13
中島は両手の指を、神に祈るときのように組んだ。
握りすぎて、指の重なった部分が白くなっている。
「そして、昨日の夜に至るまで、ずっとその毎日を繰り返してきたというわけなんだ。僕の妻への愛は、もはや呪いの域にまで到達している。夜の奇怪な現象を彼女に問いただしたい気持ちはあるが、もしもそれで機嫌を損ね、致命的な別れの言葉でも返されようものなら、僕は冗談抜きで死んでしまうと思うのだよ。しかし反面、抑えがたい好奇心と得体の知れない恐怖も存在する。その3つに、僕の心と身体はズタズタに引き裂かれそうになっているのだ。それでとうとう、我慢できなくなって君に連絡し、全てを吐き出してしまいたかったというわけさ」
そう言って中島は黙った。
やれやれ。
彼のあまりに長い…長すぎる告白は、ようやく終わったようだ。
私は残ったコーヒーを飲み干して、ウェイトレスを呼び、コーヒーのおかわりを2杯、私と中島の分を注文した。
上京したばかりなのか、まだ、いささか垢抜けない雰囲気を残したウェイトレスが、それぞれのコーヒーを私たちの前に置いて下がったところで、中島がこう言った。
「で、どう思う?」
中島の両眼は、全てを話し終えた興奮からか、爛々と輝いている。
私が何と答えるのか、待ちきれない様子だった。
「こういう話を聞いたことはないかい?」




