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変貌  作者: もんじろう
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6

 中島が、前のめりになって言った。


 そりゃあ、誰だって相性が悪い、同じ空気を吸いたくない相手が1人や2人は居るだろう。


 私の場合は、それについては、これから改善されていくのだが。


「ああ、居るには居る。現段階だが」


 私の答えに中島は笑顔になった。


「そうだろう、そうだろう。僕にとっては、それがまさに、あの女なのだよ。片時だって、いっしょに居たくないのだ。顔をつき合わせたくないのだ。そして、これもまた、よく出来たもので、僕が思っていることを相手側も思っているのだよ。君もそういう覚えがあるだろう?」


 確かにこちらが相手を嫌っている場合、相手もこちらを嫌っているといのはよくある話だ。


 私は頷いた。


「私とあの女は、そういう関係だった。かと言って、結婚している手前、それらしくは振る舞っていた。だが、2人きりになるとダメだ。これでも最初の頃は…その…何だ…祖父にもきつく言われていた…子供を…授かるために…」


「ああ、分かるよ」


 中島が、しどろもどろで苦しそうにし始めたので、私は助け船を出した。


「そういうことだろ」


「そう、そういうこと…何だ…『夜の』…そう、『夜の営み』ってやつを、僕も何とか頑張ってみた」


 中島は『夜の営み』という言葉を発するとき、ひどく嫌悪感をあらわにした。


「そしたらどうだ、あの女!! 全く動かない、声も出さない、さっきも言ったが、それこそ本物のマネキンみたいなんだよ!」


 中島は羞恥とは違う怒りによって、顔を赤らめた。


「そして、あの人形じみた顔で『あらあなた、そんなものなの』って表情をするのさ。僕はとても我慢できなくなって、寝室から飛び出したよ!」


 私は中島が落ち着くのを待った。

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