメージをしてと
あっ、ゆるが指先を甘噛みしてる、かわいい
「この魔力、今まで食べた魔力より格別に美味しいです、なんでです?」
「さぁ?なんででしょうね?」
そうして、ゆるとのほのぼのとした時間を過ごしたのであった